小学校入学①

 幼稚園の卒園式がつい最近終わったと思えば、今度は小学校の入学式。

幼稚園では、遊んだりするばっかりだったけど、これから色々お勉強しなきゃいけないんだなぁと思うと、少し憂うつだ。


始めに、一年生教室に入る。そして、担任の先生と話すことになっている。入学式をどのようにするかなどについてだ。

幼稚園では、ずっとずっと、小さなお話しか聴いていなかった。これからは、勉強についてめんどくさいこと話されるんだなぁと思った。


「入学式の瞬間に、みんなは、一年生になります。小学生になります。これから、六年間、みんなと一緒に勉強して、遊ぶんです。それの始まりですので、頑張りましょう」

担任は、改田あらたという。ずいぶんのおっさんで、面白くない。幼稚園の性格が残っているのは当然で、何人かが友達と話していると、すぐに低い声で注意してくる。

「もうじき、式が始まります。これから移動します。起立」

みんなは、キャッキャキャッキャと言いながら、立った。

「静かに立ちましょう。それでは、体育館に移動します」


 体育館の入り口に着くと、たくさんの先生と、自分、友達の親がいた。

数十秒待つと、女性教師が言った。

「一年生、入場です」

その時、体育館の扉が開け放たれた。六年生が、笑顔と拍手、花のアーチで迎えてくれていた。

一人ずつ、自分の席へ向かう。

私の番になった。アーチをくぐっているときに、周りをキョロキョロしていたが、気になる人がいた。

けど、立ち止まったらだめだと思い、そのまま歩き続けた。

席について、様々な人の歓迎の言葉やら、色々聞いたが、一人の男のことで、何も入ってこなかった。


 この学校では、一年生を迎える会がある。それとは別に、入学の次の日に、六年生と交流することがある。

「君が、並木咲来ちゃんだね」

声をかけてくれたのは、とっても柔らかい笑みを浮かべている、男の子。

「うん」

「僕は、児童会書記の田辺蓮たなべれん。仲良くしてね。ほら、お前も」

蓮が隣にいた男の肩をポンと叩いた。

神澤陸斗かなざわりくと。よろしく」

それが、まさにさっきの、クールでイケメンで、カッコいい人だった。

「んじゃ」

陸斗は、ヒラリと去ってしまった。

「ごめんね、あいつ人付き合い悪いやつだから。女にはモテてるけど、当然付き合おうとしない」

「そうなんですね・・・・・」

私には、かまってくれないのかな・・・・・?この恋、成功するかな?

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