第7話 アップグレードと実績
失敗した。効率を考えれば先に【無職】を上げるべきだったけれど、つい筋力2倍という大台に惑わされてしまった。
ハイテンションからの賢者タイムで落ち込んだものの、これは必要経費だと割り切ろう。
職選びで真面目に悩んでいたのが馬鹿みたいだが、このストレス下ではこれくらいの息抜きはあってもいいと思う。
コツコツと同じことを繰り返す行為においてモチベーションは非常に大事なのだ。
それに4に上がった筋力と心なしか早くなった連打のお陰で雑草駆除も加速している。
それほど致命的な判断ミスではない。まだリカバーできるダイジョブダイジョブ。
なので次に目指すべきは【無職LV10】だ。
クリッカー経験者ならまずそうする。
とりあえず今ある
肌に乗せた葉っぱは今のところ特に問題が出ていないので一安心。
1分経って、【無職】を2LVレベルアップ。
【無職LV8】になり次の消費
稼ぎも増えているけれど、消費の上昇も馬鹿にはできない。
早めに可食テストを終わらせ自分を強化して、雑草から美味しい獲物にターゲットを移せるようにしたい。
更に一分経過。
ここはまた一つの大きな変換点になるかもしれない。
一息ついてから、【モラトリアム】の利益8と効率が上がったクリックで稼いだ
――――――――
『職業修練』 消費
【無職LV10】↑ 5
【見習い冒険者LV3】 17.3
【見習い狩人LV0】 100
【???】 1200
――――――――
《職業が10LVを突破しました。『アップグレード』を解放します》
《『アップグレード』が解放されました。『
「イエーーーース!!」
狙い通り!! 新しい"強化要素"のお出ましだ!
わくわくしながらステータスを呼び出す。
――――――――
『アップグレード』 消費
【親が買ってきた下着】 100
――――――――
「うわぁ……」
思わず声が出ちゃった。
クリッカーにおいてアップグレードとは対応した基礎強化の倍率や効率を上げる追加ボーナスのようなものだ。
大体なんらかの節目、強化を10の位や100の位で買った時などのご褒美として現れる事が多い。
今出てきたのは【無職】をLV10にしたことで出てきた……のだと思うけれど……。
「もうちょっとあるでしょ……」
名前がキツい。かなりキツい。
これを買うと恐らく【無職】で得られるボーナスなりなんなりが結構強くなると思う。
数がモノをいうクリッカーでは、ちまちました倍率アップだけでもかなりの数字になるのだ。
でも名前がひどいなぁ……。いやだなぁ……。
《
お前!!! タイミング狙ってるだろ!!!
時間差で追撃がきた。
この設計者【無職】に対して風当たりが強すぎるぞ。
クリッカーには辛辣なブラックジョークをネタに織り込む風潮は確かにあるけれど、これで私がもし現役無職だったら結構クるものがある。人を煽るのは程々にしようね。
とりあえず詳細……見てみようか……。
――――――――
【親が買ってきた下着】
親に衣食住を委ねし者の正装。
【モラトリアム】のLVを+1する。
――――――――
ははーん、『能力値』の底上げじゃなくてスキルレベルの方か。
係数が小さいから色々積み重なった後々では影響は小さくなるけれど、今は非常に嬉しい強化だ。
【無職LV10】なら毎分20
これは美味しいな……名前がすっごいイヤだけど。
選択肢を増やすのに新規スキルの方が大事なので順番的には【見習い狩人】を取得した次になるけれど、早めに欲しいグッドアップグレードだ。
お次は
――――――――
【ヒキニート初心者】
【無職】をLV10にした。
――――――――
「おぉ……」
流石に気を使ったのかな。
心を抉る余計なフレーバーテキストはなく
現時点ではこれ単体の意味はないようだ。
クリッカー的にはいつかきっと
次の
それと同時に新『アップグレード』も出てくると思うから、容赦ないディスにも負けずにどんどんレベリングしていかないと。
推定神による容赦ない【無職】ディスで多少ぼーっとしてしまった。
いけないいけない、2分くらい無駄にしちゃった。
そんな私に関わらずきっちりと20もの
【無職】……こんなに有能なのに……。
ちょっと可哀想になってしまったので、励ましの気持ちで【無職】に全
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