徐々に植物へと変容しつつある『先輩』と、その世話を焼く主人公のお話。
綺麗な文章にため息が出ます。
節回しが自然で、とても読みやすいためすいすい飲み込めてしまう。
描かれている情景そのものは不思議な、どこか耽美さを感じさせるファンタジー要素があるのに、それを綴った文章になんらの余計な力みや衒いがなく、とにかく読んでいて気持ちいい。
たまんない文章でした。もう本当に好き。
2,500文字の小品ということもあり、物語そのものはごく断片的なものです。
ただ、いずれ確実に訪れる〝その先〟を予感させる、その手触りが寂しくも心地よい作品でした。