ショートストーリーズ 2

全ておろかのあるままにー1

 ————


 俺が外を見ると、なんか拳銃の音がする!コワイ!


「うわー!殺人だ―!」

「マジかよ!こえー!」

「あいつ銃を持ってるぞ!犯人だ!」


 みんなが一人の男に向かって叫ぶ。そいつの手にはなんか拳銃が握られてる!きっと犯人だ!


「逮捕だ!ポリス!捕まえろ!」


 犯人っぽい奴はなんかこう、コートに銃を突っ込んで両手を上げた。畜生が!お前犯人だろうが!ぶち殺すぞてめー!


「おいおいおい……俺じゃねえっての…………」


「お前だろうが!」


「さっさと捕まえて―!」


「ポリス―!」


 結構怖かったっぽいので、男は逃げた。俺たちの勝利だ!でもつかまえられないのはなんか腹立つ!ちくしょう!クソ野郎が!


「あっ!」


 待て!という暇もなく、そいつは消えた。

 うん、消えた。

 消えたったら消えた。


 あ、地の文ここまででいいの?あ、はい。じゃあおつかれー。ってここ切ってないじゃん、カットな、カット!



 ————



 なんかこう、すっごい高いところにアストラはいる。この話というか全体を通しての主人公である。そいつはそれっぽいコートを着て、下を見下ろしている。なんかテロリストみてーなことしてるけど主人公である。かっこいいことにしておいてやるのである。


「……アストラ、聞こえてる?ここらで起きてる連続殺人、調子どう?」


 通信相手だれだっけ。たぶんクリスとかそこらへんだと思う。アストラ君へんじしてり。


「……そこまでじゃないな。でもやってみる」


 そして飛び降りた。

 死ぬだろ!って距離だけど実はミュータントなので、こいつは無事なのだ、つよいね。アストラはそして、なんか来てる黒ずくめが撃ってきたので、撃ち返した。


 99ショートっていう拳銃ですっごく綺麗に撃ち抜いて、みんな脳天が穴空いて死んだ。そんでもって適当に胸のあたり探ると、なんか書いてある紙が見つかった。


「……情報だ、解析頼む」


「……わかったわ。でもこのあたりでもクローンウォリアー出すなんて、結構かかってるのねぇ」


「わからん。だがストレイドがらみかもしれんから、頼みたい」


「あいあい。じゃあ動き出るまで、潜伏頼むわ」


「いえっさー」


 そして闇に隠れてビルの屋上に立ち続けてた。こまけーかいわしらね。こんかいのまだおわんねーの?はいじゃあカットで。



 ————



 あの野郎はどこに消えたんだ?なんかすっごい怖いけど、アイツ殺さないとなんか来ていろいろヤバいっぽい。というかさっきから俺過労死しすぎじゃない?一時間テレビじゃねえんだぞ。


「銃だ!銃をとれ!」


 みんなはなんかこうわーわーして、アイツを殺そうと必死になってる。


「やるぞ!絶対にやるぞ!」


「おー!」


「それに協力させていただきましょう」


 すると奥から見慣れた武器屋が出てきた。


「私の持ってる銃を、格安にしましょう。出血大サービス。払えるだけでいいですよ!」


 そうするとみんながこぞって財布の中身を全部捨てて、ありったけを持って行った。


「よし!これで装備は整ったぞ!あいつをあぶりだす!」


 そして火炎放射器を持ったやつが、周りを封鎖しろって命令する。


「絶対に何も出すなよ!出したら死刑だからな!」


「おー!」


 そうして一つの蜂起が始まるのだ。ところでほーきってなんだ、うまいの?



 ————



「お前か!」


 壁を壊しても家の中を探す。


「いない!ここじゃない!」


「次だ!」


 そして次の家も、内装全てがぼろぼろのゴミになる。


「どこにいる!あの犯人は!殺すまで絶対にやるぞ!」


 ガンガンになんでもぶっ壊している。私には糞みたいに見える。


 やれ!壊せ!そんな風にして、10ほどが失敗したとき、銃砲店の店主が言った。


「……これでは非効率、ですね。丸ごと焼いた方が、効率的なのでは?」


 でもみんな、当然のことながら反対した。


「駄目だ!」


「どうして殺し屋一人の為に、家を消さなけりゃならないんだ!」


 でも店主は、おかしくない?って風に言った。


「どうしてですか?内装がほぼ全て壊された現状を見るのなら、焼き払うのとほとんど変わらないんじゃないですか?」


 するとそれは発想になかった!という風にみんなが喜んだ。


「そうだよ!そうすればよかったんだ!」


「でも貴重品は駄目ですから、私が預かりましょう」


「お願いします!一番すごい金庫を持ってるのはあなたですからね!」


 そしてみんなが金とかを預けて、自分の家を焼き始めた



 ————



 燃え盛ってる家から、飛んで出てくる奴はいなかった。


「なんでだ!家を焼けば絶対に逃げられないはずなのに!」


 そうだそうだ!主人公だからって補正あるのずるいぞ!どこにかくれてんだよ!なんでだ!マジなんでだ!わからんぞちくしょう!


「どうしてだ!どこにいるんだ!」


 みんなはうろたえている。というか俺もうろたえてる。どこに逃げた?一体あの犯人はどこに?


 するとどこかから、銃砲店に向けて、何か金属の塊が飛んできた。


 銃砲店はすっごい強力にできていたので、壁に穴が開く程度で済んだ。


「な!」


「まさかあいつ、ずっとそとに!」


「潜んでなかっただと!なんて能力だ!」


 アストラはそんな奴らにあきれながら、どう見ても扇動されただけだろうという。せんどうってなんだよ、愛知県か?。先生のすごいバージョンかなにかか?

 するとみんなは、答える。


「そんなわけない!」


 そうだそうだ!あたりまえだ!変なこと言って惑わすのやめろ!クソが!


「お前が殺したのを見たぞ!」


「絶対にお前が犯人だ!だから人殺しは生かしちゃいけないんだ!」


 でもみんなは受け入れようとはしない。絶対に殺すという殺意が見える。


「……これが能力、というわけか」


 するとアストラは、みんなを無視して銃砲店に突っ込む。そして店主の元にたどり着くと、彼に右ストレートをかました。



 は?お前何やってんの?一般市民殴るなんてお前それでも主人公?滅びろ!お前なんて主人公じゃねえやあ!



「お前が犯人だろう?このバカげた冗談みたいな知能低下は」


 そしてアストラはなんか訳の分からないことを言った。


「ストレイド……の一人か?まあいい。そんなこと関係なく、お前を殺す」


 店主が反論する。みんな強調した。


「なんでだ!俺は特に悪い事なんて!」


「そうだそうだ!きっと全部お前の作りごとに決まっている!」


「店主は助けてくれたんだぞ!武器もくれたし、お金だって守ってくれている!」


 するとバカじゃねーのって風にアストラはした。


「……自分の家を焼けっつったり、金全部持ってこいっつったり……明らかに盗む気満々じゃねえかよ」

「気づかないのか?」


「そんなわけねえだろおおおお!絶対に手前だけは殺すからなぁ!!!」


 でもんなわけねえだろと、反論して皆はアストラを燃やしにかかった。



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