第3話 絆の数珠2
「新垣一家を潰せ」
「わかりました」
安藤組は地下に潜った新垣一家を探していた。
その頃山里は新垣一家の居場所を掴んでいた、組長と会長はダンスというサウナに週一貸し切りで行っている、探されている今でも通っているという、山里は拳銃をポケットにしまい、組長室を出ようとした時若頭の島田が入ってきた。
「親父いかせませんよ」
「親に口答えするのかよ」
「うちの若いもの行かせますんで親父はここに居てください」
「これは組の問題じゃない」
「親父が動くと組の問題になってしまうんですよ」
「そうか、わかった」と山里はソファに座った。
15:30 新垣一家の会長と組長は何も知らずにサウナに入っていき脱衣中に山岡一家の若いものに撃たれてこの世を去った。若いものはそのまま新宿署に自主をし殺人罪及び銃刀法違反で逮捕されることになった。
山里は数珠をみながら「山岡頑張って生きろ」と言った。
山里と安岡が若かった頃毎日喧嘩をしていた、どちらもヤクザからのスカウトでこの道に入った、ヤクザは酒や血で兄弟だと言うが安岡達は数珠を兄弟の代わりとしていた、若かったからそんなに高いものではないが二人共数珠が気に入っていた、安岡が倒れた時その数珠も切られていたという、そのことで山里は憤慨していた。
思いにふけていると外が騒がしい
「何しにきた」「喧嘩か」と聞こえるので顔を出すと安藤組の会長安藤と若頭の斎藤が組にやってきた。「お前ら静かにしろ」「こっちへお通ししろ」と山里が言い二人は組長室へ入っていった。「今回は恥ずかしい所を見しちまってすまなかった」と安藤が頭をさげる。「なんのことですか?とりあえず座りましょうよ」といって山里がソファーにすすめた。
「そちらが知らないフリをしてくれるならこちらも顔もたつ」
「知らないふりと言うか知らないです」
「わかった、今回の件は本当に助かった、これを受け取ってくれ」
とアタッシュケースを山里の前に置いたが受け取ろうとはしない。
「じゃあそれは置いていくから燃やすなりなんなりしてくれ」
といって安藤と斎藤は帰っていった。
「島田包丁用意してくれ、それからすぐに会長の所にこれをもっていく」
「今回エンコ詰める必要あるんですか?
「親の言うことを裏切ったんだ、小指くらい詰めないと礼儀ってものがねぇ」
「わかりました」といい島田が包丁をもってきて山里が小指を落とし会長の所へ向かったが会長は「よくやった」といいアタッシュケースは受け取ってもらえず、小指も「今なら再生できる」「病院に行ってこい」といって受け取ってもらえなかった。
山岡は内心喜んでいた、新垣一家が破滅したことを若い頃苦労させられた新垣一家がついになくなったのだ、本当は「よくやった」といってやりたいが「手を出すな」と言った手前そんな事はいえない。山里の指が治ることを願うしか無かった。
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