旅字

湖山由哉

 高2の夏休みに短期バイトを検索していると、スマホ画面を手でふさがれる。目線を上げると、姉がいた。社会人2年目の姉がにこやかに。

「夏休み、バイト入れずに空けておいて」

一瞬、反論しようと口を開けようとしたが、のどまで出てきた言葉を飲む。反論を許そうとしない姉の顔があったから。

間を開けて、わかったと返事をした。何の為の夏休みかを聞かずに、返事してしまった。それが、6月末のことだった。


そして、夏休みを迎えた。

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旅字 湖山由哉 @koyama

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