第48話 選考結果
「こうやって密度をあげて・・」
リズは自分の小綺麗な貴族寮の部屋のベッドの上にいた
今朝は早く起きたので
ベッドの上で使えるようになった魔法の発動確認をしている
その両手の中には「ウォーターボール」のはずだが
渦を巻く黒い球がぐるぐると回って
「ズズズズズ・・」と水らしからぬ質感を讃えている
(さらに強く・・)
(ズ・・ギュギュ・・)
抜け殻作成に使うようなリズの並外れた器用さを使って魔力を継ぎ足していき
黒い球の不穏な音が強くなっていく
リズの魔術の圧縮で魔法は黒いのに リズの周りは逆に明るくなっていくような
(ズグググググ・・!)
「そうよ、もっと・・」
リズの顔に圧縮された黒い球の影響で暗い影がかかり始めた、その時
「カランカラン」
部屋の呼び鈴が鳴る
「リズ・クリスフォードさん 今日の届け物です」
(あっ・・)
リズは集中が途切れたので
両手の中で高速で回っていた黒い球から
徐々にゆっくりと魔力を引いていき回転も抑えていく
闇の光が消えていく
「ズシュウウウウ・・・ポシュ」
黒い球は小さくなって残りはリズの中に吸収された
(ふう・・まあこんなもんね なんとか弱い術でも強化して使っていかないとね)
(開き直って闇魔法の基礎とかも練習してみたけど
捕縛とか足止めの補助的なものが多くて
攻撃手段にはなりそうになかったなあ・・)
(ていうか私そういう補助の適性も全然ないのよね 回復適性もないし・・
それに感覚で基礎みたいな単純な魔法は使えるけど
少し上のランクの複雑な回路の魔法は全然まだ扱えないのよね
まあ贅沢は言ってられないけどさ)
(それより今は届け物か)
少し待たせたので
急いで普段雑用などをしてくれている寮付きの使用人さんのところにいく
「こちらになります 間違いないか確認お願いします」
「・・大丈夫です」
「ありがとうございます 以上ですので失礼しますね」
「ご苦労様」
(これは・・セントラルド武闘大会の選考通知だわ・・!)
簡単な少し質のいい水色の紙の封書を受け取る
そういえば申し込みをした日から結構時間が経過していた
そろそろ通知が来てもおかしくはないとは思っていた
部屋の鏡台のところにいき棚の小道具入れから ペーパーナイフを取り出す
それを少しリズの指で器用にサッと回転させると そのまま封を開けにかかる
(ちょっと緊張するわね・・)ピリピリ・・
・・・・
そこに書かれていたのは
「残念ながら貴殿は選考の結果
今回のセントラルド武闘大会の選考から外れました
またの機会をお待ちしております」
というものだった
(だってね・・)
「はあ・・そうなっちゃうか」
・・・
報告をするために 今日は風車の家に寄ってから学園の授業に出ようと思って
リズの寮から風車の家を通る道を歩いていく
(まあ私の成績柄 八割型そうなるような気はしていたわ でもなあ・・)
(私なりにちょっとは出る気でいたから少しショックだわ でもそれよりも)
(アスラ・・)
「ちょっと言いにくいけど これは仕方ないわね・・」
風車の家に向かうリズの後ろ姿は少し憂鬱だった
「あれ・・」
風車の家の近くまで来た時 風車の家の周りからピカピカっと
光がちらついたのが見えた
(なにかしら あれは庭の方ね)
「あれは・・」
さらに近づいていくと そこにいる姿が分かった
(アスラ・・)
「・・グレイト・ファイヤー!」
(ズガガガガガ!)
両手を広げて前に突き出した姿勢で
風車の家の広い庭の端の土の場所に立っていて
そこからアスラの身長よりも大きい炎が
地面を走るビームのように発射されて
アスラの後ろの大きな影を作り
その炎の光が風車の家をチラチラと照らしていた
(えええ~)
こんなの撃てたのアスラ
ていうかこんなのここで撃ったら火事になっちゃうよって思ってたら
アスラの魔法の炎が先の方で収まっていって その先を見てみると
(結界・・?かな あれって)
「 」ギュワーン
大きな結界の様なものが張り巡らされていて
透明なようで虹色の膜がゆらゆらと揺れていた
直撃したアスラの魔法の炎を全部そこで抑えているようだった
(すごく・・高度な魔法・・)
「あら のぞき見かしら?」
瞬間移動でもしたようにリズの横に立っていた魔女天狗クロージュ
(わっ)
「ちょ、ちょっと クロージュさん びっくりするじゃないですか」
「今日は早いのね」
「あ、リズ!」
(タッタッタ)
アスラがリズに気が付いて次の魔法の発動準備を止めてこちらに駆けてきて
そのままリズの腰にしがみつく
(はしっ)
(うわ あつうい)
魔法を撃ったばかりのせいか アスラの体はかなり熱くなっていた
「アスラ さっきのあの魔法はなあに?」
「グレイト・ファイヤーだよ」
(・・・・まあそれもそうだ)
「あなたがこの子に全然教えてなかったみたいだから 私が教えちゃったわ」
隣に現れたクロージュさんが ご機嫌そうに説明してくれる
(クロージュさんが・・道理で結界が・・すごいなあ)
「せがまれたから1個だけ教えようと思ってたんだけど
この子火属性の魔法ならポンポン覚えちゃうから
ついつい教えこんじゃったのよ」
「ええ まだあるんですか」
「そうよお~ この子そのうち火魔法なら祝福付きの魔法もいけるかもしれないわ
魔力を扱える量がすごいのよね」
(ひえ~もうそんなレベルにまで
やっぱり火に強いんだなあ アスラは
魔力の量は・・あの竜の赤い羽根の饅頭マンの影響があるのかしら)
「リズ!あたし頑張ったよお!これなら大会でつかえるよ!」
褒められたと思ったのか
元気にはやし立ててくるアスラ
(ああそっかあ 大会のために朝から頑張ってたのね・・アスラ
たぶん他の日も・・)
(そっかあ・・)
でも・・言わないとね・・
「あのね、アスラ・・・」「・・・」
・・・
「・・・・うん」
しょんぼりとしているアスラ
「あっら~~、書類で落っこちちゃったの~?
あなたそんなに魔法の成績悪かったの?」
リズの肩を笑いながらばんばん叩いてくるクロージュさん
(うっ・・このひと嫌なところを)
「そ、そうなんです・・」
「テイム術はちゃんと使えてたのにね~ まあいいのよ あんなの出れなくても
野蛮よ野蛮 気にしちゃだめよ」
「そ、そうですよね・・」
無駄に明るいクロージュさんの言動に少し救われる
が、ただ からかって楽しんでいるようにもみえる
だけど
(アスラ・・)
今日は今から私は授業に出席しないといけない
アスラのがっくりとした小さな背中の後ろ姿を置いて 私は授業に向かった
・・・・
・・・
2-D組 リズの教室でのこと
いつもよりクラスメイトたちの様子が騒がしかった
「俺大会の書類通っちゃった~」
「私も通ったわ~」
「俺はだめだったわー ちくしょうなんだよ 書類通っても予選があるんだからな」
「へへ お前は応援だな」
「まだきてない」
クラスは和気あいあいとした感じだ
どうやらリズの他の参加者にも選考通知がきていたらしく
(へー このクラスの子でも けっこう出るんだなあ・・)
私は自分の机に座っていて 聞こえてくる声が耳に入ってくる
(私だって ちょっとは魔法できるようになったのになあ・・)
少し腕を崩してリズは机にうつ伏せ気味になる
まあできるようになったのが最近すぎたしね
扱える魔力さえあれば少しずつ使えていたから
元から基礎構築は今までの私はしっかり勉強してできていたんだ だけど
いかんせん成績には反映されていない
(私が元からこの世界の魔法の才能を持っていて成績がよければ
アスラも大会にすぐ出せてあげれたのかしらね・・)
まあそれは気にしてもしょうがないもの
(・・・)
でも少し憂鬱な私
(そうだ! 今日はアスラを私の寮に連れ帰って慰めてあげましょ
それがいいわ)
・・・・・
放課後の風車の家
「リズ・・ちょっと見てよ」
「・・?」
リズが風車の家についてすぐ 先に帰っていたネロにそう言われてついていく
(あっ・・)
アスラは小分けにできる小っちゃいソファーをわざわざ庭の方にひこずったのか
窓際に移動させていたようで
(ひこずられたカーペットが すごくめくりあがっていた)
「・・・・。」
アスラはそこにちょこんと座って黙って
星がうっすらと見えるようになった外の夕暮れの太陽を見ているようであった
(アスラ・・)
その小さな背中が影になっていて
少し哀愁を漂わせているように見えた
「・・アスラ?」
「なに?リズ」
まだしょんぼりしているのかなと思って私は慎重に声をかけたけど
アスラは普通の調子で即声を返してきて
ソファーから降りて こちらをくるっと向いてくる
(あれ?)
ちょっとネロと目を見合わせたけど
(意外と大丈夫?だったみたいだね)
(そうね)
元々この子は日向ぼっこが好きでよく日の当たる縁側にもいたから
そういうことだったのかもしれない
その後 えっちらおっちらアスラはソファーを元の場所に戻し始め
前よりも さらにもっとカーペットがモリモリめくりあがっていったので
慌てて一緒に手伝って戻したりしていた
(大丈夫?なのかな でも一応ね)
「ねえ アスラ 今日は私と 私のとこの寮に来ない?」
「今日は行かないよ」
「え・・・」
そういうとアスラは素早く部屋をでていってしまう
(・・・)
今日は寮に戻る予定だったので
そこまで長居するわけにもいかなかったので私は一人で家を出る
(しょうがないわ)
(いつもならすぐ来そうだったのに
やっぱりちょっとひこずってるのかしらね・・)
夕焼けの道を私は一人で自分の寮へ帰っていった
・・・・
リズの寮の部屋のベッドの上
「はあ・・」
日課の抜け殻作りもなんか落ち着かないなあ
セミの毛穴のクオリティがちょっと下がっている気がする
少し作業の手を止める
(切り替えて魔法の勉強でもしようかなあ)
「・・・・」
だけど教材の入っているカバンまで ここのベッドからはちょっと遠い気がする
気分が乗らなくなった 手が止まる
それで私はちょっと分かった
(アスラを慰めたいんだと自分で思い込んでいたし
そういう思いも もちろんあったけど
私のほうが ちょっと慰められたかったのかもしれないわね・・)
「一人は寂しいね・・」
私はベッドに寝転がって作ったセミの抜け殻をひとつ 指で撫でながら
小さい声でそう話かけていた
・・・・
次の日 また風車の家に寄る
風車の家の庭の方は今日は魔法を撃っていないのか
もの静かでいつも通りな感じ ピカピカもしていなかった
(・・・・)
(まあそれはそうよね・・)
それでも今日は庭の方から入ろうかな
そう思って庭を覗きに一歩踏み込むと
「グレイト・ファイヤー!」
(ズゴオオオオオ!)
「わわ!」
(うわあ びっくり)
突如目の前にいたアスラから
前に見た大きな炎の術がでているところだった
今まで静かだったのに光も音も聞こえてくる
「え・・? リズ?」
アスラも今リズに気が付いた様子で慌てて術が小さくなっていった
・・・
「いやあね この子の術 規模が大きくなると
さすがに迷惑で危ないでしょ だからいっそ結界で全体まで覆うかなって
防音にもなっていいでしょ?」
リズがきたので一旦休憩していたところに魔女天狗クロージュさんが
種明かしにやってきて話しかける
(だから来た時は静かだったし 見えなかったのね)
「今日もアスラの練習見てくれてたんですね」
「せがまれたけど 忙しくて朝早くしか見れないから
今日の朝だけここで見てあげるわって昨日この子に言っておいたのよ」
「え・・そうだったんですね」
(それで昨日は私と行かないって・・)
「ねえリズ 今日はもっとうまくできたよ」
アスラはいつもの まん丸な目で無邪気な様子でそういった
(ああそうか・・アスラは別に大会に出るためだけのために
強くなりたいんじゃないんだもんね)
(大会に出れなかったくらいで少し気にしていた
昨日の私が馬鹿みたいだわ 私もちゃんとしないとね)
「よかったわね アスラ」
「うん」
・・・・
それはそれとして昨日は寂しかったので
今日はアスラを学園に連れてきていた
いざとなればカバンにしまえるしいいだろう
今日は大きい姿ではなくて妖精形態で肩にくっついているアスラ
肩がじんわりと暖かい
(これがなかなか こりに効くのよね)
寂しいといいながらも打算も入っている私
(アスラにちょうどよさそうな訓練施設を見て回るのもいいかもしれないわね)
そう思いながら学園中等部の中庭に差し掛かった時
・・
「あっリズちゃん探したよ ちょっと来てくれないかい?」
そういって私に手を振りながら呼びかけてきて現れたのは
私をまんまとテイマーサークルに加入させた、
いつかのやり手のテイマーサークルのアーノルド先輩であった
いきなり私をリズちゃん呼びで しかもそこそこいい顔と屈託のない声の調子で
不快に感じさせないっていうスキンシップテクニック やはりこの先輩・・
・・・・
そうして
のこのこ連れられてやってきたテイマーサークルのブース
そこにはアーノルド先輩が今は私のそばで立っているので
ブースの空いている席のところ
多分 元の先輩の席だったところの布がかぶせてある背もたれの上の所に
これもたしかアーノルド先輩の使い魔のフクロウのような魔物
(たしかフウロと呼ばれていた気がする)が止まっていて
私の肩にいるアスラと目を合わせて
翼を広げてふっくらと威嚇しており
(クルルルル・・)
(アスラ~ちょっとお!)
「(ふんふんふん!)」
それに対抗してアスラがガンガン身を乗り出していて
肩から落ちそうになっていて 私はそれを慌てて支えている
「こら フウロやめないか」
(あっ 名前あってたね)
だけど特に威嚇をやめる様子はない先輩の使い魔フクロウのようなフウロ
・・・・
ようやく元気な使い魔たちが落ち着く
「それで先輩は私に何の用だったんですか?」
「いやあ それがね・・」
「あっ!その子、その子 その子よ 奇麗な色の目のリズって子」
突然慌ただしく割って入ったロングヘアーのポニーテールで美人の女の先輩
首からケースに入った名札が下がっていて「リサ・フロノア」って書いてある
サークルのブースが少し騒がしくなってきた様子
「その子・・なんだけど あれ、テイマー欄の登録はスライムの子よね?」
(ああ 前は本当にスライムの形態で登録してたもんなあ
今は姿が違うもんね)
「この子が 前のスライムなんです」
「僕も気になってたんだ 雰囲気は似てるからそうなのかなって
思っていたけど こんな風にもなるんだね」
「あらーそうなの かわいいわね お名前は?」
「この子は・・」
「アスラっていうの!」
アスラが自分でしゃべる
「ま! しゃべったわ しゃべれるのね」
「すごいなあ 上位種だったのかい」
「あら~かわいいわあ アスラちゃんていうのね
おいでおいで」
おいでおいでといいながらポニーテールのリサ先輩は
自分からアスラに近づいていっている
「ちょっと触ってみていいかしら」
「いい?アスラ」
「いいよ」
「んま~」
リサ先輩は目を輝かせている
触るっていいながらも
先輩はもうアスラを抱っこするつもりの挙動をしていたけど
アスラが特に嫌がっていないので そのままリサ先輩に任せておく
(あっ やっぱ抱っこするつもりだ この人)
近づいたリサ先輩がアスラを抱っこする
「いや~ かわいい かわいいわあ この子ほっぺたスベスベよ~
あったか~い テイマーやっててよかったわ~」
抱っこされて興奮気味のリサ先輩にいろいろスリスリされて拒否してはいないけど
ちょっと嫌な顔をしているアスラ
「リサ・・アスラちゃんに構うのはいいけど 僕らだいぶ脱線してしまっているよ」
「あら・・いけない そうだったわね
でも もうちょっと抱っこさせてね」
そういってアスラをぎゅーっとしているリサ先輩
「あああ~アスラちゃん、 いいわあ・・」
「リサ・・」
「わかってるわよ それにたぶん上位種でしょ
アスラちゃんも期待できるんじゃないの?」
「まあそれはそうだね」
「なんの話ですか?」
アーノルド先輩とリサ先輩のやり取りに
ようやくしゃべれそうだったので リズは口をはさんでおく
「実はね はじめにいっておくと
うちのサークルから
リズちゃんにセントラルド武闘大会のテイマー枠で出てみないかって」
(え・・・)
「ど、どういうことですか?」
「リズ、大会でるの?」
話を聞いていたアスラが顔を上げる
「いやあ 私がリズちゃんの記入欄見て審査通るかもって思ったから
サークルから選んだメンバーで試しに申し込みに出しちゃったのよね
クリスフォードって書いてあったから・・」
(あー リサ先輩も私の事 優秀魔法使いと勘違いしているぞ~)
「リズちゃんは籍だけだって僕はちゃんと言ってたんだけどね・・
他のメンバーも何人か通ったんだけど リズちゃんもそれで通ってたんだよ
それで急いで探してたんだ」
「ええ・・」
「テイマーが大会で不遇だって話は前にちょっとしたけど
それで特別に優遇枠っていうか 各職業別に枠があってさ
テイマーから何人かそこに入れるんだ」
「え・・でも私 実は自分で大会に申し込みしてたんですけど
それは選考外だったって通知がきたんです」
「あれ、そうなのかい? でもこっちは通ってるよ みてみるかい?」
パラパラと名簿のファイルの様なものをめくっていくアーノルド先輩
「これこれ」
(ぱさ・・)
(ほんとだ・・)
そこにはしっかりとリズ・クリスフォードの名前で予選に進めることが明記された
書類があった
「テイマーの特別枠用紙と使い魔で参戦することをしっかり明記してたから
それでうまく通ったのかもしれないね」
「わたしがリズちゃんに黙って勝手に出しちゃって悪いんだけどさ・・
うちもたくさん送り込みたくてさ・・ど、どうかな?
私も一緒にでるよ?」
(リサ先輩も出るんだ・・抱っこされたアスラがこっちを見ているわ)
「どうかな リズちゃん 出てみないかい?
もちろん無理にとは言わないよ」
・・・・
ネロたちのいる風車の家
「へえ~~ そんなのでやっぱり通ったの?
まあラッキーだったじゃないの よかったわねー」
「そうなんです あとの手続きはサークルでしておくからって」
「なんだリズは一回落ちてたんだな よかったな」
今日は帰ったらソファーでだべっているクロージュさんに
挨拶にしにきた天狗のゲンゴも来ていたようで だいぶにぎやかであった
クロージュさんとの挨拶はもうゲンゴは済ませていたようで
ついでにアスラにまた少し格闘技を教え込んでいた
ゲンゴとクロージュさんはどちらも奔放としていて
ちょっと会話が少なくて気になったけど
単にそれはもう慣れた間柄みたいで
久しぶりに会ったみたいだけど特に仲が悪いわけではないようだ
挨拶用に餡子が中に入った団子のようなものをゲンゴが持ってきていて
それをなぜかミスラやネロたちが手を付けて はむはむ食べていた
とくに気にしていないようで
「好きなだけ食え」
ということだ
ゲンゴは場所は知っていたけど この家の中には入ったことはなかったようで
挨拶を済ませて帰るときに 悪くない家だなと言っていた
・・・・
今日は私は風車の家で泊まる
今日はアスラと一緒に寝るからベッドに一緒にいる
術の練習に私の手のひらとアスラの手のひらで合わせて
一緒に魔力で作った球体を回す
(ああ・・あったかーい)
「楽しみねー アスラ」
「うん!」
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