終点

@nami04

乗車

カタン カタン

心地よい揺れの中ふと目を覚ます。

「あれ…?私なに…」

頭の中でそこまで思い出すと一瞬にして現実に引き戻された。慌ててリュックの中に手を突っ込みスマートフォンを探し時間を確認する。

「なんだまだ8時か…」

安心してはぁと息をついた。

今日は9時から講義があるのでいつものようにバスに乗って大学へ向かっていた。いつもギリギリになるので今日は余裕を持って家を出たのだ。今日は早く行って友達を驚かせてやろうとか、後ろのいい席取れるかなとか、そんな事を考えているうちに胸がざらざらしていくのがわかった。どんどん自分の体温が奪われていくような感覚がした。そして、気づいた。

「え…なんでまだ8時なの…?」

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