第22話 2個目のスキルオーブ

 3週目の講習は2日目の午前の座学では森のフィールドダンジョンについてを専門にしているベテラン冒険者を講師として招き山代担当官と一緒に講義を行い、午後は山タイプのフィールドダンジョンへ入る。3日目の午前の座学では山のフィールドダンジョンについてをベテラン冒険者が一緒に講義し、午後は遺跡ダンジョンへ入る。4日目の午前は遺跡ダンジョンについてをベテラン冒険者と一緒に講義、午後は迷宮ダンジョンへ入る。5日目の午前は今まで座学の総復習となり、午後の実技は自由参加。そして6日目は筆記の最終試験となる。


 実際のフィールドダンジョンでは僕達は遭遇しませんでしたが、フィールドダンジョンのベテラン冒険者が言うには、


「何かの糞や縄張りを主張するための爪痕等を見かけた時は気を付けなくてはならない。モンスターは糞をしないし、ダンジョン内にある物に付いた傷痕は数日すれば修復されてしまう。と言うことは、すぐ近くに魔獣がいる可能性が高い。見つけた時は慎重に且つ速やかに撤退することが推奨される」


 こういった現場の生の体験談は本当に助かりますね。


 座学は勉強会の甲斐もあって問題なく試験に望めそうです。


 問題は実技ですね。赤メッシュ君が相変わらずなため、マコトとアキラさんの苛立ちがすごいことになっています。


 あとはモンスターのドロップ品でも一悶着ありました。


 講習中のドロップ品は基本、魔石とモンスター素材は担当官へと提出になります。これは付き添いの担当官や冒険者の臨時収入となるからです。それによって、担当官や冒険者のサボタージュよる戦闘回避を極力避けるためです。


 ただし、レアドロップと呼ばれる貴重なアイテム類はそのパーティの運のものという理由で提出は免除されます。


 3日目のドロップ品に剣が出ました。


「俺が倒したんだから、当然俺の物だ!!」


 マコトが反論しますが、結局、前衛をパワーアップさせた方が生存率は上がるだろうという事で赤メッシュ君の物となりました。


 4日目は僕が勢い余って倒してしまったモンスターがスキルオーブをドロップしました。


「ドロップ品はパーティの物だから、誰が使うか話し合って決めるぞ!」


「ふざけるな!昨日、自分が言った事を忘れたのか!!」


「はぁ、昨日は昨日だろ。ドロップの扱いに関して今、俺は間違ったことを言ったか!?」


 普段口数の少ないアキラさんの怒声にもどこ吹く風でそこにマコトも加わりそれでようやく分が悪いと判断したのか諦めました。


 5日目の実技の参加後、いつものファミレスへ向かっている途中でアキラさんが話しかけてきました。


「モンドはもっと怒るべき」


「そうですよ、アキラさんの言う通りですよ!」


「社会に出ればああいう人は少なからずいるものですよ…」


「だからと言って放っておけば、つけあがるだけですよ!」


「うん、マコトの言う通り」


「お二人とも息がぴったりですね。いつの間にそんなに仲良くなったんですか?」


「誤魔化さないで」


 話の逸らし方が露骨すぎましたね。


「人を変えることは難しいんですよ。自分を変えることは努力をすればできますが、他人を変えることはその数十倍、いや、数百倍は大変なのですよ…。それに彼の場合は僕が言うと逆効果でもっと意固地になると思う」


 二人はある程度は納得してくれたのか、これ以上追及することはありませんでした。


「さて、嫌な話題はここまでにして、明日の試験に向けて頑張りましょう!」


「そうですね、切り替えていきましょう」


「頑張る」




NAME:馬場 主水


LEVEL:5 → 7


STATUS

 STR:10 → 12

 DEX:12 → 14

 VIT:7 → 9

 AGI:11 → 13

 INT:14 → 16

 MND:16 → 20


SKILL

 【強運】 → 【激運】

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