ジンパパ感想20-3-19 オソガル少年の嫁取り物語 ~乳のデカい女をもとめて~

20-3-19 オソガル少年の嫁取り物語 ~乳のデカい女をもとめて~

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の感想を書かせていただきました。

#ジンパパ感想

#ジンパパ感想20

#書き出し祭り

#書き出し祭り20


 独特な言い回しやリズムが心地よい、ちょっと癖になる文章ですね。地の文が語り部による語りのような感じになっていて、そこも興味深いです。語り部を置くと、多少メタな説明文であっても、不思議な安心感が得られて、違和感を覚えず読み進められるとの気付きを得ました。

 それでいて。(それでいて、ですよ!)登場キャラの奔放さ(笑)。


  西瓜のような乳のデカい女を妻とするため、幼い少年は旅に出る。


 あけすけで、ド直球なよこしまな感情が動機になっているのが実に面白いです。


 「今から鍛えればわしを倒せる男になる。あと、顔が好みだ。都合がいい。だからわしの元で面倒を見る。あと、顔が好みだ。」


 二度言った(笑)

 主人公のそれは、素直に師匠の教えに従っているだけで、よこしまなのは師匠の方ってのがまた面白いですね。この台詞を女性に言わせてることで、女性読者の厭気を上手くいなしてますね。これもなかなかのテクニック。


 それにしても、不思議な世界観の作品です。文明の発達レベルは然程高くなさそうなものの、コミュニティを形成すること(そして、そこで結婚し、子をなすこと)を求め、求められる「里」。一方で、武神の寵愛(呪い)を受け、数百年に渡って若さを保つ師匠がいる。勝手な連想ですが、白土三平の『サバンナ』をイメージしながら読ませていただきました。(似てるとか、そういう事ではないです。単なる連想です)


 ところで。本作は、主人公と師匠、どちらに肩入れしつつ読むべきなのか。そこが迷いどころです。


 あらすじも


  おね×ショタ好きに贈る物語。


 と、いずれ、主人公と師匠が結ばれることを暗示しているようでいて、


  少年よ立ち上がれ。師匠の呪縛を断ち切れ!


 と謳っています。一見すると矛盾しているように思えます。(結ばれるのか、結ばれないのか、どっちなんだい!)

 ただ、こちらの作品の作者様が、もし私の予想通りの方なら、そんな事は重々承知のはず。

 ということは、師匠の呪縛を断ち切らんと彼なりに行動するものの、思惑通りには事が運ばないのでしょう。そして、打ちひしがれてしまう主人公に、安堵と憐憫を感じつつ、寄り添う師匠って感じなんでしょう。


 だとすると、隣国の武闘会で優勝し、巨乳のお姫様と結ばれる未来は来ないですね。だって、チラシに描かれているだけですもん。

 盛りに盛ったチラシの描写に比べ、実際はかなり控え目なのかもしれません。

 チラシ通りに「乳の上に頭がある」ような女性ではあったものの、決勝戦の相手が実はこの女性で、しかも主人公が負けてしまうのかもしれません。

 そもそも、景品だというのが主人公の思い込みって可能性もあります。


 そして、主人公の旅は続いていく。冴羽獠が香の下に帰ってくるものの毎度もっこりハンマーを喰らうように。諸星あたるがラムの下に帰ってくるものの毎度電撃を喰らうように。乳のデカい女を求めてさすらう弟子を「まぁ、気に病むな。ここにほら(求める物ならあるだろう)」と迎えいれ、大団円かと思わせて、「師匠、僕は諦めません! 師匠のお陰で元気出ました!」と、残念な決意を硬め次回へ続く(ハンマーや電撃を喰らうのは師匠の方)。そんな感じで延々と楽しく続くお話なのかな、って思いました。


 ただ、この表面的に捉えると矛盾に思える部分。深読みしないと矛盾じゃないと気付けないのはややマイナスかもなーって思いました。

 面白かったです。読ませていただき、感想依頼くださって、ありがとうございました。

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