↓第19話 をばけやしき。
「うわぁ、まるでおばけ屋敷です……」
迷子は思わず声をもらす。
機械の電源が落ちた船内は、青白い非常灯がついた不気味な空間に変貌していた。
とりあえず通路を歩いてみたが、これといった収穫はない。
「? これって――」
機内をさまよっていると、コックピットの扉が開いていることに気づく。
ボブが出てきたあと、カギを閉めるところまでは気が回らなかったのだろう。
せっかくなので、お邪魔することにした。
「……ふつうですねぇ」
よくある飛行機の操縦席といった感じだった。
複雑そうな機械がびっしりと目の前に広がっている。
「ん? これって」
迷子はパイロットが座るイスの前に注目する。
わかりやすく『!EMERGENCY!』の文字が目についた。
つまり緊急事態を示す言葉だ。
二つのスロットがあり、そこに細長い専用の端末が刺さっている。
「もしかしてこれが原因なのでは?」
仮に緊急停止用のプログラムがあるとするなら、これを刺したことでスター・レイが停止したのではと迷子は推測する。
スロットが二本でパイロットが二人ということを考えれば、ハリーとボブがそれぞれ緊急時に使用する端末を所持していたことが考えられた。
「これは確認する必要がありそうですねぇ……」
迷子は考えを巡らせると、スター・レイから飛び出す。
そして中央フロアへと向かった――
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