5. すっかり忘れる

「お疲れ様でしたぁ」

 客観的に見て、胸が痛く…じゃないアツくなるような話を作れば、問題ないという結論に至った。

「さてとぉ…」

 ヘッドフォンを外して、古江ふるえからの連続着信が…。

「うわぁ…」

 気持ちワルッ。と思った瞬間、思い出した。と同時に、古江からの着信が入る。

『居留守か?』

「違うよ」

 集中してて、忘れてた…。

『今、学校の前にいるから、すぐ来い』

「了解」

 ネタ帳をカバンにしまい込み、部室に鍵をかけて、それなりに走る。

浅木あさきさん、廊下は…」

 担任とすれ違った気がする。

「浅木、ちょっと…」

 クラスメイトとすれ違った気がする。

 ごめんなさい。

 今は、行かねばならぬところがあるっ!!

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