拘留中について

 ここで、僕のサイコホラー体験を語ろう・・・・・・―――



 警察官のお世話になったのは、皆さまのご存知の通りです



 前略


 ――まさか「元・勇者」である僕が、警察のお世話になんてなるわけないだろう、とお思いの多方面の皆さまへ


 僕が拘留こうりゅうされている間に体験した、数多くのホラーの中から、りすぐりの『3つ』をご紹介しましょう!


 1.〇〇〇〇をしていただけなのに、急に彼女面されていた

 2.気付いたら従妹を妊娠させていた

 3.気付いたら実妹と一線を越えていた


「どういうこと?」と問われると、僕にもまったく身に覚えのない事なんだ~


 むしろ、説明してほしいのは僕の方だよ!


 だいたい、なんで「取り調べ」を受けていた婦警さんに彼女面をされなきゃならないんだよ!


 取り調べの始まりは、


「ご職業は?」「元・勇者です」


「お名前は?」「もっこり です」


 こんな質疑応答の定型文で、どうして両親が面会に来た時にだけ、彼女面されなきゃならないんだよ!

「もう、もっこりは素直じゃないんだから」とか、変な誤解を招くような言い方は、よしてくれよ!


 そんな両親から、悲痛な顔で「従妹を妊娠させていたそうじゃないか」とか言われても、引き籠っていた僕にそんなこと出来るわけないじゃないか!?

せいぜい、みんなあつまれ! ど〇ぶつの森で・・・・・・

あぁ、これはそういうことか・・・・・・


 でもさ、「実妹いもうととも一線を越えていたらしいじゃないか」とか。。。

親が好色そうな顔で使う言葉じゃないだろ?

 拘留中の僕に、あらぬ疑いを掛ける不逞な実妹いもうとが許せないよ!

家に帰れたら、折檻おしおきをしてやらねば! 貴様の大切にしているアイスに塩を振りかけてやる!


 それにしても、この拘留は不当ではないだろうか? どうして、時間を拘束されているのに、時給が出ないのだろうか? なんて太々ふてぶてしい態度を婦警さんに取っていたら、素晴らしい事を教えてくれたんだ


 ――そうです。不幸な事に、拘留に労働基準法は適用されない



 それでは、「労働時間・休日の原則について」説明しよう!



・法定労働時間:1日8時間、週40時間を超えて労働させてはならない。

        ※事業場が異なっても通算する。

・休憩時間  :6時間を超える場合は、45分。

        8時間を超える場合は1時間の休憩時間を途中に与える。

・休日    :週1回の休日を与えなければならない。

        週2回休日がある場合は、1回は法定休日、もう1回は所定休日。



 続いては、働き方(契約)の違いについて学ぼう!


 ・雇用契約:労働の対価である賃金(報酬)を支払う。

 ・請負契約:仕事の結果に対して、賃金(報酬)を支払う。

 ・委任契約:仕事を代わりにしてもらうことに対して、賃金(報酬)を支払う。


雇用と請負では、仕事の受託や拘束時間も変わってくるんだ!



 はぁ。。。


まさか、婦警さんに「就労にあたっての基礎知識」を叩きこまれるとは思いもよらなかったよ。未だにアルバイトすらした事のない僕には「猫に小判」だね


いや。「豚に真珠」かな?         ――草々



 どっちでもいいけど、早く出してくださいぃいいい!!!



つづく...のか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヒキニートに転生した異世界勇者は、社会復帰が絶望的!? 越知鷹 京 @tasogaleyorimosirokimono

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ