ジンパパ感想15-1-10 ずっと高校生でいいと思っている俺が、パパと呼ばれることになった件について

15-1-10 ずっと高校生でいいと思っている俺が、パパと呼ばれることになった件について

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 あらすじで受けたインパクトそのままの作品でとても楽しかったです。あらすじから受けた印象と違っていたのは、小春ちゃんが見た目通りの小学生ではなくて、見た目は小学生なのに、主人公の一つ下、高校2年生だったってところでしょうか。同じ高校に通う一歳差の親子! なんちゅうえぐい設定を思いつくんでしょう。18歳から成年となるタイムリーな話題に重ね、そこからこんな設定を思いつく作者さんに脱帽。というか、悔しい。上手い。やられました。


 まず、バブみごっこのインパクトについて。これがあるのとないのとでは、物語序盤の立ち上がりでのインパクトが全然違ってくるので、いささか乱暴ですが、間違いなく効果的だと思います。これが単に、幼馴染の千秋と自分の部屋でゲームをしてただとか、宿題をやってただとかだったら……と考えてみると、その効果のほどがわかります。

 ただ、それによって女性の扱いがちょっと「男にとって都合が良い」女性像な点で、女性からは引かれそう(あくまで私の個人的な見解)な気もしないではないですが、明らかに男性がターゲットと思われる作品ですし、男性受けは問題ない気がしますので、ターゲットを外さず振り切っているってことで良いのではないかと思います。


 そんなバブみごっこにうつつを抜かす主人公。それを受け入れる幼馴染で同級生の千秋。そして、いきなり現れて親代わりをしろと強要してきた(見た目が小学生の)小春。この三人の間で、ドッタンバッタンと大騒ぎなラブコメが始まるんでしょうね。


 いわゆる非日常的な状況の日常系ドタバタもの。キャラ設定と状況設定が命とも言えるこのジャンルにおいて、この作品は十分に個性的だと思います。なので、面白い。


 強いて言えば、皆が皆、個性的すぎて「突っ込み担当」が不在なところでしょうか。たとえば、『めぞん一刻』(例が古くてすみません)のように、枠から外れた個性的なキャラクターが生きるには、五代のような「突っ込み担当」がいてこそ。その点、この作品の場合には、全員が個性的なので、専任の突っ込み担当ではなく、それぞれが、それぞれの奇行に突っ込むような、そんな「突っ込みの三角関係」になるのでしょう。


 恋愛の三角関係 × 突っ込みの三角関係 = 超面白い関係


ってことになりそうですね。

 設定にばかり目を向けてしまいましたが、台詞の掛け合いも軽妙で、とても楽しめました。面白かったです。感想依頼ありがとうございました。



※蛇足ながら。小春ちゃん。るびの振られた最初に名前が出てくるところだけ、心春になってます。

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