ジンパパ感想20-2-15 小学四年の少年少女、二人で一か月一万円生活
20-2-15 小学四年の少年少女、二人で一か月一万円生活
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の感想を書かせていただきました。
#ジンパパ感想
#ジンパパ感想20
#書き出し祭り
#書き出し祭り20
小学生カップル、良いですねぇ~。吊り橋効果で仲良くなっていく様を暖かく見守りたくなります。
それにしても。とんでもねぇ親だ(笑)
ネグレクト。育児放棄。天然だろうが、お花畑だろうが、小学四年生の我が子に一か月一人五千円の生活を課し、子どもだけで放置するなんて、犯罪以外の何物でもないですよ。
でも。なんとも絶妙なラインを攻めた設定だなと脱帽なんです。
まず、本作は「小学生二人が一か月一万円での生活を余儀なくされたら面白いんじゃない?」ってところがアイデアの発端だと思います。では、そのような状況をどうやって作るか。親と死別したんじゃ重すぎる上、福祉関係(←ざっくりとしてますが、これがジンパパのこの方面の知識の限界)が放ってはおかないでしょう。子どもを見捨てて家を出ていってしまったとしたのでは、「なんとか頑張って一か月だけ耐えればよい」という出口が設定できず、これも本作の狙う作品の明るいテイストを曇らせてしまう。
「顔はいいけど他は全部ダメ」な少年の父。そんな父を伴侶に選んでしまうチョロい少女の母。そんなちゃらんぽらんな夫婦だからこそ(そして父子、母娘どちらも親子の関係は良好だからこそ)、ぎりぎり成立する設定。そんな二人が一か月だけ留守にして、また帰ってくる。それまでに生活基盤を揺るがす変化なく、プライドが傷つくようなこともなく、なんとか乗り切りたい。絶妙なラインを攻めた設定だと感じる由縁です。
さて。ちゃらんぽらんな夫婦(と、いじわるな作者さまw)に、「一か月一万円での生活」を課されてしまった二人。単純に一万円を二人で割って、三十日で割って、三食分で割ると……一食あたり、五十五円。作中に出てきた業マーのうどん一玉で四十円。毎日毎食、うどんをだけを食べたなら、なんとか……。でも絶対、沙菜ちゃんが許さない。
どんなに業マーの商品が安くても、これは厳しい(というか無理)。少年の家には食料の備蓄は無いけれど、少女の家には多少あるかもしれない。それでもまだ厳しい。
その上、あらすじによると、お誕生会、子供同士の色んなお付き合い等々、出費を強いられるイベントが立ちはだかる模様(なんとなく、どれも沙菜ちゃんのイベントっぽいですね。めがねくん、頑張って叶えてあげてね!)。
これはもう、節約だけではなんともならないですね。となると、自分たちで稼ぐしかない。安売り情報をスマホで集めるとも言ってるので、自分たち用のスマホは持っているのでしょう。今どきは小学四年生で自分用のスマホを持っているんですね。時代だなぁ。そのスマホを生かしたとして、彼らにできるビジネスってなんでしょうね。
ネットオークションを利用してみるも、上手くいかないなんてエピソードもあったりするかもしれませんね。小学四年で市場価値のあるものなんて、そうそう持ってないでしょうし、少年が泣く泣く手放したレアなトレーディングカードも、せいぜい一食分ぐらいにしかならず、少女は自分の宝物を出品することに猛反対しそうです。
となると、動画配信とか。それこそ、
「小四が二人で一か月一万円生活やってみた」
って感じの顔出しなしの動画生配信なら、バズればそれなりに稼ぎになりそうです。なんなら、「可愛い」「健気」「応援したい」と投げ銭が集まるかもしれない。
そして、ちゃらんぽらんな夫婦。実は、息子と娘を仲良くさせ、新しい家族として一丸となるための作戦だったんじゃないかな、って気がします。なぜなら、沙菜ちゃんのお母さんも五千円しか残しておらず、示し合わせたように、きっちり同額ってところに意思を感じるから。
悪戦苦闘を重ね、吊り橋効果で仲がよくなったところへ、一か月と言わず戻ってくるつもりで見守っている。そんな気がします。
ただ、本当に一か月を二人で乗り切ってしまうとは想定外。
「新婚旅行のお土産は?」
「えっ……と」
「あはは、忘れちゃった」
みたいな台詞まで見えるような気がします。
……しまった。またしても、妄想が暴走してる。
さてさて、これから二人でどんな風にこの難局を乗り越えていくのか。はたまた、まだ見えないけれど、どんな困難が二人を待ち受けることになるのか。
とても続きが気になる素敵な書き出しでした。読ませていただき、感想依頼くださって、ありがとうございました。
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