第24話 設立7年前の将来
財団設立7年前のある日、高校2年生の淳史は、放課後にテスト勉強を一緒にやろうと約束した同級生で幼馴染の
鳥居をくぐり、長い階段を登り、社殿の横にある家の玄関を開け、篤人の名前を、叫ぶに近い大声で呼んだ
「あーつーとーー!!」
長い廊下の奥から篤人が出てきた。淳史は「すごく面白い食べ物をゲットしたから持ってきた」と言うと篤人は「おいしいじゃなくて?」と笑った。
淳史は部屋へ案内され座布団に座ると、爪を立てて畳をバリバリと掻き始めた。篤人は何をしているのかと聞くと、淳史は「オナラの音が消えた」と言い、二人で笑い、臭い匂いが来て、さらに笑った。
淳史と篤人は小学校の頃からの友達で、周りからはアツアツカップルとからかわれるほど仲がよかった。
しばらくして、真千子の顔をフォークで切りながら、二人でテスト勉強をしていると、篤人が進路について話し始めた。
「自分はいずれこの神社を継ぐと思うけど、その前に別の世界も見ておきたいと思っている」
「何か具体的にあるのか?」
「この前起きた大震災の後に災害派遣で出動した自衛隊の姿をテレビで見てたら、かっこいいっつーか、俺も困ってる人を助けたいみたいな。でも、戦争はあまり好きじゃないから」
「日本で戦争は絶対ない。もし戦争が起こってもこのカステラを菓子折りとして相手にあげれば争いは無くなるよ。オレも戦争は嫌いだから、オレは菓子折り部隊に入るよ」
淳史はおどけたことを言いながら、篤人の持っていた自衛隊入隊案内を真剣に見入っていた。
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