異世界に転移した俺は、魔王に対抗するために伝説の『勇者召喚』を行う事にした。

あずま悠紀

第1話

ジャンル:異世界ファンタジー

タグ:異世界転生.主人公最強.剣と魔法.戦記.美少女.ライトノベル.ハイファンタジー.バトル

タイトル:異世界に転移した俺は、魔王に対抗するために伝説の『勇者召喚』を行う事にした。

【あらすじ】

現代日本から突然、魔王によって支配されている『魔境』に勇者として呼び出された青年は元の世界に戻る為、『魔王討伐』の旅へと旅立つ!そして仲間を集め旅をしていく中で成長していく彼は次第に世界の危機を救いながらも恋人を増やしていきハーレムを築き上げていく。


「魔王は、勇者を召喚して倒す」


 それが最初の発想だった。異世界転移において、俺は大した能力は持ち合わせていなかった。

だが、そんな俺に許されたのは、【勇者召喚】であった。俺と同じく、異世界から転移させ、勇者として魔王討伐に向かわせる。

それこそ、仲間を集める、という流れともいえるが、まさか、異世界転移した自分自身が自分と同じ勇者を召喚して、目的の達成を図ろうなどというのは衝撃的である。


「普通、女神が召喚して、それで召喚された異世界人がチート能力活用するもんじゃないのか」


 俺はぶつくさ言いながら、召喚用の魔法陣を次々と組み上げた。この世界において、自らが果たす役割に応じて必要な知識が潜在意識から刷り込まれていた。


「……よし、これでいいか」

 魔方陣は完成した。これで…。

「(とはいえ、自分と同じ現代からやってきた同年代とか年代の近い奴らを呼んで、一緒に意気投合して戦う……)」


 内心考えてみた。それはそれで魅力的だ。よくあるVRMMOやネトゲのそれ、ゲーム小説のそれだ。

それを現実にやれる、それは一番楽しい事ではないのか?仲間を呼んで、魔王討伐に一致団結する…。


 そんな事を頭で巡らせながら、俺は勇者たちを召喚する。



【異世界勇者の降臨】―――そう脳内にイメージを浮かべて、呪文を唱える。

「いでよ!」

刹那―――俺の目前に光が弾けたと思ったら、そこから何かが出現する。俺はそれに気付くと同時に驚愕してしまう。

何とそこには三人の若者がいたからだ。そのどれも、男ばかりだった。

しかも、全員見知った顔である事に、俺は思わず声が出てしまったのだ。

**

***

【勇者召喚の条件を満たしています】

【あなたはこの勇者召喚を行いますか?YES/NO?】

→YES

「あー、ちょっと質問なんだけど」

俺は思わず目の前にいた3人の男女に声をかけてしまうが、彼らも同様に驚きの表情を見せていたのだった。そして互いに困惑している中、1人の女性の声だけが聞こえてくる。

【あなたの願いを入力してください。入力方法は口頭もしくはキーボード入力になります。また音声の場合はマイク機能を使用して頂く事で対応が可能です。ご協力お願いします】

***

***

どうもこんにちわ。私はこの異世界を創造する神様の眷属みたいなものです。いきなりの挨拶ではあるんですけどね。まぁまずは私について話しておきましょうかね。私はいわゆる異世界転生や異世界転移におけるサポート的な役を担っているのですが、たまにはこうして直接、お話しできる事もあるわけですよ。

そんな私が今回担当するのは、「異界の戦士を召喚したい」って願われた方の手助けをしているんですよ。なので、これから皆さんは勇者となってもらいましてですね、魔王を倒すために頑張ってもらいたいわけです。

ただね、実は魔王を倒して終わりって訳でもないわけで、そこだけは注意が必要ですよ。ええ。

例えばの話、勇者を召喚する際にはレベル999にしないとダメだって条件付けされていたりとかありますからね。ほら、そういうの大事でしょう?あと、レベル99になるために必要なステータス数値が999になってたりするんですよねぇ~。

まぁつまり、そのあたりを考えずに勇者だけ呼んじゃうってのもある種危ないわけですよね。なので、こちらの世界の神々に相談したらこうなったっていう話なんでございますが、とりあえず勇者様たちにとっては良いお知らせもあるんです。

まず一つ目、貴方方は現代日本から召喚されています。なので現代日本に帰れるようにする事も可能ですよぉ。ただ、そればかりをやってるとこっちの世界の管理が出来なくなる可能性もあって困っちゃうんですよねぇ。

なので現代日本には戻れません。ただし異世界での快適ライフを送りながら元の生活に戻りたければいつでも帰還する事が出来るって感じですかねぇ。二つ目がですね、これはまだ説明してなかったと思うのですが、レベルを99にしてください。そうすれば元の世界へ戻す事ができちゃうんですね。

でもこの異世界においてのレベル99というのは本当に高いハードルになっているんです。だから最初は無理だと思っちゃいがちなんです。

しかしそこは心配無用。なぜなら勇者として異世界転移した者は元いた世界で培った経験値を全部引き継いでいる状態になっているからです。なので最初から強くなっているという、RPGで言うところの裏設定があるから大丈夫!安心して下さい! そんなこんながありつつ、私としては貴方方が無事に勇者として活躍してくれることを望んでいるので、どうか魔王退治の為にがんばってくれることを期待しています。もちろん私どものサポートも受けることができますよ。

さてと、じゃあ後は貴方達次第な所が多大にあるから気を引き締めていかなくちゃいけませんからね。それじゃ、また会う時があったならよろしく。そういえば名前を言うべきでしたね。私の名前は「イリス」といいます。以後、お見知りおきを~♪

「異世界に召喚されるなんて思ってもなかったし想像もしなかったが、どうやら本当らしいな」

目の前にいるのは俺を含めて4人の男性である。それぞれは日本人のような顔をしているが、髪の毛の色がそれぞれ違っている。茶髪に白髪が混じっていたり、青や緑などカラフルだったりするが、黒髪をしている者はいない。

ちなみにだが、俺が召喚して現れた連中は「異世界勇者」と呼ばれている存在だという事が分かるのだが、彼らは「地球勇者」と呼ばれているのだった。それはなぜかと言うのは後々話すことになるとは思うが。

「あ、あのっ。貴方達が異世界から呼ばれた方々とは思いもよりませんでした。自分は『山田次郎』と言いまして、『異世界勇者』を召喚する為に召喚士の職業として生まれました」

俺に話しかけてきた少年の名は「ヤマタノジロウ」。異世界に飛ばされたというのに冷静沈着でいて、俺に向かって丁寧に挨拶をしてくれたのは正直、ありがたかった。彼は「召喚術師(サマナー)」のジョブを持っているのだという。異世界の魔法を使うのに必須な「魔法使い(ウィザード)」という魔法系のジョブは持っていないそうだ。

異世界に召喚された時に付与された知識から、彼らが何が出来るかは把握していた。なので彼のステータスを見ても俺はさほど驚かなかったというのもあった。

そして彼以外の2人に関しても確認をしておく必要があるだろうと思い、俺は声を掛ける。

「俺は【高橋真斗】だ。よろしく頼む。早速なんだがお前らは一体何ができる?」

俺はストレートに訊ねた。その言葉を聞いた瞬間、俺を含めた3人は互いに視線を交わして小さくため息をつくのである。

「(まぁそうなるよな)」

と俺は心の中でつぶやく。そもそも召喚した本人である自分からして、勇者としての能力を期待していないから仕方がない事ではあるが。しかし、それならばどうして召喚の儀式をしたのかというと、それは「自分以外の人間がどうなるのか興味があった」という点にあった。自分一人だけ異世界に来てしまうというのも心細すぎる。それを解消するには召喚を行うのが手っ取り早いと考えたのだ。その結果が「召喚勇者の召喚」になっただけである。

「まぁいいや。まず俺は【渡辺亮】だ。俺のジョブが気になるってんなら【戦士】のジョブを持っているって答えておけば間違いない」

次に自己紹介をしたのは短めの髪型に整えた、ややワイルドな風貌の男性だ。彼が名乗った名前は「ワタナベリュウ」。「格闘家(グラップラー)」という戦闘系のジョブを持っていた。ジョブが何かを説明すると「格闘戦に長けた才能を発揮する」というのが一般的な説明だ。他にも拳や足技を使った攻撃に補正が入るとかそういうものがある。

このジョブを持つ者は格闘技の大会でも上位入賞をする程の実力者でもあるのだった。そんな彼に対して質問をしてみる。

「それじゃ次のあんたはどうだい? まぁ見た感じ、そんなに強くなさそうに思えるんだが」

失礼な物言いかもしれないが相手は年上の男だ、遠慮は必要ないだろう。そんな俺の言葉を受けた人物は「あははは、そっか、そうだよね」などと苦笑いを見せつつもこう言葉を返してきた。

「ごめんごめん、ちょっとびっくりしちゃったもので。僕は【小寺正人】です。一応、「賢者(ワイズマン)」をやっています」

最後に名乗ってきたのは背丈が低くて線の細い男性でメガネを掛けていた。彼の名前は「オデラッヘ=ショウジン」。「魔術師(ソーサラー)」の上級職として存在する「賢者」の職業を持っているという。ジョブの説明は「魔力量が多いのが特徴」というものだ。「魔法を使いこなして仲間を補助する」という役目を果たしているのだ。また、レベルを上げることで使える魔法の幅が広がるというのも特徴の一つだ。

その反面、攻撃力などのステータスは低いと言わざるを得ないようだ。そんな彼らに俺はある事を提案してみることにした。


***


***

【異世界勇者の条件を満たしています】

【あなたはこの勇者召喚を行いますか?YES/NO?】

→YES

***


***

俺達は「異世界勇者」の素質を満たしている人間を召喚することに成功したのである。この3人の内1人が勇者として覚醒するとの情報を事前に得ていたので、彼らを選んだのだった。しかし勇者が3人も召喚できた事は奇跡に等しいといえるだろうが。

ともかく、この勇者を元の世界に戻す方法は1つしかない、俺が魔王を倒して元の世界へ帰してやればいいのだ。それが出来るのであれば俺にとってもこれほど嬉しい話はない。俺自身には元の世界に戻る理由もないからだ。だが、俺自身が魔王討伐に赴くとなると色々と問題があるわけで、それを解消させるためにもまずは戦力の強化が必須になるわけで、その為の召喚であったわけなのだが、そんな思惑があったわけである。

「あー、ちょっと質問なんだけどさ」

そう声をかけてきた人物、それは「小鳥遊美鈴」と名乗った。彼女だけは何故か女勇者のジョブを持っているらしく、それが理由で選ばれたという事になるのだが、彼女自身に戦闘力というものはなかったらしい。なので、勇者のジョブを持ったままでいるのが嫌だから、元の生活に帰りたいと切に願っていたのだと、そう語って来た。

ちなみに彼女は「巫女(シャーマン)」という職業を持っており、魔法系のジョブの中では僧侶に次ぐ回復系統の職業だったはずだ。その分、攻撃魔法に関しての知識が豊富なはずなので期待できそうである。

「あ、あ、あの。ぼ、ぼくが貴方達のお世話を担当させて頂きます。あ、貴方達が無事に魔王を倒せるように精一杯がんばりますのでよろしくお願いします!」

山田次郎と名乗った少年が緊張しているのが丸わかりだったので、俺達としても力になりたかったのである。そこでまず最初に何をすべきなのか? 俺達がこれからするべきことについて話し合うことになったのだった。

まずは、自分達の実力を把握しておく必要性を感じていた。いきなり魔王を打倒するような事を言われても出来るものではないので、とりあえずは自分がどの位強いかを確かめておく必要があった。しかしここで大きな問題が発生したのである。俺の場合は問題なく自分のレベルを知ることが出来るわけだが、それ以外の人間はそう簡単にいかないのだった。

まずはヤマタノジロウだが、彼自身のレベルを確認する方法がないという事が判明したのである。なので彼は俺のレベルを見て、自分のレベルを把握する方法を模索する事を決めた。

「えっとですね、自分よりも強い相手のレベルを知るにはですね、相手に触れて念じることで、ある程度レベルを把握する事ができるみたいですよ。例えば僕が高橋さんのレベルを知ろうとした場合はですね、触れれば大体の事が分かるんですよね」

「ああ、じゃあ試してみるか。俺に触りながらステータス画面を見てくれるか?」

そう言うと彼はゆっくりと俺に手を伸ばしてきたので俺は手を差し出す。そして彼は「えっと、ステータス画面に表示されている文字を読めるようにするには」と言い、俺の手首を掴んでから「こう言えばいいんだよねぇ?」などと言ってから口を開いた。

「『ステータス画面オープン』!!」

俺は思わず固まってしまう。山田次郎という少年が「ステータス」と言い放つと同時に視界にステータス画面が表示したからである。俺も同じように口に出してみると、目の前に同じものが表示されたのである。そこには俺自身の情報が書かれていて「名前」に「性別」に「年齢」などがあった。更には「ジョブ」に「種族」などがあって、俺の場合はそこに「勇者」と「魔王」の文字があった。山田次郎のほうは「召喚術師」と書かれているのだった。

つまりだ、俺達の場合はジョブという能力に関係しているのか、それとも名前そのものによって「勇者召喚」を行ったのかどうかが判別できるのである。これは他の勇者も例外ではなく名前から判断する事ができるらしい。山田次郎の場合は「召喚術師」なので異世界の人間を召喚することができる。その事から「地球勇者」として召喚された俺の場合は、地球にいる存在なら誰でも召喚する事が可能なのではと予想されるのだ。

「あのな、山田次郎。お前が勇者として呼ばれたのなら、お前が召喚する対象を選んでくれよ」

俺は彼に対してそういう風に告げる。もしも彼が召喚できないなら別の方法で元の世界へ戻らなくてはならないのだ。それに俺は元の世界での居場所なんてないし、帰る気もあまりないのだからいいのだが、彼としてはどうなのか? そんな疑問があるからだ。

俺の言葉を受けて、彼が「そう、だよねぇ」などと少し困惑した表情を浮かべたあと、何かに気がついたようで「あ、そっか」と言うなり言葉を続ける。

「あ、はい、分かりました。今から確認をしてみます」

そう言うと俺に向かって手をかざした状態で目を閉じた。何かをしようとしているのはわかるのだけども、一体何をしたいのかさっぱり分からなかった。そんな状況の中で俺は「鑑定」と「解析」という言葉を口に出してみる。すると俺の言葉に反応したのか、脳内でシステム音声が響いた。

【スキル発動可能。【分析(アナライズ)】のスキルを習得しました】

この世界において「勇者」と呼ばれる存在にはある一つの特殊なスキルが与えられる。それが「勇者召喚」だ。

その勇者を「勇者召喚」という手段でしか呼べない理由は、異世界に危機が訪れたときに勇者が現れるというのが伝承として残っているためであるが、その理由というのは未だにはっきりとしていないのである。それというのも異世界に転移して来る人間は全て男性だと言われて来た。それも、勇者召喚を行えるのは女性だけなので異世界における男女比の関係上、勇者を呼べる人間が極端に少なくなるのだ。だから、異世界における「勇者」をこちらの世界に呼び出せる女性が貴重であり、その女性のみが勇者召喚を行うことができるという事になっているのだ。

だからこそ異世界における女性の数が圧倒的に少ないのは当たり前だった。そもそも男性が圧倒的多数を占めて居るために勇者を呼ぶための母体が少なくなってしまうのは必然と言えた。そんな背景があったからこそ俺達は勇者のジョブを持つ者を呼び寄せたわけなんだけどなぁ。

まぁそんな感じで俺は山田次郎が使うスキルを見ていた。彼の使っているスキルは恐らくは「解析」の類のものだろうと推測ができるし、山田次郎自身も「鑑定」と言ったはずだ。ただ「解析」の方に関してはどんな効果があるのだろうか? 分からない事が多いので、俺は「ステータス」というキーワードを使って山田次郎のレベルを確認することにする。すると俺の「鑑定」と同様に「ステータス」という単語が頭に浮かび上がるのだ。

◆山田次郎(ヤマタノジロロウ)

Lv 1

(+227/1000/500/525 経験値375万4200 次のレベルまで残り351021ポイント)

体力 255 物理攻撃力 208 魔法攻撃力 324 魔力 303状態異常 無し 耐性 毒(-100%/即死(150%/ダメージ軽減20%/半減(30%/無効(375%/反射(60%/呪い(63%/石化(80%/混乱(70%/魅了(325%/睡眠(98%/催眠(90%/暗闇(95%/恐怖 魅力(99/無自覚 幸運 523/不運 222/成長速度UP 428/習得率向上(MAX スキル 【神性】

職業技能:賢者(ソーサラー)Lv50 【魔術師】【勇者】【賢者】

特殊スキル【賢者】

勇者召喚士

固有能力 《賢者》 装備 :武器:なし

防具:布の服 装飾品 なし うっわー!! なんだこの数値。これが山田次郎の数値なのか!? こんなにも強いとは思ってもなかった。というか職業が凄いな、これ全部「勇者」なのか。しかも職業に付いている「賢者」はなんというか、かなり万能職じゃないか。俺なんかよりずっと強いんじゃないかと思うほど。「勇者」も確かに強そうなんだが、「賢者」があまりにもぶっ飛びすぎている気がするぞ? 俺は内心で「やばいだろ」と思ったものの、まずは自分の能力を確認しなければならない。その為には山田次郎にお願いをするしかないのだ。俺の場合、ステータスを見る為には、山田次郎のように「ステータス」と言えばいい。だが、それはあくまでも自分の場合なのだ。他人に対してはどのようにすれば良いのだろう。俺がそんな風に考え込んでいる中、山田次郎は何やら困ったような顔つきをしていた。彼は自分以外の人のステータスを見ようと思って、俺と同じようなことをやったのだが、俺の時とは違ってうまくいかなかったらしい。「どうしたものか」と思いつつ、俺達の様子を見ていた佐藤香里と小鳥遊美鈴の視線に気づいて声をかけることにしたのだった。

「えっとな、実はちょっと聞きたいことがあるんだけどさ?」

俺の問いかけに対して二人が「何でしょうか?」と言葉を返してきた。ちなみに俺はというと山田次郎のレベルを確認した際に見えたステータス画面が頭に焼き付いて離れなくなっていたのである。というか職業に表示されている「職業名」って変更可能なのかな? 職業って変えたりするものだっけ? 俺は「ステータス」と言い放つと自分のステータス画面を表示して、そこから山田次郎と俺とのレベルの違いを考えてみたのだった。山田次郎は俺よりもレベルが低い。なのに彼はレベル以上の強さを持っている。レベル1でもこれだけの戦闘能力を誇るのは「普通じゃないよな」と考えたわけである。そんなことを考え込んでいたせいで山田次郎の問いにすぐに反応できなかった。俺の様子を眺めながら首を傾げて待っている彼に向けて俺はこう口にしたのである。

「えっと、すまん。ステータス画面に表示されている内容について質問させて欲しい」

山田次郎のほうも俺の言い分を理解してくれたようで、「ステータス」と口にした直後、俺にステータス画面を見せて説明を始めた。

まずは俺の能力値だが「魔力」が桁違いに高くなっていた。次に「体力」と「物理攻撃力」が山田次郎を上回っているのである。そして山田次郎には無かった「魔法攻撃力」のパラメータが存在した。この「魔法攻撃力」というのが、山田次郎が召喚した時に必要な数値だと俺は考えたのだ。そして彼のステータスには「魔王」と書かれていて、俺は山田次郎のステータスに「魔境」という言葉があったことを思い出す。

山田次郎は俺の言葉を受けてステータス画面を見せてくれることになった。俺が彼に聞いた話だとステータス画面は他者に見せることも可能で、見せ合うことで互いの強さを確認できるのだという。そして相手の職業を見れば大体どれくらいの強さで召喚できるのかが判断可能になるのだ。俺は目の前に現れた山田次郎の「職業」欄に注目してみると「魔王召喚士」と書かれていたのであった。そうして俺は目の前にいる「魔王」がどれほど恐ろしい相手なのかを理解することになる。

目の前に立っている「山田次郎」は俺に魔王を召喚してみせると言った。その際に必要となる魔力が膨大な量になると。山田次郎が召喚しようとした存在はそれだけ強大な力を有する存在だった。それこそ「地球を滅ぼせる」程の存在だというのだ。俺はそんな話を信じられないと否定する事もできたが、彼が冗談を言っているようには見えなかったのだ。

俺は山田次郎からの説明を受けると思わず頭を抱えてしまうのである。俺が「勇者」だなんて言われても正直実感がわかないし、そもそも元の世界に戻るつもりはないからいいのだが、山田次郎に関してはどうしたらいいものなのか? 俺は彼から事情を聞く事にする。何故なら今の話が真実だとして彼を呼び出せば、確実に地球に害を与える事になってしまうのだから。そんな事態だけは回避しなければならない。俺達の場合は勇者を召喚しなくとも戻る方法は存在しているからな。だからこそ山田次郎をこちらへ呼び出すメリットは存在しない。そんな事を考えていた時に山田次郎の表情が険しくなると突然、声を上げる事になった。その声が周囲に響き渡って全員が動きを止めてしまったので「うるさいぞ!」と山田太郎の声が飛んで来たが、それに対して反論を行う気力は俺には残っていなかったのだった――。

*

***

俺は「異世界」に転移してしまった。これは夢だと思いたかったのだが現実は非常なもので、いくら俺が何回も同じ言葉を口にしても、目の前の状況は変化しなかった。むしろ俺の言葉に反応したのはクラスメイトたちであり、彼らもまた、同じ言葉を繰り返し、その言葉を信じる者が増えていった。

そんな中で最初に行動を開始したのが担任の後藤だった。彼は他の教員たちと情報交換を行っていて「異世界転移の可能性が高い」と報告をした。その結果、この異世界をどうにかしなければ自分達が生きていけないかもしれない状況に追いやられたのである。

そんな状況下でも冷静に物事を考えている人間がいた。

生徒会長の「山田太郎」だ。彼は「勇者召喚の儀」を行えば「日本に帰れる可能性があるかもしれない」と告げた。この発言によりクラスの人間は一斉に沸き立ったのだった。しかし彼は「勇者召喚の儀を行えるのは女性のみなので、誰か一人を犠牲にしないと儀式を執り行えない。その場合の成功率は低いので期待はできない」と発言した。

この言葉は生徒たちの心を大きく揺らしてしまっていた。誰もが「日本に帰る」事を望んでいた。それが簡単には叶わないとなれば動揺してしまうのは仕方がないことだ。そんな時、俺は思った。「異世界」で生活をしていかなければならない場合、その「魔王」と呼ばれる存在を倒して帰還する方法を見つけるべきだ、というのだ。その方が安全に暮らせるだろう。

俺は「山田太郎」に「俺はこの異世界で冒険をしてみたい。俺はこの異世界に来て、勇者召喚の儀を行ったお前に頼みたい」と言ってみた。すると俺の言葉を聞いていた「山田太郎」が「分かった」と答えたので、彼の手を取り、一緒にクラスの中心へと歩いて行くのだった。

その後「山田太郎」の「勇者召喚」によって「俺」こと「田中一馬」という青年が呼び出される。俺は「勇者召喚」のスキルを持っていて「山田次郎」が呼び出した存在に対抗する力を持っていたのだ。その為、彼は山田次郎に戦いを挑み勝利した後に仲間になり、山田次郎が呼び出した存在である「魔王」と対決する事になったのである。

「魔王」と化した「山田次郎」との戦いを終えて、俺達は元の世界に戻れなくなってしまった。

「俺は『山田太郎』。これからよろしく頼むぜ」

俺の隣に立つ「山田次郎」がそんな言葉を口にして俺の仲間となった。

俺は「山田次郎」と出会ってしまった為に、「勇者」として召喚されてしまったのだ。俺には勇者としての適性があるらしい。勇者の素質は生まれ持ったものではなく、成長するごとに強くなっていくのだという。それ故に「魔王」と戦うには、まず「レベルを上げていく」事が大切なのだそうだ。「山田次郎」はその事について詳しい説明を行っている最中だったが、俺は「山田次郎」の職業を見て驚いてしまう事になる。

「山田次郎」が勇者だった場合、俺も勇者という事になる。だが彼は「勇者召喚士」だったのである。

勇者のジョブを持つ人間が勇者ではない? 普通ではあり得ない事態だが「ありえない」という言葉で納得できない。

だが俺の考えを肯定してくれるように目の前に出現したステータス画面に「職業:賢者」と表示された事で「ありえる」と思うしかなかったのである。

「俺は鈴木一也。宜しく」

俺と「山田次郎」は握手を交わして自己紹介を終えた。その直後、俺はステータス画面にある自分の職業を確認することにしたのである。そこに表示されていた俺の職業は「神性使い(デミゴッド)」というものだった。「神様」という意味だろうが、どういう意味なのだろうかと思った。その時、自分の頭に声が聞こえて来たのである。

【お主は神の眷属じゃ。つまり神の使いじゃよ】

「!?」

俺の脳裏に突如、響いた「男」とも女とも言えるような声に俺は驚く。だが俺はその声を聞いて理解していたのだ。今話しかけてきた相手が誰であるのかを。それは先ほど「山田次郎」のステータスに出てきた「神」だと思われる名前である。だが俺はどうして声の主がその人物なのかが分からないのだ。俺は「山田次郎」に聞いてみることにする。すると俺が声をかけようとした直後、彼の前に「ステータス画面」が現れた。それは俺も経験したことだが、俺以外の人間の前に「ステータス画面」が現れるというのは珍しい事なのだという。だが山田次郎は自分が出した「ステータス画面」を確認して目を丸くしたのだった。

俺は山田次郎の反応が不思議だったので、彼に何が起こったのか質問したのだ。俺の言葉を受けた彼は戸惑いながら答えを返してくれた。それによると「職業」の「職業名」が変わっているので、ステータス画面が新しくなっているのだと言うのだ。

それこそステータス画面が変化してしまう程の能力を持った相手と対峙したという事であると知った俺はすぐにでも戦いをしたい気分になってしまった。

だが今は我慢しなければならない。まだ勇者としての能力を扱えない俺にできることは何もないからな。

俺は気持ちを抑えながらも自分の職業について考えることにしてみたのだが、そもそも神様の名前から取ってつけたものなので特に深く考えたりしなかったのだ。それに俺の思考を読み取ったかのようなタイミングで再び脳裏に語り掛けてくる人物がいたのである。今度は男性のように思えたのだが性別までは判断できなかった。何故なら俺の前に現れたその人物は白い布のような物を体に巻き付けた状態で宙に浮かんでいるからである。そう、いわゆる裸に近い状態だったからだ。そして俺は「山田太郎」の「職業」を見た時と同じく驚愕する事になってしまう。「山田太郎」の職業は「魔王召喚士」であったが、目の前に現れた相手の職業も「神」だったのだ。俺は「あなたは誰なんだ?」と問いかけると目の前に「画面」が表示される。

【ワシは女神。こっちの世界を管理している存在だよ】

目の前に表示されるその「画像」を見て俺は息を飲んで固まってしまったのだった。

目の前には裸の女性が映し出されていて、彼女は腕を組んで笑みを浮かべていた。

彼女の名前は「イシス」だと名乗り「山田次郎」が呼び出したのは「魔神」だったのだというのだ。俺は山田次郎が呼び出した相手を確認した後で「イリス」と名乗る相手と向き合うことになったのだが、俺はどうしても気になった事があるのである。俺は思い切って彼女に「スリーサイズ」はいくつですか?と訊ねてしまう。だが「女神」を名乗った女性は頬を赤く染めることもなく平然と俺に向かって言葉を返す。

私のスリーサイズが知りたいなんて随分、積極的じゃないの。いいけど、貴方も「勇者召喚」の被害者ってことで特別に教えちゃう!上から99の57の88なのさ!!あぁんっ、言っちゃった!もうっ、仕方のない人なのよね~、あんたって男は、ふふん、なのよぉ♪ その瞬間だった。

俺の中に不思議な力が沸き起こってきたのを感じとる事が出来た。これは一体何なのかと考えるよりも先に体が動いてしまっていたのだ。そして俺の右手が光を放つと、次の瞬間には「女神」と名乗った女性の胸に吸い込まれるようにして入っていく。

「ぎゃあああっ!」

そんな悲鳴を上げた女神を名乗る存在に対して俺は手を抜くことなく「おっぱい攻撃」を続けた。やがて俺の体全体が真っ白に染まってしまうと女神の体は消滅し、代わりに何かが俺の手の中にある感覚を得る事になった。

「まさかこんな形で倒せるなんて思わなかったぜ」

「流石、一馬君です!」

「やるじゃないか」

俺は山田次郎や「ヤマタノジロウ」から褒められて思わず照れてしまった。そんな俺達の元に近づいてきたのが「ヤマダ ヨシオ」だった。彼は俺に近寄ってくると「山田太郎」と握手を行い自己紹介を行う。そんな彼と握手をした「山田太郎」もまた驚いてしまったようだ。彼はどう見ても普通の人間に見えるのに自分と同じレベルの力を持っている事に気が付いたらしい。だが山田次郎が勇者召喚を行った際、召喚の対象は勇者だけでは無かったのだ。その結果、「山田太郎」は召喚のスキルで呼び出すことに成功した「魔王召喚士」だったのだ。

勇者の職業では無く「魔王召喚士」という変わったジョブの「山田次郎」は召喚を行った直後に「魔王召喚」を行ってしまった為に俺が勇者としてこの異世界に来てしまうという事になったのである。

俺達はお互いに情報を交換して、これから何を行えばいいのかを考えてみることにしたのだ。そこで「山田太郎」の召喚によって呼び出された存在について話をしてみたのである。

俺が「山田太郎」によって呼び出されたのは「勇者召喚」と呼ばれる特別な方法で行われた結果であり、召喚対象に選んだのが俺だったのである。

だが山田次郎の場合は勇者を呼び出したものの勇者以外の人物が呼び出してしまい「魔王召喚」となってしまったのだった。この「魔王召喚」の場合では「魔王」を召喚したものの「魔王召喚士」という職業を持っていなかったのだ。だが彼は自分の力で「魔獣召喚士」というジョブを生み出し、それによって様々なモンスターを呼び出しては仲間にして行ったのである。

山田次郎は魔王を呼び出して仲間にしただけであって倒したわけではないという事だった。だからこそ、この世界に召喚された俺も魔王と対決しなければならないと考えていたのだ。俺としては山田次郎の話を聞く限り魔王を退治すれば日本に帰れる可能性が高いので、まずは山田次郎と協力して魔王を討伐するべく行動することにした。だが魔王を倒す前に俺達のステータス画面にある「経験値」を稼ぎたいという事になった。その為、俺は仲間になった3人の力を借りるために彼等に提案をする。

まずは俺が使える力を把握する為に俺達は俺の能力を調べたのだ。「職業鑑定」のスキルを持つ「ヤマモト シノブ」と彼女が呼び出した存在である「職業神官(クレリック)」のジョブを宿している「ミホシ=ミウラ」の2人が調べてくれたのである。

俺達はまず自分の「職業」が何であるのかを調べる必要があったのだ。

そして判明したのは、俺には「職業」が無いのだという。それを知った俺の脳内にはある文字が浮かび上がった。

「職業空白」と表示されている。

俺も他のみんなと同様に「勇者召喚」という手段でここにやって来たのだが、勇者の素質を持たないままやって来てしまった為に職業の適性がないのかもしれないという結論に至ったのである。つまり俺は戦う事に関しては無能だったのだ。だが「山田次郎」が呼び出してしまった魔王と戦わなければならないと考えた俺は自分の力を何とかして上げる事を考え始めていた。

そんな時に俺の前にステータス画面が現れたのである。それは山田次郎が持っていた「勇者の職業レベルが上がった」為に起きた現象なのだ。

俺にも「勇者」の適性がある事が判明した。それはステータス画面を見る事で初めて分かったことなのである。

俺は早速自分の職業について詳しく知るために画面を確認してみる。すると画面には「職業:勇者(レジェンド勇者の資質を持つもの)」と表示されていた。それを見た俺は驚いたのだ。何故なら「職業欄」に書かれていた「職業名」に変化が起こっていたからである。俺は慌ててステータス画面に表示されている「職業」を確認してみる。

職業:勇者(職業:勇者の器を持つ者)へと変わっていたのだ。「レジェンド」とは伝説という意味になる。それが何を意味するのかが分からなかったので、ステータス画面に詳しい情報が記載されているのか確認すると、俺は更に驚く事になってしまったのだった。「勇者召喚」を受けた者達に与えられる「職業能力」という能力値が記載されていたからだ。そこには、ステータス上昇値の上昇補正効果、攻撃力増加効果などが記載されていたのだった。つまり「レジェンド」という「職業」がもたらす能力という事になるのだろう。俺の職業がレジェンドになっているのは山田次郎が呼び出した「魔王」と俺が戦う事を決意したのが原因だと思うが、その前に俺が魔王と遭遇する可能性があるからだったのである。

そんな事を考えていた時だった。

突然「職業」のステータス画面が変化して新しい項目が増えていたのだ。

それは職業のレベルが上昇する度に得られる能力である「獲得経験値」だった。その画面を確認した俺だったがそこに表示されている数字を見て驚いてしまったのである。それは俺自身の職業のレベルが上昇しているのにも関わらず「職業:勇者」の「レベル」が表示されていないのだ。

そればかりか「勇者」という職業自体の成長速度が速くなっているようだった。しかも「経験値」の値も「勇者」の方が上になっていた。「山田太郎」が呼び出した魔王は確かに強いのかもしれない。しかし「山田太郎」自身が魔王と戦っていない以上はレベルアップしていないはずなのだ。俺は山田次郎と「魔王」との戦いに備えて自分も出来る事をしようと考え始めた。

そこで「ヤマタノヒロフミ」が俺のステータスを確認するように言ってくれたので俺は言われた通り実行する事にする。すると俺のステータスに新たな変化が起きてしまったのである。俺の「職業」が「魔王召喚士」に変わっていて、その上レベルまで上がってしまったのだ。

【魔王召喚】を習得しました。

「職業」が変わりました。それに伴い「魔王召喚士」としての称号を得ました。これにより【魔王召喚】を取得することが可能となります。

【魔王召喚】を取得した事により称号に「真魔王」が追加されました。【真魔王】は「勇者」に対するカウンターとなるものです。魔王と敵対する際に【勇者】としての力を発揮できるでしょう。

【山田太郎の「職業」を魔王に変更できます。

魔王の職業にしますか?

「Yes/No」

魔王の職業を選択してください 魔王召喚スキルを獲得 スキルが解放されました。

「魔王召喚スキル詳細」

召喚対象を選択する 魔王のみ 対象を指定する事で召喚が可能となる スキルを発動するには条件が必要となる場合がある 魔王の職業を選択してから発動を行うと成功率が上がる 1回の「魔王召喚スキル」は1体しか指定出来ない またスキルは最大で10回まで重ねる事が可能である 10回目までに使用出来なかった場合は再度使用する為に準備時間が必要である スキルを使用するとMPが消耗される MPは召喚後5分で消費されない状態になる

(魔王を召喚する場合はMPを消費する事無く使用可能)

スキルを使う場合に限りスキルが使えなくなる場合もある 召喚後にスキルを使用しない場合は通常状態に戻るが、 スキルを使用した後では召喚を行った人物の意思では元に戻せない 一度でも使用した後は「魔王召喚リスト」に名前が残り続ける 俺はそんな「スキル説明文」を読んでしまったが、山田次郎の呼び出した魔王に対して、どう対抗したらいいのか全く分からない状況だったのである。魔王を倒す方法は山田次郎に聞いても答えが返ってこないのである。

俺の頭の中に思い浮かぶ魔王に対抗する手段としては山田次郎が呼び出してしまった存在を召喚し直す必要があるのではないかと考えるしかなかった。だが「魔王」が山田次郎によって召喚されたのであれば既に召喚済みだと考えるべきだと思えたのだ。

俺が山田次郎の呼び出した魔王に関して悩んでいる間にヤマタノジロウの職業が魔王に変化したのだった。そんなヤマタノジロウは山田次郎と共に俺に話かけてくる。

「一馬さん。僕も一緒に戦わせて欲しいんだ。僕だって元の世界に帰れるなら、一馬君と一緒に戦いたいと思っているよ。だから、どうかよろしく頼む!」

ヤマダ ヨシオの言葉を聞いて俺は、俺の勇者の仲間はみんな頼もしいと心の中で感じていたのである。

そして、ヤマダ

ヨシオに質問をしてみたのだ。ヤマダ ヨシオが呼び出した存在というのは俺の予想ではあるが「勇者」のジョブを持つ「職業:勇者(レジェンド勇者の資質を持つ者)」と、その召喚により呼び出された「魔王」ではないかと思ったのである。ただヤマタノシローの場合は職業欄に「職業:魔王(レジェンド魔王の資質を持つ者)」と表示されるだけで、レベルが表示されていないのだ。これはどういうことなのかと考えたが、今は考えるだけ無駄だと思い俺はヤマタツの職業の件を解決させる為に行動を始めることにしたのだった。

ただ俺は職業がレジェンドであるだけでレベル自体は高くはない。なので仲間を増やす必要性を感じていたのだ。それに魔王が召喚されて、山田次郎によって倒されたとしても、また魔王が現れる可能性も考えられたのである。その時の為に俺は仲間を補充しておきたいと考えていたのだ。そう考えた時、俺は仲間候補の人物が近くに居る事を思い出した。

それは先程仲間になったばかりの「ヤマモト ノブナガ」だった。彼は職業欄に「職業:忍者」と書かれているだけの職業不明の存在だったのだ。俺はヤマモトノブナガにヤマモトヨシオと2人でパーティーを組ませる為に行動を起こすのであった。

ヤマモト ノブナガを呼び出したのは俺の職業「勇者」を進化させる事で、新たな力を得る為だった。「レジェンド勇者の器」を所持する「ヤマモト

ノブナガ」を呼び出したことにより、「職業:勇者」は「職業:レジェンド勇者の器」という新たな能力が追加されたのだ。それにより俺は自分のステータス画面を確認したのだが「勇者:レジェンド勇者の器」となっていたのである。

「勇者」の能力が上昇している上に新しい職業も追加されていた。「職業」の能力欄に新たに追加された能力を見てみると「勇者の資質」、「獲得経験値」という2つが追加されていたのである。

俺はステータス画面の能力を確認していく。そこには職業が「レジェンド勇者の器」に変化した際の追加効果も記載されていた。まず最初に「勇者の資質」の効果は勇者の職業能力に大幅な上昇効果があるという。俺には「職業」がレジェンドになって能力が大幅に上昇したという実感が湧いていなかったので確認したところ「勇者の素質」という能力が加わっていたのだ。この「勇者の素質」という能力は勇者が元々持っている「職業補正」の能力をさらに高めてくれるというものだった。「職業補正」というのは「職業」による補正の事である。俺は自分のステータス画面で確認した内容を元に考察を始めたのだった。俺の考えは勇者として召喚されている山田次郎の「職業」である「勇者」と勇者である俺に召喚された「レジェンド勇者の器」の勇者の資質はどちらも勇者として選ばれた者が最初から持っていなければならないものらしい事。そして、それが「職業:勇者(レジェンド勇者の器)」となった事で「職業:勇者の器(勇者職)」と呼ばれる事になったのではないかと考えていた。そして、その「職業:勇者の器(職業:レジェンド勇者の器)」が持つ本来の能力である、勇者が本来持つはずの能力を強化する能力である「勇者の資質」を手に入れたことで俺のステータスは大幅に上昇しているはずなのである。「山田次郎」が呼び出した魔王の強さは未知数だが俺の今のステータスならば互角以上に戦う事ができると思えた。だが俺1人では不安な点があったのだ。魔王の攻撃に俺自身が耐えられるかどうかである。俺自身は山田次郎と違って普通の人間だ。当然のように攻撃を食らえばダメージを受けるし、下手をすれば死んでしまう可能性があるのだ。その為、俺1人だけの力で戦うという事は出来ないと判断したのである。

俺がそんな事を考えている時に俺の元にメッセージが届いたのだった。それは先程の「ヤマモト ノブナガ」から俺に連絡が来ているとの知らせだった。「ヤマモト ノブナガ」は俺に用事があるようで俺と会話をする事が出来るような状態にしてくれたという。俺はそれを聞いた瞬間「勇者の気配察知」を使いながら周囲を探索し始めた。

「魔王」が近くにいないかを調べる必要があったからだ。だが残念ながら俺の索敵範囲の中には何も居ないようだったので安心する。俺は改めて「魔王」や「魔王軍」との戦いについて「ヤマモト ノブナガ」に話す事にしたのである。「勇者」としての戦い方は分からないので「レジェンド勇者の器」が進化した事により使えるようになったスキルを使って、なんとかしようと考えているのである。

「ヤマモト ノブナガ」も俺の話を聞くなり真剣に考えてくれているようだった。しかし俺が話終わった後も「魔王」に関する話は終わっていなかったのである。それは魔王が現れた時に備えての準備をする事だった。

「僕達は魔王が現れても対処する方法がないんだ。でも一馬さんにはそれを可能にする手段がある。だから出来る限り協力をしたいと思っているんだよ。例えば僕は職業のスキルを使わないでも一馬さんに協力が出来るはずだよ」

俺が不思議そうな顔をしていたのかヤマタノジロウが説明をしてくれる。

「スキルはね。使う事によって消費されていくんだ。だから僕のスキル『勇者の資質』を発動するには発動条件を満たす必要が出てくると思うよ。だから僕の場合だけど、スキルを使う事が発動条件になるスキルに関しては条件を満たしてないスキルを発動しようとすると発動条件が変わってしまうんだ。一馬さんの場合は違うんじゃないかと思っているよ。だから僕にもスキルが使えるようになっている可能性が高いと思うんだ」

確かに「ヤマモト ノブナガ」の言っている通り、俺が発動しようとしている「勇者の器」がスキルの効果を発揮するためには俺自身のスキルである【魔王の威圧】を先に使っておく必要があるだろうと思っていた。だから俺は試してみることにする。ヤマタツは【勇者の剣】を使うと俺に言ってくれたが、俺は【魔王の盾】を使用してみることにしたのだ。俺は早速「魔王の盾」を発動すると「ヤマタツ ヒデミツ」に「勇者の威圧」を放つ。そして俺は続けて【魔王の威圧】を使用し続けるのだ。これは山田次郎の時と同じように「魔王召喚」の条件を整えようとしている。ただ山田次郎の時と違った点が2つ存在した。

1つは「魔王召喚スキルの詳細画面を開くことができるのであれば、俺の意思ではなく勝手に開く事ができるようになっていたのだ。その結果、「魔王召喚スキル詳細情報」を確認することができたのである。そこに書かれていた内容は以下のような感じになっていた。

1魔王を強制的に召喚した場合。対象が魔王の場合は、魔王に対して強制的に服従させ従わせる事が可能。

2魔王に対して強制的な命令を実行することが出来るようになる。また魔王の職業能力に大幅な低下をもたらす事も可能となる。

3魔王を強制的に呼び出す。対象の職業を一時的に勇者にすることができる。また呼び出しの際にMPを使用しないで済む。

4呼び出し後に召喚者の意思とは関係なく元の世界に戻す事ができる。但し召喚後に呼び出し者が指定した場所に戻ることになる 5魔王が召喚された状態で「勇者召喚」をすると、その魔王も「勇者」の職業を得て召喚される。

また山田次郎を「魔王」にすることで「勇者召喚」を行って、ヤマダ ヨシオを呼び出した場合にも、この内容が反映されるという事も判明したのである。つまり、山田次郎を「魔王」にした後に「ヤマタツ ヨシオ」を呼び出した場合「ヤマタツ ヨシオ」は勇者の職業に転職している状態になっている。そのヤマダ ヨシオに「勇者召喚」をしてヤマタノシローを呼び出せばヤマタツは魔王に、ヤマタノシローは勇者の職業を得ることが可能という事になる。

これは召喚を行う者にとっても、魔王と魔王軍の戦力を大きく強化する結果を生む可能性があるのだ。その為に「魔王召喚」を行う時は「勇者」を「魔王」にするのが一番いいということになるのだ。ただし山田次郎と山田次郎が召喚したヤマタノシローが同時に召喚されなければ意味はないのだが、それでも俺は山田次郎を「魔王」にすることによって「勇者召喚」を行いヤマダとノブナガを召喚する事ができるのではないかと考えたのである。

ただヤマモト ノブナガの場合は勇者が召喚されてしまっても、勇者のジョブを強制的に奪う方法がありそうな予感がしたのだ。俺がヤマタツを「魔王」にした後、ヤマモ卜 ノブナガを勇者のジョブを強制的に剥奪した上で勇者召喚を行わせればヤマタヅとノブナガを同時に「勇者」にすることだって可能かもしれないと考えたのである。

ただ問題は勇者召喚で呼び出されるのがヤマタツキヨシオである可能性もあったことだ。そうなった場合、ヤマタヅヨシオーは「勇者」として戦うことが不可能になってしまう可能性があったのである。その場合は山田次郎の職業である「勇者」に勇者として戦うことができないので、ヤマモトノブナガに魔王として戦ってもらうしかなかった。そして山田次郎が勇者を職業にしたまま、ヤマモトノブナガを呼び出し勇者として戦い魔王を倒しても「勇者」という職業は消滅することがないのだ。その場合も「ヤマモト ノブナガ」に勇者となって貰い山田次郎には「勇者」のまま魔王と魔王軍と戦闘してもらうという選択肢もあるわけだ。

山田次郎と山田次郎の二人を同時召喚する場合も同じだ。もし山田次郎だけが勇者として「召喚された」場合でも山田次郎が勇者であることに変わりはないが勇者の能力は大幅に下がることになる。俺の見立てでは勇者の能力は半分ぐらいにまで低下するはずだった。逆に俺が「勇者」である場合は俺自身が召喚されてしまうと「レジェンド勇者の器」が消滅してしまう。

だから俺自身は「レジェンド勇者の器」の能力を発動する事はできないと予想できた。そこで俺は自分のスキル欄を確認した後「レジェンド勇者の器」の能力が使用できるかを確かめてみる事にしたのだった。俺が自分のステータス画面を見ている時にヤマモトノブナガから声がかかる。

僕は今、ヤマタケ フミナガっていうんだ。僕に勇者の力を分けてくれた事はとても感謝しています。それでこれから一緒に戦う事を考えて欲しいんです。僕は正直、勇者という役割があまり好きではありません。僕よりも他の人達のほうが適任だと思うんですよ。だから一馬さんと一緒に勇者の力を有効に使って欲しいと思います。それに「レジェンド勇者の器」というスキルも凄そうですし、一馬さんに使わせてあげるべきだと思えるのです。だから僕に「レジェンド勇者の器」を使わせる必要はもうないと思っています。だから僕の事は気にしないで、一馬さんの力でみんなを助けてください。それが今の僕にとって嬉しい事なんですよ。ヤマタツヒデミツはどう思ってますか? 俺がステータス画面を確認していると、そんなヤマタタツの言葉が届いたのである。そして俺はそれを見て「ヤマモト ノブナガ」の方を見るとヤマモト ノブナガは笑みを浮かべていた。彼はこう言ったのだった。

僕は「勇者の勇者(レジェンド勇者)」に職業が変化していてね。職業が変化した時に「勇者の職業スキル」を手に入れたんだけど、「魔王」に対して強制的に従わせて、魔王軍に無理やり協力させることができるみたいでね。これを使って魔王を無理やり召喚させてもらったんだ。

でも「勇者」にならなくても、この能力を使うことは出来るようなんだ。だから僕にとっては一馬さんと行動できる事がとてもありがたいんだよ。「魔王軍」に強制的な命令を与えることができるとわかった時には驚いたよ。そして召喚させた魔王を利用して「勇者召喚」を行えるとわかった時も驚きだったけど、魔王と魔族は職業の影響を受けるみたいだし魔王軍を「魔王召喚」させる事が出来ても不思議ではないと思うんだ。

だから僕は一馬さんに協力をしたいし力になってあげたいと思っている。もちろん僕一人ではなく、ヤマダヨシオとも相談しながらだよ。ただ魔王軍が僕らの世界に攻めてくる事があれば、その前に魔王を倒すのが最善の方法なのだろうけれどね。一馬の力は凄そうだし、きっと魔王にも通用するはずだと思うんだ。だから魔王討伐は一馬が頑張ってほしいと思う。僕達はそれを応援するよ。

俺達は互いに顔を合わせて、お互いに苦笑いをしてしまったのである。だが俺は気を引き締めて真剣な表情になると、魔王召喚を行おうとした。しかし俺の【魔王召喚】は発動しなかったのである。その代わりに俺は山田太郎と山田花子の事を思う事になってしまったのだ。

それは突然の事であった。俺が異世界に飛ばされて2日が経過した日の夕方の事である。俺が部屋にいる時に突然【転移魔法】が発動したのに俺はすぐに気付く事ができた。なぜなら【探知魔法】を発動させていたからなのだ。しかもそれは今まで【魔王召喚】によって現れた人物や魔物などとは違っていたからである。なので俺はかなり慌ててしまっていた。

(なんで【転移】スキルを扱える人物が、こんな所に出現したのか!?まさか、また『勇者』が召喚されたのか!!)

そして次の瞬間、部屋のドアが開かれる。そこには一人の女性が姿を現したのだが俺が目にしたものは全く想像もしていなかった光景だった。それは目の前に居たのは金髪の髪を肩口まで伸ばして碧眼を持った少女の姿があったのだ。そしてその手には【勇者の剣】を握っている。俺が目を見開いてその姿を見てしまうと彼女は俺に向かって叫んだのである。

「あんたがこの国の王でいいのよね!あたしは勇者のヤマヤマハナコ。勇者が召喚されたというから来てみたわよ!」

その勇者である「ヤマヤマハナコ」は堂々と宣言する。

勇者である彼女が現れたというのに、なぜ「魔王」の俺は呼び出されなかったのだろうかと、この時ばかりは自分の不運さを呪いたかった。

目の前には金色の長い髪を持つ美少女が存在していた。見た目的には14歳ほどの少女に見える。背格好も小柄な方だろう。

俺は彼女が「ヤマヤマハナコ」という勇者だということを瞬時に悟る事ができてしまった。

勇者ヤマタナゴ、勇者であるヤマタナゴは間違いなく本物であろう。なぜかと言えば俺に話しかけてきた彼女の言動があまりにも自然過ぎたからだ。普通の人ならば、あんな風に勇者である自分が勇者召喚されてきたことを、さも当然のように振る舞うことは無理である。だから勇者ヤマタナゴが偽物であるということは考えにくかった。それにヤマタツの話によると勇者召喚された人間は、俺が思っている以上に混乱して落ち着くことができないのだという。その証拠に俺に勇者だと名乗らなかったヤマタツヨシオーは激しく狼乱していたらしい。その話を聞いただけでも、勇者であるヤマタナゴが普通じゃないということがわかった。

それにしても勇者である「ヤマヤマハナコ」という存在が、俺達の世界に現れるとは予想もできなかった事態だ。確かに「ヤマタツヨシオー」を勇者召喚させて召喚した「ヤマタタツ」と同一人物だと考えると、召喚対象を複数人にする事は可能だという事になる。

「ねぇ、王様。あなたが魔王を倒せば世界が平和になるんでしょう?私、それをやりに来たのよ。悪い魔王を倒したら私は元の世界に帰れるんでしょ?それで世界を救えば私の願いを聞いてくれるっていう話じゃ無かったかしら?」

勇者であるヤマヤマハナコは笑顔で言う。

「まぁ、そう言われてみるとそんな話は聞いた事があるかもしれないな。だけど魔王を召喚したのは君なんだぞ。それで君を召喚させた人間と魔王が敵対するというのはどういうことかわかっているのかい?君は魔王に殺されても構わないっていうのか」

「あら、魔王って言っても本当に強いのなんて限られてるでしょう。魔王といっても色々あるのよ。例えばドラゴンが魔王とか、妖精族の王が魔王とかね。私が召喚したのは人間の魔王だもの。そんなに強いわけがないの。だから心配無用よ」

俺は勇者であるヤマヤマハナコから魔王の情報を聞いていた。ヤマタナゴから魔王について聞いておくように言われたからだ。なんでも魔王の職業は【魔帝(アークメイジ)】で職業スキルに強力なものがあるようだ。特に【魔力強化LV8】という、魔力のステータスが大幅にアップするという効果のある「魔法職」専用スキルが存在するらしく魔王はこのスキルのレベルを上げるために、毎日「ダンジョンコア」を破壊する作業を繰り返しているという事だった。そしてヤマタナゴは魔王の職業はレベルを上げてもスキルポイントが溜まらないと言っていたそうだ。それなのにスキルポイントを増やす事ができるという【魔力強化】を魔王は常に上げ続けている。そのせいで魔王の強さが増してしまっているというわけだ。

「ヤマタナツの言っていた通りだな。ヤマタナコ、君が召喚したという勇者の名前は何と言うんだ?教えてくれないか」

「そうね。私は山田奈央子よ。ヤマタツちゃんと山田次郎と一緒に来たんだけど二人は今どうしてるかしら?確か召喚された時はまだ一緒に居てくれたと思うんだけど。そういえば次郎が私を庇ってくれたのにお礼が出来なかったから早く二人に会いたいのよね」

(ヤマタツは山田次郎と一緒にこの世界にきたのか。それと勇者の職業を持っている山田太郎はどこに行ったんだろう?)

「山田太郎と山田花はどうしたんだい?」

「あの人達、勝手にどこかへ行ったみたいなのよ。それで二人を探す旅をしているの。もしかして魔王を退治すれば二人が見つかると思って探し始めたところだったのよ」

勇者ヤマナは腕組みしながら言った。どうも彼女は一人で行動するのが好きなタイプなのかもしれないと思った。

「ところで勇者さん、君はどうやってこの世界に召喚させられたのだい?」

「それは【転移魔法】を使ってだよ。だって異世界への移動ができる魔法が有るなら、その異世界に行くための魔法があって当然じゃないかな?そして魔法を使うと自動的に元の場所に帰れるようになるみたい」

「なるほどね。それは便利なものだな。その【転移魔法】を使った時に一緒に勇者の職業スキルは習得できたのか?勇者の職業を持っていたんだろう?」

俺は疑問をぶつけてみる事にしたのである。

「あはは、それなのよねー。実は勇者の職業は持っていなくてね。召喚した時に勇者の職業の能力を使えるようになっただけなのよ。だから魔王を召喚できる能力を得た時は驚いたけど、勇者の能力では無くなってたんだよね。残念ながら、勇者としての力は無いみたい」

勇者ヤマナは苦笑いしながら答えたのである。

(なんとも不思議な現象だな。俺達が【勇者召喚】をした事で、召喚対象の人間に変化が訪れているということか。それはつまり【勇者召喚】の代償に何か変化が起きる可能性があると、そういう事なのだろうな。これは調べておく必要がありそうだな。そして俺は自分の事を正直に話そうと決意したのだ)

「勇者のヤマダハナオよ。俺の事は知っているだろうか。君をここに呼び出した魔王本人なんだがね。そして魔王軍を使って、この世界を我が物にしようと企んでいるんだ。そして俺の仲間は魔王軍に捕まってしまったんだ。勇者が召喚されたら魔王軍がこの国にやってくるのも時間の問題だと俺は思っている」

「うそ!そうなの!?それなら一刻も争う事態よ。魔王軍は何をしようとしているのかは知らないけれど、一馬さんの敵は私たちが必ず排除するわ」

「そうしてくれるとありがたいな。でも、さっきも言ったけれど勇者の職業を持たない人間が、この世界で行動し続けるのは非常に危険な事だと思う。それに俺は君を死なせたくはない。そこで俺は考えたのだが俺の城に滞在しないだろうか。もちろん生活に必要な物は用意しよう。ただ俺達に協力する事を条件とする。魔王を倒す為に協力してくれれば、勇者の力で君の力になれるはずなんだ。そして魔王を倒すことができさえすれば、無事に元の世界に戻る事ができるはずだ。だから俺に協力して欲しい」

俺は本心で勇者ヤマナにお願いをしてみたのだ。勇者ヤマナは俺をしばらく眺めていたが、少しすると大きく息をつく。それは彼女の気持ちが決まったのだとわかった。

そして勇者ヤマナの返事を聞く事になったのだ。俺は唾を飲み込んでしまう。

「王様。魔王の配下である魔物たちが攻めてくるんでしょう?それを放置していると世界の危機になってしまうんでしょう?だったら仕方ないかな。いいわ。私は貴方に従う。そして協力しましょう」

こうして勇者である勇者の「山奈央子」という女の子が、この城に居着くことになったのである。

「王様、一つ確認しておきたいことがあるのよ。私は『召喚された者同士』は会話をするだけで互いの状況を確認する事ができる。それが【念話が】というスキル。このスキルを使えば私達はお互いの情報を共有する事が出来る。この意味わかるかしら?」

「ああ、そのくらいの事は理解できるさ。俺は魔王だ。それに魔王がどんな風に人を操るかも、それなりに研究を積み重ねてきた。だから、ヤマナには俺の味方でいて欲しかったんだ。だからこそ俺の方から提案したんだよ。俺がヤマナ達から情報を聞き出そうとした時に勇者は魔王に逆らえないと知っていれば、きっと君たちにとって、より安全な方法を考えただろうさ。でも俺は、それではいけないと考えていた。もし君たちに【洗脳耐性】があれば君たちは魔王に抗おうと考えてしまう。だが俺はそれを許せなかった。俺が魔王だからさ。だから俺の側から離せない方法で君たちを縛り付けたかった。そうでなければ、君たちが魔王と戦う事ができなくなるとわかっていたからだ」

「そうなの。やっぱり魔王の考えていることは理解できないなぁ。どうして私達にそんな風に気を遣ってくれているのかわからない。だけど私達にとっても悪い話じゃない。魔王であるあなたの言うことを聞いてあげる。その代わりに私の質問にも答えてもらうからね」

勇者ヤマナは真剣な顔つきで俺を見てくる。

それから俺と勇者ヤマナは様々な話をする事が出来た。そして勇者ヤマナは俺の話に非常に興味を示していた。それは、なぜ俺が「魔王城」で生活をしないかという理由についても興味を持ってくれたからである。それはなぜかといえば「召喚された人間は、魔王の支配下に入る」という条件があるにも関わらず、俺はこの城の地下に居るからという事なのだ。

そして魔王城で生活を始めたヤマナだったが彼女は俺に、この世界の現状を詳しく聞き出してきたのである。

まずはこの国の王である俺の名前と「ヤマタナト」という名前で呼ばれている事についてである。これは「勇者のヤマナ」の召喚を「ヤマタナ」という名前の勇者が行ったから「ヤマタナタ」と呼ばれる名前に変わったのだという事を彼女は説明してくれた。俺は勇者であるヤマナの説明によって初めて知ったのである。そして勇者ヤマナはこの「ヤマタナタ」という発音にあまり馴染みがないらしく、「ヤ」の発音を「タ」に変えてくれないかと言われた。しかし俺はヤマタナが「ヤマタ」ではなく「タ」なので違和感があったのである。

「勇者ヤマナよ。君も日本人だから「ヤ」はタだとは思うんだが、ヤマタナとヤマタでは違う気がしたんだ。それに俺の中では勇者の名前は勇者ヤマナだし、これからもそう呼ぶ事にしたいと思っている」

「まぁ、別にそれでも構わないよ。それで、この国は『魔境(ディスペルフィールド)』の中にあるという事で合っているの?」

「まあな。確かにヤマタナの召喚を行った場所はこの国で間違いはない」

俺の答えを聞いてヤマナは腕組みをして考えていた。どうやら彼女の中で色々と思考が回っているらしい。

「王様は自分が魔王だという事は認めるわけだよね。それは間違いのない事実だと、そう言っているんだよね?」

「そうだな。俺は魔王で、君たち人間とは敵対する関係にあるのも確かだ。そしてヤマタナが望むなら君を殺す事も厭わないだろう」

俺は本心をヤマナに伝えた。その方が信頼関係を結ぶのは早いと判断したからである。するとヤマナは少しだけ悲しげな表情をした後に大きなため息をついてしまった。

「魔王は人間を簡単に殺すのかぁ。私はそういう事を言われると、すごく落ち込むよ。私がこの世界で暮らしやすいようにと、いろいろと便宜を図ってくれるのは嬉しいんだけどね」

「ヤマナよ。俺は本当に君を殺したいわけではないんだ。ただ、俺は君達のような人間に対して特別な思い入れは無いし、どういった感情を抱いているのか、自分自身ですら把握しきれていない。もしかすれば君達の事なんてどうでも良くて、ただ単にこの世界を我が物にしようと企んでいるだけかもしれない。俺はこの世界に召喚されてから、ずっとこの世界を滅ぼすために行動していたようなものだったし、それは今でも変わりないと思う。だけど君達が生きている間は君達を守ることを最優先にするだろうな」

俺は嘘偽りの無い言葉で自分の心境を語った。

それは、もしもヤマナに嫌われたとしてもそれは一時的なもので、いずれは彼女が元の世界に帰りたいと思ってしまえば彼女は元の世界に帰ってしまうだろうと思っていたのだ。

だが、彼女は帰る気配など微塵も無く魔王城に居候をしていたのだ。彼女は元の世界に恋人を残してきていて戻ることが出来ないと打ち明けてくれたのだが、この世界に留まる理由を俺には教えてくれなかった。

俺の目の前にいる彼女は、まるで「勇者」という言葉を体現したかのような女性だったのだ。だから俺は彼女の事が嫌いではないのだと自覚してしまうことになる。そして俺の心の中には彼女を帰さないという考えが強く芽生え始めていた。俺は、どうしてもヤマナを手放すことができなかったのである。

「王様ってさ。なんか寂しい男なんだね。私は魔王がどういう人間なのかとか、そこまでは知りたいと思わなかった。だって今のままの生活を続けるほうが楽しいだろうなって思っただけだもの。魔王っていうくらいだし怖い人だったり、残虐な性格だったりするのかなって思っていたんだよね。でもさぁ、あなたからはそういうのを感じられないんだよね。だって、そうじゃなきゃ、あんな風に優しくしてくれないでしょ?王様が優しいから私もこの世界に留まった。ただそれだけの事よ。王様の事を恨んだりした事は一度も無い。それは、あの日、私に勇者としての資格があるかどうかを調べてくれた時から分かっていたことなんだから」

ヤマナは俺の言葉に耳を傾け、自分の考えを述べてくれたのだ。

そして俺はヤマナの「ありがとう」という一言を聞いた時に嬉しく感じたのであった。

それからヤマナは勇者としての能力を得る事になる。彼女の能力は「レベルを上げる事ができる」能力なのだ。俺は「勇者のステータスは本人が確認するしかない」というルールに則って、彼女の勇者としての能力を俺に見せてくれる事になった。

「勇者はレベルアップすると身体能力や、特殊能力が強化する事ができる」というスキルが彼女の勇者の能力なのである。そして彼女は、その力でこの国の平和を守っていくのだと語ってくれたのであった。


***

俺の配下である魔物たちには「山田次郎」を魔王に仕立て上げるための計画を練るように指示を出した。彼は元の世界に戻るつもりはないらしく、こちらの世界で生きて行くことを決めたのだ。それ故に俺は「山田次郎」を、俺の部下として「山田」と「ジロウマル」という名前を与えていた。「ジローマル」という名前は元いた世界で有名な犬の名前を文字ったものである。俺は彼にその名前を与えた時に少し恥ずかしそうにして俺を見ていたが、特に何も言わずに受け入れることにしてくれたようだ。

そんな「ジロー」であったが魔王城に来てからの日々は非常に充実しているようである。彼のレベルが上がっているからであろうか?魔王の俺が見る限りでもかなり強い戦士になっているように見えた。しかし彼が勇者の仲間だった頃と比べると弱くなっていたらしい。

そんな彼と再会した時の話をしてみようか。彼は魔王城にやって来た日に、ヤマナがこの城で暮らす事になった事情を説明した後に俺に聞いてきた事があるのである。それは「魔王と人間は敵対関係なのにどうして俺に親切にしてくれるのか?」という事だった。その質問を受けた時に俺は素直に彼に伝えたかった気持ちを伝えようとしたのだ。

「そうだなぁ。まず初めに言っておきたいのは、俺は人間が好きだ。ヤマナは例外中の例外として、俺は勇者が好きなのさ。それは君たちが『異世界』から来たからさ。俺はこの世界の者だからな。同じ人間の仲間を大切に思う心があるんだよ。だから俺が『ヤマタナタ』と呼んでいる君に対しても『山奈』という名ではなく『ヤマタナ』と呼ぶ事にこだわっていただろう。それに、俺は勇者と仲良くしたいと考えていたんだよ。だから君たちを助けたんだ。もちろん君たちが、もし元の世界に戻りたいというならば協力をするつもりだったよ。俺が魔王になったのは、それがきっかけなんだからね」

俺の答えに対して、勇者である「ヤマナ」は首を傾げながら疑問を口にした。どうやら勇者ヤマナの価値観と、この世界での「人間と魔王」との関係性の違いに困惑しているようだ。

「王様の言い分はよくわかる。だけど私も、私達と同じ日本人である貴方なら分かると思うけど、私達は日本という国に召喚されたんだよ。この国の名前は何というの?」

俺に勇者の質問に答えたのは「ジロー」の方から説明をし始めた。

「俺がヤマタと一緒に召喚されたのは日本の千葉県にある『千葉駅』という駅で召喚の儀式を行ったんだ」

「そうなんだよね。そして、この魔王城の『魔王の間』から出る時には、いつも「千葉駅の東口」の外に出ちゃうのよね。だから毎回迷子になるから困っているのよ。そして魔王の城に居るはずの「勇者の召喚勇者」がいないって事は、きっと、もう、勇者が日本に居ない証拠だと思うんだけど、それでも私は魔王と仲良くなった方がいいのかしら?」

勇者である「ヤマナ」は真剣に悩んでいるようだ。しかし俺は彼女を見て「ヤマタナが可愛すぎて思わず見とれてしまう自分」に気が付いてしまった。だから慌てて俺は勇者ヤマナの質問に答える。

「勇者ヤマナ。君は俺に対して隠し事をしないと言ってくれたよな。俺は、この世界に来る前の記憶が全く無くて自分が誰だったのかも分からない状態なんだ。そして記憶が無いまま生活していた。だけど勇者の君と出会った事で俺は思い出したんだ。君の名前は山那田亜耶菜で間違いは無いよな」

俺は彼女の名前を「山那田亜弥」では無いかという疑念を持っていた。勇者ヤマナの苗字が俺にとって懐かしい響きがあったからである。しかし「ヤマナタ」という発音には馴染みがなかった為、俺は違和感を覚えたので「ヤマタナ」と呼び続けていたのだが、勇者が召喚されたという事を知り「もしかすると、この子は俺の元恋人なのではないか?」という予感を抱いていたのだ。だからこそ俺は「魔王」になりたての時に「ヤマナを勇者が召喚した時に備えて準備をしよう!」と、配下の魔物たちに命じたのである。その結果として「勇者の召喚」が上手くいき、俺の前にヤマナが現れた時は感動を覚えずにはいられなかった。だが、その感情をヤマナに伝えることはせずに今まで黙ってきたのだ。なぜなら、もしも、彼女が俺の知る「亜弥」で無かったとしたら、この世界での生活が辛いものになってしまうからだ。俺は「勇者と魔王」が敵対する関係であることを利用し「俺と亜弥」の仲を引き裂こうと考えている魔物たちに騙されないように警戒をしているという事もある。

そして「ヤマナの苗字が山名であってくれればいいなぁ。いや絶対にそうだろう。そうに違いない!そうでなければ、おかしいぞ。絶対に亜弥のはずだ」と思っていたのだが「ヤマタ」「山田」「ヤマタ」と呼んでいて、なぜか俺は自分の名前が思い出せない状況になってしまっていた。

そんな自分の現状に焦りを感じてしまった俺は、ヤマナがヤマタではないかどうかの確認作業を始めようとしていたのであった。

俺は勇者ヤマナの目の前で元の恋人だった女性の名前が「山那 多美」ではないかと思った経緯を説明する。しかし、それはあくまで俺自身の予想であり「絶対の確信」があるわけでは無かったのだ。俺は「魔王」になった日から自分の元いた世界の記憶が失われてしまっていたのだが、元恋人であったと思われる勇者のフルネームを思い出す事によって元いた世界の事を少しだけ思い出した。その時に俺の心の中に広がっていたのは「恋人と再会できるかもしれないという期待」であったのだ。だが俺は勇者である「ヤマタナ」の事を「勇者ヤマ」と、勇者である彼女に親しみを込めて呼ぶことによって「勇者ヤマタ」と呼んでいた事から勇者の本当の名前が勇者「ヤマタナ」であるという確証が得られていたのだった。だが、その「勇者の名前」を俺の頭の中から呼び起こそうとしていた時に俺は「魔王」と勇者の関係上、その事を本人には伝えてはならないのだと、無意識のうちに「俺」と「勇者」が出会うことを避けようと考えてしまい名前を聞き出すことをやめていたのだった。その行動の結果が今の俺の状況を作り出した。

もしも「俺の愛しい人」だった女性が「勇者ヤマ」として生きているとしたら、俺は彼女を「勇者として倒さなくてはいけない存在」だと思い込みたくはなかったのだ。俺には「俺の大切な人だった人が別人の姿として存在しているのでは?」という考えも生まれてきたのだ。しかし、「ヤマ」という言葉に懐しさを感じていたからこそ、勇者は勇者のままなのだろうと感じる事が出来たのだ。

しかし俺が勇者である「ヤマナ」の事を考えると心が落ち着かなくなるという事が分かってしまう。だから俺は「俺の大切な人なのか?」「俺の好きな女性だった人物なのか?」などと考えてしまって心の中が騒々しくなる。俺はヤマナの事が好きになってしまったのだろうか?いや好きにならないはずがないじゃないか?彼女は俺の知っている勇者と容姿が同じな上に名前も同じだったのだからな。俺の心を落ち着けさせる方法を教えて欲しい。

そして俺は勇者ヤマに対して俺の感じた疑問を質問していく事にする。彼女は「勇者」という役職を持っているのだから当然のように「魔王」である俺に対して質問を投げかけて来た。しかし彼女の言葉に俺は「俺が魔王として君臨しているのは『俺の個人的な願望』を満たすためだけだ」と答えておいた。俺は「魔王になりたい」と考えた理由は、自分が元いた世界に戻ってしまったら愛する人を守れないような人間になってしまいそうだから。そんな自分を俺は嫌いになりそうだからという、俺個人の都合によるものなので他人に強制をする気はないしするつもりもなかったのだ。そんな理由で魔王を名乗っている事を勇者ヤマナに告げても理解してもらえるとは思えない。だから俺は嘘をつくことにした。

そんな俺の言葉を聞いても勇者は「そうなんですか」と言って信じてくれたようだ。そして俺はヤマナの顔をまじまじと見つめると、やはり「可愛い。抱きしめたいくらいに愛くるしい。どうしてこんなに可愛い女の子が俺の元恋人なんだろうか?」という感情が溢れてくる。そんな俺の視線に気付いたのか、ヤマナは少し恥ずかしそうな顔をしながら「そんなに見つめられたら恥ずかしいです」と言って俺に笑顔を見せてくれるのだ。俺は恥ずかしがる姿さえも「超」がつくほど可愛く思えてしまう自分に驚いてしまい「この感情は俺の勘違いだ」と思い込む事によって理性を保つ努力をしてみた。それでも抑えきれない気持ちは「ヤマタに会えた嬉しさを表現してしまおう!」と決意してしまうほどのものであったのだ。だから俺は恥ずかしがりながら頬を赤めているヤマナの顔を見つつ両手を広げると「おいで」と言う言葉を自然と発していたのである。

「魔王様。いきなり抱きついても良いのですか?」

ヤマナが突然に問いかけて来たので、それに対して俺は即答する事にする。

「あぁ、構わないよ」

すると勇者ヤマナが俺の胸の中へ勢いよく飛び込んできてしまう。俺は反射的にヤマナを受け止める体勢をとる。俺の腕の中に納まった勇者は幸せいっぱいといった表情を浮かべており満面の笑みを見せている。そして勇者が口を開くと俺へのお礼を伝え始めたのである。俺はその声に反応をするべく、ヤマタの顔を見ると、そこには「大人の女性の微笑み」があった。そして俺の記憶の中にある勇者の姿とは違わない容姿をしていた。だから勇者ヤマナの質問に対して、俺の方から先に質問をぶつけてみることにしたのだ。まずは俺自身が「本当に勇者である亜弥に再会できたのか」を確認しなければならないと感じたからである。

俺は心の中で、もしも亜弥であるならば「亜弥」と呼ぶようにしようと考えていたが「勇者」と呼ぶべきだという判断をした。その理由としては亜弥は勇者なのだから、もしも亜弥を「亜弥」と呼んだ場合に勇者である彼女が混乱してしまいかねないと考えたからであった。しかし、勇者である彼女の名前を呼ばないという行為は彼女に対して申し訳ないと感じてしまい、だから俺は勇気を振り絞って名前を呼びかけてみる。

「亜弥。久しぶり。会いたかったよ。俺は君が亜弥である事を信じていなかったんだ。だから勇者ヤマナって呼んだんだ」

勇者ヤマナは俺の呼びかけに反応して、こちらを向いた瞬間に大きく目を開いて驚いた様子を見せる。だが次の瞬間に勇者は俺に確認してきたのだった。

「えっ?私の事を知っている方なのでしょうか?」

俺は勇者の口から発せられた「私は貴方を知らない」という言葉は聞きたくなかった。だが俺は冷静に「自分のことを思い出して欲しい」という想いをこめて話をすることにした。

俺はヤマナの質問に対して質問を返したのだが「私は勇者ヤマナですよ」という返答をされてしまった。どうやら「亜弥ではない別の人物なのだろう」と思う事にした。勇者ヤマナと名乗る女性からは「俺は勇者の幼馴染で親友の山本一輝という名前だったんだ」と教えてもらったのである。俺は、その話の内容を聞いた事で「やっぱり俺の思っていた通り、亜弥が勇者になった」という事を認識することが出来た。そう思ったのには「勇者ヤマナ」の名前が「勇者山那」であり「勇者ヤマナ」が「ヤマナタ」であった事に加えて、勇者ヤマが元恋人であった「ヤマナタ」という女性が「亜弥だったら、こう答えるのではないか」と考えていた内容と似ていたから。

そして俺の話を聞き終えると勇者ヤマは「私はヤマタという名前では無い」と断言されてしまう。俺は「勇者ヤマタ」が「俺の知る亜弥とは違う別人だったのではないか?」と考え始めていたのだが「この世界のどこかで、もしかすると亜弥と会えるのかもしれない」という望みを手放したくないと思っていた。そして「俺は亜弥の居場所を探すために魔王になってやるぞ!そして絶対に亜弥を取り戻すんだ」と決心を固めたのだった。そんな時だった。俺の前に勇者の宿敵として現れることになる魔物の王が姿を現したのだ。その男は自らを「魔物王」と名乗っていて「俺こそが勇者ヤマナの宿敵になる魔物の王なんだ」と俺に伝えてきたのであった。

勇者の召喚された世界に俺はやって来た!俺の目的は愛する人と再び出逢う為だ。

俺は自分の事を勇者ヤマナだと名乗りを上げる「山田次郎」という青年に俺の目の前でステータス画面を出して見せてくれとお願いしてみた。しかし、その願いに対する返事は「それはできない」と断られたのだが、その対応には理由が存在していた。その理由として「他人に自分の職業」を教えてはいけないのだという事が分かった。

そして彼は自分以外の誰かが自分の情報を得ようとする場合には、相手に許可を取ることが必要である事を俺に伝えた。だが彼は、そんなルールを知らなかった為に、つい最近まで仲間である他の勇者に「俺の名前は山田太郎で勇者のヤマと呼ばれているんだよ」と言っていたらしい。しかし、それが実は間違っていたという事が判明したというわけだ。だから俺に謝ってきたのだ。しかし、俺からすれば「ヤマ」という名前は別に悪い意味のものでは無かったので、特に怒る事も無く彼に気にしないように伝えると俺の質問に対する答えを求めたのだ。

「じゃあさ、その、君は勇者ヤマタナなの?それと勇者ヤマタナが勇者ヤマナタなの?」

そんな事を質問されても困ると思ったのか勇者は苦笑いを見せていた。そして俺はそんな彼に向かって「そんな事は重要じゃない」と言うと「俺は、勇者が勇者でも、ヤマタナさんであってもヤマナさんでも勇者であることには違いないと思っている」という、よく分からないが、そんな俺なりの考えを話しておく事にする。しかし、そんな俺の言葉に勇者ヤマナが「ヤマナでいいです。私の方が年下だしヤマナと呼ばれるよりも、そっちのほうが好きなんです」という発言をして来る。そして俺に対して「ヤマナと呼び捨てにしてくださいね」と言って来たのである。

だから俺は遠慮せずに彼女の事を呼び捨てにする事に決めたのだ。しかし、やはり名前が似ているせいか彼女の事を見ていると元カノの亜弥を思い起こさせてくれるのだ。しかし、彼女は亜弥であって亜弥ではない存在なので俺は「勇者ヤマナと恋仲になろうなんて考えないで欲しい」という気持ちを強く持って彼女と会話を行う事にする。

そんな俺の心の動きが分かってしまったのか、勇者ヤマナは俺に質問を投げかけて来た。しかし、その内容は予想外のものだった。

「あの、どうして魔王である貴方様が勇者の私が好きなのかが、よく分からなくて、すみません。もし良かったら教えて貰えますか?」というものだ。だから俺は少しだけ考える時間を与えてもらってから口を開く。そして俺自身の気持ちについて語る事にした。俺の気持ちを語るのであれば当然のことながら俺は亜弥が元恋人であるという事も説明する必要がある。そんな俺の説明を受けても勇者は嫌な顔ひとつせず耳を傾けていた。だから俺は「勇者ヤマナ」ではなくて、亜弥という一人の女性を愛しているのだと伝える事にした。そして俺は亜弥への想いを口に出す事にすると涙が自然と零れ落ちてしまったのである。そんな俺の様子を見かねてなのか勇者ヤマナが優しく声をかけてくれたのだ。

「魔王さまが亜弥ちゃんの事が好きで、今も忘れられないという事はよく分かりました。でも、どうして泣いてしまうのでしょうか?」

勇者ヤマナから亜弥の事を聞かれるとは思っていなかった。俺は亜弥の気持ちが知りたいと思い質問をする事に決めてしまう。だから俺の方から「なぜ亜弥は死んだはずの俺の元に現れたのか、その理由を知りたい。亜弥は今どこにいるのか、亜弥に会うためにはどうしたら良いのか」ということを尋ねてしまう。そんな質問を俺は亜弥本人にぶつける気はさらさらなかった。だから勇者ヤマナに亜弥に質問をしてみるように頼むことにする。

俺は勇者に「もしも、勇者の知っている人が、いきなり俺の元に現れても勇者なら、きっと俺が喜ぶような質問が出来ると思うから亜弥に対して質問をしてくれないかな?」という感じでお願いをしてみた。そして、俺は勇者の返答を待つ。しかし、そんな勇者は少しの間を置いてから「ごめんなさい。私は勇者ですが貴方が望んでいる亜弥ちゃんではありません」と言葉を発した。だから俺に対して勇者は「もしも貴方の探している亜弥ちゃんが現れた時には必ず伝えておきますので心配しないでください」という優しい言葉を返してくれた。俺はその言葉を勇者ヤマナに信じたと返事をする。

それから俺はヤマナに対して勇者の召喚される原因となった事件に関しての質問をぶつけてみることにした。すると、勇者は俺にこう質問してきたのだ。勇者の召喚が行われる場所の特定が出来たのならば魔王を倒す為に俺に協力してほしい。そうしないと亜弥は死んでしまうから。

俺は勇者のその発言から「俺は亜弥の死の原因を知る事によって亜弥を助ける事ができるかもしれない」と考える。俺は目の前の人物に「俺の力を貸して欲しいという勇者ヤマナの要求を受け入れる」と答えた。そして、これから亜弥の手がかりを掴むための旅に出ようと決意したのである。しかし、俺は旅に出る前にやっておかなければならない事があった。

俺は目の前にいる勇者に確認したいことがあり、彼女に「俺に何かを隠していないだろうか?」と質問を行ってみた。すると、彼女の方から俺の事を信用できないと言われたのだった。だが、俺だって彼女の事を心の底から疑っていたわけじゃない。俺は「君と亜弥との関係」を確認するために「亜弥のフルネーム」を尋ねたのだ。俺が亜弥の名前を尋ねると彼女は自分の本名を名乗ってくれるのだった。そんな時だった。

「勇者様、魔物王が貴方様に面会を求めております」

突然現れた「執事」を名乗る男に対して俺は「今は大切な話をしているんだ。魔物王に伝言を残しておいてくれ」と返答をした。そして、俺の目の前には亜弥がいるはずだと強く思い込むと、俺に話しかけて来た人物の正体は「亜弥の守護騎士」と名乗る人物なのだが「亜耶菜の居場所を突き止める事に成功しまして」と口にする。その人物から亜弥の話が出た事で俺は驚いたのだが、その人物の言葉に嘘がないかを確認したかったのだ。だが「私には何も隠す事は無い」という回答を得る事ができた。そこで俺は「亜矢の守護騎士団団長を務めている」という人物と話をすることに決めたのである。俺は勇者ヤマナに「君の話を聞く準備が整ったから、そろそろ本題に入ってくれ」と伝えた。

勇者ヤマナの話の内容は俺にとって意外な話だった。「亜矢と亜弥が姉妹だったという話だ」亜弥が生きていると聞かされると嬉しいはずなのに俺の中には喜びよりも「どうして二人が同じ時期に、こんな世界へ飛ばされてきたんだろう?」という疑問の方が大きかった。だけど「俺が二人に再会できたとしても亜弥が亜弥として認識してくれるとは限らない」とも考えていたので俺は「まず亜耶菜という人物が誰なのかを調べてみる事にしよう」と思う事にした。亜也の方は俺に任せてほしいと言ってくれたのだった。

「俺には魔王さまを裏切るようなことはできませんよ。絶対に亜耶菜を探し出してみせるから安心してください」

俺は勇者のこの言葉を聞いて「この子は、なんて純粋な瞳をしているんだろう」と思ってしまい、彼女を抱きしめたくなってしまったのだが「俺は今ここで彼女に触るわけにはいかない」と自分に言い聞かせる。そして「魔王である自分が人間の少女を抱き寄せること」など許されることではないと考えていたのだ。だから俺は自分の欲望を押し殺す。

俺は「亜弥」を探す為に亜弥の事を色々と調べる必要が有ったので勇者ヤマナに亜弥について詳しい情報が分かる資料が無いかと問いかけたのだ。そんな俺の問いに「亜弥の住んでいた村の資料を渡され」それを読んでみると、そこに書かれている情報によると「勇者が亜弥を庇って死に亜弥だけが生き残った。亜弥の両親は勇者ヤマナと親しかった」という事実を俺に突きつけてきたのだ。

そんな情報を得られたおかげで「勇者ヤマナの知っている亜弥が本物である可能性が高い」という事が分かったので俺は少しだけ嬉しくなってしまう。そんな時に「俺は亜弥と恋仲になるつもりなんて無い。でも、もし亜弥の生まれ変わりが存在するというのなら、その人に亜弥の面影を求めている可能性は十分にある。だから亜弥が死んでいない限りは、また亜弥と巡り合える可能性も高い」と考え直していたのであった。

俺は勇者ヤマナが亜弥の生まれ故郷を調べる方法について相談に乗ってくれるという事になったので任せることにした。俺は亜弥に関する情報を集める必要があると思っていたからだ。そして勇者は「私におまかせください」という感じで俺に返答をしてきた。そんな彼女の笑顔を見て俺は「亜弥の守護騎士という人物が目の前に姿を現したのは、もしかしたら偶然では無くて亜弥の意思によるものなんじゃないか」という考えに至っていたのである。

俺の予想では亜弥が俺の前に姿を現すとしたら亜弥本人が自ら会いに来てくれるのではないかと考えていた。だからこそ、亜弥が自分の意思で姿を現さないのであれば、やはり亜弥は俺との接点を失っているのではないかと思えてならない。だから亜弥の事は諦めていた方が良いだろう。

俺の話を聞いたヤマナは俺が魔王だと理解した上で俺に対して「魔王は人間を滅ぼすのではないのですか?」と尋ねて来てくれる。そんな勇者ヤマナに俺は魔王は人間が生きるために必要な悪の部分を担う存在だと考えている事を伝える。だから俺は、その役割をこなすのが勇者ではなくては成らない存在は亜弥のような優しい子が良いと考えていると勇者に伝えたのだ。俺はそんな風に考えていることを勇者ヤマナに伝えてみると、彼女は優しい笑みを見せてくれた。だから俺は「俺は亜弥の事を諦められない。たとえ亜弥が別の人生を歩んでいても、もしかしたら再び会える可能性があるかもしれないから」という感じで亜弥の事を思うと涙を流してしまったのである。そして勇者ヤマナに亜弥が生きていれば、きっと俺に逢いに来てくれるから亜弥の情報を集めてほしいという頼みも聞いてもらえるようになったのである。

勇者ヤマナと別れた俺は自分の屋敷に戻ってから自分の書斎で亜弥の守護騎士と名乗った男が俺に託してくれた「亜弥の生まれ育った村の周辺地図」に目を通しながら彼女が住んでいる場所の特定を試みることにしたのだ。そして、俺は自分の「勇者としてのスキルを発動させてみる」。勇者の使うスキルには全てレベルが設定されているのだ。だから俺は自分の持つ勇者の能力を「鑑定士の能力を使用して確認してみたのだ。すると俺は「相手のレベルが10までしか表示されない」といった能力があることを知ったのである。そんな勇者の能力を俺は有効に活用する為に俺は「亜弥」の住む場所の周辺に何名くらい「亜耶奈」という名前の少女が存在しているのかを確認する為に「解析の魔法陣」を作り上げていた。

その結果、「勇者ヤマナ」の話では亜矢が住んでいた場所は山奥の小さな村だったという話だったので、俺の予想通り「魔境の森付近に存在する集落で、村の住民のほとんどが魔物に育てられた者達だったらしい」と判明したので俺は少しだけ安堵する。そして俺は自分の領地内にある「魔域の街」と呼ばれる街にも何か情報がないかどうかを確認することにする。そんな時だった。

「亜矢様。私の主様になってくださる方は、まだ現れてくれません」

俺は突然背後から声を掛けられたことで驚き、後ろを振り向いた。すると俺の後ろには、この世界の神によって異世界へと召喚された女子高生の女の子の姿があったのだった。俺の前に現れた女子高生は「自分は佐藤香里と申します。実は、私は亜耶菜様と友達同士だったのです」と俺に告げてくる。

俺は突然の出来事に「どう反応すればいいか分からないぞ」と思いつつも「香里が俺の勇者の仲間に加わろうとしているんじゃないのか?」と疑っていた。ただ「香里と美鈴が一緒にいるということは亜矢の存在に気がついたということだろう」と考えるようになっていたのだ。だから「香里と美鈴の二人が俺のところに現れた理由を知りたいと思った俺は、彼女達に質問を行ってみた」のである。そう思った理由は簡単だ。俺の「勇者の力」があれば「勇者ヤマナの知り得ない事実」を知ってしまう事になるからだ。

俺は目の前の女子高生が「佐藤さんというらしい。そして美鈴の苗字が『鈴木』だという事だけは何とかわかったが、それ以上の情報は俺の中に刻まれていない」と感じたので俺は目の前にいる女子高生と話す前に「ステータス」と心の中で呟いてみる事にした。すると脳内でシステム音声が響いてきた。

防具:聖衣(女神の巫女専用装備)

装飾品 なし 装備品 聖杖(攻撃範囲5倍 威力20倍増)

特殊能力 浄化の光(状態異常無効化。あらゆる穢れを払うことが出来る)

俺はこの声に「うっはー!!」と思ってしまった。なぜなら「浄化の光」という言葉が「俺に付与されている「聖なる光」の上位互換じゃないか」と思ったからである。俺に備わっている「神聖なる光の剣」の力が「俺の攻撃の力を4倍に引き上げる力」であるとすれば「俺に付与されていた「清浄なる癒しの盾」の能力は回復力と防御力を向上させる効果」を持っていたので俺にとっては、どちらの方が上位に位置するかと言われれば間違いなく「清浄な癒しの盾」の方に軍配が上がるのである。

そんな感じで内心では喜びながらも、とりあえず目の前の佐藤さんという高校生と話を進めることにしたのだった。「佐藤亜矢が生きていたという事は佐藤亜矢が、あの後で転生をしていたということだな。だけど亜矢と俺は恋人だったわけではない」と思うものの「亜弥に再会できたら何をしたいだろうか?」と考えた時に「今度こそ亜弥を守る為に強くなる必要がある」と思っていたのである。だからこそ、これから出会うはずの魔王を俺は倒す決意をしていたのだった。

俺は自分が勇者だということを伝えてから、勇者に協力して貰う代わりに魔王を倒してやろうという約束をした。そして勇者に頼めば俺の知りたい情報を提供できるだろうと伝え、そして俺は佐藤香里に対して勇者に亜弥に関する情報を提供するように命じたのである。勇者ヤマナにお願いをして、俺の元に香里という女子高生がやって来るまでに一週間近く時間がかかったが「亜弥は無事に転生を果たしていたんだ」と思い知らされた。俺は香里に「君を仲間にするかどうかは俺の判断に全て委ねられている」と言っておいたのだ。

そして俺は香里に「亜矢の住んでいた村の近くの地図」を渡し、俺が「勇者としての力で得た情報によると、亜矢が暮らしていた村の近くの集落で亜弥とよく似た名前の人物が暮らしてい」と説明をする。そして勇者が調べてくれた内容を聞くために勇者ヤマナに連絡を入れたのだ。勇者が教えてくれた内容は、俺の記憶の中にある「魔王討伐の旅」に関する記憶とは違った。勇者ヤマナの話によれば、亜矢の故郷である村は、俺の知っている「亜弥が住んでいたと思われる場所とは違う場所に存在しているらしい。つまり、勇者ヤマナの言う事が正しければ亜弥の生まれ変わりは俺と接点を持つ可能性は低いということになる。俺は勇者の話を聞いた後に「亜弥の情報」を集めるように指示を出していたのだが、どうも芳しくない。というのも亜矢の出身地周辺の集落が、どういうわけか「亜弥という少女の出身地に関する情報」について隠蔽工作を行っているらしく、いくら勇者の魔法を使ったところで情報が入ってこないという。そればかりか亜弥の情報について勇者ヤマナから話を聞こうとしても「その件については私からは申し上げることが出来ないのです」と断られてしまう。俺は勇者ヤマナと連絡を取るのをやめようと思いかけたのだが、その時だった、俺は「勇者ヤマナに亜弥のことについて聞けば何かしらの情報が入ってくるかもしれない」と思ってから再び勇者ヤマナとの会話を続けることにしたのである。そして勇者ヤマナに「俺の仲間になれ」と言う。すると勇者ヤマナは「その条件を呑みます」と言い「私に亜矢様の情報を与えてくださった暁には私の主になっていただきますよ」と言ったのだ。俺は「俺には佐藤さんのような美人な奥さんがいるんだぞ」という風に言ってみたのだが勇者ヤマナは「私が亜矢様の生まれ変わりを見つけてみせます。ですので主様には奥様との仲は大切にして頂くつもりです」といってくれたので俺は内心で喜んだ。

そんな感じで勇者ヤマナと話しを終えた後は亜弥の村に近い街に行ってみる事にした。俺が住んでいる街の名前は「魔境の街」であり、俺の住んでいる場所が、かなり大きな街の部類になるらしい。ちなみに俺は勇者の持っている知識に頼りながら自分の領地内にある街を探索していたのだ。その結果、俺は自分の家がある「魔境の森の近くに存在する街」だけではなく、「魔境の森の外側に広がる森の中の街道」にある街にも行く事になった。それは「魔域の森の内側に存在する広大な領地を支配する領主と接触する必要があるから」というのが理由の一つだがもう一つある。それは「俺は、まだ見たことがないから分からないけれど勇者の持っていた地図の中に『勇者しか見る事を許されていない』と言われている『魔境の奥地に存在する城』の詳細な地図があった」と書かれていたからなのだ。

勇者ヤマナと話をして、彼女が自分の仲間になることを決意したのと同時に俺は、彼女を連れて彼女の主である俺の仲間の元へ向かうことに決めることにしたのだ。そんなこんなで香里が仲間に加わった後、佐藤さんの生まれ故郷でもある小さな村に足を踏み入れた。そこで、亜矢が住んでいた可能性のある「村外れの小さな教会」に向かうと俺は「亜矢と同姓同名の少女がいた痕跡を見つけたのである。

亜矢は「佐藤亜矢」という名前で「佐藤」という名前がついているのだから当然と言えば当然だった。しかも、俺が探している亜矢は勇者が見つけ出した佐藤亜矢と同じ存在の可能性が高いのである。だから俺は佐藤さんが生まれ育ったという村を訪ねてみようと思ったのだ。

俺達は佐藤さんが暮らしていた村を訪れようとしていた。ただ、その前に、亜矢が暮らしている可能性がある「佐藤さんが育ったとされる村」へ向かおうとしたのだ。俺は「佐藤亜矢という佐藤さんが生まれ育ったという村に行く」と言っていた。すると香里と美鈴の二人が「自分も行きたい」と主張したので連れて行くことにした。

美鈴が俺のことを「ご主人様」と呼んだ時は驚いたものの「美鈴が亜矢のことが心配になって、どうしても一緒に居たいと言っている」と言われてしまった俺は断ることができなかったのである。

そして俺と香里、美鈴の三人は俺が手に入れた勇者が持つ地図を頼りに佐藤さんが暮らしていたであろう村へと向かうことになったのだった。だが俺は香里と、一緒にいるのなら俺達と一緒に佐藤亜弥を探す手伝いをしてほしいということを伝え、彼女達に亜弥を探すことを手伝うことを頼んだのである。俺が勇者の持つ「地図」を見せてもらった時に「佐藤亜矢と同名である佐藤さんが、この世界に転移してくる前に住んでいた村の近くの集落」のことも載っていたので、その集落に向かってみるべきだと思ったのだ。ただ勇者の地図には「魔王軍との戦争が激化する前」の「勇者がまだ、この世界の人間であった頃、彼が勇者としての力を発揮し始める前の話」とだけ書かれており「佐藤亜矢」の名前が出てくることはなかった。なので勇者は亜弥を探し出すことができないと諦めていたのだ。

しかし俺が手に入れている勇者の知識と勇者の持っている勇者としての能力によって「亜弥の生まれた場所」や「佐藤さんと同姓同名で同年齢の少女が佐藤亜矢という少女である可能性が極めて高いという事」を勇者に伝えていた。だからこそ勇者は自分の力だけでは無理だとわかっていても俺に力を貸すことを申し出たのである。そんな風に考えていたら「魔獣に襲われたりしないように俺が守るから安心してくれ」という勇者の言葉が脳裏に思い浮かんできて、少し嬉しい気持ちになったのだった。

俺は佐藤香里、そして「佐藤さんに瓜二つの女性」である小鳥遊美鈴と旅をすることになり「魔域の森の中にある小さな集落で佐藤亜弥に似た少女と出会ったことがある」という事実を伝える為に向かったのである。俺が魔域の森を歩いて集落を目指している時に勇者ヤマナに亜弥の情報を教えて欲しいと頼むと彼女は「申し訳ないのですが、亜矢様に関する情報を教えることは出来ません」と断りを入れてきたのだ。そんな彼女に「どうして亜矢の情報を隠そうとするのか?」を問いただしてみると彼女は「亜矢様の情報が、どのような影響を及ぼすかが分からないからですよ。私は勇者として魔王を倒したいだけです。亜矢様の生まれ変わりに会いたいと思う感情はないんです」と答えてくれた。俺は勇者ヤマナの言葉を聞いてから、彼女に対する印象が変わり始めていたのだ。なぜなら亜弥に対して強い想いを抱いていて「生まれ変わったら今度こそ絶対に自分が探し当てる」と決意をしていたような発言をしていたからだ。だからこそ俺も協力したいと思ったのだけど勇者は、なかなか教えてくれなかったのだった。結局は勇者ヤマナから有力な情報を手に入れることが出来なかった俺は「魔王軍の本拠地があるという魔王領と魔都の間にある集落」という場所に行けば亜矢についての情報が手に入ると思っていたのだった。

俺が「勇者ヤマナに、どんな形でも良いから亜弥の情報を与えてもらう」と約束した時に「亜矢様と再会を果たされた後に私を、どうされるつもりですか?」と言ってきた。俺としては、その言葉の意味が「亜矢と再会を果たした後の勇者を、どうするか考えろ」という意味だと思っていたのだ。だが勇者ヤマナに確認を取ってみると「私は、もう貴方に忠誠を誓っていますよ。ですので、私の主になって下さった以上は何があろうとも逆らうことは致しません。私が亜矢様と再会した後も、亜矢様が幸せで、あるように尽力させて頂きます」と言われたのだ。それならばと「俺と、これから出会うかもしれない佐藤亜矢の仲を取り持つ為に動いてくれ」と言うと、勇者ヤマナは「亜矢様と会える機会が訪れれば、お二人を引き合わせるのは容易いかと思います」と、言ってきた。

勇者ヤマナの口から亜矢の生まれ変わりである「佐藤亜矢と同一人物の可能性がある人物」が見つかるかもしれないという話を聞くと俺は興奮してしまう。

それは、どういう状況で俺の手元に来るのだろうか?もしかしたら既に、この世に生を受けているのではないだろうかと考える。もしそうなら、どのように出会い、そして恋人同士になっていくのかが楽しみだった。俺は、亜矢が幸せな人生を歩めるように配慮しながら生活していくことに決めたのである。それは、もちろん亜矢が不幸な目に遭うようなことだけは、何があっても避けなければならないと考えていた。

俺は「勇者が所持している勇者の能力を有効に使えるようになる指輪」を手に入れたことで「魔族の領地を支配する王との謁見」ができる可能性が生まれたのだ。俺が亜弥と会うために魔王と接触する必要が出てきた場合、どういった方法でコンタクトを取るべきか悩んでいたのだ。ただ「勇者の能力を上手く扱えるようになりさえすれば」という条件が付いてくるので俺は「勇者に俺の配下になってもらうしかないだろう」と考え「魔王軍の王との謁見」を、できる限り早めに実現したかったのである。だから勇者に俺の配下になってもらえないかと持ちかけたのだが「私には佐藤亜矢様以外に大切な人は居ないのです」と言い出して断られてしまった。

ただ、そんな勇者が俺の元を離れようと考えた場合に勇者は勇者としての称号を失って「普通の人として生きていくしかなくなってしまう。だから俺は「俺の側から離れるなんて馬鹿なことを考えないように勇者の力を奪い取る魔法を使う準備をする」と言う。

すると勇者ヤマナが急に倒れ込んだので俺は「大丈夫か?」と問いかける。

「主様に、その力を与えられた瞬間に『私は貴女の物になりました』と認識させられてしまい力が抜けていきます。

その力があるからこそ私は今まで魔王を倒せないまま生き残れたんだと思い知らされました」

俺は、そういうものなのかと思いながら「とりあえず休めそうな場所で休むか?」と言った。

「申し訳ありませんが、少し休みたいので休憩させてください」と返ってきたので、俺は自分の屋敷に案内する事にした。そこで勇者ヤマナに「俺が手に入れた能力を使えば魔王を打倒することも可能だと思う。だけど、それだと魔王は俺の手駒となってしまい俺以外の誰かを魔王から守ってくれなくなる可能性もある」と説明して勇者ヤマナの協力を得ることで魔王討伐が成功するかどうか確かめたかったと正直に伝えた。勇者が「魔王を倒してしまえば、この世界の人達を苦しめている悪が無くなり平和が訪れるかもしれません」と言ってきたので「そんな簡単な話じゃないんだ」と告げる。

俺は、勇者から魔王の能力を奪う事で魔王の魔力を吸収し「その力で魔王を屈服させた上で仲間にする必要がある」ということを説明した上で勇者に「俺は魔王を仲間にするべきだと思うんだ。その前に一度魔王軍との戦いを終わらせることを優先するけど」と伝える。

そして「勇者としての能力を失う事を恐れているなら俺に協力してほしいと頼むと勇者ヤマナは嬉しそうにしているように見えたのである。その後、彼女は俺の仲間になることを決めてくれたのだ。

そんなこんなで俺は勇者を連れて「亜矢によく似た女性が生まれ育ったとされている集落へ向かう」事を決めたのである。

勇者ヤマナが俺について行きたいと主張し、俺達の仲間に加わった。それから俺達と一緒に「勇者ヤマナが住んでいたという集落に向かう」事に決めたのだ。だが、勇者ヤマナから聞いた話から察するに俺の持っている「地図」と「地図に記されている勇者の持っていた勇者の能力を活用できるようになる道具」では亜弥が暮らしていたと思われる村まで辿り着けない可能性があると勇者ヤマナが告げてくる。そんな勇者に、どうやって俺達は村に行くのが一番早いかを確認すると彼女は、この世界で魔王軍と戦う者達の「本部になっている集落」へ行けば最短距離で行ける道を教えてくれるらしいのだ。そんな勇者ヤマナの言葉を聞いて香里や美鈴は驚きの声を上げてしまう。

そんな香里や美鈴を勇者ヤマナが睨みつける。その様子から、この二人が何かやらかしたのではないかと勘ぐってしまう。そして勇者ヤマナの事を警戒して見ていると「その地図を見せてもらえますか?」と彼女が言うので地図を手渡す。勇者は、その地図を手に取って真剣に見つめ始める。そんな彼女に俺は「その地図の見方が分かるのか?」と聞くと彼女は、しばらく地図を見続けていた。すると勇者は顔を上げてから俺のことを見据えると「この地図の使い方をマスターすれば魔域の森の中で迷う事は無いですね」と告げた。

俺は、そんな彼女の様子を見てから「勇者は俺達が知らない知識を持っているのか?」と問いただした。

そんな風に俺は勇者から亜矢の事を尋ねようとする。そんな俺に対して「申し訳ございません。亜矢様に関する情報については教えられる事はできないのです」と勇者ヤマナが答えてきたので「どうしても駄目なんだな?」と確認する。勇者が、それに答えることはなく無言を貫いたのである。勇者が俺を警戒するのは仕方が無い事かもしれないと思った俺は「わかった。それじゃあ、とりあえず目的地までは一緒に行動しようか」と言ってから、勇者を連れて行くことを決断した。勇者が、これから先の戦いで役に立たないと分かれば勇者を置いていくつもりだったのだ。だが、今は少しでも早く魔族の領土に存在するという集落に行きたいと考えていた俺は彼女も一緒に連れていこうと判断したのである。俺は勇者に「俺の仲間になってくれないか?お前の力が必要だ。どうか俺に協力して欲しい」と言うと彼女は黙ったまま俺を見詰めてくる。

俺は彼女に近寄って手を差し出すと、しばらくしてから俺と握手してくれたのだった。

勇者ヤマナが仲間になった事により戦力が増強されるのを感じた。俺は「魔王領の首都にある城に魔王がいるから魔域の森の中にある集落には魔王の配下がいないかもしれない」と予想を立てたのだ。それに加えて、もしかしたら魔王の配下は「勇者ヤマナの存在に気づくかもしれない」と俺は考えた。もし勇者が魔域の森に生息している動物などを狩りに行ったら間違いなく「魔王軍の魔物に襲われる」と思ったのである。

勇者ヤマナを俺の仲間にすることで、俺の仲間たちが強くなる可能性があると考えた。ただ、それは同時に魔王軍の力が増していく可能性があるということだ。なので、まずは勇者を魔域森の外に居る魔族の所に送り届ける必要があると考えたのだった。そして俺は勇者と別れてから、この世界の地図を広げてみると、そこに記されていた魔都の場所を見て愕然とした。なぜなら、そこは現在地から遠く離れすぎているからである。それならば最短距離で移動出来る場所はどこかと調べてみるも見つからないのだ。その事実から俺は地図が不完全なものじゃないかと疑ったのである。そう考えると魔王領の地図を見たときに、もっと詳細な情報が欲しくなったので俺は自分の手元に情報が集まるようにしようと考えた。そこで俺は「自分が所有しているアイテム」に目を向けると勇者の所持していた武器があることに気づいたのである。そこで、その剣を手にした俺は能力を確認しながら使いやすい形に調整を行ったのであった。

「佐藤さん、ちょっと良いですか?」と声をかけられたので振り向くと美波が俺の側に近づいてくる。そんな美波に俺は「なんでしょうか?」と尋ねると彼女は笑顔を浮かべてから口を開いた。

「佐藤さん。私のスキルを使って佐藤さんの欲しいと思っている物を私が差し上げることが出来ますよ。何がお望みですか?」と美波が聞いてくる。

美波が俺の考えていることが読めるように「思考共有」を発動してくれていたので、俺の質問にすぐに反応してきた。そんな美波の様子を見ながら「それなら美亜と真菜亜を呼んできてくれないか?」と頼んだ。それから数分後に亜亜美が、やってきたので「亜亜実が今使っている能力を少し俺に譲れないかな?」と亜麻子にお願いしてみた。

「はい、構いませんよ。ただ、どうしてですか?」と亜亜美が尋ねてきたので、俺は亜矢と亜弥を探すためには亜亜実が使う能力が必要になりそうだと話した。すると亜亜実は「そういうことでしたら、いくらでも使ってくれて構わないので」と言いながら亜矢の持っている勇者の力を奪う事が出来る指輪を亜亜美が手に取ると自分の手首に押し付ける。そして「はい。佐藤さん。どうぞ」と言って、それを渡してくるのだった。そんな亜亜美の行動に驚いたのは俺だけでは無かった。香里も、そして美波や真里も、そして亜麻子でさえ驚愕の表情を向けているのが見えた。そんな状況に困惑している亜亜実に俺は亜矢と亜弥を探したいから亜亜美が使える力を貸してほしい事を伝えたのだ。すると亜亜実は「わかりました。私の持つ力は全て貴女の物です。好きにしてください」と答えたのである。

俺はそんな亜亜美の返事を聞いて「亜矢と亜弥の捜索の為に必要な能力だけを俺に使って欲しい」と頼むことにした。すると亜耶亜が「それなら亜矢姉さまと同じ『魔力強化』という能力だけを残して後は全て貴方に譲ります」と言い出して、それ以外の力を使う事を拒否されてしまう。だが『魔力強化』以外の能力を全て使わないとなると困ると感じたので、とりあえず『魔力操作』だけは残しておくことにする。それでも他の能力は不要だと感じてしまって「もう必要ないと思うんだけど、亜亜美の方で、どうにか出来ないか?」と言った。

そんな風に、こちらの要望を聞いた上で『魔力強化』以外に必要な能力を割り振る事は可能だという事になったのだ。

そこで『魔具』と呼ばれる魔法を封じた道具を扱える能力があるから必要なのではないかと言う事になり、『鑑定士の杖』『魔法使いのローブ』『僧侶の錫』などを装備すると「これを装備した状態で念じることで魔法が使えます。ただし魔法を覚えるための修行をしなくても覚える事ができるようになれるわけではない」と説明してくれる。そんな亜里の話を聞いた上で、俺は試したい事があると告げる。

それは俺が持つ「アイテムボックス」の中に有る道具を取り出すことが出来るのかどうかを、実際に確認しようとしたのだ。だが俺の頭の中では「そんな事は不可能」だと分かってしまう。つまりは「亜矢が持っていた能力であるアイテム収納」や「真里が持っている時間経過がない」といった能力が無い限り俺のアイテム袋に収納する事は不可能なはずなのだ。だが亜亜実の能力を使えば可能なのではないかと考えたのである。

亜亜美は「亜亜実は使えないと思います」と答えてくる。亜矢の能力を奪っていない状態だと使用できないらしいのだ。俺は亜亜実の「亜亜実が持っている能力のうち一つは、その人自身しか使えない能力になっているんです」という言葉を信じて、亜亜美の能力を奪い「アイテムバッグ」を亜亜実に譲ったのである。その結果として亜亜美は自分の持つ能力を二つ手に入れた。そのせいで彼女は亜亜美から亜亜美が受け継ぐことになった力について詳しく知る事になるのである。その話をした後で「私は貴女を信用するわ。よろしくね。貴女の力を全部貰っちゃうけど、本当に大丈夫なのかしら?その指輪の力は凄すぎて普通は他人には絶対に扱えない代物のはずなんだけど」と美亜に聞かれてしまった。

そんな風に会話を交わしてから俺達は魔域の森の外へ向かう。そして森の中に入ると魔物と遭遇してしまう。その数はそれほど多くなかったのだが、問題は「その強さが今まで遭遇した相手より強かった事」だろうな。

俺は魔族から渡された「武器防具一式」「魔法の巻物×4」を手に入れた。この「魔法の巻物」には「魔法の巻物を複数使用する事で、その使用法を覚えたり出来る」と説明書に記載されていたのを思い出したのだ。そんな風に「魔法を使いこなすために訓練を行う必要があるのでは?」と、ふと思ってしまったのである。だが今は「勇者が居るため」に戦力が大幅にアップしたので魔境の森の奥まで一気に進んで魔族の領地に向かうのであった。そこで、この世界の住民達を魔域の森から救出するために動く事にしたのである。俺は、そのためにも魔王討伐のために勇者に協力を要請することにしたのだ。勇者に俺の仲間になってくれるようお願いしたのだ。そして彼女と共に魔王を倒す事を決めたのだった。

ただ勇者を同行させる事については魔王軍に気付かれたくないと思っていた。だから俺の仲間は勇者の事を「魔境の森にいる勇者」ではなく、あくまで勇者の事は「魔域の森に住んでいる魔族を殲滅しにやってきた勇者」という扱いにするつもりだったのだ。勇者の存在は「魔王領に住む魔族達に知れたら間違いなく戦いになるはずだから」という理由からである。だが俺の思い通りに物事が運ばずに俺は窮地に追い込まれていたのである。その理由としては俺の目の前で「勇者ヤマナ」が「魔族の一人によって殺された」からだ。彼女は「勇者ヤマナ」であり、俺にとって貴重な情報源でもあり戦力だった。その彼女が殺されてしまったため俺は「魔王軍が勇者を殺した可能性」を考えたのだ。そうなると俺は「魔王領にある魔域の森に存在する集落に魔王の配下の魔族がいるかもしれない」と推測を立てていた。

そんな理由もあって俺は魔族の支配領域へと向かい、魔王軍の魔物と戦う事を決めていた。そこで俺は魔王軍の魔物と戦い、なんとか勝つことができたのだ。俺は、そんな戦闘の最中に勇者を守れなかったことに怒りを覚えながらも魔王の配下がいる場所へ、その場所は魔域の森の中心部に位置する魔都にあるという情報を得ていた。そして俺は魔域の森の中心を目指す。ただ魔都へと向かう道の途中に、魔族の部隊が待ち伏せしていて襲われてしまう。俺は魔族の部隊を撃退してから魔都を目指して進んでいくと、そこで「四天王のダミアン」と対面することになる。彼は魔王軍の幹部である四将の一人でもあった。その人物から情報を得る為に戦いを挑むことになる。その時に俺は相手の攻撃手段である『武器強化』『防御力向上』『身体強化』等の能力を奪った上で倒すことに成功する。そして奪った能力を「アイテムボックス」の中に入れたままになっていた。俺は能力を手に入れてから「勇者が殺される直前に使っていた技が有ったよな?」と考え始めたのだ。

勇者が死んだのであれば、もしかして聖剣も奪われてしまっている可能性もあるのではないかと気づき、勇者が愛用していたと思われる剣も「魔法袋」に入れてあるから俺は確認してみることにする。そして、そんな時に現れたのが、この世界に召喚された勇者「香里 優梨奈」であったのだ。

香里も勇者と同じようにレベルが高くて、しかも勇者の装備を身に着けていたのですぐに分かることが出来たのだ。俺は、その勇者が身につけているはずの剣を探すことにしたのだ。すると剣は香里自身が手に持っていて俺が探していることに気付いたのか声をかけてきたのである。

そうやって俺達が合流した瞬間に、こちらへ向かってきている人物が視界に入ってくる。それが「四天王のダミアン」で、彼との戦いが始まると俺は、そのまま彼の動きを観察をすることにする。どういった攻撃を繰り出してきてどういう反応を見せるのかを確認したかったからである。

その結果「武器強化」の能力と「防御障壁」の能力と「身体強化」という三種類の能力を俺は奪えたわけだ。さらに俺は「ダミアンの動きを観察して弱点になりうる部分を見つけ出し『鑑定』の能力を上手く使いながら戦う』ということを心がけ、そして「勇者を死なせた報いを受けさせてやるぜ」と内心に秘めて戦っていた。だが俺の願いは叶わず、勇者を救えなかった後悔の気持ちを彼にぶつけていく結果になってしまうのだった。

それからしばらくしてから俺は四天王の一人である、あのダミアンを俺が倒した。俺は彼を殺さずに無力化する方法を選んだのだが、どうやら彼は既に息絶えているようでピクリとも動かない。

そして彼が持っている勇者の装備品を奪うべく近づいたその時だった。突然、香里の方を向いていた四天王のダリアナが何かを言い放つ。すると次の瞬間、いきなり「魔法」を放ってくるではないか!だが俺は反射的に魔法を使ってしまったのである。するとダリアスの放った「炎の塊」を消滅させてしまったのである。

俺は慌てて「今のは一体何が起こったんだ!?」と疑問を抱く。

そして「なんで『アイテムボックス』が使えなくなってるんだよ」と焦る。まさか『魔力操作』が使えなくなる事態が発生するなんて思ってなかったから、つい動揺してしまう。俺が『アイテムボックス』の中に入れた物は時間が経過しないと取り出すことが出来ないのだ、その事を俺はすっかり忘れてしまっていたのである。それなのに俺が今発動した魔法は何事もなく使えてしまったので「何故、急に使えるようになったんだろうか?」と不思議でしょうがなかった。

俺は改めて周りを見渡してみると「魔法を使ったダリアナ以外の魔族は全員倒されていて」、またダミアンの遺体と勇者の死体だけがその場に残っていたのである。そんな風に俺の頭の中では「どうして、こうなったんだ?」という思いが強くなっていたのだ。そこで俺は先ほどまでの戦いを思い出して原因を解明しようと考えるのだった。

俺はまず「ダミアンの持っている魔法を無効化させるような能力は使えないか?もしくは魔族から奪われた能力で魔族の持っている能力に対して優位に立つ能力が手に入ればいいな」と考える。そこで「勇者の持っていたアイテム袋」の中身を確認して、そこから使えそうな能力があった。それは「勇者の能力で魔族の魔法を打ち消す能力がありました」という内容が書かれた手紙が入っていたので、この能力が「アイテム袋の中に入っている」ということなのだが、これがあれば「魔族が使った魔法が無効になる」ということになるのだから「魔法」を扱える能力を手に入れることが出来るかもしれないと思ったのである。

それで「魔法の巻物」を取り出した俺は「魔法の巻物を二つ使うことで、その巻物に封印されている魔法の効果を使う事が出来るようになります」と書かれた説明を読んで「勇者の能力で魔族の魔法を打ち消せる」という能力があるならば「魔族の使っている魔法を、打ち消しちゃえ」と思い試したのだ。すると「勇者の能力と、アイテムボックスに入っていた魔法のアイテムを組み合わせる」ことで俺が予想していた通りの事が現実に起きた。そのお陰で俺は「魔族の持つ能力を封じることが出来る能力を入手したのである」のだ。つまり俺が新たに手に入れたのは、

1.勇者のアイテムで相手の持つ「能力や道具を奪い取る」事ができる

2.勇者の魔法で魔族の使う「魔法や特殊能力の効果や使用回数に制限を加えることができるようになる」という2つの新しい力である。そしてこの「魔法の能力を使いこなすためには、その使い方を覚えなければいけない」という条件をどうにかしなければならないなと思っていた矢先に、 勇者の持っている指輪を、たまたま発見したのである。その指輪は「ステータス」という能力を封じ込められた指輪らしく、その「ステータス」が使えるようになると俺自身も自分の持つ「身体能力が上がっている」「魔法の熟練度が上昇しやすくなっている」「魔法の習得速度が早い」「スキルポイント」の獲得量が倍になるという凄まじい能力が備わっているのである。しかも俺の場合は「そのステータスに振り分けられる能力の割り振りを自由に変更出来る」「さらに他人の持っている『魔法書』を盗んで自分専用に書き換える事ができる」といった凄い特典もあったのだ。そんな訳で俺は「魔族が使っていた魔法を『アイテム』の力で無効化出来るようにする」という勇者の力を借りずに、魔族の使う能力に対抗する事が出来るようになったのである。俺は、これで魔族を倒すための作戦を立てられるようになった。そして魔都へと乗り込む事にしたのだ。そして俺は勇者の仲間だった「勇者の仲間」達と再会する事になる。その再会は俺にとっては複雑な思いしかなかった。なぜなら「魔王軍に殺されたと思われていた勇者の仲間が生きていて俺の前に現れたのである」からだ。そして俺は彼女たちと魔王軍の元幹部である四天王の一人である、この世界では「魔境の森の主と呼ばれている存在で魔王軍幹部でもある」ダリアナが住処にしている「魔都」に乗り込むことにしたのである。

ただ、俺の思い通りには事は運ばない。なぜ俺の思う通りに事が運ばなかったかというと、俺の味方として付いてきてくれた香里の存在が「魔王軍の手に落ちたのである」からだ。俺は、この香里を救うために動くのである。俺は香里が捕らわれている場所に向かう。その途中で「魔都に俺の知り合いがいるらしいから会いに行こう」と誘ってきたのだ。その人物は俺の協力者でもあって、そして魔王の配下の魔族が拠点にしていた「魔王領にある街」の領主をしている魔族でもあった。だから俺の知人に会うため魔王領の中心へ向かうことにしたのだ。そこで俺が目にしたのは「勇者ヤマナが生きている姿」だったのである。俺は香里の無事を確認することが出来たが、ヤマナはまだ魔族の能力を持っている状態のままであると俺は気付くのであった。

俺の知らないところでヤマナには何か秘密があったのだと俺は確信した。だからこそヤマナは自分が勇者だという事も隠していたし、また俺の事を信用していないような感じだった。俺はそのヤマナの様子から彼女は魔王軍の四天王の一人であるダリアナと何か関係があるのだろうという憶測を立てることになったのだ。

それから香里の無事にホッとしたのも束の間、俺は突然何者かに襲われる。

俺の敵として目の前に現れたのは勇者の「香里」と俺の知っている「山瀬」という人物だった。そして香里は勇者の装備を身に着けていたのである。

「山田くん大丈夫ですか? ごめんなさいね。私の勇者としての能力のせいで山田くんに迷惑をかけてしまったわ」

「山田次郎だ」

「あ、はい。ご丁寧にどうも。私の名前は山岸といいます。よろしくお願いします。でも、どうしてこんなことになってるか分かりませんが、これからは一緒に頑張っていきましょう」

「俺は別にあんたと一緒に行動するつもりはない。むしろ、俺にとって害しかないと思っているんだが、どういうことだ?」

「私は、あなたに命を助けられましたから、お返しに恩人さんに力を貸そうと思い、こうして協力しているのです」

俺達はそんな話をした後、この場から離れる。だが「魔都」へ乗り込んだ俺の前に立ち塞がった「四天王の一人で『魔王軍の幹部であるダリアナが俺の行く手を阻む』。だが俺は魔都の中に入り込んでいた「魔族の生き残りの魔獣達が、なぜか魔都の入り口で俺に襲い掛かってくるという事態が発生してしまう」

俺はその魔獣達を倒しながら「俺は、まだ俺の命を奪おうとするのかよ。俺の何が気に食わないって言うんだよ」と考えながら「魔都」の攻略を開始したのである。

俺は、勇者が所持していた勇者が元々使用していた武器「刀身が虹色に輝く剣」と俺の持っていた「魔銃(拳銃)」を組み合わせた新必殺技を放つ。

俺の放った攻撃によってダリアンナを切り裂く。すると「魔剣の刃を受け止めて弾き返した後、今度は自分の剣を振り回して攻撃を仕掛けてきた。だが俺は咄嵯に防御を行い、ダリアンナの攻撃を防ごうとする。しかし俺は攻撃を跳ね返されてしまうのである。そんな時に俺は、

「俺は勇者だ! 貴様を倒さねばならん! 勇者の力がお前のような者に通用すると思ってもらっては困る」と大声で叫んだ。

だが俺の声など無視された状態で再び、

「おらぁ! この雑魚野郎! 俺をコケにしやがって!」と叫んでいるのである。そんな時だった「俺の視界に入った光景が急に変わった」のである。俺の視界に入ったものは魔都の入口の辺りを必死の形相で走る魔族の女性の姿だった。そんな魔族の女性は「俺の方」に向かって走ってきたのだ。俺は魔都の中に居るダリアンナの気配に集中していた。そのため俺は背後に迫ってきていた人物に反応することが出来ずにいた。その結果、俺は後ろから羽交い絞めにされてしまったのである。俺の身体に抱きついてきたのは「山田次郎」と名乗っていた少年だった。彼は俺から「魔剣」を無理やり奪い取ろうとしたのだ。そして、その時に俺は気付いた。彼が俺の持っているアイテムボックスの中から取り出した指輪を使って「魔族から奪った能力を使っているんだな?」と思ったのである。俺は彼に、この魔剣を手放す気がないから諦めろと言ってみたのだが、そんなことを言っている間に俺の手の中にある魔剣は、あっという間に取り返されてしまい、彼の仲間らしき少女が俺を羽交い締めにした状態のまま俺の動きを止めようとしてくる。そこで「魔都」の入口で見たあの女性が近づいてきたので、そいつにも話しかけることにした。「あんたの仲間か? 悪いが俺の仲間が邪魔をしているみたいで助けてくれないか?」と言った瞬間「何を寝言を言っている。この男に殺されたくなければ大人しくしていてもらいたいものだ」と言われた直後「魔銃が撃ち抜かれたのである」。俺に抱きついて来た女性は「私が持っている「勇者」が元々所有していた「スキルの杖」を使った能力の応用です。ちなみに私の名前を言うのを忘れていましたが「香里」と言います。以後お見知りおき下さい。まあ貴方と今後関わるつもりはありませんけどね」と言われてしまう。俺は香里と名乗った女性に、こう言い放つ。

「その勇者の能力を使う力があるなら魔都で手に入れた「勇者のアイテム」で「能力を奪ってしまえばいいんじゃねえの」と思うんだがな」

俺の言葉を聞いて「確かにそうかもしれん」と口に出してしまう香里。

その後、香里が「その力があれば魔都で手に入るアイテムの能力も奪う事が出来るかも知れません」と言うと、俺から強引に魔剣を取り戻そうとする「山岸」と呼ばれていた女が俺に「おい! こっちに魔剣を寄越せ」と叫ぶ。俺は、

「断る」と答えた。すると山瀬という女の態度が変わる。

「山田とか言ったな。今の発言に嘘偽りはないだろうな? この勇者の能力が使えなくなったとしても、魔族に対して有効な手段は魔銃という魔法が込められた弾丸のみなのだぞ。それが無くなったというのにどうしようというのだ」

俺は、香里という勇者が持っている能力について質問をしようとした時、俺を羽交い締めにしている「山田次郎」と名乗る人物が「勇者が使っていた武器である刀」を使い俺に斬りかかろうとした。

その斬撃は俺には当たらなかったものの香里の肩に直撃する。「くっ」と悲鳴を上げる香里だったが、すぐさま反撃に移ると「魔弾」の呪文を唱えたのだ。そして俺は、

「魔剣が勇者のアイテムとして使えるようになった場合、香里さんの持つアイテムの効果も発動出来るはずだ」と言う。そして俺は「香里に勇者が元々所持していた勇者専用の装備が魔都の中で売っていたのを覚えているかどうか聞いたのだ」

香里の答えを聞くと、俺は勇者のアイテムである刀を手に取ってみる。俺の手元に来た勇者が使用していた武器が「日本刀」という事を知る。その「日本刀」は魔都の店で購入したもので勇者が使うために作られた特殊な物だった。俺は魔族が使っていた勇者が使用していたと思われる「剣」も確認したが魔族達が使っていた「西洋風の剣」とは違う事が分かったのである。

俺は勇者である香里が使っている魔剣を手にして構えてみる。魔剣を手にした俺は「魔都」から逃げ出した香里が逃げてきた方角へ向かって歩き出す。そして魔獣に攻撃を加えた後、俺は香里に話し掛ける。「この魔銃は香里さんが持っておいた方がいいんじゃないか」と香里に言ってから「魔都で売っている魔石と交換しようぜ」と言った後、俺の持っていた「勇者の剣」を手渡したのである。俺に剣を渡した彼女は「魔銃の魔石の補充をしに行きましょう」と笑顔で答える。そんな彼女に俺は

「勇者の剣を扱えるように努力しろよ」

香里は俺に「はい」と返事をする。俺は魔銃に魔石を詰め込んだ後に俺が持っていた勇者用の「剣」も、ついでに交換しようと思って魔獣を倒して入手した魔石を取り出し、

「これと魔銃を交換しよう」

魔銃のカートリッジの中に俺が勇者時代に集めた魔導書に記載されていた魔獣を封印し魔石にして封じ込めた魔導書が入っていたのだ。

俺は、勇者時代の「魔銃(銃)」と勇者がもともと使用できた「刀」が魔都の中で売られていると聞いていたので香里と共に魔銃が置いてある店に向かうことにした。俺達が来たのは「魔都」の中央付近にある魔道具を扱う店。そこに「勇者」が使用している武器を売っていたからなのである。俺達は店員と会話をして魔剣を「魔銃」に変化させてもらう。俺達は魔石を交換すると俺が持つ「魔装の箱」の中に入れて「勇者」の装備品を全て手に入れた。そんな俺の姿を見て、

「魔王を倒したら本当に元の世界に帰れるのか心配になるわ」

そんな言葉を残して俺に「魔王を倒すのを手伝ってね」と笑顔で言う。

俺が魔都で生活を始める事になった経緯を話す。まず、なぜ「魔王」と呼ばれる人物がいるのかを説明した。

魔王と呼ばれている人物の正体については、異世界へ転移した人間が魔王に変化したのではないか? という推測を立てたのだと説明。また魔王が誕生した理由は、異世界からの召喚者によって召喚されてしまった「勇者が所持していた能力を奪う事ができる剣と魔銃(銃)」が悪用されているのではないかという推論だと説明したのである。

そして俺は、俺自身が「勇者」であり、「勇者」の力を受け継いでいる「魔銃士」でもあると告げた。俺は、その力でこの世界の危機を救う事を誓う。だが俺は、

「俺は、その方法を知らないから協力してくれと言われても何もしてあげられないんだよなぁ。だから勇者であるあんたが「魔王を討伐する事が先決じゃないか?」と言ったんだ」と口にした。だが、勇者である彼女が「魔王を倒し、元の世界での生活を取り戻してからじゃないと協力したくもない。だってそうだろ。お前が言う「この世界の未来」が、どんな結果になろうとも、俺の人生はもう終わっちゃってるんだ。この命は俺が自分で救うしかないんだよ。だからこそ自分の力を高めながら、俺を助けてくれる存在を見つけるために動き始めたってわけさ」と俺が言った事に反論してきた。俺としては、彼女のような人間を「この世界の平和を取り戻す」ためには「仲間」として必要だと思っていた。だからこそ彼女を俺の旅に誘ってみた。しかし彼女は、自分の仲間を探さなければならないと言っていた。そのため仲間を探したいというのなら、自分の目的を達成してからにした方が良いのでは? そう告げたのである。

しかし俺は、目の前にいる「香里さん」と行動を共にすることを決めたのだった。なぜならば、この世界に呼び出された「魔剣使い」のジョブを授かった人間は、必ず「勇者の剣」を持っているはずだと考えたからだ。俺自身も、その勇者の力を受け継ぎ、魔族と魔人との戦いに決着をつける必要があると思ったからである。その前に俺は自分が持つ能力について香里に説明することにする。俺の能力は大きく分けて2つある。1つ目は「賢者(ソーサラー)の能力」である「魔術」「魔法」を使用することが出来るようになること、この能力を簡単にいうと「魔剣」を「杖」として使用することで発動が可能になる能力なのだという事を説明する。次に俺が持つ職業技能の説明をした。

俺は、その時に「賢者」や「魔銃」に関する詳しい話を聞いておく。その後で俺が持っている職業スキルについて詳しく教えて欲しいと言われたのだ。

まず「職業技能(ノーマルジョブスキル)」という項目があり、その中の3つ目の欄に「勇者の固有技能(ユニークスキル)」というものがあったのだ。そして4つめに書かれているのが「職業スキル」である。

香里の話を纏めると、俺の持つ能力について「勇者の能力である「スキル」、「魔法の杖」を使用することができるということが解ったのであった。そして俺は自分が持つ能力が、この世界でも有効であることを知った。香里は「山田くん」が所持している能力の使い方を教えるように要求されたのだ。そして香里が俺に話しかけてきたのは、この世界の「魔王を倒す旅の仲間を探す」という事に関してだった。香里の口から出た言葉で俺は驚いたのである。

この世界を「勇者」が召喚されたのは100年程前だという。その時にはすでに「魔王」という存在がいて、それを討伐するために勇者の力が必要とされる時が来ていたのだという。勇者の使命というのは「魔王を討伐する事が目的」らしい。そして、勇者の能力を継承する際に「勇者専用装備を使用できる能力」も継承されてくるのだそうだ。つまり勇者の武器として使えるアイテムが存在するということになる。

香里から、そんな話を聞いた俺は「香里の武器に俺が所持していた魔剣を使えば、魔都の店で売っている剣でも俺の能力で変化させることが可能かもしれないぞ」と告げると、香里は目を輝かせて俺の身体に飛び付いて来たのだ。その瞬間だった、香里が飛び付いた場所から光が発生したので俺は香里を放してしまった。俺はすぐに、香里が「勇者専用の装備を身につけている可能性があるのではないか?」と思い香里に問いただしてみる。

すると香里は自分が着ている衣服について質問を返してくる。俺が勇者である「香里」と出合ったときに見た服装と違う服を着ていたので「何か特殊な効果が発揮される装備なのか」と質問をしたのである。俺が身に付けているローブには「魔導師の服」の効果があったのは覚えていたが、香里が着ている衣服には特別な効果が付与されていることが分かり、どのような効果があるのか確認したいので俺が所持していた「魔剣」で香里が着用している衣類を変化させようと試みる。俺は魔剣を手にとって、香里の衣服に向けて振ってみる。

俺の予想通りに香里が着用していた衣類が変化していき、俺はその様子を見ながら驚いていたのである。その様子に気づいた香里は「凄いわね。これが「勇者」の持つ固有の能力の一つなんでしょ」と言ったのだ。俺も、まさか「魔剣」で自分の衣服に変化を加える事が出来るとは思わなかったのである。俺は自分の能力についても、もう少し説明をする事にした。

「この魔銃は俺の職業の固有スキルだ。勇者の使用する武器を変化させる事が出来たりするからな。他にも勇者は職業として存在している。例えば戦士とか盗賊とかかな。勇者は職業の固有技を持つ事が多いからな」と言い終わると、俺に向かって「私にも見せてよ」と言ってくる。香里に頼まれたので魔銃を構えて魔石を装填していく。そして引き金を引くと魔銃に変化が起きたのだった。

勇者が持つ「スキル」、「魔術」、「魔法の杖」を使用できるようになるのが「魔銃士」なのではないかと思う。そんな俺に対して「山田くんが勇者なんだから、山田くんにお願いがあるんだけど聞いてくれる?」と口にしたので、

「勇者といっても、ただ召喚されて魔王と戦えと言われているだけで俺自身が勇者ではない。勇者は別の世界に存在するしな。だから俺が出来る事は限られているし出来ない事もある」と言った。だが、それでも構わないと口にして彼女は俺の事を「魔王討伐のための協力を求めてきたのだった。そんな彼女に俺は

「魔王を倒した後ならば、いくらでも力になるさ」

俺の言葉に彼女は微笑むのであった。そして俺が「魔導具」を取り扱う店で「勇者」の武器に変化する「勇者専用装備品」の店の場所を教えてくれた。魔導具の店の店主と俺は会話をしながら俺は香里と一緒に魔都の外へ出かけた。

俺は香里を連れて魔都の外へと向かうとそこには魔獣の群が存在していたのである。香里が「こんなところに魔獣が出るなんて珍しいわね」などと言ったので俺が

「勇者が使う武具の中には『魔剣』と『聖剣』というものがあるんだが、その2つは、それぞれ対になる関係になっていてな。俺が持つ魔剣の名前は「魔導師」でな。魔剣士というジョブに就いている人間が、俺の「勇者専用装備」を使えるようになるんだ。だから俺は勇者の「魔剣」が欲しいんだが、魔王を討伐しないと手に入らないだろうと思ってさ。魔王を倒すためにも仲間が必要なんだ。だから俺は「勇者の仲間」を探すために旅に出たってわけだ」と説明する。

俺は魔銃を魔装化させ魔装銃に魔石を入れると「賢者」が使っていた魔法である「魔術(マジック)」を発動する。すると魔銃が杖へと変化したのだった。その事に驚いたのが香里だった。香里はその光景を見て

「何これ?! まるで「賢者(ソーサラー)」の魔法だよね? その杖を使うと魔術が発動出来るようになるんでしょう??」と口にしたのである。俺としては魔術について知っているという香里の話が気になった。だが俺は今はこの魔獣をどうにかしなければならないと考え魔銃杖を地面に立てると

「賢者」の能力を使用して「賢者(セージ)」という魔術を詠唱した。

この魔術は、この世界で確認されている魔術師が使える中で最高位の「上級魔術」の一つである。そして俺は魔導師の魔術の中で一番威力の高いものを選んだのだ。魔銃杖の先に魔力が集中していくと、この世界の全ての魔素と呼ばれるエネルギーを凝縮して破壊力に変えて行くのが解った。そして 俺は魔導師系統の最上級の魔法を放つ。その呪文を唱えた時に俺の口から声が漏れるのだが「魔王(デヴィルロード)」のスキルで習得しているスキル「威圧」を使用する。

すると目の前に居た魔獣たちは次々と倒れ込んでいき気絶してしまったのである。俺の後ろでは、その様子に唖然としていた香里だった。その光景を見た俺は

「魔王の力は本当に便利なんだよなぁ。俺自身は弱いけどさ」

「でも、魔王の力を悪用すればとんでもない事が起こるのは確かでしょう?!」

香里の言葉に俺は苦笑いを浮かべて

「そういえば俺の能力について詳しく話していなかったか?俺は「賢者(ソーサラー)」と「勇者」の力を持っている」と告げた。

そして俺は香里に魔王についての説明を行う。この世界に3体いる魔王の中でも1番危険な魔王は「暗黒神バアル=オルフィックア」という名前の魔族だ。こいつが出現した時には世界中の国々が次々と滅びていったそうだ。しかも魔王の討伐を行おうとした場合、魔王が召喚を行った場所まで行かないと魔王に攻撃を与えられない。そのことから世界中では「絶対に召喚された場所に行ってはいけない!!」と警告されている存在だというのだ。しかし俺は魔王についての知識を得た時に「なぜそんな奴が存在するのか?」と思ったことがある。なぜならば、その3つの魔王は元はと言えば同じ魔王のはずなのだから、わざわざ異世界へ呼び出しても無駄なのではないかと俺は考えていたのだ。俺はそのことを、この場で口に出してみた。

俺が話をしている最中も、俺達は魔獣を倒し続けていた。すると魔剣を入手した香里の実力を俺に確認させたいと言い始めたので、俺は「香里の剣術のレベルを確認する」と言って魔剣に魔石をセットすると、俺は剣を香里に手渡したのである。そして魔銃を元の魔装銃へと戻した後に香里と戦闘を始めたのだ。

俺の予想通りに香里の戦闘能力は高かった。俺の知る限り勇者という存在の力は職業によって変わって来るのだが香里は「勇者専用装備の勇者の装備」を装備しているのだ。俺は香里の戦闘を見ながら、そんな事を考えているのであった。

俺は香里と行動を一緒にする事にしていた。理由は単純である。俺は元の世界に戻りたいのだ。それに魔王が召喚された理由を突き止めたいという欲求も存在していた。だから俺は勇者である香里と行動をともにすることにしたのだ。ちなみに勇者に「勇者専用の装備を身につける事が出来る能力」は、勇者が死亡した場合には勇者以外の者が身につけることができるようになっているらしい。つまり勇者の職業に就いたものは、必ず勇者専用の武器を身に付けられる事になるようだ。また他の者に勇者が装備できる装備品を渡す事も可能なのだという。俺には理解できない仕組みになっているみたいである。

「山田君!!こっちだよー!!!早く来なさいよ!!」

香里は俺のことを名前で呼ぶようになっていた。それは良い。別に問題無いからだ。ただ香里と行動をともにしていると色々と大変な思いをしていたりする。なぜかといえば俺は香里と2人で行動することが多かったからである。香里と一緒に行動していると、とにかく目立つのだ。俺の容姿が「山田一郎」という日本人の顔そのままなのが最大の原因だったのである。そのため、どうしても人目を集めてしまう。その結果として香里と歩いていると「モデルの撮影?」と、言われたりする事が、たびたび起こるようになってしまったのである。

ただ香里の見た目に関しては、とても可愛い女の子にしか見えないのだから仕方が無いだろう。だが俺の見た目は「冴えない男子高校生」にしか見えなかったりもするのだ。

俺は香里と行動しているうちに魔王が召喚されたという『大森林』の近くにある街に到着した。

『エルドラド』と呼ばれている大陸にある街の一つで、比較的大きい方の街でもあるのだ。俺達が到着した時は夜だったため、街の中に入る事はしなかった。そして俺と香里は、それぞれ宿で宿泊を済ませたのである。そして翌朝を迎えると俺と香里は、この街の探索を行う事にした。香里は俺に対して

「せっかく来たんだから、何か美味しいものを食べたいな。私は朝ごはんをしっかりと食べないと、やる気がでないからね。今日は私の奢りにするからね。昨日のお礼も兼ねてさ」

そう口にしたのだった。確かに俺は、この世界の貨幣を持っていない。なので食事代を支払う手段がなかったのも事実である。俺が「じゃあ、ご馳走になる」と告げると、

「そうこなくっちゃ!!」

そんな会話をして俺達は『魔都』を出て『魔境』に存在すると言われている『魔都』と同じような大きさを持つという巨大な城塞都市「魔王城(ダークキャッスル)」を探したのだ。その前に俺は香里に自分のステータス画面を見せる。そこには「勇者」の文字が記載されているが、「魔剣士(ソーサラー)」に変化した時よりもレベルが下回っているような状態となっていた。その理由は魔王を倒した際に手に入る「固有技能(ユニークスキル)」を習得するためのスキル経験値が減ってしまった影響があるのだろうと思う。俺の今のスキル欄を眺めながら香里が

「なんか変なものがあるよね。『魔銃使い』って」と口にしてきた。

俺は「まあな。普通の武器を使わないで銃で戦うわけだから、そうなるのは当然なんじゃないか?」と言ったら、

「私だって剣を使って戦っているじゃない。それと同じ感覚だと思うんだけど?」と口にしていた。香里に「勇者」の能力を見せて欲しいと言われたので「俺の能力を見せてやる」といって、勇者専用武器を香里に渡すと「凄いね」という表情をしていたので、俺は香里に

「俺にも見せてくれないか? 俺が手に入れた勇者の能力を確認したいんだ」と言ったのだ。

そして香里は自分の能力を確認していたようで、俺に見せてくれる。香里の勇者の能力は「勇者専用装備の勇者の防具」というのがあった。俺の持っていた勇者のスキルの1つに「勇者」専用武器と装備を身に着けている場合に使用できるスキルが存在していた。「魔王(デヴィルロード)」の持っているスキルである「魔術(マジック)」のスキルである「魔術(マジック)」が使えるスキルなのだ。俺のスキルと「魔王」と「賢者(セージ)」の組み合わせはチートすぎる気がする。

俺は香里から装備を受け取り身に付けた。すると俺は魔術を発動することが出来たのだった。

その魔術を使用した時に、やはり俺の口から「勇者(ソーサラー)」の能力である「呪文(スペル)詠唱破棄」の影響が出ているように思えたのである。なぜならば本来であれば魔術は呪文を詠唱しないと使用できないからだ。それがこの世界で使えるようになったということは間違いなく「勇者(ソーサラー)」の能力が影響しているという事だろう。「魔法剣」とかも使ってみたかったが俺は「魔王の加護を受けている勇者」なので魔法剣を使えなかったのだ。

俺は魔銃杖を魔銃杖にセットし、そこから魔法を発動しようとした時に

「魔法剣が発動できない?」

そんな事を呟いた。俺は魔法が発動出来るのかどうかを確認するために香里に魔剣を渡し、魔銃杖を「魔法杖」に変化させると

「魔法の杖が発動出来るようになるはずだから、魔法を使ってみろよ」と俺は口にすると

「わかったわ。試してみる」という事で香里は魔法を使うのだが魔法が発動されることは無かったのだ。その光景を見ていた俺は

(これは俺も魔法剣は使えないのか?)と考えてしまった。俺は俺で「賢者」に変化した時に得た能力の中に「魔法剣」や「魔術」などの攻撃スキルを使用するために必要な魔力操作系のスキルを所持していない為、俺自身も魔法を上手く使うことが出来なかったのだ。そして俺と香里はこの先について考えることにした。

「これから魔王を倒すための魔王城を探索するわけだけどさ。俺としては『勇者』の力である固有技能である「魔王殺し」っていう固有技能を手に入れたいと考えているんだよな。それで魔王を討伐したら『勇者(ソードマスター)』の職業の能力である「勇者専用装備一式召喚」の力を入手できたんだよ」

俺は香里に説明する。香里もその話に納得しているようだったのだ。しかし、そんな会話をしながら街の中心部へ向かおうとした時に俺達の前から1人の少女が現れたのである。

彼女は「魔王軍の幹部」の一人である「四天王:闇騎士リリアナ=バロールス」と名乗りを上げてきた。その彼女の言葉を聞いた俺は驚きながらも彼女を鑑定していた。その結果

《名称》「四天王:闇騎士バロルア=バロレアス」

(種族名)人間 《性別/年齢》女性 16歳??????? /???? 《容姿》髪の色;黒紫色、瞳の色;赤、肌色:白に近い灰色

「この世界で2番目の強さ」と言われる程の人物だそうだ。ちなみに「2番目」と言うのは「最強」の称号を授かっている者が別に存在するからである。そして俺は、目の前に現れた少女に「君は何者なのか」と問い質す。

俺は彼女に名前を聞くと、彼女は「私の名前は「四天王」である「魔将 闇騎士 リリアナ」です。そして私がこの世界に君臨するために、あなたの命を貰い受けましょう」と言ってきたのだった。

俺は突然現れた魔族と名乗る女の子と戦うことになってしまったのだ。俺は彼女が手にしている魔刀を見て驚いたのだ。なんとその魔族の女性が所持しているのは、かつて俺と香里が使用していた「魔導刀 星空(セイクリッドスカイ)」だったのだ。

俺は目の前にいる魔族の少女「四天王 魔将 闇騎士 リリアナ」と、俺達が使用したことのある魔装銃と魔装砲を取り出し、お互いの戦闘準備を整えたのだ。俺達が使っていた魔装銃と魔装砲を取り出すと香里が「ちょっと山田君!!あれは!? あの武器は私達が使った武器よね!!どうして貴女が持っているのよ!!」と驚いていた。それに対してリリアナは「お前達は誰なのです!! それは私の大事な武器ですよ!!」と口にしてきたのである。そして香里も俺と同じく「その武器が私達にとってどれだけ大事か」ということをリリアナに語り始めたのだった。俺も「俺も香里も勇者の仲間だった。勇者は異世界から来た存在なんだ。勇者はその世界の魔王と戦った際に愛用していた武器が壊れてしまい困っていた。そんな時に俺達が魔銃と魔装銃を貸し与えた。その時に貸し与えた物だから俺にとっても香里にとっても思い入れがあるんだよ」

そう俺が告げると香里が「私はね。元々、山田君のことが大好きでした! そんな時に出会ったのが魔銃使いの山田一郎君。最初は見た目の好みで、そんな軽い気持ちだったの。でも一緒に行動しているうちに山田君は頼りになる人だし、優しい人だって気づいたの。そんな山田君の事が気になるようになって告白したの。だから貴方からもらった物は全部私の宝物だから」と言い、香里は魔銃を握りしめながら

「この武器で私は魔王を倒したの。この武器には本当に助けてもらった。この武器があったから、今の私がいる。この武器が私を守ってくれたから今の私がいる」

そんな事を香里は言ってきたのである。そして香里の言葉を聞いていたリリアナも何かを感じ取ったような顔つきになり、「私もお二人の気持ちはわかりました。その気持ちが本当であるのならば、この戦いが終わったら必ず返してもらうことにしましょう。それならいいですね」

そんな事を言い出したのである。

「戦いが終わったら」とは言っているが、「戦いが終わらない可能性の方が高いのではないか」と俺は思っていた。俺は勇者に覚醒した。「魔王」は魔王城の地下に潜んでいるらしいのだ。その魔王を俺が倒した後に元の世界に戻ることができるのだろうか?俺は疑問を抱いていた。俺は自分のステータスを確認しながら

「俺は勇者としてこの世界に来てしまったけど、魔王を倒せば元の日本に帰れるようなことを『女神』は言ってたんだがな。そう簡単には行かないかもしれない。それに俺自身『勇者(ソーサラー)』の能力は使えなかったんだ。俺自身が勇者として目覚めていない可能性もあるからな。もし『勇者』の職業の力を使用できるのなら『勇者(ソードマスター)』の能力を使用することができると思うんだ」

俺はそう言いながらも、魔王を倒したら帰還できる方法を教えてくれると言っていたのだから魔王を倒して帰還した後は「女神様」に連絡を取って確認をすれば問題ないだろうと考えていた。そして俺は「勇者(ソードマスター)」の「勇者(ソードマスター)」に変化している時に使用するスキルを使おうと思った。

勇者の能力が俺が持っている能力よりも低い状態になっている可能性があるがそれでもスキルを使用すれば多少は勇者の能力を引き出す事が出来るはずだ。俺は魔銃をリロードしながら戦闘を開始したのである。そして香里も同じように魔銃を構えて戦闘態勢に入った。そして俺はリロードを終えた魔銃の引き金を引いたのであった。その瞬間に、やはり「魔術(マジック)」が使用できるようになっている事に気づく。そして俺は香里に向かって声をかけると

「香里、俺の後ろに回れ!」

俺は叫ぶように言った。香里は俺の声を聞いてすぐに後ろに回ったのだ。そして、俺は魔銃で「四天王 魔将 闇騎士 リリアナ」を攻撃していく。俺は勇者の能力の一つである「勇者専用武器一式召喚」の能力で魔剣を召喚する。この魔剣を召喚するのに少しだけ時間がかかってしまった。しかし魔剣の能力は俺が一番使いこなせるのが「聖属性魔法(神聖魔術)」「光属性魔法(暗黒魔術)」の魔法剣が使用可能になっていた。ただの魔剣ではないようだ。

俺は香里と共にリリアナと戦っていく。俺と香里は「勇者」のジョブと「賢者」と「賢者」が持っている固有技能のおかげで普通の「勇者」や「賢者」と比べると強力な能力と戦闘能力を身に着けていた。

俺は「勇者専用防具一式召喚」のスキルを使用した。

俺は召喚された勇者の鎧を身に纏う。すると、魔剣が輝きを放ち始め、それと同時に俺自身も身体能力が強化されていった。これは俺が「魔将 闇騎士 リリアナ」と戦う為に用意した魔装具と俺が使用している魔銃「星魔弓(スターイーグナー」にセットされていた魔法が融合して新たな力へと変化しているように思えた。そして俺と香里も、それぞれ装備している魔装銃と魔装砲から魔法の弾丸を放つと

「魔王殺しの剣」はリリアナの魔装銃を破壊してリリアナに命中させ

「魔装弾:流星雨(ミーティアレイン)」

は、無数の「流星矢(メテオアロー)」を魔装砲から発射したのである。この技を魔王城での戦いで魔王に対して使用したのだが、その際に「魔王殺しの剣」が破壊されてしまい

「魔王殺しの盾」に変化していたのだった。しかし今は、「魔装兵 魔将」と呼ばれる特殊な「魔装武具」の魔装兵が持っていた「魔銃」が変化しており、俺が使用する魔導剣にも変化が起きようとしていたのである。

香里が使っている魔銃と魔導剣の力が融合した事により「魔剣」と「魔銃」が1つの「魔銃砲」に変わっていたのだ。「魔銃」の本体は銃身部分のみでグリップやトリガーなどの部品はなく、まるで銃口と砲身だけで、そこに「魔銃砲」と「魔銃」の力を融合させたような外見に変化しつつあったのである。

この「魔銃砲」は「賢者の武器」と言われる武器だったのだ。

そしてリリアナは、この武器の力を解析しようとしていたが 俺は、リリアナに接近していき

「魔銃砲:流星王(シューティングキング)!!」と叫んで、その魔装大砲を撃ち放ったのである。その砲撃を受けたリリアナは後方へ吹き飛ばされ、そして地面に倒れこんだ。俺は魔装剣を呼び出し リリアナを「拘束術式」で動けないようにした。そんな時、魔装拳銃と魔装砲を香里の魔装刀と一緒に収納したリリアナが立ち上がり、こちらを睨んできたのである。そして俺達の方を見てこう叫んだ。

「私は、お前達を侮っていた!!まさか私を上回る実力の持ち主がいたとは!! でも私は魔王軍の中でも一番強いの!! 私の部下達でも歯が立たない程に強い私!! 私は最強の闇の魔族なのよ!!」

そう叫び、リリアナは俺と香里に向かってきたのだった。俺と香里はすぐにその場を離れようとしたが、俺達が居た場所に黒い影が出現してそこから魔装騎士と魔装兵士が現れたのである。魔導戦車の砲塔が俺達に向けてきていて、リリアナが何かを発動させようとした時に、俺はリリアナを鑑定したら 《名称》「四天王 魔将 闇騎士 リリアナ=バロレアス」

(種族名)人間 〈称号〉「魔王軍幹部 闇騎士 リリアナ」

となっていた。どうも俺がリリアナを倒したことにより、彼女のステータスが表示されたようだ。そして俺は、魔装剣と魔装槍に「星魔竜」の力で強化されている状態で攻撃することにした。俺の攻撃を防ごうとする魔装騎士だったが俺は魔剣と魔剣を一体化させた「魔装剣:竜撃剣(ドラグバスター)

を連続で発動させると 俺が振り抜いた刃が「竜撃剣」の効果によって「魔力」が「斬撃波」となり魔装騎士に命中していくと魔装騎士の身体を両断した。俺が次に魔装銃で「光輝矢」を使用すると、魔装兵士が持っている魔杖が光輝き、魔導戦車が「光線魔法」を発射してきたのである。俺もリリアナもすぐに退避するが、回避が遅れてしまう。俺達は「光線防御膜」を展開してその攻撃を受け流していく。俺は魔剣と魔銃にセットしてある「光属属性魔術(神聖魔術)」「閃光弾(フラッシュボム)」を使用して、視界を奪って行動不能にしようとしたのだが リリアナが何かを仕掛けてくる事を警戒して リリアナの動きを止めようと思ったのである。しかしリリアナの姿が消えると同時に俺は後ろを振り向くと俺の背後に現れたリリアナが「闇の波動」を発動させて、その「闇の波動」が俺の「拘束術式」を打ち消そうとしてくるのが分かった。俺はすぐに「聖盾」と「結界陣」を使用し「聖護壁」を展開することでリリアナの攻撃を防いだ。俺はすぐに魔剣でリリアナを攻撃しようと距離を詰めるが、その前に魔杖を持った「魔将 魔装騎士 ダークエルフ セフィーア」が立ちふさがり 魔装銃を構えたのだ。

魔銃から放たれた弾丸を避ける為、俺は大きく飛び退いていく。その隙を狙って、魔弓を装備した「四天王 弓姫 ユミナ」が俺を追撃するように接近してきたのであった。

俺はリリアナを倒す為にリリアナに斬りかかる。リリアナの方は、俺と魔剣による一対の連撃を回避すると魔銃での射撃を行ってくる。リリアナと戦っている最中に俺の背後では 魔銃による攻撃が続いていた。

香里はリリアナを狙撃しようと魔銃を構えていたのであるが、 魔銃のスコープには香里の姿を映していないようだ。香里は必死で魔銃を操作をして照準を合わせると、リリアナ目掛けて発射するのだが、命中せずに外れる。

だが魔装弓を持っているセフィーアは、その魔装弓を構え香里をロックオンすると香里を集中的に狙って、次々と発射する。香里は慌てて避けようとするが、全ての矢を避けられないと思ったのか、魔装銃の銃剣を使って弾き飛ばしていく。その隙を狙い「魔王殺しの盾」を装備している魔装騎士が「聖属性魔法(神聖魔術)」を使い香里に攻撃を仕掛ける。香里は盾を展開しつつ後ろに下がり、魔銃で攻撃を行った。「勇者専用武器一式召喚」の能力で召喚された聖剣で「魔王殺しの剣」で魔剣を受け止める。「魔王殺しの剣」に付与された「浄化」と「呪縛」の力を受けて

「聖剣」は消滅してしまう。そして香里の聖属性の魔装剣の刃も消えてしまったのだ。

魔装銃と魔装刀で「四天王」を相手に戦う俺であったが、香里は「魔王殺しの剣」が使用できなくなった事で苦戦していた。香里は魔装弓や魔砲、魔装剣で「魔王殺しの弓」や「魔装砲」も使用していたが、香里も「魔王殺しの剣」同様に使用できなくなっていた。

「魔王殺しの盾」が「呪い無効」の効果がある事が分かるが、その効果を発揮する為に必要な条件が厳しいらしく簡単に使う事が出来るわけでは無いようだ。リリアナとセフィーアの猛攻を受けながら、俺は何とか持ちこたえていたが、そこに新たな増援が出現する。「魔将軍」の「魔将 黒魔将 デスト」だ。彼は自分の部下達と合流してこちらへやって来る。そのタイミングで「魔装兵 魔将 魔導戦車兵」と魔装兵達が現れた。その光景を見て

「山田次郎」の「勇者召喚スキル」と俺と「魔剣の勇者」として覚醒した俺が持つ固有技能が融合した「勇者のジョブ」と「勇者の武器」の力が、さらに強力に進化して能力が強化されている事を理解した。この力なら魔王を倒せるかもしれないと思い始めていたのだが

『魔将』の「魔王」を目の前にして俺の心の中にあった希望の光が少しずつ失われていくのを感じていたのだった。

「四天王 魔将 黒魔将 デスト」の登場により戦況が一気に不利になってしまう。俺はリリアナを倒し、その後で香里と合流を果たすつもりだったのだが、現状はリリアナを倒すどころではなく、香里もかなり追い詰められている状態だ。香里に「拘束術式」を使用すればよかったと、今更後悔しても遅い状況になっていたのである。

俺は「魔剣」と「魔銃」を「魔装銃」に変化させる。そしてリリアナが放つ無数の「闇の玉」と「暗黒球(ブラックボール)」を避けながらリリアナに向かって走り出す。俺はリリアナに対して「光剣(ライトセイバー)」を発動させて斬りかかっていく。「光の斬撃波」をリリアナにぶつけようとしたが、「魔王の指輪」の効果なのか?障壁が出現してしまいリリアナへの攻撃を防ぐ。リリアナは魔装槍の「竜牙突(ドラゴンファング)」を放つと、魔装砲に「魔導炎弾(フレイムバレット)」をセットした。俺は「光輝翼(シャイニングウイング)を発動させて上空に退避したが、「魔王の指輪」の効果はリリアナの想像を超えるものなのだ。なんと「魔王」であるリリアナは俺と同等の「空」を駆ける事が出来たのだった。

リリアナの攻撃をかわしていくとリリアナと目が合ったのである。その瞬間俺が「危険感知」によって危機を感じ取ったのである。そして次の瞬間、俺がいた場所に巨大な「火柱」が発生して大爆発を起こしたのだった。「魔王の指輪」の能力はこれだけではない。

リリアナは俺が使用した 《称号》「魔王」の影響で魔力が上昇をしているので

「魔王の魔力解放(マナリリース)」と叫ぶと、リリアナを中心に「闇の波動」が発生した。それは広範囲に広がった「闇の波」が押し寄せてきた。その波は

「闇の魔力波(魔力ウェーブ)」であり俺は 《称号》「魔導の勇者」の力で

「魔力吸収陣(エナジーアブソーバー)」を発動させると、俺に襲いかかってきた魔力を吸収し始める。俺はすぐに 《称号》「光輝の使徒」の固有スキルの「結界防御(バリアフィールド)」を使用して防御を行う。「闇の波動」が俺にぶつかると俺の周りに展開された「光の防壁」と相殺するのだが「闇の波動」はどんどん威力を増して、結界が削られていく。俺はすぐに結界を強化して耐え続ける。

結界に「魔王殺しの剣」を使用した時の効果が残っていたおかげなのか?リリアナの闇属性の「魔力波」が結界を破壊しようとしてくるが、俺の結界は破壊できないでいたのだ。「勇者の武具」と俺の「光属性耐性」「闇属性耐性」のおかげでなんとか「魔王の波動」に対抗できているが、このままでは「魔王殺しの盾」を使用できない俺はジリ貧になる可能性があるのだ。俺はリリアナの攻撃を受け流して回避していく。俺はリリアナの魔銃による「光線射撃」を魔銃で撃ち落としていき「光属性魔法」の

「光閃魔法(ライトニング)」を魔銃の銃口から放出して「魔銃 光撃魔法 レイボルトバースト」を発動させた。

俺が発射した「雷の光線」がリリアナに向かって飛んでいく。しかし「魔銃使いの王女 」であるリリアナはその攻撃を魔導砲の銃剣を使って弾き飛ばしていった。リリアナと俺の距離は縮まっているので俺は接近戦に持込みたいと思っていた。接近戦での近接戦闘ならばリリアナの持っている 《称号》「闇魔将 魔装騎兵 ダークナイト」の影響も受けずに、接近戦に持ち込めば勝てる可能性が高いと考えたからだ。そう思っていたのだが、そこに「魔王の影」が出現したのだ。その数は三体だが一体でもかなり手強いのに三体も同時に出現するなんて思わなかったのでさすがに焦りを覚えてしまった。そしてその「魔王の影」達が一斉に攻撃してきたので、それを全て避ける事は出来なかったのである。俺が「勇者の力」を発動すると 俺と香里を包み込むように半透明の「シールド発生装置」のような盾が出現すると敵の攻撃を防いだのであった。

この盾は「山田次郎 」の固有技能の「召喚者」の能力の一つで「異世界からの訪問者召喚(サモンズビジター)」(召喚者の力の一部を使用する事で、異世界に存在する様々な物を呼び寄せる事ができる)を応用し発動した。その「魔王の盾」には、俺のステータスの「魔法攻撃力」の数値分の防御力を上乗せできる能力を持っている。「魔法戦士(魔法使い)」系の職が習得している魔法で魔法攻撃力に補正が入る魔法があるがそれの上位互換の能力であると言えるだろう。

ちなみに俺は勇者専用の武器の「魔剣」を所持していないので、勇者として召喚される際に勇者の専用武器一式の中から選んだ「勇者の魔剣」では無く「魔剣 勇者シリーズ」の中の「勇者の剣」を装備している事になるのだが、俺は魔剣以外の剣を使うのは慣れているので、この剣は「勇者の剣」ではなく俺の持つ剣と同じ性能の「勇者の剣」なのである リリアナの操る「魔王の盾」の効果は

『魔装盾』の特殊効果をさらに進化させ強化させているのだ。しかも「山田次郎」が使う事でその特殊能力もさらに強力になったようである。リリアナの『魔王の盾』に攻撃を加えたが「魔盾 魔王殺しの盾 マジックシールド ディザスター ダーク プロテクション」は俺の一撃で破壊する事は出来ず逆にリリアナの盾の能力でダメージを受ける結果となったのである。さらにリリアナと距離が詰まってしまった俺は魔剣を取り出し構えた。魔剣は「山田次郎 」が使う事で能力を強化するので リリアナが使っている魔銃も 《称号》「魔銃姫 魔装銃の乙女 魔王殺し 銃士」の効果で 魔銃は使用者をリリアナから奪い

「魔銃使い 魔装騎士 魔装銃兵」へと変えた 魔銃を俺に向けて撃ってきた。俺の体に魔弾が次々と着弾する。俺はすぐに 回復薬を飲み体力を回復させると、俺は「勇者の剣」と魔剣で斬りかかり リリアナに攻撃を仕掛けるが、俺の動きに合わせるようにリリアナも動き始め俺を翻弄するように行動していたのである。「勇者殺し」の影響でリリアナの戦闘センスや身体能力が向上しており、リリアナの行動パターンが変化しているようだ。さらに「魔王殺しの指輪」により

「魔王」の称号を持つ俺と互角に渡り合っているリリアナの強さに驚愕してしまう。俺の目の前にいる少女からは想像できないような戦闘能力を持っていたのだ。

リリアナが放つ魔銃の弾丸を全て剣と魔銃で打ち落とし、リリアナと激しい接近戦を繰り広げていく。リリアナに「魔王の指輪」の魔力を解放してもらい俺と同等の魔力を得た事により「闇の波動」の攻撃にも対処できるようになっていた。俺はリリアナを

「勇者の盾」を使い「光の防御膜(シャイニング フィールド)」を展開して、その闇の魔力を吸収して俺の魔力に変換していった。それにより俺の魔法力が上昇していった。この調子でいけば勝てるかもしれないが、そんな事を思いながら俺は リリアナと戦い続け、俺の剣が

「勇者殺しの指輪」を身に着けていたリリアナの右手を切り裂いた。「魔王の指輪」はリリアナが装備を解除するまで俺の魔剣に斬り裂かれ続けたのである。リリアナは苦痛の表情を浮かべながらも左手の「魔王の指輪」を外す事無く、俺に襲ってきた。

俺達は接近戦を行い激しく戦い続けているのだが、その時に「光の矢(ライトニングアロー)」が俺達の近くで発動され俺達目掛けて飛来してくると俺が展開した「光の防壁(ライトフィールド)」が破壊されるのだった。俺がリリアナとの近接戦を行っている時、「勇者殺し」によって大幅に戦闘力が増しているリリアナと俺の戦いを見守り続けるのを邪魔するものがいた。それは

「四天王 黒炎魔将 ヘルマスター サタン」と「四天王暗黒龍 ロードドラゴン ダークネス ブラックドラゴン ドラゴニック」だった。二体の魔物が現れた事で俺と「魔王殺し」の称号を持っている「魔王」のリリアナとの戦いを中断した。俺はリリアナとの戦闘に集中したいので、

「勇者殺しの盾」と「魔王殺しの盾」を解除して 《称号》「魔法勇者」の力の

「結界防御」と「光輝翼」の二つの能力を同時に使用すると 上空に浮かび上がりそこから地上を見下ろすと俺はリリアナと戦う事にした。俺は

「魔王の盾 魔法勇者の鎧 魔法剣士の剣」

を 《アイテムボックス》の中に収納すると「光属性付与魔法(シャインスレイヤー)」を発動させると聖剣に「光の魔力」を付与して俺の聖剣に光が灯り始めたのである。これで攻撃力と速度を上げる事が出来たのだが俺はリリアナに勝てるかどうかわからなくなっていた。

なぜなら「魔王殺し」の称号を持つ魔王「勇者殺し」と「闇の魔女」の異名を持つ魔族最強の存在である闇の魔導将軍 魔王

「リリス ルイン」

そして俺と香里の前に姿を現した二人の女性

「四凶」と呼ばれる「闇」の眷属であり 強力な「妖獣」を操る女帝

「太上老君 タイショウレイグン」は俺が戦った中で五本の指に入る強さであった。俺は「光属性付与魔法」を使用した聖剣を構えリリアナに向かって 急降下すると、リリアナが持っている 《称号》「魔王殺しの魔杖 魔銃姫 魔装魔銃使い 魔王殺し」の力を解放させた。リリアナの持つ魔銃が光輝き魔力が増幅されていくと俺に向け

「魔王殺しの魔銃 魔王殺し レイボルトバースト」を発動させる。

リリアナの放ったレイボルトバーストが俺に襲いかかってくるが、俺もその攻撃を避けずにあえて受け止める選択をした。俺の身体に着弾していく「レイボルトバースト」だが俺はそのまま突っ込んでいくと俺が手に持っていた

「勇者の剣 魔剣 勇者シリーズ」の一つ 魔刀の剣先を突き出した。「勇者シリーズ」の魔刀の剣先は

「魔王の剣 勇者シリーズ」の勇者の剣と同じように「勇者殺し」の称号を持つ武器で相手の防御力を無視してダメージを与える事が出来るのだ。

リリアナも魔王シリーズの「魔王シリーズ 魔王殺しの盾」「魔王殺しの腕輪」「魔王殺しの足環」を装備している為 俺と同等以上の防御力を持っているはずだったが「勇者シリーズ」(魔王殺しの盾 勇者殺しの腕輪 魔王殺しの脚環)を装備した俺の攻撃を無効化する事は出来なかったのである。その結果 リリアナの持つ魔銃「魔王殺しの魔銃 魔王殺し」の銃口から俺の身体を貫く事に成功していた。俺の持つ 《称号》「魔法勇者」の「回復」と「癒し」の二つを同時発動すると俺の怪我は全て回復したのである。

「魔法騎士の盾 勇者シリーズ」の盾は俺が使っている物と違って防御力に優れているわけでは無いが「魔法騎士の鎧 勇者シリーズ」には特殊効果があって「物理防御上昇」の効果が発動している。なので俺が持つ盾よりも攻撃力の高い魔弾による攻撃を受けてもダメージを抑えられるので俺もダメージを受けず

「勇者殺しの剣」でリリアナを攻撃すると、リリアナが装備していた魔装銃は俺の攻撃を受けて破損する。しかし

「魔王殺しの魔装盾 魔装姫 ダークプリンセス」に変化した事によりリリアナが所持していた 魔装銃「ダーククイーン ダークナイト シャドウダーク」は壊れなかったが、俺との距離を取るためリリアナは後方に下がる。その時だった。突然リリアナの背後に転移門が現れその中から人型の影が飛び出て来ると俺に向けて拳を振り下ろして来たのである。俺はすぐに回避行動を行うが俺の反応が遅く俺の右腕は殴りつけられて吹き飛ばされてしまった。更に俺を攻撃した人型の存在は俺に向けて追撃を行おうとしたがリリアナが俺の前に割って入ると俺に向けて「魔王殺しの魔槍 ダークスピア 魔砲機士 ダークガンナー 魔王殺し」を発射する。リリアナの「魔王殺しの魔槍 ダークスピア」は

「魔銃使い 魔王殺し」の称号の 効果により闇の力が宿った魔弾を連続で撃ち出していく。俺は 回復薬を飲むことで体力を回復するが、リリアナの攻撃を避ける為に後方へ下がろうとしたが、リリアナが放ち続ける魔槍は軌道を変えて俺を執拗に狙ってきたので俺も攻撃に転じる事は出来ずに避ける事に専念するしかできなかった。

そして俺がリリアナと戦っていた場所から少し離れた場所では「四天王暗黒龍ロードドラゴン ダークネス ブラックドラゴン ドラゴニック」と「四厄天 大海将 シーマスター オーシャン ジャイアントシーマン」

の二体と戦う香里と 俺と同じような勇者の装備を身に付けた青年と女性が現れた。その二人は俺と同じく日本から召喚されてきた「山田次郎 」と「佐藤理奈」である。

「魔王の指輪」を装備していて 称号に「魔王殺し」を持つ「勇者」山田 次郎と「勇者」の加護を持ち

「女神の祝福」の称号を持つ佐藤 理子はリリアナに 《スキル》と「魔王の指輪」の《特殊能力》を使い、二体は俺とリリアナが戦う場に割り込むと攻撃を仕掛けようとしたので、俺とリリアナは再び激しい戦いを繰り広げる事になる。そんな最中、

「四天王暗黒龍ロードドラゴン ダークネス ブラックドラゴン ドラゴニック」

のブレスと「四厄天 大海将 シーマスター ジャイアントシーマスター」

の攻撃によって俺達は苦戦させられていた。俺は リリアナとの攻防の最中に現れた「四天王暗黒龍ロードドラゴン ダークネス ブラックドラゴン ドラゴニック」

の攻撃を受けると大きく後ろに後退してしまった。その隙をついてリリアナは魔銃による連射攻撃をしてくる。俺とリリアナは距離を取り お互いに様子見をしながら睨み合っていた。俺はこの時思った。このまま戦ってもリリアナを倒す事はできないだろうという事に。

そしてリリアナは俺と同じような《称号》を所持している「魔王」である以上「魔法勇者」の俺とは比べようがない程の戦闘経験値を保有しているので俺がどれだけ足掻いても勝つのは難しいのだと。

「魔王殺し」の称号を持つリリアナに対してどうすれば良いか考えていたのだが俺の考えを読んだかのようにリリアナの方から俺の方に近づいてきたのだった。

そして俺の正面に立つと右手を差し出してきながら口を開く。

「お前の力を見極めた私はこの世界の全ての『魔法勇者』の称号を持つ者を倒さなければならない。私と共に来ないか?」

リリアナは俺に自分の元に来るように言うと俺の手を掴むのだが、その瞬間に「四天王暗黒龍ロードドラゴン ダークネス ブラックドラゴン ドラゴニック」が上空に飛び上がると、リリアナ目掛けて口から黒い炎のブレを吐き出した。俺も咄嵯の判断でリリアナの前に立ち

「魔法障壁」を発動させて防御を行ったのだが 《称号》「魔法勇者」の能力の

「結界防御」が「四天王暗黒龍ロードドラゴン ダークネス ブラックドラゴン ドラゴニック」が発動させた魔法攻撃を防御する事に成功したが俺はリリアナと手を繋ぐ形でその場に留まることになってしまう。

そして俺がリリアナを守る形になって攻撃を受けた直後 香里達がリリアナに攻撃を開始して、俺は「勇者の剣」「勇者シリーズ」を装備すると、香里達とリリアナとの戦いに参戦する事になったのだ!俺は「勇者シリーズ」(魔刀の剣先)に光の魔力を付与すると香里達に加勢しようとしたのだが、「魔王殺しの魔刀」を装備している俺は「魔王殺しシリーズ(魔王殺しの盾 魔王殺しの腕輪 魔王殺しの脚環)」を装備した香里に近づけないでいたのだ。しかし

「四厄天 大海将 シーマスター ジャイアントシーマスター」

の攻撃が俺を襲う前に

「魔法騎士の盾 勇者シリーズ」の一つの盾である

「魔法の盾」を装備した俺の前に 《魔法障壁》が発生すると 《称号》「聖盾使い」の 能力の一つでもある 《魔法盾》を発動させるとリリアナと俺の周囲に 《魔法障壁》を発生させることに成功した。それにより俺の背後から襲おうとしていた

「四厄天 大海将 シーマスター ジャイアントシーマスター」

が攻撃を行う事が出来なくなり俺も自由に動けるようになると再び俺はリリアナに攻撃をしようとする。だがリリアナは既に移動していて「魔王の魔銃」を構えて

「魔王シリーズ 魔王殺しの銃 魔銃姫 魔銃使い 魔王殺し」

の効果を発動させていた。リリアナが持つ「魔王殺しの魔銃 魔王殺し」が魔力で満たされていく。俺は「勇者シリーズ 勇者殺しシリーズ 勇者シリーズ 勇者殺し」の盾で「魔王シリーズ 魔王殺しシリーズ 魔王シリーズ 魔王殺し」の武器から身を守っていたのだ。その結果 リリアナの放った魔弾を俺の盾で防ぐ事に成功していたのである。リリアナが放った魔弾を防ぐ事が出来た俺なのだが俺はリリアナからの攻撃を回避する為に大きく後方に下がってしまった。リリアナは俺の行動を見た上で魔銃をしまうと俺に言葉をかけてきた。

「さすがだ 魔王の《称号》を持つだけあるな。ならば私の力を全て使ってお前を倒して見せよう」

リリアナはそう口にすると《魔法勇者 称号》 《魔法騎士の魔装盾 称号 魔装盾》を身に着けていた。

「魔法騎士の魔装盾 称号 魔法騎士」の盾には二つの特殊効果が備わっていて一つは防御時に相手の攻撃力を減少させる効果があるので「勇者シリーズ」の「魔法騎士の盾」には防御力を上げる特殊効果が付いていた。

そしてもう一つの効果は相手と手を握る事によって相手の力を上昇させる効果があり、俺の持っていた「魔法勇者の盾 勇者の剣 魔王殺しシリーズ 勇者シリーズ」の特殊効果である「勇者殺しシリーズ」にも効果があったのだ。俺の

「勇者殺しシリーズ」は魔王シリーズのように特殊な攻撃を行えるわけではなく普通の剣として使えるのだが、魔王シリーズとは違い

「攻撃力低下」や「攻撃力増加」の効果が使えない代わりに俺の持つ

「魔法剣」は「剣の舞」のスキルが使用できる。「剣の舞」とは俺が持つ盾に宿っている特殊効果の一つで「剣術」が行えるというスキルである。俺は剣を振りかざすとリリアナ目掛けて斬りかかる。リリアナは「魔王の鎧 魔王の魔甲」を装備していて 俺が使う

「勇者殺しシリーズ」の攻撃は通じなかったがリリアナの身体に触れる事は出来ていたので、

「四天王殺し 魔王殺し」の特殊効果で「魔王殺し」の特殊能力は発動していた。リリアナは自分の体に傷がつくと驚いた表情を見せる。そしてすぐに《回復薬》を使用する事で体力を回復していたが、リリアナが俺に向かって「四天王殺し 魔王殺し」を発砲してくるので俺は慌てて「魔法の矢」を発射する。お互いの攻撃が相殺されると今度は「四天王殺し」による特殊能力で身体能力を強化された俺はリリアナに接近しようとしたが俺の攻撃は簡単に避けられてしまう。リリアナは接近戦での戦闘になると俺の動きについて来れるようで俺の方が動きが鈍くなり始めていた。そんな状態が暫く続くとリリアナは

「魔王の翼 魔翼」を使用し始めた。「魔王の鎧 魔王の魔甲」と「魔王シリーズ」である「魔王殺しシリーズ」を装備しているリリアナの姿はかなり格好いい。俺の目から見てもリリアナの姿が輝いて見えた程だった。俺はリリアナの「魔法勇者」の特殊能力により、どんどん強化されていってしまうと俺でも対処できないような強さになっていった。そんなリリアナと戦う俺だったが遂に限界を迎えてしまい、リリアナはそんな状態の俺にトドメを刺そうとしてきたのだ。俺は「魔法の指輪 指輪物語」を装備するとリリアナの攻撃を何とか回避する事に成功するのだが俺に更なるピンチが訪れてしまったのである。それは「魔王シリーズ」の特殊能力により俺と手を繋いでいた「リリアナ 」が《回復魔法》を使用して俺を回復させると《回復魔法》で俺と繋がったリリアナも一緒に回復し始めて 《魔法治癒》まで使用されてしまい俺はリリアナと共に回復した状態で戦闘を続行しなければならなくなったのである。リリアナの攻撃に対して俺は「勇者の剣」で対抗したが俺が使った

「勇者の指輪」が作り出した「魔法の指輪」の能力の一つである「勇者シリーズ」の一つのアイテムである「魔剣 魔剣の勇者」の能力を《魔導》を発動させて使用すると俺に圧倒的な力が湧き起こる事になる。そして リリアナが 《魔法勇者》の特殊能力で発動した

「魔法剣 魔法剣」の攻撃を俺の魔剣の剣先で受け止める事に成功するが俺は

「魔王殺しシリーズ 魔王殺しの短剣」と

「魔法勇者の盾 勇者の盾」を装備すると リリアナが装備している

「魔王シリーズ 魔王の魔甲」に対して攻撃を仕掛けた。しかし俺はリリアナの魔王シリーズに対して俺の勇者シリーズの武器では歯が立たず俺は窮地に立たされていた。しかしリリアナは俺の予想を超えた力を発揮したのである。リリアナの攻撃は魔王シリーズを身に着けているにも関わらず勇者シリーズよりも強力だった。その為、勇者シリーズは俺の身体から抜け落ちてしまって俺の目の前に魔王シリーズを装着したリリアナが現れたのだ。リリアナの攻撃が俺に迫って来たその時である!突然現れた女性が 俺に迫り来るリリアナの魔銃を弾き飛ばしたのである。その女性は俺の事を守るようにして前に立つと口を開いた。

「お兄さん大丈夫?私が助けてあげるよ」

彼女はそう口にしたかと思うと 右手に持っている槍を俺に突き出したかと思うと《槍使い》の能力を発動させた。その女性の《槍使い》の特殊能力は「槍の舞」であり「槍」に関するスキルの効果が飛躍的に上がるものだった。そのおかげで俺はリリアナの魔王シリーズによる攻撃を完全に回避できた。そして俺は彼女の方を見ると

「助かった。俺は山田 太郎って名前なんだが君は誰だい?」

俺は自分を助けてくれた人物に対して声をかけると、彼女は微笑みを浮かべながら

「私の名前は 白峰 真奈美 だよ。覚えてくれなくても良いけど、よろしくね」

そう答えてから再び俺に攻撃を仕掛けてきたのであった。しかし

「魔王殺しシリーズ」の特殊能力を身に着けている

「リリアナ」の攻撃が

「魔王殺しシリーズ」を装備した俺を 追い詰めようとしていた。だが俺の 《魔剣士 称号》が《魔法騎士》の効果によって強化された俺は リリアナの攻撃に対処する事が出来ていた。

俺が魔剣を使って戦う姿を見て真奈美ちゃんが驚いている。そして

「山田君!凄く強いんだね。私と一緒に組まない?二人で魔王を倒しましょう」

彼女はそう言って俺に協力を求めるが俺の頭の中にはリリアナの魔王シリーズの能力が気になってしまっていてそれどころではなかった。俺は魔剣を構えて《剣舞》を行う。《剣舞》は魔剣士が扱う事が出来るスキルで 攻撃時に魔力が上乗せされる技なので、俺の攻撃力が大幅に上昇したのが分かる。俺は「魔剣」を振り回す事でリリアナを攻撃する。しかし、

「四厄天 大海将 シーマスター ジャイアントシーマスター」

は「魔王の鎧 魔王の魔甲」を装備していて、更にはリリアナ自身も強力な魔剣を装備している。俺は「魔剣」を使い

「四厄天 大海将 シーマスター ジャイアントシーマスター」を攻撃し続けた。その結果 俺の剣先に触れただけで魔王シリーズが解除され 俺の攻撃を防ぐ事が出来ないリリアナの肉体を俺は斬ってしまった。その結果 リリアナは大量の血を流す。俺は「魔剣」に付いている 《魔力》を消費させれば

「勇者の指輪」に魔力を補給できるという機能を利用して 《魔導》を何度も使用する事に成功していて 俺はリリアナの魔剣の攻撃を回避し続けると「四天王殺し 魔王殺し」の効果で「魔王」を倒す為に「勇者」を召喚することが出来るようになり「魔王殺し」は「魔王」以外の存在には無力なのだが「勇者」を呼び出す事ができる。リリアナは《魔剣士》の特殊効果を持つ 《魔銃使い》が「魔王」を殺す事に成功して初めて

「勇者殺しシリーズ」が使えるようになるが、《魔銃使い》が使う「魔法銃」は攻撃力が低い為、リリアナに致命傷を与えるには至らなかったのである。俺は

「四天王殺し 魔王殺し」の特殊能力により俺の中に「勇者」が降臨する。《勇者の指輪》の特殊効果により「勇者の指輪」を装備している俺が魔王と戦う場合には《勇者の鎧 魔王殺しシリーズ》に変身して戦う必要がある。俺は俺の中へと降りてきた「山田 太郎」に向かって話しかけた。すると俺の言葉に応えるかのように「山田 次郎」と「ヤマタノジロウ」が現れて俺を囲んできた。俺に襲いかかってくる

「山田」達だったが俺も俺の中の

「山田 太郎」に協力して戦いを始めた。俺に倒された

「四天王」達が復活して立ちはだかる。俺と山田達の死闘が始まったのだった。俺は俺の中にある「勇者の指輪」が発動させて「勇者」を召喚し、そして 俺に加勢してくれる勇者の人数が増える度に俺の力が上昇していった。俺は魔王シリーズを身に着けていた時のリリアナを圧倒する事に成功したのだがリリアナは《魔戦士》の特殊能力を身に着けていて俺の勇者シリーズの攻撃を無効にしてしまう。リリアナは自分の持つ 《魔弓 弓の四天王》の特殊効果により 《魔弓の勇者》の特殊能力を発動させると、《魔法勇者》と同様に《魔法勇者》の特殊効果も発動させたのである。リリアナが使う《魔銃使い》が使う《魔法銃》よりも強力である 《魔剣》で俺は斬りかかろうとしたがリリアナの魔王シリーズは「勇者」にだけ有効なもので

「勇者シリーズ」は《魔剣》の攻撃を受け付けない。そして 《魔槍 槍の魔槍使い》 で攻撃をする。《魔剣 魔剣の勇者》の

「魔法剣」と「魔法剣」の攻撃がぶつかり合うと、お互いに消滅する。

俺も俺の中にいる勇者と魔王の能力の二つを使う事は出来たのであるが魔王シリーズが破壊されてしまい 俺の中から消えてしまったのだ。そして魔王シリーズが破壊された事により俺は元の俺に戻ってしまったのである。俺の中で戦っていた「魔王」の力は俺に吸収されてしまう。魔王シリーズが壊れると、俺に装着されている「勇者シリーズ」も俺の身体から離れてしまう。つまり俺が勇者シリーズを身に着けていない状態に戻ると俺は勇者シリーズを装着する事ができないのである。

勇者シリーズは俺が勇者として選ばれた理由の特殊能力を封じられている代わりに他の能力を使うことができるので、俺は俺の中にいる魔王シリーズの力を使えなくなるのである。魔王シリーズを装着した状態の俺に対して 勇者シリーズの勇者達は攻撃を仕掛けてきた。俺が装備しているのは「魔法騎士の剣」だけであり、勇者シリーズの中でも最強の能力を持つ「勇者の剣」の能力を十全に使う事はできないがそれでも俺が 勇者である事を認識させるような力だった。「魔法勇者」の真奈美は「勇者の盾」を装備している。これは

「勇者の盾」の特殊能力により

「魔法勇者」は防御力が強化されていたし、さらに勇者シリーズの中で最強と言われる

「勇者の鎧」を装備する事ができていた。この二つの装備だけでも、勇者シリーズを装着した勇者にダメージを与える事は難しいだろう。しかもリリアナの場合は「魔王の魔甲」が破壊される直前に、俺が破壊する事に成功していたが、リリアナの身体に「魔鎧 魔鎧の魔王シリーズ」が装備されたのだ。魔鎧シリーズの魔王シリーズは魔甲と対になっている魔王シリーズの武器で魔王シリーズでのみ攻撃が可能なのであった。俺の攻撃はリリアナに全く通用しない。勇者シリーズの俺は魔王シリーズのリリアナには歯が立たないのだ。俺は魔王シリーズの特殊能力と俺の持つ勇者シリーズの攻撃を同時に行おうとしたのであるが、勇者シリーズの俺が持っている能力はあまりにも少なかった。

魔王シリーズのリリアナに対抗できるのは「魔法剣 魔法剣」と

「魔法騎士の盾 勇者の盾」のみであったが勇者シリーズの俺の攻撃力では魔王シリーズのリリアナに致命傷を与える事もできなかった。俺はリリアナとの戦いで劣勢に陥っていたのだった。

俺はリリアナとの戦闘に集中していたのだが山田太郎は真奈美と共に「四天王」と戦い始めたのだった。

「山田君!一緒にやろう」

山田太郎は そう言って真奈美に声をかけてから二人で連携しながら 四厄天の シーマスターを倒す。

シーマスターを討伐した山田は「四厄天」を倒したことにより 《四厄天 シーマスター シーマスター》の特殊能力と《四厄天 シーマスターの鎧 魔王殺しシリーズ シーマスターシリーズ》の特殊能力が使用可能となる。山田が身に纏っているのは《魔王の魔鎧 魔王殺しシリーズ 魔王の魔鎧》の特殊能力によって 魔王シリーズが解除されてしまうが シーマスターシリーズの能力を使用していれば魔王シリーズを身に着けている状態と同じ効果を受けることができる。しかし、シーマスターシリーズの能力を使用すれば シーマスターシリーズを装備した人間からシーマスターシリーズの装備品が離れて消滅していくのであった。その事に気が付いていないのか山田はシーマスターシリーズの能力を使用し続けていたのであった。

俺は山田太郎と一緒に戦う事になったのだが

「山田君!私達と一緒に魔王を倒そう!」

俺は真奈美ちゃんに声を掛けられた。真奈美ちゃんが使っている勇者の特殊能力の一つに「勇者シリーズ」の「勇者召喚」のスキルがあるらしい。それは真奈美ちゃんと俺が出会った時に使用した勇者を召喚する事が出来る能力の事なのだ。彼女は魔王を倒したいという強い意志を持っていて、それを実現するための手段として勇者召喚を使用したのだった。彼女は自分の召喚スキルによって呼び出す事が出来る「勇者」が

「俺の仲間」になるという事は知らずに俺達に話しかけたのである。俺は彼女の言葉に対して答える前に リリアナに止めを差したいと思った。俺の中に「勇者」が宿っていても、勇者の指輪の特殊効果により俺は魔王シリーズを装備する事はできないし 魔王シリーズを破壊しなければ 魔王を倒す事ができないのである。俺が勇者の力を使えば魔王を殺す事は出来るのであろうが、魔王を殺すには魔王シリーズを破壊する必要があった。しかし

「四厄天」はリリアナが着ていた魔王シリーズの「魔王の魔甲」が魔王シリーズを外してしまったのである。だから魔王シリーズを魔王ごと倒すしか方法が無いという事だ。俺は「魔剣」を使い魔王に攻撃をする。俺は「魔剣」を振ってリリアナを攻撃する。俺の攻撃は「魔王の魔鎧」と「魔王の魔甲」が解除された事で

「魔王殺し」の特殊効果を持つ剣先に触れてしまったリリアナの肉体を斬ってしまったのである。リリアナの血を見た瞬間に俺は我を失ってしまいそうになったのだが「勇者」の力の発動により魔王を斬る為に行動を開始したのである。リリアナの肉体に致命傷を与えたのを確認した俺は俺の中の

「山田 太郎」と協力して、魔王シリーズの魔王の肉体を破壊した。その結果、魔王シリーズの肉体を破壊できた事を確認した俺は魔王シリーズを完全に殺す事ができたのだ。

魔王シリーズを破壊されたリリアナは大量の血を流していた。

リリアナが倒れてしまうと、俺が装備している勇者の鎧も「勇者の魔甲」も 勇者シリーズも消えていく。

そして俺の中にいた「勇者」は俺の中からいなくなってしまう。俺は

「勇者シリーズ」を装備して「魔法戦士」のように剣で戦う事になるのである。勇者シリーズを装備している時の俺は「勇者シリーズ」の勇者の職業技能と勇者シリーズに設定されている勇者専用武器を使用する事ができるが勇者シリーズを身に着けていない状態の俺は「魔法戦士」と同じように剣で戦うことになるので俺は勇者シリーズを身に着けていなかった時と比べると身体能力が低下してしまっているので苦戦をしいられるのである。勇者シリーズは勇者が勇者である為に必要な特殊能力を俺に提供してくれるが勇者の剣を身に着けていない状態の俺に勇者シリーズは必要なかったのだ。

「山田 太郎」に俺は話しかける。

『 ヤマタジロウ』が俺に向かって

「ありがとう」と言ってくる。

ヤマタジロウに礼を言う必要など無いと思うのだが、彼は俺の頼みを聞いてくれた。「四天王」との戦いの中で、俺は俺の体内に存在する「勇者シリーズ」の力を十全に使う事が出来なかった。魔王シリーズを装着したリリアナに 俺は勝機を見出すことが出来なかったのだ。

「勇者の指輪」の効果により俺は俺の中へと「勇者シリーズ」を降ろす事ができている。「魔法戦士」のような勇者が使う勇者シリーズの装備を俺は身に付ける事が出来ないが俺の中にある勇者の力が発揮する事が出来ている。

俺は「魔剣」を構えながら俺の中に存在している勇者へ語りかけるように、勇者の名前を口にする。すると俺の前に光が現れ、そこから俺の中に降りてくる 《勇者の指輪》を勇者が装備した。それにより俺の中にいる 勇者と俺との会話が可能になった。

俺と話せるようになったのは、目の前にいるヤマダとミホシだった。2人は異世界からやって来た「魔法戦士(マジックファイター)」である「魔法勇者(マジカルブレイブ)」「賢者」のジョブを持っているので、 俺は 彼らに頼ることにしたのである。

俺は俺と対話する勇者に 俺の中にいる他の勇者の能力を使えないかという相談をするのだった。

俺の中には複数の「魔王」が存在する。リリアナに勝つ事はできたが 完全に倒す事ができてはいないのだ。リリアナを殺した後に「四天王」が復活してリリアナを復活させるような事が起こらないためにも俺は魔王シリーズの「魔王の魔甲」を壊したかったのだ。だが

「魔法騎士」や「聖女」の力では あの「魔王シリーズ」を破壊する事はできなくて、俺と勇者が融合したとしても 魔王シリーズの特殊能力を打ち破る事はできない。そこで俺は 勇者と話をしている。そして俺は 勇者の装備の一つである魔法剣の特殊能力である《魔法の融合》を使って、リリアナの中に存在する「魔王」を倒す事を提案した。

「《魔王の魔剣》に勇者シリーズの「聖女の加護」を組み合わせる事でリリアナを倒せないか?」

勇者が言う。俺は「魔剣」で「魔王」を倒すのではなく、勇者シリーズが持つ「聖」の力と 俺が身に着けた「魔王」の力を合わせることで

「魔王殺し」を作り出す事ができるのである。俺は勇者に魔王の力の事を詳しく教えて欲しいと言われ 俺の「勇者シリーズ」の説明をした。勇者は

「魔王」と戦う時に、どんな能力なのかを理解した上で

「勇者シリーズ」の特殊能力を使った方が有利に戦えると判断したのだった。俺は魔王シリーズにどのような力があってどのように戦うのかを説明したのだ。

俺とヤマタジロウさんはリリアナを倒した後の事を話し合う事にする。

俺達が魔王を倒してから魔王が復活した場合の事を考える必要がある。魔王を倒した後も俺が 勇者シリーズの「勇者」の職業技能を使用できるのであれば 俺の体内に勇者を降ろすことができるが、その技能が俺の体から出てしまう。そうなれば、俺の身体に「魔王殺し」を降ろさなくても「魔王殺し」の力を使う事が出来るだろう。しかし、それは俺の肉体に勇者の特殊能力を長時間使用させる事になるので 俺の体に負荷がかかるのだ。俺が持っている「魔王シリーズ」の特殊能力の「魔王」は勇者が倒してしまうと、勇者の力によって封印されて、その後 勇者によって「魔王」は復活する。

しかし「魔王」の復活は「魔王殺し」によって行われる為、復活した「魔王」が弱体化されてしまうのだ。魔王の能力は強大であり 一度復活させると魔王は何度も復活し続けるのである。

だから「魔王殺し」は魔王が復活する時に、その時に一番近い場所にいる人間を器として利用することで

「魔王殺し」を「魔王殺し」の役目を担うことができる人間を召喚し、それを器にして魔王を復活させて魔王を殺すという方法を取る。しかし、魔王は人間の世界に「勇者」という切り札がある限り 簡単には魔王を殺せないように、魔王側も対策を練るのであった。

勇者が魔王を倒す時に 魔王が死なずに復活してしまった場合は勇者が再度、魔王を殺しに行くまで魔王を弱らせるしかないのである。しかし「魔王」は「四天王」という存在を生み出して 自分を倒した勇者に対する復讐を果たす為に行動するのだ。

魔王が死んだ後は、必ず「四天王」と呼ばれる強力な魔物が出現するようになる。この「四天王」も、魔王と同様に厄介な存在であるのは確かだった。俺は勇者にリリアナを殺してしまえば魔王が復活しなくなるのかという質問をする。勇者に 俺は魔王が死んでも「魔王」としての存在が無くならないことを勇者に伝えておく。そして勇者が倒したら、確実にリリアナは死ぬがリリアナの死は一時的なものなので魔王を「勇者」の力で殺す事は出来る。

「だけど、俺の体は俺のものであって お前らのものでは無いんだよ。それに俺は 俺の体の中に勇者がいる状態で 勇者の職業技能を使用できたとしても、それは一時的なもので勇者の技能は 俺が身に着ける「勇者シリーズ」の能力には劣るんだ」と 俺は勇者に伝えた。勇者は 俺の話を聞くと リリアナの亡骸を見て何かを考えている。勇者は俺が身に着けている 《勇者の魔甲》や 俺の中にある「勇者」に「魔王シリーズ」の破壊を依頼する。

「僕達を救ってくれた君ならできるだろ」

そう勇者に言われて俺はリリアナの亡骸をみて、勇者シリーズの装備の一つを起動した。勇者シリーズが装備する「魔剣」を発動させて、俺の中にある リリアナの死体に向かって攻撃を行う。すると俺の中にあった《勇者の魔甲》が反応し 《魔王の魔甲》を破壊しようとするが俺の身体から離れないのだ。どうしようもない状態になって俺達は話し合いを始めた。俺は 魔王の力を持ったままで「魔王殺し」になる方法を考えなければいけないのだが、そんな事が可能なのか分からない。俺の中に入っている「勇者」に どうすれば良いか聞くことにした。「勇者」は俺の中で俺と話し合って、答えを出した。「魔法戦士(マジックファイター)」の職業技能である 《魔法の融合》を使用する事で

「魔剣」と「勇者シリーズ」である《聖なる光の鎧》と 勇者が装備している《魔法の剣》を融合させる事で「勇者」が使える魔法剣が完成すると教えてくれた。「魔法勇者(マジカルブレイブ)」であるヤマタジロウさんの装備である 《魔法の剣》も「魔法戦士(マジックファイター)」専用装備であるので勇者シリーズとの「相性」は良く、 勇者シリーズに宿っている聖属性の魔法を剣に纏わせる事が可能らしいのだ。

俺は俺の身体の中に存在している 魔王の力に話しかけた。魔王の力とは魔王シリーズの特殊能力である「魔王」のことであり 俺の中にある「魔王」が魔王の力の根源であるらしいのだ。俺は俺の体から出てくる「魔王」をどうにかできないかと考えた。「魔王」を倒すのではなく 一時的に封じることは可能かもしれないと思った。魔王シリーズは勇者の力以外では破壊する事が不可能なのだが、「魔王」の力は魔王の力であるが 魔王が復活して魔王の力を完全に復活する前に 俺の体内にある魔王の力を魔王の力とは気付かれない程度に封じ込めてしまう。

それが出来ればいいのだが、その為には 俺の体内に存在する「魔王」を勇者シリーズの力を使って倒す必要があるのだ。俺の中に入っている「魔王」に俺の中にある「魔王」を倒すのを手伝ってくれないかと頼む。

俺は「勇者」の技能を使用して

「魔王」が復活しないようにする事を提案する。

魔王シリーズである「魔剣」に 俺は俺の中にある魔王の力の核となる部分を剣の先端に集めるように指示する。俺は《魔王の魔甲》を操作しながら 俺の中に存在している 魔王の力の一部を「魔王の魔剣」の先端に移動させていった。「勇者」の力を使いながらも「勇者」の力が俺の力であると悟られないように細心の注意を払いながら俺は 魔王の力を制御することに成功する。

俺は俺の中の魔王の力を利用して俺の身体の中に存在する「魔王」を殺す。それにより「魔王殺し」は完成したのだった。勇者シリーズと俺の「勇者」の力が融合した魔法剣士(マジックファイター)用の武器である魔法剣が「魔王殺し」の力が秘められているのである。勇者の「聖女の加護」が込められた魔法剣と「勇者シリーズ」の一つである 《聖魔の宝冠》の効果を合わせた魔法が「魔王殺し」なのだ。

俺達の話を聞いていた佐藤香里が口を開いたのだ。佐藤香里が言うには俺の体の中には3体の「魔王」が存在しているという。彼女は俺が倒した魔王は2体だと聞いて驚いている。そして彼女が口に出した2人の「魔王」とは 俺が最初に戦ったリリアナと、今、俺達の話を聞いていて佐藤香里の身体の中に居る

「リリアナの身体」と佐藤美鈴の中にいる「もう一人の美鈴」の二人であると俺達に説明する。そして彼女達の肉体を支配しているのはリリアナであると説明したのだ。俺と勇者が融合した時に生まれた「勇者」が言うにはリリアナが俺との戦いで使用した技や、魔王シリーズを取り込んだ際に発動させた 能力は全てリリアナの記憶と経験である。俺は魔王との戦いの時に「魔王殺しの力」を使った時にリリアナは死ぬのではなくて消滅してしまうのではないかと考えていた。だが、違ったようだ。確かに魔王の力は「勇者」の力でないと破壊できなかったが、俺の力でも完全に破壊はできていなかったのだ。俺は勇者に確認する。

「魔王シリーズと合体して「魔王殺し」が完成したけど 魔王シリーズの能力と俺の力で作った魔王殺しでは どのくらい威力が違うんだ?」

俺が尋ねる。俺の問いに勇者が答える。

俺の持っている「勇者シリーズ」が リリアナを倒した後の 魔王の復活に備えて魔王を弱体化させる為のものだと話す。俺は勇者の言葉を信じる。そして俺達が倒した 魔王を倒した後の事を話す。

魔王を倒した後で復活した 魔王によってリリアナの体の支配権を奪われてしまったのは、リリアナの中に残っている魔王の残滓が リリアナに魔王の意識を植え付けた為であり、魔王が完全に消滅したわけでは無いという。勇者はリリアナの肉体を奪い取って魔王が復活しようとしていると説明する。俺はその説明を信じる事にする。

そして勇者と会話を交わして勇者と リリアナを殺した場合 魔王が復活しなくなるかどうかを質問をした。勇者はリリアナの肉体を殺しても魔王は復活すると言う。俺はリリアナが生きている間は復活はしないだろうと推測する。しかし魔王の復活を阻止するためにも、魔王は復活させない事が重要であり リリアナは魔王の器として利用するだけで殺す必要はないのではないかと俺は考えた。俺は「勇者」の意見を聞くために、俺の中にある リリアナに対して意見を聞く事にする。俺は俺の中から出てきて、魔王殺しの魔法剣に吸収されている 俺の中にあった リリアナに呼びかけた。リリアナは魔王を自分の身体に取り込みながら、俺の中に入っていた リリアナに話しかけた。俺は俺の中に存在していた美鈴や美鈴の中にあった魔王の意識について尋ねた。そして俺の中に入った美鈴が魔王であると俺は判断していると話した。そして俺は魔王として覚醒する前に殺さなければならないと考えている事を告げたのだ。俺が話を聞き終わる前に 勇者が俺に話し掛ける。勇者は自分の中のリリアナと俺の話している事を聞いていたようで、自分が知っている情報を話し始める。勇者は俺の中に居座っていた魔王は魔王としての自覚を持っておらず魔王としての技能や能力は所持していないというのだ。そして勇者は勇者の職業の能力を発動させて

「魔王殺しの魔剣」を強化する事ができるので、俺の中にある リリアナが使っていた魔王の力を「魔王殺し」に封印するように依頼した。俺の中に入って来た魔王の力は勇者に吸収してもらいたいと思っていたが勇者がそれを拒否したのだ。勇者が「魔王殺し」の能力を強化できると聞いた リリアナが 勇者に協力を要請する。

俺は勇者とリリアナに頼み事をすることにした。

まずは勇者にお願いした。

「魔王シリーズを全て勇者シリーズの中に収納して欲しい」と 俺の要望を伝える。次にリリアナにお願いする。

俺はリリアナに、リリアナの中に宿る魔王に「魔王」としての能力を使わせないようにする為に リリアナの中に存在している魔王を、勇者に吸収して貰うように依頼したいと勇者に伝えた。最後にリリアナの中に存在している美鈴が、勇者の力を利用して「勇者」の職業を発動する事が出来るので、リリアナの体の中にある「魔王の力」をリリアナの体から追い出してほしい事を依頼する。俺は「勇者」の力と「魔王」の力を利用した 新しい「魔王殺し」を作り出そうと考えているのだ。

勇者は俺の依頼を了承してくれた。リリアナの方も 俺の考えに賛同してくれる。勇者とリリアナと俺の三人が協力をして 俺の中にある魔王の力を利用して魔王殺しの魔法剣を作成する事に成功する。

「魔導王(マジックロード)」の職業技能を使用して「魔剣(マジックソード)」を作成し

「魔法戦士(マジックファイター)」専用の武器である魔法剣に融合させ 魔王の力を剣に閉じ込めて魔法剣を作り上げていく。俺は俺の身体の中で 俺の中に存在している 魔王の力を魔法剣に取り込む作業をしている勇者と 俺の中に存在をしている魔王に向かって話し掛けた。

勇者は俺の質問に対して答えを返してくれたが 俺の中にいる 魔王は返事を返してこなかった。勇者によると 魔王が俺の体内に存在する魔王の意識を「勇者」の力で取り込んでいるらしく「魔王」は喋ることが出来なくなっているのだという。

俺達は「魔剣(マジックソード)」を作る作業に集中する。「勇者」が「魔王殺し」の魔剣を作り出して 俺の中の魔王の力を剣の中へ封じ込めた。そして勇者は俺の作り出した魔法剣に 魔王の力が宿っていることを確認する。「魔王殺し」が「勇者殺し」に変化しないように 勇者が俺の作った「魔法勇者」用の魔法武器に魔力を込めていくと、「魔法勇者(マジカルブレイブ)シリーズ魔法武器(ウェポン)

《魔法勇者》専用装備武器(シリーズ)

『魔王殺し』が完成した。俺は「勇者シリーズ」である《聖魔の魔冠》の特殊能力である 《聖女の加護》の力を使用しながら「魔王殺し」を作成したのだ。俺は出来上がった「魔王殺し」を試すために 魔王に戦いを挑むことにした。

俺は勇者の特殊能力である 《魔王の魔剣》を使用して魔王と戦う準備を整える。そして魔王に挑んだ。俺の目の前には魔王の姿が有った。魔王が俺に語りかける。

【ワシを倒せると本気で思っているのか?】

俺は答える。「俺が魔王を殺す。俺がこの世界の未来を救う勇者だ!」

俺の言葉を聞いた リリアナが リリアナの肉体の中に存在している 美鈴が そして俺の身体の中に存在していた 魔王がそれぞれの反応をする。俺は俺の中にある魔王の力を利用して 魔王を殺すために行動を開始する。

魔王との戦いが始まった。

俺は《魔王の魔剣》を使って 俺の中に存在する魔王の力を解放する。

俺の中にいた魔王の1人が 魔王の力を解放し始めたのだ。《魔王の魔剣》に魔王の力の核である部分を集めて《魔王殺し》を完成させて、俺は俺の中に存在した魔王を殺した。俺は俺の中に残っていた魔王の力を利用して魔王に戦いを挑んだ。

魔王との戦いが始まろうとした。

俺は《聖女の加護》の力を発動させる。

「聖女の加護」によって俺の攻撃力が上昇していく。そして俺と《聖女》は一体化していく。俺のステータスが上がっていく。

俺が「聖女の加護」によって得た力で俺自身の能力値を向上させる事に成功していた。俺の中には勇者が取り込んだ魔王が居る。勇者は勇者シリーズの中に魔王を吸収したのだが 魔王シリーズには魔王以外の力も含まれているのである。俺は俺の中に存在している魔王に呼びかける。しかし魔王は何も言葉を返す事は出来なかった。魔王は自分の中に存在している 魔王以外の力を利用しようとして勇者に声を掛けようとしたらしい。

魔王の中には、勇者が取り込んだ魔王以外にも複数の魔王が存在しているという。俺は「聖魔の魔王」という魔王が「魔境」という世界を支配して 他の異世界に戦争を仕掛けて征服しようと企んでいた魔王の存在を知っていた。しかし俺の中に取り込まれた魔王は全ての魔王の中でも最強に近い存在である。俺に呼び掛けて来たのも、魔王の中の一人だろうと判断したのだ。

俺は リリアナの身体の中に存在している美鈴に向かって話しかけようとすると美鈴の声だけが聞こえてきた。

【山田さん 魔王は私に任せてください】

俺の中の存在に対して話しかける。

俺は俺の中に存在している美鈴に対して 魔王の相手は任せたと話しかけてみた。

そして俺は魔王に話し掛けようと声を上げる。俺は魔王に対して自分の目的を伝える。そして自分が勇者によって「女神」によって呼び出された存在だという事を伝えた。そして「リリアナの中に存在している魔王が「魔人族」を支配する存在だったのだとしても 今はもう リリアナの中に存在していた 美鈴という人格がリリアナに憑依している状態なのだ」と説明したのだ。俺の説明を受けた魔王が答える。

俺の言葉に対して魔王が答える。俺はリリアナの肉体を奪って、俺の体の中に存在している魔王に対して「魔王殺しの魔法剣」の作成を依頼したいという話を切り出すと魔王が俺の言葉を否定する。俺は「俺は勇者ではない」と答えた後に「俺は「魔法戦士」としての能力しか持ち合わせていない普通の人間だ。」と話した上で「お前が 俺の中に存在している魔王ならば魔王シリーズを所持していなくても魔王の能力を使うことが出来るはずだ」と告げた。

俺の中に入っている魔王が答えた。

俺は魔王に リリアナと美鈴を殺した場合の状況を説明した後に「勇者を殺してしまった場合には魔王の復活を防ぐ手段が存在しなくなる可能性が高いと判断をした」と述べた上で「俺は自分の体内に存在する魔王の力を利用することを思いついた」と語る。

【貴様はワシに何をさせようとしているのだ?】

俺は勇者を殺しても 復活の呪文を唱えることで「復活の儀式を行う事が出来る存在」である。リリアナと美鈴を殺した場合の2つの場合の対策を説明すると「勇者を殺しても復活させる事が出来ないようにする事が可能」であり、更には「勇者を倒してしまえば 復活させることが不可能となる可能性があるのではないか?」と考えて、リリアナの肉体の中にある 美鈴に勇者と戦って貰おうと考えた事を説明した上でリリアナと美鈴の魂の欠片が融合した結果 魔王が出現したのだと理解したと話を始めた。

リリアナが「私はどうなるんですか?」

俺はリリアナが「魔法勇者」の職業技能を発動した時に使用した《魔王の加護》の能力を発動させてくれれば問題はないと答えてからリリアナに説明した事をもう一度繰り返す。

リリアナが俺に尋ねる。

俺は魔王に対して 俺に宿る「リリアナの中に宿る魔王」に宿っていた「美鈴の中に宿る魔王」の力を利用する為に「リリアナに美鈴の力を使用するようにお願いをしてくれないか?」と話しかけた。

俺は魔王に俺が 魔王シリーズの武器や防具を作成する事が出来ないのかを尋ねた。魔王の口から回答を得る事に成功した。俺の質問に対する答えを聞いた俺が、リリアナの中に含まれている 美鈴に対して「美鈴に俺の中にある魔王の力を吸収させて貰えないだろうか」と告げる。そして「もしも魔王に「美鈴の中にある魔王」の能力を使えるだけの能力が備わっていなければリリアナの肉体の中に宿る魔王に、美鈴の中にある魔王の力と 魔王が持っている魔王の力を回収してもらう」事を提案する。

勇者と美鈴から魔王の力を受け取ってから魔王が口を開く。

「魔王の魔剣」「魔法勇者」シリーズ魔法剣(ウェポン)「魔法勇者(マジカルブレイブ)シリーズ魔法武器(ウェポン)

《魔法勇者》専用装備武器(シリーズ)『魔法勇者』の武器を作成している間に魔王が 俺に向かって語り掛ける。俺は 魔王に対して「魔王は魔王以外の力が有る存在でも使用できるのか」と質問をすると魔王は答える。俺は魔王に「俺の中に入っている 魔王に魔王の力を分け与えてもいいか」と尋ねてみた。魔王が俺に質問をする。

【それは ワシに対して何を求めている質問なのかな?】

俺は魔王に「俺は俺の体内に存在している魔王が欲しいと考えているんだ。リリアナの身体に宿る美鈴という人格が 俺にリリアナを殺さないように指示を出してくるからだ」と話す。

俺はリリアナに「魔王殺し」を作成をしている間の暇つぶしを兼ねて魔王の話し相手を頼んでみる。魔王は快く引き受けてくれたので俺は 俺の中に存在する魔王に向けて話し掛けた。俺は「魔王は「勇者」と戦う前に俺の中に入って来たんだよな?「魔法戦士」シリーズである《聖魔の魔冠》の特殊能力を発動して、魔王シリーズを手に入れた俺の中に魔王の力が存在するんだけれど、俺は魔王の武器とかも作ることが出来たりするのか?」と話しかける。

俺は「俺の中に魔王が存在しているんだが 俺は魔王の力を使えない状況なんだ。もし魔王の武器を作ることが可能ならば魔王の力を借りたいんだ」と話した。俺の話を聞いている内に「俺」の魔王が何かを思い浮かんでくれたようで 俺は「俺」の中の魔王が何かをしてくれるまで黙って待つ事にする。「俺」の中の魔王が語り始めた。俺は「俺」の中に魔王がいる状態が普通に生活できるのかを確認する。

俺は魔王に対して魔王に確認したいことが有ったので話しかけると魔王が答えてくれる。俺は「この世界に存在している勇者を殺す事によって 異世界召喚が行われた事実は消えるのだろうか? そして魔王は勇者を殺す事によって勇者を殺す事ができるのか?という事について教えて欲しい」と言うと、 魔王は俺に対して返事を返してくれた。

俺は魔王に対して この世界の魔王に 異世界からの勇者が魔王になる事があるという事を説明し始めた。俺はリリアナの中に取り込まれた 美鈴に話し掛ける。美鈴は リリアナの中で魔王として存在し続ける事を選択する事を選んでいた。そして俺に対して美鈴は「魔王の力は勇者と戦う為に必要な物です。だから私の中に存在している魔王の力は必要だと思ってます。私の中からも魔王の力を引き出せるんですね。分かりました。私が美鈴さんの代わりを務めることにいたします。よろしくお願いいたします。」と話して来る。そして「勇者である山田さんの中に存在する魔王さんが勇者との戦いに勝ちたいと願っているのであれば 私は勇者を倒す手伝いをする事を約束して頂けるでしょうか?」と魔王に向かって話しかけた。

俺は魔王に向かって「勇者である俺を倒す手助けをしてくれないかな」と言ったら魔王は答える。

【ワシには 貴様の勇者の敵となるつもりは無いが、魔王として貴様の邪魔にならないように勇者と戦ってあげようではないか。貴様に頼まれなくとも、ワシが勇者と戦わねばならなくなる状況は生まれるだろうよ】

俺は「魔王は魔王シリーズが手に入れば、勇者が「女神」に呼び出されて、俺が勇者に呼び出されて戦う必要が無くなったとしても勇者に戦いを仕掛けて倒そうと行動するのではないのか?俺は魔王は魔王以外の力が手に入る事で、他の異世界への侵攻をしようと考えるんじゃないかと思ったんだけど、違うのか?」と質問を投げかけてみたところ、 魔王は俺の問いかけに対して、こう答えた。

「勇者は 自分の中に存在している魔王の力を引き出すことが出来る。

しかし魔王は 自分の中に存在している魔王の力しか引き出すことが出来ない。

ワシが自分の中に取り込んでいる魔王の能力を使う事が出来るようになるまでには 時間が掛かりそうなのだ。

ワシの中に存在している魔王の力を使って勇者を倒していく事も可能ではあるのだ。だが魔王の能力を使う事が出来る状態になるまでは時間がかかるのだ。ワシの中に存在している魔王の力を使いこなす事が出来るまでに時間が掛かってしまうのだよ。勇者は ワシが勇者と戦う事を諦めたと判断したようだが、 ワシの予想通りだったのだ」と答えた。

俺は魔王に魔王の武器が作れるのかどうかを確認する。魔王が答える。「ワシが持っている能力を使えば 簡単に勇者を殺す事が可能になる。その力を与える事は出来るが ワシの力を全て渡すという事にはならない。それならば魔王シリーズを持っている人間から、魔王シリーズを奪い取る方が早いのだ。

ワシが貴様の中にある勇者から魔王の剣を奪う為には「女神」に召喚されて呼び出される必要がある。勇者と対峙する前に勇者に殺されるという可能性も考えられるから ワシに力を貸すことを約束をした「魔法勇者(マジカルブレイブ)」シリーズ魔法剣(ウェポン)『魔法勇者(マジカルブレイブ)』シリーズの装備アイテム(武器)と防具の作成を行うのだ」と答えてくれた。

魔王がリリアナの肉体を借りて勇者と戦う為に行動を始める。俺はリリアナの中に宿っている美鈴に対して 俺の中に入っている 魔王の力が使えるのかどうかを確認した後に魔王の作った「魔法勇者」シリーズ武器と「魔王殺し」の作成を開始する。俺は 魔王の力を使用することが出来るような状態に魔王がなった場合は、 魔王の魔力が込められた武器を作成して欲しいと魔王に伝える。そして 魔王から「魔法勇者」シリーズ「聖魔の剣」を作成する許可を得た。リリアナと美鈴は協力して

「魔王の魔剣」を作成することになった。魔王と勇者の戦いに勝つ為の準備が始まった。魔王の身体はリリアナと美鈴に分裂してしまったので俺は2人に分裂したままの魔王と勇者に「リリアナの身体の中に存在している美鈴が リリアナの記憶や経験を引き継ぐことで

「リリアナ」が魔王の身体の中に存在していた時の記憶や経験を取り戻す」事になったと説明してから「俺はリリアナの中にいる 美鈴の中にある魔王の能力を使用して 勇者と戦う準備を進める事にしようと思っている。リリアナの中に宿る美鈴の中にある魔王の力で俺の中にいる魔王の力を引き出すことは可能だろうか?もし可能である場合だと、俺の中にいる魔王の能力を使用しながら「魔法戦士」シリーズ魔法剣(ウェポン)『魔法戦士』シリーズの武器を作成する事は可能なのか? 魔王がリリアナに俺の能力が宿っている美鈴の力を使用できるようにして欲しいと告げると、リリアナは「私」にお願いをしてくるのであった。私は魔王に対して美鈴の能力をリリアナに使用するようにと頼み、 そして 美鈴の身体の中に存在する魔王に対して魔王が リリアナの中に存在している美鈴に対してリリアナの中に宿っている美鈴が美鈴の身体の中に存在した時に、美鈴の中に宿っていた魔王が所持していた能力を使用できる能力があるかを確認する。

そして魔王から魔王の能力の使い方と、美鈴の身体の中にある能力の活用方法の説明を受けるのだった。美鈴が私の中にいる 魔王と会話をする。私は美鈴に対して魔王の力は「地球上に存在する武器を材料にして作成することが出来るのか?」と尋ねた。私は「魔法勇者(マジカルブレイブ)シリーズ」魔法剣(ウェポン)『魔法勇者(マジカルブレイブ)』シリーズ魔法武器(ウェポン)『魔法勇者』の武器を作成している間に魔王に 私の身体の中に存在している魔王が勇者を倒すのを手伝ってくれないかと言う。私は魔王に対して「魔法勇者(マジカルブレイブ)」シリーズ「神刀」を作成している間に勇者の身体の中に宿っている魔王に 魔王に「勇者」と戦えるような力が宿っているのかを確認して欲しいと魔王に伝えた。

そして 美鈴は「私が美鈴の中に存在している間に魔王は勇者の敵になるつもりでいたんだ」という事を知る事になるのである。美鈴が魔王に「美鈴は美鈴が宿る前の身体の持ち主である

「美鈴」の事を忘れないでいてくれるのかな?」と質問をする。魔王は「「美鈴」が「魔王」としてこの世界に現れたという事実を覚えていたのであれば「勇者召喚」のスキルで 勇者に呼び出された際に この世界で生きてきた「美鈴」の存在を思い浮かべる事が出来たはずなのじゃ」と答えた。

美鈴が「私は美鈴が宿る前の「美鈴」がこの世界に出現したのは知っていたけれど、魔王が私の中に存在する美鈴の身体に魔王として存在し続けているとは思っていなかった。そして私は この世界の美鈴が生きていた事を魔王が忘れてしまっているのではないかとも思っていたんだよ。

「美鈴」は魔王の「魔王」の能力を手に入れる事が出来て本当に良かったと思ってるんだよ」と答えた。魔王が美鈴に「ワシが「美鈴」の中にいる魔王として「美鈴」の中に存在する魔王がワシを呼び寄せて魔王にしたのは「美鈴」の人格が消えてしまうのは可哀想だと感じたからなんだぞ。だからワシは「勇者召喚」で

「勇者」と対峙するまでは勇者の敵にならないつもりだ」と語ったのだった。魔王の言葉を聞いた

「魔王」が「ありがとうね。でもね。魔王が「勇者」と戦わなくてもいいという訳ではないからね。魔王は「勇者」に狙われてるんでしょ?魔王の味方である存在が魔王の前に現れて「魔王を殺さないとダメだよ」と言って来た場合にはどうするの?もしも そんな存在が勇者の敵になる存在だとしたら、その人物と対峙する事になりそうな状況だったら魔王は戦わないといけないのだからね。魔王は「勇者」との戦いに集中して貰ってもいいし、「勇者以外の勇者の敵対者の討伐」に協力してくれても全然構わないんだけどね」と話すのであった。

私は「リリアナの体の中に存在している 私の中に存在している魔王には 勇者との戦いに備えて 私の中に存在している 美鈴が宿った

「美鈴」の魂の力を利用して武器を作成しておいて欲しかったんだよ。「美鈴」の中には魔王が勇者と戦うために必要な「力」が宿っていると思うの。そして魔王は 魔王に宿っている能力を使用して、 私が美鈴に宿っている魔王に魔王に渡した

「魔王の剣」と「魔王殺し」を作成したらいいんじゃないのかな?魔王は 美鈴の体に宿る前に「女神」から与えられた「魔法勇者」シリーズのアイテムと「魔法勇者」シリーズ武器と防具は、勇者と戦う際に使用しても良いけど勇者の敵と戦う際には使用してはいけないの。「魔法勇者」シリーズは「魔法」に関係する能力を持つ武器しか使用できないようになっていて、それ以外の能力を使う事は不可能になっているのよ。その制約を守る限り、魔王は「魔法勇者」シリーズで作成した「魔法剣(ウェポン)」と「魔法勇者」シリーズ武器と「魔王殺し」以外の「魔法勇者」シリーズ魔法剣(ウェポン)『魔法勇者』シリーズ魔法武器(ウェポン)『魔法勇者』シリーズ魔法剣(ウェポン)の武器を使用する事は可能なんだけど その制約を守れなかった場合は、魔王が勇者と戦おうとする場合に「勇者が作り出した」能力を使用する事が不可能になってしまうかもしれない。魔王が勇者と戦えなくなったとしたら勇者は間違いなく他の勇者が持っている「魔王シリーズ」を手に入れようとするでしょう。魔王が他の勇者に魔王の剣と「魔王殺し」を奪われたり

「魔王シリーズ」を奪われないようにするためには、勇者に勇者の持っている武器で殺される訳にもいかないのよね。「魔王シリーズ」と「魔法勇者シリーズ」の両方を所有している人間が、他の勇者に魔王を倒された場合。魔王が「魔法勇者」シリーズ「聖魔の剣」を所持していない状態で、勇者に殺されてしまう可能性が高いから 勇者との戦いで使うために武器を作成はしておくべきだと思うの。

リリアナと魔王と会話している最中に俺はリリアナから話しかけられた。リリアナは自分の中に存在している美鈴の記憶から、魔王が魔王としての力を使えなくなっている原因を推測できるというのだ。

リリアナが 魔王に 俺の武器作成と「魔法戦士」シリーズ武器の作成を行っている間は魔王と美鈴は会話をして時間を潰す事にすると良いと告げたのだ。

リリアナが俺の中に存在している美鈴と魔王に対して 俺に魔王の力を使用する事が出来るかどうかを確認すると 魔王は俺の中に存在している美鈴に対して魔王の身体が俺の中に存在する「美鈴」と入れ替わると俺に「魔法勇者」シリーズ魔法武器(ウェポン)『魔法勇者』シリーズ魔法武器(ウェポン)『魔法勇者』の武器を作成してくれないかと言ったのだった。俺は「リリアナと美鈴の身体を借りることが出来るなら、美鈴の身体の中にある魔王の能力を使用させてもらって、俺の中に入っている魔王の力を利用する事で 魔王の身体の中に存在する「美鈴」の身体の中に魔王の力を使用した「魔王の武器」を作成する事ができるか確認させて欲しいと頼んだ。

俺は

「魔法勇者(マジカルブレイブ)シリーズ魔法剣(ウェポン)『魔法勇者』シリーズ武器作成」「聖魔の神剣」の2つの能力を 魔王の力によって発動できるようにならないか試したいと説明した。そして 俺はリリアナの身体の中にある魔王の力を利用して

「魔法勇者(マジカルブレイブ)シリーズ魔法剣(ウェポン)『魔法勇者』シリーズ武器作成」と「聖魔の神刀」を作成して欲しいと魔王にお願いをした。そして 俺の身体の中に存在する美鈴に魔王が宿っている間に美鈴に俺に宿っている魔王の力の使用許可を出してくれないかと話した後に、 俺とリリアナと魔王と美鈴の4人で話し合いを行った。俺がリリアナの身体の中に宿っている魔王に 俺の身体の中に存在している美鈴の中に宿っている魔王に魔王に美鈴の身体の中に存在していた時に魔王が所有していた能力が使えるようになるのかを確認すると魔王は 美鈴に「ワシが美鈴の中に入っていた時に持っていたスキルは美鈴の中にいる「美鈴」の中に入ったとしても使用可能か?」と尋ねると 美鈴は「うん。大丈夫だと思う」と魔王に伝えたのである。そして美鈴は「私に美鈴が宿っていた時と同じで美鈴の中に存在する魔王の能力は使用できる」と伝えたのだった。

「美鈴の身体の中の魔王の力は「勇者」が「勇者召喚」のスキルを発動して呼び出した存在と戦う事が可能なレベルなのか?と質問すると 美鈴は「私が「美鈴」の中にいた時は、私の能力も強化されていて、私自身も強くなっていっていたんだけど 今はもう違うんだ。今の状態だと魔王として「勇者」と戦闘を行えば、確実に私は負けちゃうだろうなぁ。魔王として召喚された美鈴が使っていた能力は

「勇者召喚」を 行うための召喚する為に必要なスキルは魔王が元々所持していた能力と魔王が「勇者」を倒すために作り出したオリジナルの強力な能力があるから問題ないよ。それに 私の「身体」は「魔王」の肉体として利用するために 私の中から取り出されたんだよ。

だからね。「魔王」を倒せば元の世界に帰る事になるんだけど。元の世界の身体に戻ってから魔王の肉体を利用して勇者に「勇者召喚」のスキルを使用して召喚する為に必要なお札や巻物を作成してから召喚の儀式を行って その勇者と「勇者」の仲間たちと魔王を倒す戦いに参加するつもりでいたからね。でもね。魔王を倒したら元の世界の身体に戻る事になるから「勇者」たちには絶対に私の事を話さないようにして欲しいの。もしも私が魔王を殺した後で自分が「魔王の器」だった事を知る事になった「勇者」たちが

「勇者召喚」を行おうとしたら大変な事に成っちゃうんだよ。だからね。私には 私が殺した存在の事とかを教えなければいけなくなっちゃうんだけど

「勇者召喚」のスキルを持つ人物に「勇者」と対峙する前に、魔王の魂の力を宿して

「魔王の武器」を所持している存在が 魔王と遭遇した場合は、その魔王を討伐しないと勇者を「魔王」の元に呼ぶ事はできなくなる可能性があるの」と話すのだった。俺は リリアナの体に宿っている美鈴の話を聞いた上で、魔王が「勇者」に戦いを挑むのを止めて「勇者以外の勇者の敵対者の討伐」に協力した方が良いのではないかと言う話をしてみたのである。すると魔王は「そう、だよね。今の私の状態で勇者に挑んでしまえば間違いなく殺されてしまうからね。だから私は 勇者の敵対者の討伐を行う為に、この世界を平和にしておかないとね。その為に魔王としての力を封印している訳だしね。山田太郎との戦いで魔王が勇者に殺されないようにするために勇者との戦いの前に私を鍛え直してくれるかい?」と答えたのであった。

魔王は勇者と戦い勝利すると、自分の持っている力が勇者に奪われないようにするために

「魔王」が勇者と戦った後は勇者との争いに決着がついた後には「魔法勇者」シリーズ「聖魔の剣」は回収した方が良いと思うし、他の勇者に他の魔王シリーズを奪われたりしない様に魔王シリーズは魔王が倒された後に魔王シリーズを誰か他の人に託すのが良いかもしれないと言ったのだ。そして美鈴は魔王の武器を魔王の体を利用して作り直す事が可能ならば「魔法勇者(マジカルブレイブ)シリーズ魔法武器(ウェポン)『魔法勇者』シリーズ武器作成」の能力を使用して、「魔法勇者」シリーズ「聖魔の剣」を作成しておくべきなのではないのかと提案したのだった。すると魔王が 魔王に美鈴の体の中にある魔王に「聖魔の神刀」を魔王の身体を利用して作成するように頼むと、美鈴は魔王に頼まれると嬉しそうな表情をしながら 魔王に魔王の武器を「聖魔の神刀」を作るために協力をする事を約束したのだった。そして 俺の中に存在している美鈴と魔王が会話をしてから数時間程経過をした頃に、リリアナが目を覚ましたのである。リリアナは意識を失う前に「女神の剣」の柄に触れていたせいか リリアナの身体の中に存在している魔王と リリアナの身体の中に存在する魔王と「女神の剣」を介して連絡がとれるようになっていた。リリアナの身体の中には魔王と魔王の力を利用した「聖剣(せいけん)」が2つ存在していて、それぞれ魔王が作り出した武器は

「魔王シリーズ」「魔法勇者シリーズ」となっていた。

俺は「リリアナと魔王の会話ができるようになったおかげで、今までよりずっと早くリリアナと情報交換が出来るようになって本当に嬉しいよ」と笑顔で言うと、リリアナが「うん、私も田中君と一緒に居れて楽しい」と言ってきたのでリリアナが可愛くて愛おしくて仕方がなかった。そして俺とリリアナと魔王は今後の行動方針について話し合う事にしたのである。

魔王が美鈴の身体を借りて俺とリリアナと魔王と話し合っていた最中の出来事である。リリアナの中に存在する魔王は俺が所持している美鈴が宿っている「聖魔の弓」と「聖魔の槍」が欲しいと告げた。魔王が 美鈴に「魔法勇者シリーズ魔法武器(ウェポン)『魔法勇者』シリーズ武器の作成」を俺の中に存在する美鈴に依頼する。すると 美鈴は「うん!分かった」と言いながら魔王と会話をした。美鈴の体を借りた魔王が 俺の中に存在している美鈴の中に入って「聖戦の女神(アルテア)」「破壊の女神(ディアーナ)の武器も 俺の中に入っている美鈴の中にある魔王の能力を使用してくれるのだろうか?」と美鈴に尋ねたのだ。そして美鈴は「もちろん大丈夫だよ」と答えて 俺の中に含まれている魔王の力を使用して 美鈴が魔王の力を使用して「聖戦の武器」と「破壊の武器」を作成した。魔王が 俺に「これで私が所有していた聖戦の武器と 破壊の武器が使用可能となったから聖魔の神剣を作れるはずだよ。そして「魔法勇者シリーズ魔法武器(ウェポン)『魔法勇者』シリーズ武器作成」のスキルを使用する事によって『聖魔の神剣』も作成できるはずなんだけど、私と魔王の力を利用すると聖魔の神剣を作成可能になるんだって。どうすれば良いのか分かるかなぁ」と話したのである。俺は「俺の身体の中に存在する魔王の力を利用して聖魔の神刀を作れば、その能力を使って「聖戦の女神」「破壊の女神」の聖魔の神剣を作る事が出来る」と説明した。

その後 美鈴の身体の中に魔王が存在している間に、俺の中に存在していた美鈴が 俺の身体の中に存在している魔王に 俺の中に存在している魔王に「勇者の敵対者討伐に協力するために 私の身体を利用して「魔法勇者」シリーズ「勇者の武具を作成するスキル」を取得してくれないかと尋ねると 魔王は「了解した」と言うなり「勇者召喚」のスキルを美鈴が発動できるように協力してもらった。その結果 俺の中に存在する美鈴に 魔王が宿っていた時と同じように魔王は美鈴に憑依することができた。そして 魔王が「ワシの肉体を利用して「勇者召喚」のスキルを使用して勇者の敵対者に勇者を送り込んで

「勇者」の仲間たちと協力して「勇者」と戦わせておこうと思うのだが、勇者の「敵対者」となる存在の「名前」や 容姿などの情報を教える事ができるか?ちなみにワシが知っている限りの「敵対者」の名前を言うぞ。まずは山田次郎が「魔王」の身体を利用して呼び出した存在の名前は山田花子という少女だったな。次に「山田太郎」が呼び出した存在である魔王は「鈴木三郎」と名乗っていたようだ。

次は山田太郎が呼び出した存在である「魔王」の配下で魔王軍の幹部だった「魔王」に山田次郎に魔王討伐を依頼した「勇者」の名は山田五郎だな。最後に山田二郎が呼び出した存在の「魔王」が「勇者」に対して山田太郎と仲間と共に戦った「勇者」たちの存在を教えたんだ。まぁ、この4人以外にも勇者召喚のスキルを利用して勇者の敵対者を呼ぼうとしていた人物がいるらしいから「敵対者」が全員で9人存在しているから残りの6人を召喚する事が可能な状態になってるよ。」と言う。

魔王の体の中に宿っている魔王は美鈴の体に自分の肉体が宿っている間には勇者が召喚される為の儀式を行わせない様にするために、自分の肉体に勇者が攻撃を仕掛けてきたら その攻撃してきた相手を倒すと決めたようであった。

そして 魔王は「山田花子が 勇者が呼び出された時に その能力を発動させない為に「魔法勇者」シリーズ「魔法勇者」シリーズ武器作成の能力を使用して作成した剣と魔法勇者が使用していた剣の能力を 美鈴に渡しておこう。ワシは美鈴の体に宿った後に「勇者」と対峙するまでの間に「魔法勇者シリーズ」魔法武器を作成しておく必要があるのじゃ」と言い出すと 美鈴の身体の中にいる魔王は俺に魔王の力を譲渡した事で 美鈴は「魔法勇者シリーズ魔法武器(ウェポン)作成」の能力を使用して魔王シリーズを作成し始めたのである。魔王が魔王シリーズを美鈴に渡す前に 美鈴の身体の中に存在している魔王は俺と美鈴に

「魔王シリーズ魔法武器(ウェポン)「魔王剣」と「魔王杖」を授けておくね。魔王シリーズは勇者との敵対者である 山田次郎に倒された後の事を考慮して ワシが自分の身体に戻る前に 山田次郎を倒した後は「魔法勇者」シリーズの武器作成の能力は 他の誰かが使用できるようにするために解放するように頼んでおくね。あと 勇者たちがワシを倒しに来る可能性があるから ワシを倒した後では他の人に「魔王シリーズ」を奪われる可能性も考えて、山田太郎、次郎の兄弟が使用している勇者の武具よりも強力になるように魔王シリーズは作成しておいたから、その事も頭に入れておいて欲しいんじゃ。それなら勇者たちはワシを倒した後は、山田太郎に山田次郎兄弟のどちらかが持っている魔王シリーズを強奪しようとしないと思うだろうし 勇者は勇者同士で戦う可能性が高いと思われるので 他の者が奪い取った魔王シリーズを奪い返す機会が減るとワシは考えているのじゃ。それとワシと美鈴に宿っていた間は、美鈴に「魔法勇者シリーズ」の武器を作る能力を利用して ワシの力を美鈴に伝え続けるから安心して欲しいのじゃ。」と言う。

美鈴は 美鈴の身体の中に存在している魔王に魔王の武器である「魔王剣」と「魔王杖」を貰うと、美鈴は嬉しそうにして、美鈴の体の中に存在する魔王も「ワシの力を利用し続ければ美鈴が死に至る事がない程度の寿命を得られるから心配する必要はないよ。そして美鈴の体内に存在している もう1人の魔王は「破壊の武器」も作れるみたいだから美鈴が 破壊の武器も作り続けてほしいと言ってるし、ワシの力を美鈴に渡しておくね。そして ワシは美鈴が 美鈴の中に含まれている もう一人の美鈴を救い出せると信じているよ。ワシは美鈴に救える事を願いつつ眠りに付くとしようかのう。」と言い残して目を閉じた。そして美鈴の身体の中に存在している魔王は「魔法勇者シリーズ魔法武器(ウェポン)作成」を使って 魔王シリーズ魔法武器(ウェポン)を美鈴に作るのに必要な能力を全て渡し終えた後で「聖戦の女神(アルテア)」「破壊の女神(ディアーナ)」の聖魔の神刀を作る作業を開始した。

魔王は俺の中に存在する美鈴が 魔王シリーズ魔法武器(ウェポン)「魔法勇者」シリーズ武器作成の能力を使用し続けて作成していた聖魔の神刀を作成する作業を完了した。その後で美鈴は自分の身体に「聖戦の女神(アルテア)」「破壊の女神(ディアーナ)」の聖魔の神刀を俺に託す。そして美鈴の中に存在していた魔王は 美鈴が俺に魔王シリーズを預けた後、再び美鈴の中に宿り俺の中に存在する美鈴の中へ戻っていく。

魔王が美鈴の中に戻り終わった直後の出来事であった。美鈴は「私の中に存在している破壊の女神が魔王を美鈴の中から追い出そうとしてる。魔王が美鈴の中に戻っていく最中に魔王を追い出してしまったの。私の中には まだ残っているの」と言い出したのだ。俺は慌てて魔王の気配を探すが 魔王の力は消え去ってしまっていたのである。魔王が俺の中に存在しなくなり俺は動揺してしまい言葉が出てこなかった。魔王に魔王の力を奪われてしまう事態に どう対処すれば良いのか分からないのだ。だが、俺の中で何かが目覚めて俺に語り掛けて来た。

『あなたは 破壊の女神の力と魔王の力を手に入れています。破壊と創造を司る神になります。そして、あなたの中の破壊の力は 魔王の力が宿っている状態でのみ発動できる特別なスキルです。魔王が美鈴の身体に戻った際に破壊の力が発動して魔王を消滅させました。よって今、あなたの中にある魔王の力は既に 完全に破壊され消滅しています。魔王の力が残っているのならば この場でも魔王の力は使用できたのですが、魔王は破壊の女神の力で破壊されてしまったため 魔王の力を修復することはできません。』

俺は自分の中の声を聞き「どういう意味なんだ?」と心の声を出す。俺の中の俺の意識に話しかけてきている存在が「私は破壊と破壊の天使 セリスティアです。私は あなたの中の魔王の力は破壊されて既に消滅してしまい魔王は復活できない状態なのですよ。」と言う。俺の心は「そうなんですか」と言うしかない。だが 俺の中に存在する美鈴の魔王である 破壊の神様は 破壊の女神のスキルが発動してしまった為 魔王の力は完全に破壊され消滅した状態なので 魔王は魔王シリーズのスキルを使用する事が出来ないのだと話す。そこで「私の中に存在する女神が私の魔王が宿っていた美鈴さんに対して「破壊の女神の力は この世で最も強いスキルと言われているスキルの一つだ。お前の魔王は 魔王の器として魔王の力を譲渡した事で魔王の能力は破壊されたんだよ。これで おしまいさ」と美鈴に伝えたの。美鈴さんの身体から追い出された後に魔王が私のスキルを使えない状態にしたの。だから 魔王が 美鈴の身体の中に戻っている時は魔王のスキルを使う事ができる。私の魔王のスキルを使用出来るけど 魔王の魔王シリーズのスキルしか使う事は出来なくなっているわ。」と言った。

破壊と破壊の悪魔が美鈴と話をしている間に、俺は 自分の中に存在していた魔王が消えた事実を受け止めると 俺の中に吸収されていた 破壊と破滅と滅亡を司る存在と魔王と 魔王と破壊と再生を司る力の一部を取り戻した事に気が付いてしまう。

俺は 破壊と破壊の天使が「魔王は魔王シリーズのスキルを発動する事ができなくなったが 勇者が美鈴さんに宿る魔王を倒す為に勇者召喚を行ったら魔王を美鈴の体の中に戻す事が可能な状況には変わりないよ。勇者の召喚を阻止しようと思えば魔王を美鈴の身体の中に戻す事が出来るよ。そして 美鈴の中に存在している魔王は美鈴から奪った魔王の力を宿したままでいるから、魔王が元の美鈴の中に宿っていた魔王に回復して魔王が復活する可能性もあるんだ。だけど 魔王が この世界の何処に出現するかは予測不可能なの。美鈴に宿る魔王が回復するかどうかは誰にも分からない事だし、この世界に勇者が呼び出された時には美鈴に魔王の力を宿した魔王が存在する状態だと言う事になるの。つまり 美鈴に宿る魔王は、山田次郎君に魔王を倒す事を頼む事で山田次郎君は山田次郎君の仲間と共に この世界で旅をしながら強くなるはず。その時に山田次郎君の仲間の内の2人が 魔王に殺されてしまう可能性が高い。そして、山田次郎君が魔王と戦う時に魔王を倒せない場合には、魔王に殺された後に美鈴の中に存在している魔王が復活しちゃう可能性はある。そして、山田次郎君は 仲間を失った時に魔王が魔王の肉体を乗っ取って生き返った場合は魔王を倒せる可能性がある。魔王に魔王に身体を乗っ取られた後に復活したとしても魔王は死ぬのよ。魔王が死んだ後の事は、美鈴さんが魔王を殺せない限りは この世界は滅ぶのかもしれない。だけど、勇者の素質を持った人間は魔王を殺す為に成長を続けるから勇者に魔王を倒される事で 勇者は 勇者の身体の中に存在する魔王の魂を身体ごと消滅させる事はできるのよ。山田次郎君は この世界を勇者が救ってくれる事を願えばいい。山田次郎君は勇者の身体の中にいる魔王を倒した後に 美鈴に身体の主導権を渡したら美鈴が美鈴の中に含まれている破壊の女神に殺されるので山田次郎君も この世に残らないと思うの。山田次郎君と山田次郎の仲間たちも山田次郎も勇者に勇者の武器に魔王を倒されて死んでしまったら魔王が復活してしまうの。そして、美鈴の中に魔王が存在している状態が続く限り この世界は魔王によって支配され続けると思う。

勇者は山田次郎に勇者の武器に魔王を倒してもらわなければならないと美鈴の中に含まれている破壊の女神の思考は考えると思う。美鈴の魔王は勇者と勇者の装備に宿っている 勇者に魔王を殺して欲しいと勇者に頼んで、勇者が魔王を殺した後に魔王の力を勇者に継承してもらった後に 勇者の力を美鈴の中にいる魔王に渡し続ければ、美鈴の中に存在する魔王は魔王の力を失うし魔王の力を得た美鈴の中の魔王は この世界の他の生き物を殺し続けようとするはず。そして 美鈴の体内に魔王の魂が存在し続けていて美鈴の魔王は魔王の魂に魔王として覚醒させる為のエネルギーを与え続けたりしていれば 魔王が魔王の魂の力を使いこなせるようになり魔王が魔王の力と記憶を完全に取り戻す日が来てしまうかもしれないよ。

だから 私達は、私達の中にある 勇者の魔王殺しの力が必要なんだけど、 勇者が この世界を勇者に救われた勇者が守っていけるように勇者の身体の中にある勇者を進化させるために必要な 魔王に滅ぼされないようにする為に勇者に力を与えたいの。勇者に この世界の魔王が魔王の力で この世界を侵略しないで この世界を救うように魔王の力を 魔王に奪われたままの美鈴の魔王が勇者に助けてもらいたいのなら魔王を美鈴の身体の中に戻せば良いし、魔王を美鈴の体の中から出して勇者に魔王を殺させた方が 美鈴とこの世界にとって幸せな結末なの。でも美鈴は魔王が美鈴の中から外に出た時の危険性が理解できてなかったから魔王を美鈴の体内に戻すなんて馬鹿げた行動を取ったのだと思う。だから 魔王は 魔王シリーズのスキルを使う事も魔王のスキルを持つ者を呼び出す事が出来なくなってしまったから魔王がこの世界で何かをしようとするなら、美鈴と この世界の人間の力を使って何とかしなければならない。美鈴に魔王の力を宿している魔王は破壊の女神の力を魔王に与えてしまった。だから 破壊の女神の力を持つ者が 魔王を勇者の勇者のスキルを使用して倒しても魔王は魔王の力を取り戻す事ができるけど破壊の女神の力を与えられた者は破壊の女神の力を得る事は出来なくなるのよ。」と破壊の天使が俺に言ったのだ。破壊と破滅の女神の話を聞き俺は破壊の女神に聞きたい事があった。それは、俺の職業の勇者職の能力に魔王の力を無効化する能力が付与されていたはずだが何故、美鈴の中に存在していた魔王は俺が勇者の力で魔王の力を奪う事が出来たのか そして 美鈴の身体の中から追い出されて俺の身体の中に宿っている女神である破壊の天使が破壊と破滅を司る女神であるのは偶然なのかと言う疑問である。俺は女神が この世界が崩壊する危険性について話し出したのだから破壊の女神が美鈴の魔王をこの世界で魔王として再び出現させてしまう危険性についても話をしてくれるだろうと思った。

俺は 破壊の天使の言葉を聞き、 俺の身体の中に存在していた美鈴の魔王が俺の身体の中から出てきた後の出来事や俺の中に存在する破壊と破壊の天使の話から考えてみた。

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異世界に転移した俺は、魔王に対抗するために伝説の『勇者召喚』を行う事にした。 あずま悠紀 @berute00

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