カイジュ―

 僕の友達は怪獣なんだ。なぜって、彼は火を吐くし、建物も壊すんだ。身体もごつごつとしていて、とてもたくましい。彼が怪獣じゃないのだとしたら、誰が怪獣だと言えるのだろう。

 彼は自分が怪獣だという事を誇っているんだ。

 ある日、その友達がヒーローに倒された。あっけなく木っ端微塵になって、死んでしまった。

 僕は泣いた。僕だけが泣いていた。散々泣いた後、仕方のないことだと思った。

 僕は泣いて泣いて泣き崩れて、公園で思わず叫んだ。

「どうして」

 でもその後に言葉は続かなかった。

 家に帰ってご飯を食べて、歯磨きをした。鏡を見ながら、僕は言った。

「まあ、テレビの話だから、実際に死んだわけではないよな」

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