第4話 装備回収
「それにしても艦長。幼女になってからと言うもの、やりたい放題ですね」
私は平野副長に抱きかかえられながら、その豊満な胸をもみもみして柔らかさを堪能していた。
「んー、これか? このおっぱいもみもみは決していやらしい意味でのおっぱいもみもみではないぞ。平野。これはあれだ、美少女のおっぱいを子猫が肉球でふみふみするような、純粋に柔らかさを楽しんでいるだけだ。幼女の純粋な好奇心だよ」
「はぁ……このままお尻をひっぱたこうかと思いましたが、わたしのことを美少女に例えた点は評価してギリセーフとします」
「おっし! やったぜ!」
私はガッツポーズを決めた。
「奥様へはちゃんとご報告させていただきますが」
「ごめんなちゃい」
私は心底震えた。もし私の所業が元帝国陸軍の鬼曹長であった妻に知られたら、帝国陸軍ビンタ程度ではすむまい。
噂によると達人の帝国陸軍ビンタというのは駆逐艦を沈めることができるというからな。
かつて
ちなみに帝国軍上の階級においては海軍大佐である私は陸軍曹長であった妻より高い地位にあるのだが、家庭内での階級は
ちなみにうちで飼っている柴犬のペコちゃんより下だ。
というかペコちゃんのことを飼い犬とか言おうものなら娘が一週間は口をきいてくれないだろう。
「ほんとすみませんでした」
その日、私はもう平野のおっぱいをもみもみすることはなかった。
~ ミーティング ~
士官室には艦長以下、副長、砲雷長、船務長、航海長、飛行長、機関長、補給長、衛生長が集まっていた。
さらに上陸に参加して幼女となった南大尉と、その救出に向かった坂上大尉が同席している。
平野副長の膝の上にちょこんと座って現状報告を受けた私は、同じく坂上大尉の膝の上にちょこんと座っている南大尉に意見を求めた。
「それで南大尉、坂上大尉の膝の上はどんな心地かね? 見たところ副長のようなおっぱい枕はないようだが」
「私はヒンヌー教徒ですので全く問題ありません」
「「痛ぇぇ!」」
護衛艦内のミーティングルームに不似合いな二人の幼女が、それぞれのこめかみに梅干しぐりぐりを喰らっていた。
「ちょ、平野! ジュネーブ条約で虐待や拷問は禁止されているのだが!?」
「それは捕虜に対する取扱いですね。セクハラ上官や同僚に対しては問題ないとされています。今わたしが決めました」
「「ひぃぃぃ」」
「あははは、本当に艦長なんだね!」
ちなみに彼女と坂上大尉はヒンヌー教徒たちが崇める艦内二大女神だ。
切れ長の冷たい視線で男性クルーたちの
ただし仕事に関しては厳しいので彼女の下で働くものたちが気を緩めるようなことはない。
「見た目がちっちゃい女の子だから、これが艦長だって言われてもどうにも信じられなかったけど、これは本当に艦長だわ」
私は咳払いをして皆の注目を集める。
「目下のところ、本艦の目標は本国への連絡および帰還ということになるが、ここが異世界という状況を
「補給を済ませたばかりでしたので、食料については
「ひと月以内に食料の確保手段を構築できなければ、その先は乗組員たちが飢えることになるか……」
砲雷長と小声で話していた南大尉が私の方を見る。
「どうした南大尉」
「艦長もご覧になられたように内陸部には人間だけではなく異形の存在もいるようです。襲ってきたドラゴンのことを考えると、海岸に残してきた武器は回収しておいた方がよいかと」
「しかし回収に向かった者がまた幼女になってしまうかもしれん。それにそのすぐ先は激戦の戦場なんだぞ」
「ですので回収には幼女になった隊員を選別して向かいます」
「すでに幼女になっているから、もう幼女になるリスクはないということか」
「突然の出来事で幼女になったとはいえ、まだ我々の士気は高いです。今のうちに……」
南大尉に続いて山形砲雷長が発言を求めてきたので許可する。
「もし戦場から軍勢が押し寄せてくるようでしたら単装砲で支援できます」
「では回収は海岸線に放置した武器・装備のみととする。回収部隊の編制は南大尉に一任。飛行長、ドローンを飛ばして回収部隊の支援。回収終了後は周囲を探索して地形および状況について情報の収集にあたる」
「「了!」」
こうして
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