第30話 気がつくと、すごく時間が経っている話

 昨日は娘の十歳の誕生日でした。妊娠したのが昨日のことのようなのに、信じられないです〜。


 家族でお出かけしたので、娘がお気に入りのワンピースを着てました。

「おじいちゃんに去年の誕生日にもらったやつだね」と言ったら

「違うよ、二年前だよ」と。

 そういえば、もらったときは大きめで、私が丈を詰めたのですが、今では詰めをほどいても少し短め。うげえ。あれから二年も経ったの?

 あのときは八歳だったので、まだまだお子様な感じでしたが、今はすっかりお姉さんな娘。スポーツブラとかつけるようになったし。うぎゃー。


 私も少しはおしゃれしようと化粧をしてたら、娘が「お母さん、これシャネル? お金持ちみた〜い」と。

 シャネルなんて、よくブランド知ってたなと驚いたのですが、ファンデーションの話です。昔、知り合いのメーキャップ・アーティストさんにおすすめのファンデーションを聞いたら、シャネルだったので、それ以来ファンデだけシャネルです。


「高いでしょ?」と娘。

 ああ、高いさ。こ〜んなに小さなプラスチックの箱に入った絵の具みたいな液体が、八千円ちょいするなんて、アホか、って思いますよ。でも、「一回にちょっとしか要らないから、半年以上はもちますよ(メーキャップ・アーティスト談)」って言われて、買いました。


 ふと気づいたんですよ。そのファンデ買ったの、もしかしてパンデミック前かも。ロックダウンの前にデパートで買ったもん。ってことは、二年半以上もってるってこと? まだ半分くらい残ってるから、五年以上いけるかも? パンデミック以来、化粧する頻度がグッと減りましたからね……。これってコスパ良いって言っていいんでしょうかね。


 私のようなずぼらな中年の化粧品ポーチの中身って、本人が引くくらいの年季物があるんですよ。グロスは五年ものだったし、チークにいたっては十年経ってました。どっちもお気に入りなので、こうなったら最後の一滴・一粒まで使い続ける所存です。十年もののチーク、全く減ってる気配がないんですけど、使い切る頃には、私は八十歳になってるかもしれません。


 こんなに古い化粧品って使っていいのかな……。化粧品会社の人に聞いたら、「ダメ、絶対!」て言われそうです。


 化粧品だけじゃなくて、お気に入りが実は年季物だったってこと、ないですか? 「お、今年の芥川賞だ」と衝動買いした「コンビニ人間」は2016年出版なので六年前。夫とデートで観た「エターナルサンシャイン」という映画、今でも大好きなんですけど、公開2004年ってことは、十八年前! うぎゃー。


 こういうの、年齢を重ねていくほど増えていくのでしょうねぇ。


追記:このエッセイのネタ募集します。オーストラリアのこと、国際結婚について、女心の謎、ユダヤ人事情、執筆関係、なんでもいいです。私に聞きたいことがある方(っていないかもですけど)、もしよろしければ。ネタにするかどうかは保証できませんが……。

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