第67話 ルンバさんさようなら
娘が生まれた年である2012年、ひょんなことからお掃除ロボットのルンバを譲り受けました。モデルは、その年にリリースされたルンバ620。
赤ん坊が生まれたばかりで睡眠不足だった私たち夫婦にとって、ドラえもんの道具のような魔法のアイテムでした。
さっきネットで調べてみたら、ルンバの最初のモデルは、2002年にリリースされてたんですね。もう20年以上前です。2012年の当時、まわりで持ってる人がいなかったので、すごい先取りしてた気分だったんですけどね〜。
ややあって、2016年〜2017年の一年ちょっとの間に、ロンドン→東京→ロンドン→東京→メルボルンと国をまたいで四回引っ越しをしたのですが、その時もルンバは家族の一員のようについてきました。
前のエッセイにも書きましたが、このルンバさん、あんまり頭はよろしくないんですよ。愚直に、真っ直ぐ進んではゴーン、角度を変えてはゴーン、と方々に頭をぶつけながら、同じところを何回も行ったり来たりしながら、少しずつ部屋をきれいにしてくれてました。
ぶつかっても、ぶつかっても、諦めないひたむきな姿勢。電池が切れるまでひたすらに突き進む姿。充電器までたどり着けなくて、必ず部屋の真ん中で動かなくなってるボディ。
スマートとは程遠いやり方でしたが、根性一点で、私や夫が掃除機かけるよりも丁寧な仕事してくれてました。
そんなルンバに愛着がわき、気がつけば、「ルンバ、がんばれ」「ルンバありがとう」と激励や労いの言葉をかけている私たち。
ルンバと出会ってから早11年、だんだん老化してちょこちょこ不具合が見られるようになっていく一方で、新しいモデルはどんどん賢くなっていきました。それでも、我が家のルンバが一番かわいかったのです。
そんなルンバが、先日とうとう動かなくなりました。
ということで、買い替えました(あっさり)。最初のルンバは棚ぼたでもらえたので、知らなかったのですが、ルンバってお高いんですね……。
最新モデルは手が出ない値段だったので、2018年リリースの型落ち品(ルンバi3)のさらにリファービッシュ品(製造会社に返品された商品を整備して再販売したもの)を買いました。
それでも庶民にはけっこうな出費でしたが、最新モデルの三分の一以下の値段で、一年保証が付いて大満足です。
新しいルンバさん、5年前のモデルなのにも関わらず、本体のデザインからすでにスマート。前のルンバと比べてスリムで色もかっこいい。
スマホのアプリを使ってコントロールできますし、ちゃんと掃除するエリアをマッピングしてから掃除するので、端から端まで無駄なく移動していきます。
前のルンバをまだ処分してなくて、リビングの片隅に放置してるのですが、新しいルンバと見比べると、なんとも野暮ったくてヨレヨレです。
なんだか人生の縮図でも見ているような……。哀愁が漂ってます。
前のルンバさんを処分する前に、慰労・送別会をしようと家族で思案中です。
追記:ちょっと宣伝。新作「食堂『まどか』のふつうのご飯」を、今日から連載開始しました。連作短編の一作目で、一話二千字ほど、全十話で完結です。毎日夕方五字に一話づつ公開していきます。
一作目の主人公は35歳の未婚女性。35歳って、未婚でも既婚でも、子持ちでも子ナシでも、いろいろと悩み多き時期だなと思います。
それぞれの立場で違った葛藤がありますし、立場の違う者同士の間に軋轢や距離が生まれたりね。フフ。私好みな人間ドラマの宝庫な年齢です、35歳。
30オーバーの女性には共感してもらいやすい物語になったんじゃないかなと思うのですが(自分で言う)、30歳以下の方や男性がどう感じられるのかも気になります。
ってことで、老若男女問わず、のぞいてみてください〜。よかったら感想お聞かせください♡
https://kakuyomu.jp/works/16817330657517850145
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