ジンパパ感想20-T-01 私、義妹の身代わりに殺戮の王子に嫁いだら重宝だと溺愛される日々になりました

20-T-01 私、義妹の身代わりに殺戮の王子に嫁いだら重宝だと溺愛される日々になりました

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の感想を書かせていただきました。

#ジンパパ感想

#ジンパパ感想20

#書き出し祭り

#書き出し祭り20


 大変遅くなりました。

 作品の世界観(和風ファンタジー)を演出する小道具の使い方が上手いですね。

 主人公は、良い噂を聞かない王子の元へ義妹の代わりに嫁がされる吹雪ふぶきと、その渦中の王子。吹雪の元ネタは不明(恐らく作者さまの創作)ですが、王子の方は、景行天皇の息子の一人、蔦城つたぎ忍命しのぶのみこととあり、恐らく、忍之別皇子おしのわけのおうじ(押別命とも)のことでしょう。

 兄に、有名な日本武尊やまとたけるのみことがいます。彼が熊襲建兄弟の討伐において女装して敵を油断させ、討ち取った話は有名ですが、弟の忍命しのぶのみことも巧みな女装術を披露します。

 物語世界の演出に一役買っているのが、吹雪の使う巫女術と忍命の使う神の御業。「巫女術」というキーワードも、恐らく作者さまの創作(違ったらごめんなさい)ですが、良いネーミングですね。

 この「巫女術」が、最初の難関、「殺戮の王子」と仇名される忍命の脅威から救ってくれます。嫁入りした娘を一晩の戯れの後に殺すというのは周囲の誤解と憶測と尾ひれによるもので、実際は初夜の床で王子が戯れに女装してみせた姿が余りにも神々しくて、いたたまれず、物おじしてしまう姿に愛想をつかし、下女に貶めてしまっているのでしょう。かなり横暴で、吹雪を振り回して物語を動かしてくれそうな強キャラです。

 しかし、吹雪も負けてはいません。女装した忍命のあまりの可愛らしさに我を忘れ、衝動的に抱きしめてしまいます。本当のことろ、彼女の窮地を救ったのはこの行動なのでしょうが、なかなかどうして、主人公としての器をお持ちです(笑)

 二人とも、独創的でありながら、魅力的で、良いキャラだと思います。作品へ惹き込んでいくだけの魅力を十分にもったキャラクター造形です。いやぁ、素敵です。


 ただし(ここからは私が個人的に感じたマイナス点です。あくまで個人の感想ですので、そんな感じ方もあるんだなーと受け流してください)、あらすじを併せ読むに、なにやら忍命は正に戦さを控えていて、その戦に勝った暁には、更なる難題が課される模様。

 戦に勝つにも決め手を求めていて、それがちょうど吹雪との出会いが転機になること、朝廷から難題を課される(それを唯々として受けねばならない)、つまり勢力関係とかシガラミとか、王子をもってしてもどうにもならない複雑な背景がありそうなことが伺えるのですが、王子が余りにも強キャラ然とした雰囲気をまとっているために、彼がピンチに陥っている(それを吹雪の力を借りて切り抜ける)という構図に結びつかないのです。

 その辺は二話以降をまってくれよ、って感じですよね。ただ、その片鱗を感じさせる一瞬の弱気なんかも伺えたら尚良かったな、と思いました。

 あと(まだあるんかい、って感じでごめんなさい)、タイトル。和風ファンタジー縛りの特別会場にあっては違和感ないのですが、そうした縛りの無い中では、このタイトルだけでは、むしろ洋風ファンタジーのようにも見えてしまいます。ここはタイトルでもしっかり和風ファンタジー感出していった方が良いかなと思いました。(王子を皇子とするだけでも、だいぶ印象変わるかもしれないです)

 でも、そんな些末な個人的な指摘は無視しちゃってくださって構いません。好き放題すみません。


 あと、後出しジャンケンにしかならないので、あれですが、こちらの作品、私がよく作者当てちゃうあの方のような気がしています。(違っていたらごめんなさい!)


読ませていただき、感想依頼くださって、ありがとうございました。

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