第31話 メルボルンの食べ物はおいしいの巻

 先週は、エッセイのネタを提供してくださりありがとうございます! これからランダムに取り上げさせていただければと思います〜。


 無雲さまから「オーストラリアの料理について知りたい」というリクエストをいただいたので、今回はオーストラリアの食べ物に関してつらつらと書かせていただきます。


「オーストラリア料理」というと、オーストラリア人も「なにかなァ……」って首をひねるくらい、ぼんやりしております。というのも、移民が多い国なので、いろ〜んな国の食べ物が食べられますし、多国籍な食べ物が多いんです。


 オーストラリア大陸にもともと住んでいた、アボリジナルやトレス海峡諸島の人たちの元々の食文化はあるのですが、そういった料理を扱うお店の数は少ないです。


 イギリスが植民地化した歴史的な背景もあり、当時のイギリス人と一緒にやってきた食文化が、一般的にイメージされる「オーストラリア料理」のベースかもしれません。


 オーストラリア全土の食文化を把握しているわけではないので、ピンポイントでメルボルンの食文化をお話ししようかと思います。


 メルボルン、むちゃくちゃご飯がおいしい街です。そして、食文化と移民の文化が切り離せない街でもあります。植民地時代を経て、イギリスやアイルランドの食文化がベースにあったところへ、ゴールドラッシュで中国、ドイツ、アメリカからの移民があり、第二次世界大戦後に地中海や中東、アフリカからの移民があり、ベトナム戦争後にベトナムから移民があり、その後インドや東南アジアからの移民がありました。


 それぞれの移民が自然と同じ地域に住むので、メルボルンでは中華街は元より、ベトナム人街、イタリア人街、ギリシャ人街、インド人街、などなど、いろんな国の特徴の色濃い地域が多くあります。さらに、それぞれの地域が、年代によって住む民族が変わっていったりするので、「元・イタリア人街だったけど、アジア系も中東系も混ざってって、今やカオス」みたいな地域も多いです。


 ちなみに、私が住む地域も、地中海と、中東と、ヨーロッパと、アジアと、アングロサクソンな食文化が混在しています。それぞれ、その国出身の人が始めたビジネスだったりするので、本場の味が楽しめます。日本でもいろんな国のご飯が楽しめますが、メルボルンのほうが本場度は高いと思います(客層がその国出身の人たちなので……)。


 そんな背景もあり、メルボルンならではの食文化として、「フュージョン」ってやつがあげられます。まあ、結局は多国籍料理ってことになるのですかねぇ。例えば、和食にインスピレーションを受けたフレンチとか、地中海と中華の組み合わせとか、イギリスとイタリアンの融合とか。


 グローバル化が進んでいる今、「フュージョン」というのは、多かれ少なかれ、どこでもあることなんだと思うのですが、メルボルンは特においしい、珍しい、多国籍料理のお店が豊富にあると思います。


「フュージョン」は、ちょっとお値段の高い、おしゃれなレストランでよく見られますが、「フュージョン」なんて言われる前から、いろいろ混ざった料理はありました。


 例えば、「チキン・パルメジャーナ」という料理。メルボルンのパブに行くと必ずあります。チキンカツの上にハム、その上にナポリソース、その上にとろけるチーズが乗った料理で、それだけでもボリューミーでカロリー高いのに、だいたいフライドポテトが付いてきます。罪深いおいしさです。


 Wikipediaによると、アメリカ合衆国のイタリア移民が発明したらしいので、実はオーストラリア料理じゃなかった……。でも、メルボルンのどこのパブに行ってもあります。


 それから、メルボルンはエスプレッソ系のコーヒーがおいしい街です。こちらは、イタリア移民が始めて、メルボルンで独特の進化を遂げたもの。カフェラテもカプチーノもありますが、それに加えて、フラット・ホワイト(エスプレッソ+牛乳ですが、カフェラテやカプチーノと違って、ミルクを泡だてないもの)やロングブラック(お湯の多めなエスプレッソ)があります。


 メルボルン民はみんなコーヒーにこだわりがあるので、どこに行っても大抵おいしいですし、「メルボルンで育ったイタリア二世が、イタリアに行ってコーヒーがおいしくなくてがっかりした」なんてエピソードや、「ロンドンで有名なコーヒー屋さんの経営者がオーストラリア出身だった」みたいなエピソードを聞いたりします。


 バーベキューもオーストラリアの風物詩みたいな感じですね〜。大抵、バーベキュー用の大きなグリラー(こんなやつhttps://www.barbequesgalore.com.au/)が一家に一台あって、夏になると、なにかとバーベキューやります。バーベキューは、なぜか男の料理と決まっていて、子どものいる家庭だったら、パパが腕をふるいます。オーストラリアの男たるもの、自分ちのバーベキューを使いこなせねば、みたいなプライドがあってウケます。


「みなさん、肉とアルコールは持参してくださいね。こっちはサラダとパンを用意しますんで」みたいなスタイルが定番です。ホスト側もある程度、肉とお酒を用意するんですけど、プラスで持ち寄りみたいな感じです。


 クリスマスの時期には、パブロバというデザートが人気です。大きなメレンゲの上にクリームを塗り、その上にパッションフルーツやイチゴなどの季節のフルーツを載せます。


 フルーツといえば、今の時期、マンゴーが旬です。一個二百円くらいで買えて、ジューシーで甘くて最高です。手に持った時、くたーっと身を委ねてくる感じがします。「食べていいのよ♡」みたいな。


 これからの季節、ストーンフルーツがおいしくなります。ストーンフルーツとは、果実の中に石みたいに固くて大きな種が入っているものの総称です。例えば、アボカド、マンゴー、桃、ネクタリン、プラムなど。桃が一キロ四百円切ったりして、おいしいんです〜。


 オーストラリアやイギリス、アメリカでは、果物は基本、剥いたり切ったりせずに丸かじりです。なので、日本で売っているものよりも小ぶりのものが多いです。桃もリンゴもテニスボールくらいの大きさです。


 桃の皮って産毛みたいなのが生えてるじゃないですか。それなのに、気にせず皮ごとかぷりと食べるのが主流です。梨や柿も皮のまま食べます。なんと、キウイまで皮ごと食べる人もいるそうで、「それはちょっと……」と思っていた矢先、息子がおいしそうに皮ごと丸かじりしてる姿を目撃しました。うぎゃあ。


「皮、固くて毛がゴワゴワしてまずくない?」と聞いたら「ううん。酸っぱくておいしい!」と返されました。本当かよ。怖くてまだ試してないです。


 うわー、知らないうちに長くなってしまいました。今回、時間がなくて、ギリギリに書いて、そのまま公開してます。長い駄文でごめんなさい。


追記:ジューシーなマンゴーと聞いて、なんだか卑猥だわぁって思うのって、心が汚れてますかね(笑)

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