中学校入学③

 中学校に入学して、一回休日を挟む。そして、次の投稿日に、私は変な恋に、さらに巻き込まれてしまった。

「並木君だったか?ホント、かわいいね」

古刀先生は笑顔で話しかけてくる。

「・・・・・」

「何だよ、何にも喋らないじゃないか」

そう言って、古刀先生は、私の腕を持った。

「キャァッ!!」

こんなこと、恋愛史上初めてだった。ていうか、初めてこれに怖気づいた。

そして、さらに私に触ってこようとする古刀。

「誰か助けて!!」

それに気づいて、生徒がやってきたころには、古刀は廊下を走って消えていた。


「なあ、どうした?」

聞いてきたのは、廉介だ。

「れ、廉介君・・・・・古刀先生が・・・・・」

「古刀先生がどうした?」

「古刀先生が私の・・・・・」

これまでのいきさつは全て話した。

「何だと?!古刀のやつめ、良い教師だと思ったがそれは間違いだったな。よし、俺がどうにかする」

廉介はケンカ腰になった。そして、いつもの太陽のような笑みを向けて来てくれた。

「あ、ありがとう・・・・・」


 数日後、あるイケメンが話しかけてきた。

「君の名前を教えてくれる?」

無心で渡り廊下を歩いていた咲来に、通りすがりだと思っていた一人の男が声をかけた。

「え?」

「ああ、驚かせてごめん。僕は生徒会長の鈴山享也すずやまきょうや。君は?」

「えっと、並木咲来です」


「そうか。突然だけど、職員会議を盗聴してるときに、悪い噂を聞いてね」

「と、盗聴・・・・・?」

「ああ、言い方が悪かったかな。校長室で校長と話をしているときに、たまたま聞こえたのさ」

もしやと思った。でも、それなら心強い味方ができることになる。

「古刀善丸が君の担任だよね。彼がたくさんの女子にセクハラをしたと教師が話していたんだ。古刀の声が聞こえると、すぐに静まったけどね」

やっぱりだ。

「だから、古刀のこと、校長に今から訴える。その時、君ときてほしいんだ」

「えぇ!!」

校長と話すのは初めてで、私はついビックリした。

「大丈夫、僕がいるから」

鈴山君は歩き出した。つい、私も一緒に歩いてしまった。


 翌日のこと。朝に、古刀は来なかった。

「ええ、古刀先生はどうやら何か良くないことがあったようで、今日はお休みです。なので、副担任の私、桐田が今日は授業します」

ピンときた。校長がすぐに対応してくれたのだろう。

昨日、私は鈴山君と一緒に校長に訴えた。そして、私がされたことを全て話した。校長は他の女子にも話を聞いて、古刀の罪を確信したようだ。


――翌日、私は臨時朝会で、古刀の失脚を耳にした。生徒会長の力説と一緒に。

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