カクヨム探検記

第4話 いい嘘つきは、大人だ

　真面目で熱い創作論が続いたので、今日は小ネタです。

　ちゃんと自覚してる欠点でも、他人に指摘されるとヘコみませんか？　例えば、「最近ちょっと太ったな〜」って思ってるときに「太ったね」なんて他人から言われると、むちゃくちゃヘコみます。メルボルンでは、「太ったね」的なコメントは完全にアウトなので、久しく言われてないですけど。

　体重計に乗って、測定値が増加していて、物的証拠があるにも関わらず「私、最近太ったように見える？」とつい夫に聞いてしまうことがあります。「太ったけど、他人が見たらあまり気づかない範囲よね？」という希望のこもった質問です。おそらく、「小じわが増えたと思わない？」や「後頭部がヤバくなってきたかな？」も同じような質問かなと思います。

「私、最近太ったように見える？」って自分から聞いといて、正直に「うん、見える」って言われると、ヘコむと思います。（夫からは言われたことないのですが、その理由は後述します）

　自分で聞いといて、正直に答えてもらったらヘコむって、非常に理不尽だなと自分でも思いますよ？　でも、けっこうみんなそうじゃないです？　正直な答えを求めてない質問を、そもそもするのが間違ってるんでしょうね。って私のことだよ！

　なので、他の人が私に同じ質問をしたら、「えー？　ぜんぜんそんなことないよ」って、嘘をつきます。ここで正直に「うん、見えるよ。ダイエットしな」って言ってくれる人がいたら、その人は貴重ですね。後頭部の件も「だいぶきてますね。剃っちゃった方がかっこいいですよ」って言ってくれる美容師さんは貴重です。

ってな話を夫にしたら。

「男はね、女性に『私、最近太ったように見える？』と聞かれたら、ぜーっっっっっったいに肯定したらダメなんだよ」と真顔で言われました。

　女性の容姿に関してコメントするときは、ものすごく気を使うそうな。否定的なコメントはもちろん、逆に、イベントなどでドレスを着た同僚に「うわ、今日はきれいだね！」なんて褒め言葉を言うのもセクハラになるのでアウト。

　何も言わないのが一番なんだけど、うっかりコメントを求められたら無難なことを言うしかないと。「正解」のコメントがなにか、すごく真剣に考えるそうです。間違えると大変なことになるので。

　例えば、妻が着飾って「今日の私、どうよ？」と聞いてきたら「かわいいね」の一択しか回答が許されないらしいです。

　そういえば、若い頃は「イヤリングが微妙」とか「靴とワンピースと合ってない」とか、ダメ出しされてた記憶があるのに、判で押したように「かわいいね」しか言わなくなって久しいな……。

　自分で「どうよ？」って聞いといて、ダメ出しされたら、「えー！」ってぶうぶう文句を言いながら、全身着替えたりして、約束の時間に遅れたりしてたからかな（笑）。

　女心のわからない鈍チンだと思ってたけど、いろいろちゃんと気い使ってたんだな〜。男っていろいろ大変だな、って思ったのでした。