第4話 校長先生

〈ドーーーーーン。〉という大きな音とともに何かの上に2人で落下した。

会場はシンと静まり返った。

「「「「「「・・・・・・」」」」」」


「「「「「ギャハハハハハ。」」」」」

「出たよ いつもの金銀コンビだ~。」

ぼくの髪の色が金 エル姉の髪の色が銀なので誰かが呼び始めた名前だ。


「う~ん。」

「?????。」


エル姉を見ると見事に目を回して気を失っている。

たいしたケガもなく、状況を確認すると・・・校長先生がクッションになり助かったようだ。


「またおぬしらか?ケガはないか?」

「ぼくはだいじょうぶでしゅ。エル姉は気絶しているだけでしゅ。」

「皆の者 ちと騒がせたのう。この2人のことを知っている者も多いようじゃ。」

「2人にはこの後 わしが直々に話をするから入学式を進めのじゃ。」


職員席のトワ母さんとシル先生を見ると、俯き肩をプルプルと震わせている。

『怒ってるだろうなぁ。心配かけたなぁ。』と考えてると、エル姉が目を覚ました。

「どうしたにゃ ゲッ 黒親父 どこ触ってるにゃ ロリ黒親父にゃ。」

「ま~た この銀猫娘は 後で校長室に来るんじゃ。」


その後、目が死んでいる2人の母親に、速攻校長室へと連れ去られた。

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今 2人の母親に逃げないようにはさまれ 校長室のソファーに校長先生と向かい合わせに無言で座っている。


「今日は一段と騒がせたのう、エル スコール。」

「「申し訳ありません。」」

「「ごめんなさいにゃ(でしゅ)。」」

「年齢の割に2人とも賢いから 今までほったらかしだったわしにも責任がある。そうじゃ これからはわしが昼間は2人の面倒を見よう。」

「「「「エ~~~ッ!!!!」」」」

「トワ先生とシル先生も昼間は忙しいじゃろう。その点わしは暇じゃ。ちょうど暇をもてあましていた所じゃ。わしに2人を任せてくれんか?」


しばらく2人の母親は考えていたが、お互いに目を合わせ

「「よろしくお願いします。」」

と声に合わせて深々と頭を下げた。

「よ~し。これからは暇つぶ・・いやいや 臨時の魔法学園幼稚舎を開くのじゃ。2人はわしのことを〈おじい様園長先生〉と呼ぶのじゃ。」

「長いのにゃ ロリじじでいいのにゃ。」

「じじ先生。」


帰宅後、2人ともそれぞれの母親にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。

ただし、トワ母さんは基本ぼくに甘いので、しょげていると一緒にお風呂で優しく全身を洗ってくれた。

元アラフォーの日本人としては、眼福であったことを心のメモリーに刻んでおこう。



【最後まで読んでくれてありがとうございます。】

【明日も2話更新をがんばります。】














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