第13話 中央都市ウガリット2
エリーニュに気がついたチャペは一目散にかけより嬉しそうに身体をすり付けている。
その姿を見てるとチャペには言えないがにゃんこって感じがする。
そういえばねぇさんって言ってたよな…
でもエリーニュは虎っぽいしチャペは猫だよな?…よく分からないが猫科だからありえるのか!?
それにしてもスキンシップが激しいな。
「ほら、分かったから落ちつけ!お友達もビックリしてるから!
皆さん、驚かせてすまないなかった…私の名前はエリーニュ冒険者をしている。
昔、旅をしていた時にチャペの住む村にはお世話になってね、その時よく遊んだり少し稽古をしてたんだけど…気がついたら姉さんと慕われるようになってしまってね。
まぁ、チャペはまだまだ子供だから多めに見て上げてくれ!」
エリーニュに撫でられ喉をごろごろと鳴らしていたチャペだが我に返ったのか少し恥ずかしそうだ。
「エリーニュは凄く強いのにゃ!でもにゃ…もっと強くなりたいって、急に出ていったから凄く寂しかったんだにゃ…」
可愛いやつめ!とまた撫でまわされてるチャペはまたゴロゴロいっている、嬉しいのだろう凄く分かりやすい。
ただ1つ疑問がある、チャペの年齢だ子供って言ったがどう見ても歳上だよな…身長も俺より大きい170後半くらいあるし。直接聞いた方が早いか…
「なぁ!チャペって今何歳なんだ?」
チャペが不思議そうな顔をしながら答える
「にゃ?11歳にゃよ?」
「「11歳!!!!」」
うそだろ!癒真と同じじゃないか!異世界に来て今のところ一番驚いたかもしれない!
ってかなんでトゥランは俺より驚いてるんだ。
「…11歳…11歳…」
トゥランがチャペの身体をまじまじと見ながら虚ろな目で呟いている…察してしまった…
たしかにチャペは出るところが出て細いところは細い…それに比べてトゥランは細いが…なんと言うか肉付きは良くない…ここはフォローしなければ!それにトゥランは凄く美人だ!
「トゥラン!落ち込むなよ!トゥランも顔は凄く美人だぞ!」
「…顔は…ね……はぁ…ハクトあんた女性褒めるの物凄くヘタね…………11歳…」
トゥランは虚ろな顔でぶつくさと唱えながら店を出ていく
「うわぁぁぁぁ…」
あまりに的確な言葉に叫んでしまう。
昔、癒真にとうまにぃは女性の気持ち分からなそうだから高校でも彼女できなさそうと言われた思い出がよみがえる…
「ふ…2人とも大丈夫かにゃ…?」
心配そうな顔をするチャペとは対照的にエリーニュは腹を抱えて笑っている
「私達、獣人族は成長が早いんだ!5.6歳には身体は出来上がる、見た目じゃ他種族には見分けつかないだろうけどな、まぁ大人の獣人は『にゃー』だとか『わん』だとかは言わないから話してみれば分かるさ!」
街を歩いてても色々な種族がいた。
この世界には何種族くらいいるのだろうか。
後でトゥランに聞いてみよう。
「それにしてもレッドヘルドラゴンを倒すなんて強くなったねチャペ!昔からセンスは良かったけどその若さで倒すなんて私も鼻が高いよ!冒険者になってたとは知らなかった!」
「違うんだにゃ…倒したのはあちしじゃないのにゃ…攻撃したけど全然効かにゃくて…悔しいけど倒したのはハクトにゃ!いきなり現れて一撃で倒したんだにゃ!凄かったにゃ!あと冒険者には明日なるにゃ!」
そういうとチャペが俺を紹介してくれた。
「ハクトって言うのか…聞いたことないが強いんだね…へぇ…一撃でねぇ…」
背筋に悪寒が走り全身の毛穴から汗が滲む。
こっちを一瞥したエリーニュから一瞬だが物凄い気配を感じた…野生の虎に狙われたような感覚…少し殺意にも感じ取れた気がするが…
「ねぇさんは何しに来たんだにゃ?」
「実はねぇ…来月開かれる円卓会議の為に暗黒竜の調査に行くんだ!」
暗黒竜の調査?
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