7. 単なる幼馴染み

 サッと打ち合わせをして、万遍の笑みでマナさんが、

「うちらのバンド、れんちゃんの声がよく合ってると思うんだけど…」

 でも、と言って、冷ややかな目で古江ふるえを見る。

「問題は、ソレだよな」

 うんうん。コレ。

「えぇっ?!俺っ?!」

 ずっと膝枕してるんですけど。

「わかった。新たにベース募集しよう」

「ま、待てよ…」

「じゃあ、セクハラするんじゃな…」

 ようやく離れたかと思えば、衣装を目の前で着替えようとするから。

「古江、見飽きた」

「昔とは違うぞ?」

 いや、最近のもバッチリ見た。

「蓮ちゃん、ごめんね…」

「オンナ認識がないんでしょうね、きっと」

 幼馴染みってそういうモノだと思う。

 古江しかいないっていうのもあるけど。そういうモノなんじゃないの?

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