第14話 身体測定

中高生の女子ならば、身体測定をやるのを嫌がる子は少なくないだろう。

今日は、年に一回の身体測定の日でクラスメイトの女子達は「あー絶対太った」「最近食べすぎてやばい」「人前で体重計りたくない…」などのワードばかりが飛び交っていた。

彩葉は特に体重は気にしてなかった、と言うより身長を考えても彩葉の体重なんて30kg台後半くらいなのでクラスの誰よりも軽量級だろう。

どちらかというと身長が伸びてるか気になっていた。

バイクに乗るようになって、足つきを気にするようになったのでもう少し身長があれば乗車も楽になるだろう。


出席番号順に並んで保健室に女子一同が向かう。

彩葉の順番がきたので、まずは体重からだ。

37.2kg…めちゃくちゃ軽い、そして身長は中学時代に京香に計って貰ったときに149cmだったが身長計が旧式のタイプで精度も悪く誤差ばかり出ていたので正確ではなかった。

高校で初めて正確に計ったら、彩葉は少しショックを受けてしまった。

なんと148cmだったのだ…149cmだと思っていた身長は実は1cm低かった…

最後に計ってから1年経っても150cmになっていないと言うことは身長が既に止まってしまったのか…

彩葉がしょんぼりしてると、愛琉が身長を計り終えたのか「170cmになってるー」とまだ伸びていることに驚いていて、もう伸びなくていいんだけどって言った感じの雰囲気になっていた。

それなら私に分けてくれ…と思った彩葉だが、こればかりは人それぞれでどうしようもないので受け入れるしかない。

身体測定が終わって教室に戻ると、愛琉が彩葉の所にやってきた。


「身長と体重どうだったー?」


愛琉が聞いてきたので、結果を見せると「148cmとか可愛すぎて羨まぁ〜、そして体重軽くていいなぁ」と言うので「チビはチビで大変だぞ」と彩葉は真顔で返す。

愛琉の結果見ると、170cmで49kgだった。

うぅ…羨ましいってのはこっちの台詞だ。

これでも3キロ太ったと言っていたが、むしろ太った方がいい…痩せ過ぎだ。

あまり身長のことばかりで盛り上がっていると悲しくなる一方なので、話題を教習のことに変えた。


「そういえば教習は順調なの?」


彩葉がそう聞くと「技能は楽勝だけど学科がだるい…」と愛琉は机に突っ伏しながら言う。

彩葉は飛び込みの一発試験だったので学科試験も一発勝負だったが、教習所での学科の授業の雰囲気は少し気になった。

愛琉が言うには念仏を聞いてるようにしか思えないとのこと、学科の時は普通車の教習生も一緒に受ける為、土日だとかなりの人数になったりするとか。

とりあえず今日は学科と技能らしい。


「彩葉はもう免許あるからいいなぁ、私も早く免許ほぢぃぃ…」


机に突っ伏しながらジタバタしながら言う愛琉に、「学科さえ乗り切れば愛琉なら余裕だよ」と励ましの言葉を言ってあげたら、急に身体を起こすと頬を叩いて気合いを入れ直したのか「よし、今日は技能だけ頑張る!」と言うので呆れた彩葉は、教科書でポンと愛琉の頭を軽く叩いて「学科もちゃんとやりなさい」と喝を入れてやった。


今日の授業が終わり、ホームルームが終わって下校となると愛琉は早速教習所に向かった。

彩葉が「ファイト〜」と言うと愛琉は親指を上げて得意気な顔をして教室を出ていった。


早く2人でツーリングしたいね。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る