第51話 ダイエットはしてはいけない?

 年末で三キロほど太り、年始にダイエットを決意する、というセットを、ここ十年以上くり返してます。今年もまったく同じです。学習しろよ、と自分でも思います。


 ある統計によると、「○○キロ痩せる」というのは、人間が一番よく立てる目標の一つだそうです。


 さらに、ある心理学の研究では、「体重の減量は幸福に貢献しない」という結果が出たと聞きました。ダイエットは、行為そのものがストレスになるし、失敗したらさらにストレスだし、成功しても大して幸福感を得ないんだそうな。


 私は個人的には目標体重に達したら嬉しいですけどね。でも、体重って日々上下するものなので、数字で一喜一憂するのは、確かにあんまりメンタルに良くなさそうです。


 その研究によると、「幸福に貢献する目標」というのは「エクササイズ」「社交」「善行」の三つにカテゴライズできるそうです。


 幸福度を測る統計で、幸福度が高い結果が出た人たちの目標や行動を調べたところ、幸福を感じている人は、よく体を動かし、人づきあいがよく、他人の役に立つことを積極的にする人なんだとか。


 言い換えると、幸せホルモンが最も分泌されやすいのは、運動をしたとき、人と交流したとき(特に好きな人とじゃなくても効果あり)、感謝されたとき、がトップスリーだそうです。


「十キロマラソンに出る」「近所のクラブに参加する」「一日一善」みたいな目標のほうが、「○○キロ痩せる」よりも幸福感の向上につながりやすく、抱負としてふさわしいということでした。


 もう数ヶ月前になりますが、「今年の抱負」がテーマのポッドキャストで聞いた小話です。


 今日、季節外れに、なんでこんなことを書いているかと言いますとね、元日に「三ヶ月で三キロ痩せる」と立てた目標が、達成できなかったからであります。


 私は普段からそこそこ運動しているので、痩せたいときは、カロリー計算して食事制限するんです。が! 食事のカロリーを計算し始めると、私は必ず人生が嫌になります。


 今年はカロリー計算しないでダイエットしよう、と思って14時間断食を始めました。一日24時間の間で、カロリーのあるものを口にする時間を制限するというもので、私の場合は、夜八時〜朝十時までは食べないことにしています。(飲み会の時などは例外)


 オーストラリアで流行ってるみたいで、身近な人が何人かやってるんですよね。胃腸が休めて健康にもいいとかって言われてます。確かに、始めてから胃腸の調子がいいです。


 カロリー計算よりもはるかにストレスフリーで、最初は体重も落ちていたので、よっしゃー、と思っていたのですが、最後の一キロが落ちなくて、ここ二ヶ月くらい低迷してます。


 がんばって摂生した翌日に、逆に体重が増えてたりすると、体重計をちゃぶ台に乗っけてひっくり返してやりたくなります。


 私が一キロ痩せようが太ろうが、まわりは絶対に気づかないし、誰かが得するわけでもないし、私の幸福にも貢献しないのに、私はなぜこんな不毛なことをやっているんでしょう〜。


 ダイエット大嫌いなのに、気がつけば万年ダイエッターっていう不合理。自分のことなのに、不思議な心理です。「不平不満を言うのが趣味」みたいな人がいますが、同じ種類のどうしようもなさを感じます。


↑なんてことを思うのも、毎年恒例だな、と思ったのでした。ダイエットのことをエッセイに書くのも何度目かしら。(本当に学習してない……)


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