第17話
日記はめいについて何かあった時に書いてるようで、日付が飛び飛びになってる。
祐樹がめいに出会った日、祐樹は病院で夜勤だった
佑斗は祐樹の兄で、僕の父だ。
その途中病院の前の道路で倒れているめいを見つけて、慌てて佑斗のところに抱えて行った。
佑斗はめいのことを色々検査をした。
検査の結果、この時点でめいが人間でないということは分かったようだ。
その後、祐樹が結果の削除と消せないデータを他のところに紛れ込ませるということを行い、このことはふたりで隠すことにしたらしい。
アパートに連れて帰っためいは朝方には目を覚ました。
しかし、記憶はなく自分が何者で、ここに居るのか分からなかった。
めいと言う呼び名もその時につけたようだ。
記憶が戻る可能性に賭けて、しばらく祐樹のアパートで預かることにした。
警察などに届け出をしない理由を佑斗は、研究対象になる可能性があるからだとした。
ただ、祐樹はめいが
朱里は僕の母で、元々身体が弱かったこともあり僕が一歳になる前に亡くなっている。
めいは何か思い出す様子もなく、お腹が減る様子もなく、ただ祐樹のアパートにいるだけだった。
佑斗は時々めいに会いに来て、変化がないか確認するという日々が続いた。
そして、ふたりはめいが何も思い出せないならこの世界で暮らしていけるようにしようと決めたらしい。
食事やお風呂など基本的に必要なことから教えていたようだ。
この時の日記には、『今日も雨についての特集がやっている』と書かれていた。
次に目に付いたのは、三月の佑斗の葬式があった日の日記だ。
珍しく雪が降った日、酔っぱらった佑斗は歩道橋で足を滑らせて頭を打って亡くなった。当たり所が悪かったらしい。
僕はその日父が一人だったと聞いていたが、真実はどうやら少し違うようだ。
祐樹は佑斗が亡くなる前の日、明日上司たちに食事に誘われている、と聞かされていたらしい。
その日の日記の最後には、『もしかしたら』とだけ書かれていた。
続きはなかったが、予想は付いた。
この話があったので、祐樹はめいのこと僕に詳しく話せずにいたのだろう。
その後はめいを隠しながら実家に引っ越し、生活のすべを教えながらふたりで過ごしていたようだ。
その間、めいのことは外には出さずに周りに悟られないように生活していたらしい。
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