第5話 回想
魔法学園幼稚舎(2名)と校長先生の生活、3年間が経過した。
ぼくは4歳 エル姉は6歳になった。身長も伸びたが、エル姉の方が頭一つ背が高い。ぼくとエル姉との関係で変わったのは、ぼくの身分が家来からかわいい弟に変わったことだ。最近は、どこに行くにも一緒でお昼寝も抱き合って寝ている。エル姉がぼくとトワ母さんの宿舎に泊まりに来ることも1週間に数回ある。
ちなみに、昼寝中にこっそりと耳やしっぽをモフモフさせてもらっているのは秘密だ。トワ母さんのおっぱいとエル姉さんのモフモフに包まれ、充実した毎日を送っている。
『断じてエロでもロリでもないよ。本能だからね。』
この3年間、午前中は校長室でじじ先生から勉強を教わり、午後は昼寝と探検だ。
自分でいうのも何だが、ぼくはみんなから可愛がられている。
なぜなら、そうなるように今までの前世での人生経験を生かしてきたからだ。
・あざとく上目遣い
・ニッコリ笑顔
・年齢相応の言葉遣い
・勉強も分からないふり
そう完璧だ。ただし、トワ母さんには
「時々 スコールちゃんに黒いオーラが見えることきがあるのよねぇ。」
と言われたことがあったので、泣きまねをするとあわてて謝られた。←チョロい
『ふはははは。これでもアラフォーの元小学校教師 大人を騙せる演技力がないと子どもは騙せないのだよ。』
じじ先生の授業は、文字の読み書き この世界の地理・歴史 多様な人種 貨幣
生活様式 などためになるものがたくさんあった。
興味津々なぼくにつられてエル姉はぼくに負けじとくらいついてきた。弟分であるぼくに負けたくなかったようだ。時々はワザと負けてあげると上機嫌で、
「スーもお姉さんには敵わにゃいか。」
と自慢してくる。←またチョロい
校長先生には、
「じじ先生すご~い。何でも知しってるね~。」
というと飴玉やケーキを買ってくれる。←またまたチョロい
ひとつだけ不満があるとすれば、魔法のことを何も教えてくれない点だ。こればっかりは、おだてても駄々をこねても無駄だった。
こうして2度目の幼児時代を過ごしてきた3年間だったが、先日じじ先生と2人の両親から重大発表がなされた。
「2人ともこの3年間よく頑張った。勉強だけならこのこの国でもトップクラスじゃ。高位貴族の子どもにも負けることはない。そこでどうじゃ。来年から魔法学年の初等部に入学せんか?」
「「行きたい!」」
「スコールちゃんが行きたいなら母さんは反対しないわ。」
「エルも行きたいの。獣人には少しきついかもよ。」
魔法学園は、ほぼヒューマンの貴族ばかりで差別が少ないこの国でも魔法学園となると事情が違うようだ。
「大丈夫じゃ。わしは前々から魔法学園を改革しようと思っとんたんじゃ。2人の後ろ盾はわしにまかせい。」
「「では よろしくお願います。」」
「じゃあ 明日から受験勉強じゃな。」
こうして1年後に向けた受験勉強が始まることになる。
【最後まで読んでくれてありがとうございます】
【今日の深夜にもう1話更新します】
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