第7話 相談事も内容によってはものすごく恥ずかしい
放課後。まだ陸上部の練習には復帰の許可が降りていないので、加奈子と一緒にファーストフードでポテトをつまむ。
「今日はありがと。助かった。」
「あんなのはただの八つ当たりだよ。礼子ったら、寺島君に告ったけどあっさりフラれてプライドをへし折られたくせに、まだ諦めてなかったんだから。」
「えっ?そうなの?へー、寺島君って案外モテたんだね。」
「結構イケメンで運動神経も良かったからね。まあ近寄りがたい雰囲気ではあったけど。
それよりもさ美由紀、まだ何か心配事でもあるの?ちょっと様子が変だったよ、今日一日。」
やっぱり顔に出てたか・・夢の中の話だから相談しにくいけど、加奈子は人に言いふらす子でもないし、まあいいか。
「それがね、毎晩出てくるのよ、夢の中に」
「おばけ?」
「・・・寺島君」
加奈子が不敵な笑みを返す。
「おやおやぁ?で、どんなシチュエーションで?」
「・・・・まさぐられる。」
「・・・・マジ?まあじぃ?!!やっらしぃぃぃ!」
「大声で叫ぶな!恥ずかしい!」
「ごめんごめん、でもさ、それって初恋とかなわぬ恋が一気に来ちゃった感じ?しかも死んじゃったことに絡んでるし」
そう言った加奈子の顔から笑顔が消えて、泣きそうな切なそうな顔になる。
「んー、よくわからないんだよねー。確かに気になってた人ではあるんだけど、夢にまで見るほどじゃなかったし、やっぱり死んじゃったのがショックだったのかなー。」
「・・・そっか。よしわかった。ここは加奈子姉さんがおごってあげよう。ポテト、追加しようか?」
「晩御飯食べられなくなっちゃうよ。でもありがと」
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