#依存先募集

莉衣

第1話 「」

#依存先募集


病み垢は前から鍵をつけたアカウントでひっそりと運用していた。このタグを使ってアカウントの鍵を外して投稿をしたことがきっかけで私はきっと変わってしまったんだと思う。


私は小学生の頃受験をして近所にあった中高一貫校に合格し、無事入学した。無事といっても確実に合格者の中では最低点だと思う。でもそんなこと入学してしまえば関係ない。そう思っていた。

けど現実はそう甘くなくてあっという間に落ちこぼれた。そんな自分が悔しくて泣きまくった。ここらへんから私の精神が崩れていったんじゃないかと今では思う。こんな感じで落ちこぼれたまま高校生になった。中高一貫校だから高校受験もなくて成績はずっと下の下。なんで私は頑張れないんだろう?頑張ったって無駄じゃないか?こんなことしか考えられなかった。昔から自分のネガティブな感情は心の中に閉じ込めていたけれどこのときにあまりにも辛くて以前どこかで聞いたことのあった病み垢というものを始めてみた。ひとりで呟いて吐き出す。これだけで良かったはずなのに自分でも信じられないくらい孤独を感じた。寂しかった。心が空っぽだった。だから#依存先募集、このタグを使って投稿した。誰かに依存したかった。愛されたかった。一番に思われたかった。もう自分の感情を制御できなかった。そんな投稿は一日も経たないうちに20件くらいの♡がついた。その中からたった一人、依存したくてDMをしてみた。しばらくして返事が返ってきたことが嬉しくてすぐに返信し、会話が始まった。


一人目、「Aくん」


2話へ続きます。

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#依存先募集 莉衣 @rii_2525

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