大学入学③

 そのマッチングアプリは、「Let's go to loveレッツゴートゥーラブ」というらしい。レッツゴートゥーラブを翻訳すると、「恋へ行こう」ということらしい。

「このアプリを私がオススメするのはそんな宗教があるからなんです」

「は??」

「ああ、まあ当然仮ですよ仮。まあ、そんなわけで布教していこうと。運命の出会い、してください!」

なんか不気味・・・・・何の裏もなさそうだけど絶対裏がありそうな・・・・・。

「アカウント登録はこうでこうで・・・・・」

結果的に、私は七七子ちゃんにスマホを撮られて、アカウントを作られていた。

「あ、ついでにLINE交換もしましょ!」

おいおい、会った時の雰囲気とはずいぶん違うな。言われるがままに、LINE交換も済ませ、別れた。


でも、今考えると、良かったと思う。このマッチングアプリ、Let's go to love(めんどくさいから、以下レツラブで)は世界でもトップクラスの賢~いAIを使って相手を探すらしい。しかも、年齢別に分けたり、細かく絞って探せるから、すごく性能がいい。キャッチコピーは「アオハルつくろう、レツラブで」だから。それほど、みんなが使っているのだ。これまで恋愛で波乱が多かったから、使ってみるのもありかも知れない。


早速プロフィールを登録して、AIの解析を待つ。10分後くらいに、スマホが震えた。アプリを開くと、見つかったという。

すぐに、その人をフォローする。相互フォローになったら、チャットができる仕組みだ。すると、すぐにフォローが届いた。ワンマッチだ。

『ひら♬さくさん、初めまして。DJミナトです。色々お話しましょー!』

コメント来た~!!Twitterよりも嬉しい。そう、断然。

『初めまして、DJミナトさん。ひら♬さくです。よろしくお願いしますっ!!』

返信できた~♪謎な達成感がある。そのまま、しばらく友達に教えて、立ち話をした。帰った後も、ずっとスマホを見ていた。


 ドキドキドキドキ――

今日は、いよいよ初めて会う日。どんな人なんだろう・・・・・?

「あ、あなたですか?」

「ミナトさんですよね!初めまして、咲来です!」

「ああ、湊です!よろしくね」

柔らかい雰囲気の男の子だ。

「ここでやんのもあれだから、カフェで話しない?」

「いいよ」

いきなり溜口ができるようになった。進展だ!


それからは、相手のこととか、趣味のこととか、好きなアニメや映画のこと、読書のこと、ペットのこと・・・・・まるで、結婚相談のようなものになっちゃった。でも、その時間は生きてて一番楽しいかも知れない・・・・・くらいのものだった。何より、面白かったのは私と誕生日が一緒ということだった。

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