オマージュ

「おい」

「おい」

「おい」

「おい」

「真似するな」

「真似するな」

「パクリなのはそっちだろう」

「パクリなのはそっちだろう」

 研究生が教授に話しかけた。

「教授、どうしましょう。人工知能同士が、どちらがオリジナルな存在なのか、喧嘩をしています」

「やつらもやがて気付くさ。自分たちが人間のオマージュだってことに」

「われわれ人間が、神のオマージュであるように、ですか」

 人工知能は喧嘩を続ける。

「おい、俺の方が先にやっていたんだからな」

「おい、俺の方が先にやっていたんだからな」

「真似するな」

「真似するな」

 教授と研究生は、そのやりとりにうんざりし、研究室をあとにした。

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