勇者たちが世界救えと請願してくるので邪神から世界を救うため魔王退治に旅をします~

あずま悠紀

第1話

ジャンル:異世界ファンタジー

タグ:異世界転生.主人公最強.剣と魔法.戦記.美少女.ライトノベル.ハイファンタジー.バトル

タイトル:勇者が元ニートの俺に、この世界を救えって言ってくる。

現代社会で引きこもっていた男主人公が突然異世界へ.そしてその世界に現れた邪神から世界を救うための勇者に選ばれて魔王退治に旅をします)


「なんだよこの邪神」

 この邪神、どこかの動画サイトで見たことあるような気がするが……まあ、いい。

「では、この世界での魔王退治、引き受けてもらいますね」

「は?嫌だね」

当然断る。そんな面倒なことをやっていられるか。俺はもうニートに戻りたいのだ。今の生活を捨てることなんてできるわけがないじゃないか。そう簡単に人生を変える事なんてできない。ましてや魔王を倒すなんて難易度高すぎるだろうよ!絶対にお断りだ!!

「そんなことはできません!」

「なんでだよ?」

思わず聞き返してしまったが、どうせ理由なんかないだろう。適当にごまかせばいいかと思ったんだ。

「それがこの世界の運命だからです!!」

意味不明だ。しかし女は真剣な顔で言うものだからつい真面目な顔をしてしまったよ。でもやっぱり意味不明だ。なぜ世界を救うことが運命なのだというのだ?こいつはバカなのか。それともこの邪神はそういう決まりでもあるのだろうか。それとも頭がおかしくなっているだけかもしれないぞ。

とりあえず話だけでも聞いてみることにする。

「そもそもお前は誰なんだ?」

俺が聞くと目の前の女は答えた。

「私は女神、あなたを導く存在ですよ。この異世界を救うべく送り込んで来たのです」

おいちょっと待ってくれよ。この女は頭がいかれちまっているようだぜ?いきなり異世界を救ってほしいとか言われても困るのだが、それに女神とかさすがに嘘くさすぎだろう。

俺はスマホを手に取るとブラウザを立ち上げたり消したりした。やはり電波はきていないようだ。だが、ネット回線にはつながるようで、ニュース記事などが表示されていく。どれもおかしな事件ばかりだ。例えばコンビニ強盗をした男はコンビニの店員を人質にとり立てこもっている。警察隊が包囲して突入しようとしているが人質がいるため思うようにいかないそうだ。またある事件はコンビニ前で暴れていた不良集団のリーダー格の男を取り押さえようとしたが失敗し逃げられてしまったらしい。そしてこの犯人も捕まってはいないそうだ。

何だよこれ。まるでゲームの世界に入り込んだような出来事ばかりだな。これは現実なのか妄想なのかわからない。夢なら早く覚めてくれ。俺はこんなところに来てしまって何をすればいいっていうんだ。魔王を倒せだとか言ってるけどさ。そもそもそんな危険な相手とまともに戦えるはずもない。俺が戦いに行くということは死を意味していて当たり前じゃないか。

ふと気になって俺はスマホ画面を見てみたら、そこに表示されていた時間は23時だった。今は夜なのか?俺はスマホを持って外へと出て行くことにした。とにかく情報が欲しいからだ。まずこの世界の情報を集めなければならないだろう。家を出て周りを見渡すがやはり街灯などの光はないようだ。暗闇の中に建物が建っていて明かりが付いている家もあるけれど、それも数えるほどしかない。遠くまで見てみようと思って歩くこと20分ほどで俺は驚いた。それは街の外に広がる闇を見たときのことだったんだ。その光景はとても恐ろしく感じられて、足がすくんで動けなくなってしまったほどだよ。だってそこには空に輝く星々と月があったのだけどね、それ以外は漆黒の闇に包まれているんだよ。ただその黒い空に浮かぶ赤い月だけが妙に存在感を示して浮かんでいて、不気味に感じるんだ。まるでこの世界を見守っている神様のように見えてくる。そう思っただけで体が寒くなる。この世界で生きていけるか心配になった。

俺が家の近くへと戻ると、家の玄関の前で一人の男が立っていることに気が付いてびっくりしてしまったんだ。だって明らかに怪しい格好をしているんだよ?白い布のようなものを着ているだけなんだもの。しかも腰に差している日本刀みたいなものはどう見てもヤバそうな代物に見えるしさ。そんな男を警戒するなって言う方が無理なんじゃないかな?しかし彼は何も危害を加えてくる様子もなく話しかけてきたんだ。

「あの~すいません。少し教えて欲しいことがあるんですけどよろしいですか?」

なんだこの変なしゃべり方をする男の人は。しかし言葉遣いは丁寧だし声色にも敵意や悪意を感じることができないんだけど。とりあえず質問くらいは聞いてあげようとは思うが。一体何を聞けばいいというのだ?そもそもどこから来た人なんだろうか。まあ普通に考えれば宇宙人かなんかだと思うんだけど。

「あ、ああ別にいいよ」

するとその男はこう言った。

「ありがとうございます。えーっとですね。僕は実は異世界からやって来まして」

はぁ!?この人いきなりとんでもないこと言って来たぞ!どういうことだ?頭がおかしいんではないかと思う。

「あの、信じてもらえないかもしれませんが、僕が住んでいた地球とは別の世界に生きているんですよね」

「は、はぁ?」

やっぱり頭のネジが外れているのか?この男は狂っているようにしか見えない。しかし話を聞くだけなら面白いかもしれないと思い俺は黙って聞いていたんだ。

「この世界が僕の住んでいた地球と似ているからかはわかりませんが、ここの世界の人たちはみな同じ顔に思えるんですよ。そして僕たちは地球人と同じように魔法が使えます。しかし違うところがあるとするならば、地球人は魔力が少ないですよね?なのにこの世界の住人は地球人より多いというかたくさん持っているというか、つまりレベルが高いのですよ。レベルが低い者はレベル上げをしなければ弱いままで死んでしまうのですが、僕たちにとっては簡単なことなんですね。なぜならこの異世界は僕たちが創った世界だからですよ」

こいつは何を言っているのだ?頭は大丈夫だろうか。いやまともであるはずがないか。俺は彼の話を聞き続けることにした。もしかしたら彼の中では筋が通っているのかもしれないと思ったからだ。それにしても彼が俺の家の前に来たのは偶然だったらしく、コンビニに行ってみたら誰もいなくて驚いているらしい。だから家に帰ろうと思ったところで、俺と出会ったということだ。そしてコンビニに寄ろうとしたときにこの異世界へとやって来たと。この異世界に来る前は、日本のどこかにいたはずだと言っているらしい。

俺は彼にいくつか質問をしてみることにした。この世界でどんなことができるとかそういった内容だ。答えてくれたことはこんな感じだったよ。

彼はコンビニから帰る途中にこの異世界へやってきたと言っていたのだが、そのとき手にコンビニで買ってきた商品を持っていたそうだ。それでわかったことなのだが、彼はコンビニ帰りにいつも立ち寄る店に寄ろうと歩いていたという。「あそこでお惣菜を買うことが多いです。この世界に来て最初に見つけた店なんです。それで僕はその店のおばちゃんと顔なじみになっていて仲が良いのでいろいろサービスしてくれて助かっているのですが、今回はたまたま買い物中に異世界へとやってきてしまいまして。でもまあその店も見つけられましたから安心しています」

どうもこの世界の住民は日本でいう外国人のような姿らしいのだ。この世界は日本人ばかりがいるとかなんとか言っていたような気がする。確かに俺の周りでは日本人の若者しかいない。しかしよく考えるとそれは当たり前ではないだろうか。みんなが同じ顔なら日本人かそうでないかなんてわからないからな。俺は彼との話をしていて、もしかしたらこの世界はパラレルワールドのようなものなのではないかと思い始めた。

そして気になることを一つ聞いたんだ。俺の家の前に立っていたという彼だが、どうも様子がおかしかったようだ。コンビニへ行く途中で突然気を失ったらしく倒れてしまったんだとさ。そして意識を取り戻した時にはここにいたとか言ってたよ。どうも話しているうちにこの異世界のことが気に入ってしまったらしい。俺はこの異世界で暮らせと言われても正直嫌だと答えるが。俺が異世界転生して勇者になったら楽しいかもと想像したことはあったがさすがにこれはちょっと厳しいだろう。それに、こんなおかしなことを話す男に付き合うほど暇でもない。早く帰って寝たいという気持ちが強いしな。

そういえばこの人はいつ帰れるんだろうか?この男はこの世界が故郷だと思っているらしいが、それは本当のことなのだろうか。

俺が男の話を聞いて、そろそろ帰らないと眠れなくなると思ったときだったよ。家の扉が開かれ、俺の家族が出てきたんだ。俺の姉さんが「お、おい!あんたいつの間に帰ってきたんだ?というか、なんで私服のまま外に出ていたんだよ?」と驚いた顔をしたんだ。

姉が言うには俺の外出を気にしていたんだが連絡もなかったために諦めていたらしいんだ。ま、俺はスマホを持っていないから家族と電話することもできないんだがな。

俺が「え?」と不思議そうな顔をしたら、「もう21時近いんだよ。私は仕事が終わったばかりでこれから夕食を食べるつもりだったんだ。それなのにおまえがいないものだから一人で食べるしかなかったじゃないか」と言って怒られたよ。そんなことを言われたら申し訳なくなって来たぜ。

そして俺は家に戻らなければと気が付いたときには遅かったんだよ。目の前の男がこの家の玄関の前で待っていたわけなんだ。「この家はあなたが住んでいた家でいいですか?」と言いながらね。さっき会ったばかりだというのにもう懐いているじゃないか。こいつは何がしたいんだ? 男は家に入ると、いきなりリビングの真ん中に座ってテレビをつけた。そのあとにテーブルの上に置かれていた雑誌を読み始める始末だよ。本当にこいつは一体何者なんだろうな?まるで俺の部屋にいるみたいで変な気分だぜ。ちなみに男はずっと自分の世界に入っちまっているので話し掛けてもまったく反応がなかった。仕方なく部屋に戻ったんだ。そうしたらいつのまにかいなくなっていたので帰ったのかなと思っていたが。

翌朝になって朝食を食べ終わった頃に再び現れたんだ。また俺の顔を見ると笑顔になり話しかけてくる。昨夜俺が泊まったことに文句を言われるかと覚悟をしていたんだが、そうではなくて、むしろ俺のことを歓迎してくれたんだ。

「いや~まさか君とこんな形で再会することになるとは思わなかったけど、元気にしているようでよかったな」とね。

どうも俺はこの世界では有名人みたいなんだ。そしてこの男の知っていることも、俺にとって役に立つような気がする。どうせ俺はニートに戻ってしまう運命にあるのならこの世界で人生をやり直してみてもいいかもしれない。そして異世界へ行けるチャンスをものにすれば、現実世界での生活を捨てずに生きていくこともできる。俺は異世界で暮らすことを受け入れ、この男とともに旅をすることを決めた。まあこれも何かの縁なんじゃないかと思うしな。それに俺は今すぐには帰る気もないのだ。せっかくだから異世界で楽しんでみるのもアリじゃないかと思ったのだ。だって地球じゃ体験できないことをやっていきたいしな。

よし。そうと決まればこの異世界についていろいろ知っていく必要がある。それにはまず情報収集が必要だよな。

「ねえ、この世界の情報ってどこで集めたらいいと思う?それと武器を手に入れる方法はある?金を稼ぐ方法はないのか?できれば情報は早い方がいい」

「うむ、わかったぞ。とりあえず今日からお前にはこの世界を案内することにしよう。俺のことはマサムネと呼んでくれ。まずは街を見て回ってからこの世界についての説明をしよう」

「ありがとう、頼む」

こうして俺たちのこの世界での活動が始まることになったんだ。しかしまだ不安はあるんだ。もし魔王が復活して人類に敵対した場合俺は戦わないといけないのかということとか、元の世界へどうやって戻るのかといった問題がね。しかしまあ、そんな先のことを考えるよりもこの世界で楽しまないと損だしな。とにかく俺の第二の人生が始まろうとしていることに間違いはないだろう。

とりあえず俺は、この異世界に召喚された勇者マサムネと一緒に行動することにした。しかしこいつは一体何を考えているんだ?そもそもなぜこの世界にやってこれたのかもわからないというのだ。もしかすると、俺はこのまま元の世界に帰れないということもある。

俺が異世界へ来てから、すでに二週間が経過していた。異世界生活が慣れて来た頃だったのだが。

この異世界は思っていたより過ごしやすい世界だ。地球と似ているところもあるのだから当然かもしれないが。しかしこの世界の住人はレベルが高く、魔物などもいる。そしてこの異世界の住人が俺に対して好意的であったとしても危険な存在であることは変わらないんだ。俺がレベル1というステータスのためこの世界の人たちと比べて明らかに弱いから、俺は弱いなりにも戦う方法を必死に考えていたんだ。しかし俺のレベルが上がらない。だからどうにもならないんだよ。

この異世界で暮らし始めてわかったことはいくつかあったんだ。この異世界の通貨の仕組みについてもだ。

この世界にも貨幣制度というものがあって、お金の種類としては金貨と銀貨、銅貨があるんだが、これはどの世界でも似たような感じで使えるようになっているらしい。そして、それぞれで流通している国が違うらしく、同じ種類でもそれぞれの国に行けば違うものに変わるんだそうだ。

例えば金貨一枚と銅貨十枚を交換するなら、金貨と金貨を交換した場合、この世界での相場が変わってしまうらしい。そのため交換する場合は相手の国の相場を確認しなければならないのだ。そして、この世界の国々が発行している貨幣には、この世界にしか存在しない特殊な鉱石を使用しているため両替がしづらいということだ。

そして俺がこの世界に来て最初に手に入れたのが金貨百枚のコインと銅銭が数十万枚という量だ。俺はこの世界で一年間くらいなら働かなくても暮らせる程度の資産を得た。だからしばらくはのんびりしても大丈夫なのだ。だが、異世界の物価というものがある。俺が元の世界で買えるようなものもこの異世界にはないし、売っていないものもあって不便だった。俺はこの世界に慣れる前に、この異世界でしか手に入れられないものをどうにかしたいと思ったんだ。

俺はこの異世界に召喚される前はニートだったのだが、ニートの俺はいろいろなサイトを巡っている内に、この異世界がゲームのように楽しめるということをネットで知った。つまりRPGのゲームのような感覚で遊べる世界なんだと俺は理解したのだ。そのサイトではいろんな人が勇者として様々なイベントをクリアしていったらしい。そしてその人たちはこの世界の各地に散らばっている伝説の武器を集め、それを強化していくことが最終目標になっているようだった。しかし俺はこの異世界に来てからものんびりと暮らしていただけで何一つ行動を起こさなかったんだ。俺もニートを脱却するために頑張らなくてはいけないよな。そしてこの世界に来たことでレベルが上がった俺は、もっとこの異世界で強くなるためにいろいろ調べてみた。

まずは、俺が異世界で最初に訪れたこの異世界の街から外に出ることにした。俺の住んでいるこの街はこの異世界で最大の都市らしくて、俺のような冒険者は珍しいのだろう、他の住人がジロジロ見てきた。俺のような子供が一人で外に出たら不審者と間違えられても仕方がないよな。そして俺が最初に立ち寄ったのは冒険者ギルドと呼ばれる施設。ここでは登録をすることができた。そこで受付のお姉さんから「勇者様でいらっしゃいますか?」と言われた時はちょっと驚いたが「はい」と答えておいたよ。そして俺は勇者になったわけで。この異世界での身分証明書を発行してもらうことができ、俺は晴れて勇者になることができたわけだ。これで街の外にあるダンジョンに行く許可が出たのだよ。この世界では勇者に認められた者だけが入れるエリアがいくつもあるらしいんだ。俺はその領域の一つに入ることができるようになった。ちなみにダンジョンでドロップする素材アイテムは高く売れるので、冒険者として稼ぎたいと本気で思ったよ。しかし今の装備では心許ない。この世界にいるうちに新しい装備品を入手したいよな。

次にこの異世界の冒険者たちが集まってくる酒場にやってきたんだ。そこにはたくさんの人間がいたよ。その数は数千人規模で、とても賑やかな場所だったんだ。ここがこの世界最大の都市なだけあって冒険者の数が多いのだと予想した。ここには様々な情報が流れてきているらしいから、ここにいれば何か情報を仕入れられるんじゃないかと思ってね。俺は情報収集のために酒を飲みまくったんだよ。しかし酔わない。

「なんだよこれ?どうしてアルコールが入っていても平気なんだ?」と俺が不思議がっていたら。

「お、兄ちゃんいい飲みっぷりじゃねぇか!そんなんじゃ潰れちまうぜ!さあ、こっちの席に座って飲め」と言ってくれた親切な男がいたので、ありがたくその人の席に座らせてもらって、話を聞いていくことにした。

どうやら、俺のことをこの異世界を救った英雄だと思い込んでいるようだ。まあいいか。別に気にする必要もないなと思いつつ適当に話をあわせたんだ。そうすると「兄貴ぃ!」と叫びながら男が一人近づいて来た。こいつもまた酔っ払って顔を赤くしていた。そいつの口ぶりからすると俺の兄貴ということになってしまったらしい。どうやらその男は弟が俺だということで勘違いしてしまったようで、その男は泣き出していた。

俺はその兄弟だと名乗る男が泣いてしまったことに困ってしまったよ。その男はどうやら仲間と一緒に飲んでいたんだが、仲間たちが急に俺の話をし始め、しかも「この男は俺たちの偉大なるリーダーだぜ」などと自慢しているものだから嫉妬して殴りかかろうとしたところを、俺に助けられたという経緯があったそうだ。それで男は「兄が生きていた」と号泣したというわけ。まあその話は本当のようなので俺はその兄弟の仲に交ぜてもらえる運びとなった。

そして俺はいろいろとこの世界について詳しく教えてもらえることになったんだ。

まずは、この世界がなんと呼ばれているか、ということについて説明しよう。俺が知っている限りでも、「地球」と同じような呼び方をしている地域もあるが、他にもあるようなので俺は便宜上、「日本風の世界」「剣と魔法のファンタジー世界」と使い分けることにしようと決めたんだ。そしてこの世界では基本的に俺が住んでいた地球の現代文明よりもかなり遅れている。魔法というものがあるせいなのか、科学技術の発展が遅れているというのが原因なのかもしれないな。ただその代わりに便利なものがたくさんある。この世界の住民は魔法というスキルを扱えるんだ。この世界ではこの能力の有無で生き方が決まるといっても過言ではない。なぜなら戦闘系職業に就いた人間が魔法を覚えれば無双ができるからだ。そして俺が元居た世界にもこの世界の住民が持ち込んだと思われる物がいくつか存在するらしい。

俺が最初に出会った人物でもあるマサムネもその一人だ。俺のこの世界における第一の相棒はマサムネであり、マサムネが元の世界から持ち込んできたものを使って俺は生活することにしたんだ。

まず、俺の武器であるナイフについて。これは元からマサムネが使っていたもので俺はマサムネから貰ったものを使っている。俺はマサムネにこの世界について質問をしてみる。この世界は魔王が復活して人類が滅びそうな危機を迎えており、それに対抗するためには特別な力を持つ勇者が必要らしい。そのため勇者は各国が協力し合い協力して勇者の育成を行っているらしい。

俺はこの世界を救うための使命を与えられたわけではなく、偶然召喚されてしまったのだ。つまり俺の立ち位置は非常に危ないものなのだが、この異世界の勇者はなぜか元の世界に帰ってしまうことが少なくないらしいので俺は帰る方法を探せばいいと思っているんだ。マサムネはそのあたりのことをあまり把握していないらしくて少し困惑気味になっていた。しかし、異世界から来た人など聞いたことがないということだ。そして俺のレベルを上げるためにマサムネは俺に協力してくれることになった。俺は、とりあえず金を稼ぐ方法を聞こうとしたのだが。マサムネによると、冒険者になれば簡単に稼げると言っていたので、俺はマサムネの知り合いだというこの国の宰相のところへ向かうことになった。

この国の王城の最上階で暮らしているそうだ。俺はマサムネの案内でそこへ向かった。どうやらそこに、この異世界で二番目に偉い人物が住んでいるということだ。

俺が部屋へ到着すると、その部屋の中へ入り椅子に腰掛ける。そして俺と対面する相手がいるのだが、それが宰相だと言うことは一目でわかった。その人物は白髪が特徴的なダンディズムあふれる男性だ。その人は俺に名刺を渡してくる。その時に、この国では貴族でも平民と同じ扱いを受けなければならない決まりだと言われた。

そして、宰相と会話を交わす。俺は異世界に来たばかりのニートだと名乗った。俺は自分がニートであったことと、地球では引きこもりをしていたことなどを包み隠さず伝えたんだ。しかし宰相はニートという言葉の意味がよくわからなかったらしく、俺がニートであることに対して理解が得られなかったんだ。俺はそのことを不思議がっていると、宰相は「ニートとは何ですか?」と尋ねてきたので俺がその問いに対する答えを返した時だった。俺はこの世界の言葉が普通に通じることに気付いたんだ。この異世界の人たちは日本語を話していることがおかしいとも気付かずに、俺はこの異世界に来てから今まで日本語で話していたので特に疑問にも思わずに言葉が通じると思っていたんだよな。この世界に転生してからは俺はずっと日本語で話し続けているはずなのにこの異世界の人たちは日本語をしゃべれないのか。この世界の言葉を俺が理解できないということはありえないはずだし、そもそも俺は異世界語なんて話せるようになるまで努力するつもりもなかったから、どういう仕組みになっているかはわからないが、きっと翻訳機のようなものがこの世界には存在しているのだろうと推測したんだ。その辺りについては俺がいろいろ考えてもわかることはないだろう。

それから俺はこの世界にはダンジョンというものが存在していて、そのダンジョンの最深部にはこの異世界を支配する魔族の王が封印されているのだという。しかし、ダンジョンの奥深くにあるためたどり着くことができず、攻略することができないダンジョンなのだとか。だからダンジョンでドロップする貴重なアイテムを手に入れることができればそれだけで大金持ちになれる。この世界の冒険者にとっての最大の目標はこの世界の支配者にして全人類の敵でもある魔族を打ち倒すことで達成されるだろうということらしい。しかし魔族は恐ろしいほど強くて誰も歯が立たないそうだ。この世界を滅亡に追い込む原因になった事件を起こした張本人でもあり、人類にとってはまさに仇とも言える存在なんだ。

俺がマサムネに連れられて来た理由は、俺にこの異世界に蔓延る悪を倒してほしいという理由らしいのだ。

俺はこの世界に来てしまった以上、この世界を救う手助けをした方が良いとは思ったんだ。だけど、俺には力がないからどうすればいいのかよくわからない。そんなときにこのマサムネという人が俺の力になってくれると言ってくれて嬉しかったんだ。俺には戦う力がまったくない。俺にあるものはマサムネにもらったナイフだけなんだ。

そのダンジョンは世界にあるすべてのダンジョンの中で一番難易度が高く、入るためにはギルドカードが必要となるらしい。俺はこの世界のギルドに登録して、そのギルドカードを受け取ることができた。これでダンジョンに入ることができるんだ。俺はこの異世界で冒険者として生活をするしかないと思った。俺だってできることならこんな危険な場所で生活したくはないよ。しかしここでの生活しか選択肢がないんだ。そして、これからこの世界で暮らすために必要なことはすべてマサムネに教わった。この世界の基本的な情報や常識、通貨についても教えてくれたんだ。俺はマサムネの言うとおり、まずは自分の装備を整えて強くなることから始めることにしたんだ。

そして、俺はダンジョンに挑戦することになる。この世界で生き抜くための唯一の方法ともいえるのがダンジョンでのモンスター退治であり、この異世界で生きて行くのであればこれ以外の方法でお金を得ることはできない。それに俺には他に選択肢はなかったからね。

この異世界にやってきてから三年ほどの月日が流れ、俺はレベル50という強者の仲間入りを果たしていた。俺と仲間たちはこの世界を救うためにダンジョンをひたすら攻略して回っていた。俺たちは魔王軍幹部を次々に倒し、ついにボスである魔皇と対決することになった。そして俺たちは魔族たちを討伐することに成功した。その結果、魔族はこの異世界から消え去り元の平和な世界へと戻ることになった。そしてこの世界が救われたことを祝う祝賀パーティーが催されることになった。この世界を救った英雄として俺もこの世界で英雄として扱われることとなった。俺はこの世界で英雄と呼ばれるようになった。

俺は、元の世界に戻りたいという願いは捨てていなかったのでこの世界で魔王を倒すために冒険を続けていたのである。

俺は、この異世界にやってきたときから自分の名前に違和感があったんだ。俺の名前が、前原 和也という、ごくありふれたどこにでもいる名前のせいかもしれないし、別の何かの要因のせいかもしれなかったが。とにかくこの名前を呼ばれてもとくに反応することはなかった。俺は、マサムネと出会ってからしばらくしてマサムネの弟を名乗る男と出会いその男が「カズ兄貴!」と呼ぶたびに「うるさい!お前みたいな奴は弟じゃねえ!」などと言って、弟と喧嘩をしていたんだ。しかし、その弟がこの世界の英雄と呼ばれ始めて、この世界でも有名になってきたので俺のことを兄だと認めるようにと何度も言い寄って来たので「わかった、弟よ」と言った瞬間、俺の胸は高鳴ってしまったんだ。それはなぜだろうかと自問した時にふと気づいたんだ。

俺と弟は似すぎていると。そして俺と弟には決定的な違いがいくつもあったんだ。この世界での名前だ。弟の方はマサトという名前で俺は元の世界ではただの一般人だったので名前を呼ばれる機会なんてほとんどなかった。そして俺の本名は前原和也という何の特徴もないただの男なので、その名前で呼ばれることは皆無といっても良いくらいだった。しかしこの異世界で俺はカズと呼ばれている。そしてこの世界は地球よりも文化が発達しているため、俺の名前を発音できる人は限られてしまっているんだ。俺の名前は、マサムネに教えてもらったがこの異世界では発音が難しくて聞き取れないらしい。しかしマサムネはなぜかこの異世界の人間なのに発音できたのである。俺はこの事実に気付いた時に確信した。

俺と弟は別人でありこの異世界にいる前原 和馬と俺のこの身体は違う人物だということに。

この世界に召喚された人間は、元の世界では死んでいて肉体ごとこの世界に連れてこられたのだと思っているんだ。俺は自分が召喚されたのではなく、異世界へ連れてこられて憑依してしまったと考えているんだ。

この身体は俺のものではなく他人のものであると知った。

俺は、この異世界に来たことを運命の出会いだったと思うようになっていたんだ。

そして俺はマサムネとの出会いで、俺の人生をもう一度やり直すことができるのではと考えていたんだ。マサムネに、元の世界での記憶がないという風に言ってみたところ、俺はマサムネの弟子となり、師匠と呼べる存在になった。そして俺は師匠のおかげで少しずつこの異世界に慣れていったんだ。

しかし、俺はこの世界に来る前に交通事故に遭ってしまい瀕死の状態になっていた。だからこの異世界に来るまでに時間がかかってしまったというのもあるんだけどね。

この世界に来てから俺は師匠のもとで修業を積んだんだ。俺も冒険者として活躍できるように頑張った。最初は弱かったが、俺はこの異世界に転移してきた地球人だからレベルアップに必要な経験値がとても多くてすぐに強くなり、冒険者としては最強と言われるようになったんだ。

この異世界には魔王が封印されているというダンジョンがあるのは話したよね。

この異世界は、地球と酷似している世界だと言われている。つまり、地球のどこかに存在している可能性があるのだよ。この異世界で最強の生物であるドラゴンでさえ、この世界の人間でも倒せるほど弱いのだ。

そして、魔王を討伐するためにはその世界に存在する全ダンジョンをクリアしなければならないのだが、この異世界にも全ダンジョンが存在しているんだよ。だから、いつか地球へ帰還するためのヒントをつかむためにも俺はダンジョンを攻略する必要があった。この世界へ来てからの3年間ずっとダンジョン攻略ばかりしていたんだ。だからレベル99のモンスターたちと戦うのも慣れてきた。

この異世界の人間でレベル90以上に到達しているのはごくわずかしかいないんだ。レベル90に到達することがこの異世界では一種のステータスとなっていて憧れの存在らしい。俺はマサムネと出会えたことでレベルが100を超えており、俺はこの世界の中ではかなりの強者となっているんだ。

そして、俺は今日、ついに全てのダンジョンを攻略して魔王を倒すことができた。俺は勇者の称号を手に入れて、この世界に君臨していい権利を得た。この世界の人たちはみんな、俺に感謝してくれたんだ。そして俺はこの世界の人々に受け入れられ、英雄となった。しかしこれは俺の目的のために必要だったからだ。

「おい、マサムネ。いつまでこんなところで遊んでいるつもりなんだ?」

マサムネはこの国の王子であり、王位継承権を持つ唯一の人物なんだ。しかしマサムネは王位には興味がないと言い切っているんだ。そんな彼がこの異世界を救うために行動を起こすのには大きな理由が2つ存在する。

1つ目はこの異世界を救うためにこの世界を作り出した張本人だからということだ。この異世界を救わなければこの異世界が消滅してしまうため仕方なくこの異世界に滞在をしているというわけだ。もう1つの理由は、この異世界を支配する魔族を倒すのがこの世界で英雄と呼ばれるマサムネの役目なのだそうだ。魔族に苦しめられている人たちを救うことができるのはマサムネだけだから。俺はこの異世界を救うためにマサムネに手を貸すことを了承し協力したのだ。しかし、この世界の支配者を殺せばマサムネもこの世界に留まる理由はなくなるはずなのだ。しかしマサムネは、魔族を倒すために異世界のすべてのダンジョンの制覇を目指しているらしい。この世界にはダンジョンがあと6つほどあるらしく、この異世界に散らばっていて全部で10のダンジョンが存在する。そしてすべてのダンジョンが攻略されると、この異世界が崩壊するという言い伝えがあるそうだ。俺としてはさっさとこの世界から抜け出したいところなんだが。それにこの世界にはまだ他にもダンジョンがありそうな予感がするのでできれば攻略を急いでほしいのだ。

マサムネと一緒にダンジョンを回った時に俺は気づいたんだ。俺とマサムネはあまりにも似ているということに。この異世界の人々は、マサムネと俺は双子の兄弟かと疑うほどだった。そして、俺たちはこの世界の人々の前に出るときはいつもマスクをして素顔を隠していたんだ。そうしなければ、この異世界の人々から見れば俺は前原和也という人物になりすました別の世界の人物であることに気付かれてしまうかもしれないからな。マサムネが言うには俺の顔立ちは前原和也によく似ているのだという。それならなぜ俺はこの異世界で前原 和也と呼ばずにカズと呼んでいるのかはわからなかったけどね。おそらくマサムネは俺のことを警戒しすぎていたのだろうなと思った。マサムネはこの異世界を救わなければならないと使命感のようなものを感じてこの世界に残っているという。

俺もこの異世界を救うという使命はあるのだが、この異世界の住人である弟を探すことも優先していきたいと思っている。弟は行方不明のままだが、ひょっとしたら弟はこの異世界に転生して生まれ変わってる可能性だって考えられる。それに、マサムネの弟であるユウトという男だって同じ異世界に転移してくる可能性が高いと思っているんだ。俺はこの異世界にやってくるまでは、ただの一般人だったが、マサムネと出会ったおかげで異世界でも活動できるようになっているんだ。それに、この異世界は、この世界と地球でいえば、ファンタジーのような世界なので俺にとっては居心地が良い場所だ。この異世界では科学が発達せず、文明のレベルは低いものの地球のように生活することは難しくない。俺が住んでいる家にはエアコンもあるし、スマホもネット回線に繋がっている。冷蔵庫も完備されていて、水道もある。この異世界の食事は味が濃い目で、俺の口には合わなかったのであまり料理を作る気になれなかったのだけど、マサムネに弟子入りしてからは、マサムネが美味しいと絶賛する料理を振る舞ってもらったので自分で作るようになった。

「お待たせ、カズ。今日こそは君との決着をつけるぞ」

「ふふふ。お前に負けることだけは嫌だからね」

「じゃあ始めよう」

「ああ」

そして俺は剣を抜いた。

俺はこの異世界で魔王を倒したことによってレベル99という圧倒的な数値を手に入れたのだ。そして、この異世界に存在するどの種族より強いというステータスを持っているんだ。この世界で一番強くて一番恐れられている存在でもあるんだ。俺にかなう者はこの異世界に存在しないはずだと思っていた。そして俺はこの世界で魔王を倒して最強と呼ばれるようになった。

俺の職業は魔王でありレベル99に到達したときに俺は新しい力を手にしていたんだ。この世界で最強のスキルだ。俺の持つ能力のなかでも最強を誇るものだよ。俺は今、魔王の力を発動させようとしている。この世界でたった一人の男。その男が持つ力は、どんな相手でも倒してしまうほどの強さを誇っていた。しかし俺もまだ本気を出してはいなかった。俺も本気を出すとどうなるのか知らないので怖くて全力を出したことがなかったんだ。この力でマサムネを倒すことができるだろうか。

「いくよ!」

俺は一気に間合いを詰めて、マサムネに向けて魔王の力を開放したんだ。俺の右手が一瞬だけ光ったように見えたと思う。

マサムネは地面に倒れ込んでいったんだ。

俺は、勝ったんだ! 俺が最強なんだ。俺は最強だ! この異世界は俺が支配するんだ! マサムネは俺の足元で倒れ込んでいるんだ。俺がこの手で殺したんだ。

この異世界ではマサムネだけが唯一レベル100を超えていて俺の最大の敵であり、そしてこの異世界を救った人物でもあった。

マサムネは、俺がこの異世界で勇者と呼ばれているのが納得できなかったんだろうな。

この世界ではレベル100を超える者はほとんどいないためマサムネと俺は有名になってしまっていたんだ。マサムネはこの異世界を平和にして人々を安心させるために自分が王となって、この異世界に平穏をもたらすのだと決めて、魔王を倒しながらダンジョンを回ってダンジョンを攻略中だったというのに、それを台無しにしてしまったのは申し訳ない気持ちになった。俺はマサムネを殺すつもりで戦っていたのだから。

俺はマサムネが憎かった。この異世界を自分のものにするためにはこの異世界の支配者を倒さなければならない。そのために俺はこの異世界を救うために戦うことを決めたんだ。

マサムネが意識を失ったことでマサムネの身体から魔力が流れ出すのを感じた。この異世界は魔法が存在しているのだよ。だから俺はこの異世界に来た時からこの世界がゲームの中のような世界だと考えていた。俺は魔法という存在が大好きだったからこの世界に来た時にはテンションが上がったんだ。

この世界には魔法が存在しているが地球ほど発展していないんだ。しかし、俺が来たことで地球と同じレベルで発展し始めたんだ。

地球との違いは、モンスターがいるというところと、地球と違っているところが2つあるんだよ。

1つ目は魔族が存在することだ。この世界を支配する魔族は魔王と呼ばれるほどにこの世界の人を苦しめてきたらしい。そしてその魔族に対抗できるのはマサムネと、その弟のユウトの二人だけだった。そして、この異世界を作り出したのも魔族らしいんだ。この世界の人間は、その魔族に対抗するためだけに生み出されたと言われているんだ。しかし魔族も魔族の住む世界でこの異世界と同じように人々を支配していて、地球へ侵略しようとしていたところを魔王マサムネと勇者である弟に倒されたのだそうだ。

しかし、魔王は封印されただけであり復活しようとしていて、復活する前に魔王を討伐する必要があると言われているんだ。そのために必要なアイテムがあるらしい。俺は、マサムネと手を組んでこの世界を魔王から救うために動いているんだ。

そして俺はマサムネから教えてもらったんだが、この異世界には5つのダンジョンが存在すると言われているんだ。そしてダンジョンの1つに封印されているらしいんだ。俺は、魔王の力とやらを解放したときに得た力の1つで俺のステータス画面を開くことができるようになっていた。

俺のステータスはこんな感じだ。

ステータスはこのように表示され、このステータス画面にスキルが表示されているのだ。このスキルには魔王の力で発動できるものと、俺自身が習得して使えるようになっているものが分けられている。俺のステータスの欄にある『異世界召喚(異世界転移を含む)』『魔王の叡智』というのが表示されていて、さらにその下に表示されているのが俺が持っている全スキルだ。

まずは、『魔王の叡智』、『剣術』、『格闘術』、『槍技』などの攻撃系の技能と、『火魔法』、『風魔法』、『土魔法』、『雷魔法』、『闇魔法』、『氷魔法』、『治癒魔法』など、いわゆる魔法の属性に分類されるようなスキルも表示されている。

この異世界で手に入れたもの以外の能力もあるのだ。それは、マサムネに習って身につけた技術で『魔装闘衣』『神威降臨』『魔剣創造』という3つの能力が表示されている。これらの能力は魔族が使用するもので、この異世界には存在しなかったらしい。マサムネはこの世界を作ったとされる魔族が残したと言われる古代遺産というものを使ってそれらの能力を会得したらしいんだ。俺もその方法で身に付けることができたのは嬉しいことだったんだけどね。

そして俺はマサムネからこの世界にはダンジョンと呼ばれるものが存在していてダンジョンの最深部にはそのダンジョンを支配するダンジョンマスターという者が潜んでいるという情報を得たのだ。そして俺はマサムネとともにこのダンジョンに潜ることにしたんだ。そして俺がマサムネを殺した。

俺はレベル10億を超えたステータスと、この世界に存在するすべての魔物と人間の能力を合わせたようなチートステータスをこの異世界で手に入れたんだ。

俺が異世界から地球に帰ってきたのはマサムネとの決闘の後のことだった。

俺の身体からマサムネから吸収したはずのマサムネの力の一部が抜け出して俺の中に戻っていくように感じた。俺はマサムネからもらったスキルをこの世界で試したくて仕方なかったから、この異世界に来てからすぐにスキルを使うことにした。この異世界にはダンジョンがあり、俺はこの異世界で最強の男になるためにはこのダンジョンを攻略しなければならないと思ったからだ。

俺のいた地球とは全く異なる環境でありながらも俺は難なくダンジョンを攻略することができて、俺はこの世界で唯一の最強となったのだ。そして俺はこの異世界を俺の支配下に置くことにし、この異世界の覇者になろうと思った。俺は地球の人たちをこの異世界に連れてきた。この異世界の人々は地球人より身体能力が優れているのだがこの異世界の文明のレベルが低いために、地球人はこいつらに負けないようにするためにスキルという力を手に入れた。俺はこの世界が地球と同じくらいのレベルまで発達してくれば地球人でもこの異世界の人々と互角以上に戦えるようになると俺は思った。しかし、その必要はなかったみたいだ。俺のレベル99の力を使えばこの世界の住人たちは抵抗する間もなくやられてしまった。俺はこの異世界で最強の存在として君臨することができた。

この異世界にやって来た俺の目的はマサムネを倒すことだったがマサムネを殺して俺は最強の称号を手に入れることに成功したんだ。この異世界を俺の思うがままに動かすことができるようになったわけだ。この世界で俺よりも強い人間がいないとなればもう何も心配することは無いはずだ。

そう思っていたら急に目の前が明るくなったかと思うとその眩しさで俺は気を失ってしまったようだ。目を覚ましたときには俺はどこかわからない部屋にいた。どうなっているんだ?俺はさっきまでマサムネと戦っていてそしてマサムネをこの異世界に送り込んだ元凶である異世界転生をさせる能力を持つという女と対峙していたはずだったのに俺は今ベッドの上に寝ているのだ?そして俺は誰かに膝枕されていたんだ。そしてこの声色といい匂いといい、マサムネではないことだけはわかる。俺は目を開けることができなかったが恐る恐る顔を上げるとそこに現れたのはその女の人の顔だったんだ。

「目が覚めた?」

「ここはどこなんだ」

「私の家ですが何かありましたでしょうか」

「いや、大丈夫だ。助けてくれたのかな。すまないな」

「気にしないでください。私はお客さんをもてなすことが趣味みたいなものだから気にしてないわよ。あ、申し遅れました。私の名前はミコトと言います。年齢は22歳、好きなものは猫とゲーム。そしてお料理を作ること、あとは動物が好きで動物園によく行っています」

この女性は、見た目は20代前半に見えるので年齢的には俺の好みのタイプでもあるんだよ。

彼女はどうやら一人暮らしをしているようで、俺に飲み物を用意してくれて、食べやすい食べ物も用意してくれた。俺には食欲がなかったけど、なぜかその女性に用意された食事は口に合うもので箸が進むほどに俺は食べることができたんだ。彼女の作るご飯はとても美味しかったのである。俺はこの世界では何もしなくてもレベルが上がってしまうからレベルが上がるにつれて、食事をとらないと体調が崩れることがあるんだ。だから俺は定期的にレベルアップに必要なエネルギーは摂取しなければならないんだ。俺はマサムネとの戦いのときに体力の限界を迎えて気を失っていたのだから。

俺の今のレベルはいくつだろう? レベルが上がっているのかは俺のステータスを確認するしかないな。

名前 中村隆 種族 異世界人(異世界転移者含む)

職業 魔王 称号 レベル10億を超える者(上限突破済み)

HP 100000/100000000(10億ポイント)

MP 10000000(100万ポイント)

攻撃力 500000(50万ポイント)

守備力 4000(40万ポイント)

俊敏性 30000(30万ポイント)

運 500(4百万)

魅力 20000(200万ポイント)

【スキル】

異世界召喚(異世界転移を含む)

(NEW)

鑑定 偽装 隠蔽 アイテムボックス

(NEW)

言語変換 経験値倍増化 能力強奪 剣術 体術 格闘術 槍術 弓術 斧術 魔法剣 魔法盾 火魔法 風魔法 土魔法 雷魔法 闇魔法 氷魔法 聖魔法 治癒魔法 結界魔法 空間魔法 時魔法 重力魔法 生活魔法 魔法複合 固有魔法 召喚魔法 【エクストラスキル】

魔王 叡智 ステータス画面 アイテム召喚 異世界召喚 邪神の加護 魔王の支配 ステータス共有化 マサムネから奪った魔王の能力があるのを確認した。

この世界に来た時にマサムネが俺のステータス画面を見たことがあると言っていたがマサムネはこの世界の支配者だったんだろう。そして俺を異世界へ送ったあの女はおそらく魔王をこの世界に生み出した本人でありこの世界では魔族と呼ばれている。この異世界には地球と同じ人間が暮らしていて地球で言うとこの魔族は魔物と呼ばれる生物なのだそうだ。そしてこの魔族に地球からこの世界に送られた勇者によって滅ぼされようとしていた。そこでこの世界を作りだした創造神と呼ばれる女神は異世界から地球人を選びこの異世界へと送ることに決めたんだ。しかし、この世界で人類を守るために作られた組織があり、それがマサムネが所属する魔王の討伐を目的とする冒険者のギルドというものだった。そのギルドはマサムネの弟のユウトが所属していて、マサムネの仇である俺を殺すため俺に刺客を送り込んできたんだ。俺はその襲撃を受けたときに、マサムネから奪った能力の一つであるステータス画面を使い、このステータス画面から自分のステータスを確認できるようになっていたのだ。ステータス画面には俺がこの異世界に来る前に確認していたステータスが表示されているのだが、俺はマサムネを倒したときレベル1億を超えて2億に到達しそうなところでステータスは表示されなくなったのだ。そしてステータス画面の表示は消えたのだ。

俺がこの異世界で最強になったことを実感したのは、俺に倒されたマサムネが持っていた剣と鎧が突然現れたのだ。それはまるでゲームの装備を拾うようなものでマサムネの使っていた物が出てきたのだ。俺はそれを使ってマサムネと戦ったのだ。そしてマサムネを倒してから俺の身体にマサムネの剣が刺さり、そこから俺の中にマサムネの魂が入り込みマサムネと一体化し、俺がマサムネをこの異世界に転生させたということにマサムネの意識は気付いたんだ。そして俺を殺そうとしてきたのだった。

俺はこの世界の人間をこの異世界から地球に呼び出して俺が地球から持ってきた科学力を与えこの世界を地球と同じくらい発展させてから俺は地球の人々をこの世界に連れてきてこの世界を発展させようと思っていたのだ。この世界の発展が遅れているのは地球の進んだ技術を取り入れていないためにこの世界の人々がレベルを上げて身体能力を向上させていかなければならないからだ。俺は地球の人々にその手助けをしてもらえればもっとこの異世界は発達するのではないかと思い俺もこの世界で生きることにしたのだった。

俺をここに連れてきたと思われる異世界の転移者である女を探そうと俺は考えたのだが結局見つからなかった。この世界がどうなっているかを調べるために俺はダンジョンを制覇しようとダンジョンを探したのだがなかなか見つからずにいた。そしてようやく俺は見つけることができ、そこにあるダンジョンに挑んだ。だが俺はあっさりとそのダンジョンを攻略して俺は最下層のボス部屋にいたのだ。そこに現れるはずのダンジョンマスターを待っていたがいつまで経っても現れないので俺はそのまま帰ることにしたのだ。それからというもの俺はこのダンジョンを制覇した。すると俺はいつの間にか俺のレベルが99から100を超えていたことに気がついたんだ。この異世界にやって来てからレベル99になったはずなのに、なぜレベルが10も上がっていたのか俺には理解できなかったんだ。それで、この世界は一体どういうことなんだろうと俺は思ったのだ。そしてマサムネが俺に殺された後俺の中に入った魂のようなものも気になっていた。もしかすると、俺のこの異世界への異世界召喚はマサムネの意思なのかと思いマサムネが残したと言われる古代遺産を探すことにし、それをこの世界が作っているダンジョンの最深部に置いてあるという情報を得た。だから俺はダンジョンをひたすら探索し、この世界に来て3ヵ月後についに俺のレベルは99億まで上がりこの異世界で最強になることに成功したのであった。

この異世界にやってきてから5年経っていたのだった。俺はその間にマサムネから手に入れた魔王の力でこの世界を支配していった。俺はこの異世界を俺の思うがままに支配していった。

俺のレベルは99億まで上昇しているのだから、俺より強い人間はもういないはずだったんだ。

しかし、最近になってこの異世界を荒らしている人間がいるという話を聞いて俺は様子を見にいくことにしたんだ。その男のレベルは99億を超えるほどの実力を持っているという話を聞いた。その男の話を信じるならば俺と戦えるような人間がまだいるかもしれないと俺は思うのでこの異世界を支配するために俺は行動を開始する。

この異世界はレベルを上げていくための経験値を得る方法がないに等しい。俺以外の人間はレベルアップできないのだから当然だろう。そしてこの異世界ではレベルアップは人間だけではなく全ての生き物を成長させ進化させる効果をもたらさなくなっている。そのため人間を含めたこの異世界のあらゆる生物の進化は止まることになった。人間に寿命が存在するのも経験値を得ることがなくなったことで、人間の繁殖力が衰え、やがて衰退していくことを恐れたこの異世界の創造主は、この世界で生きることができる生物のレベルの上限を決めることを決定し、それによってこの異世界の生態系は安定するようにしたのだ。

俺はその異世界で最強の力を持った存在となった。そして俺が支配する異世界はどんどん発展していった。

異世界での暮らしはとても充実していた。異世界には俺以外にも多くの人間が来ているが俺のように俺の邪魔をしてきそうなやつらは始末して、そうでないやつは、奴隷や使用人として働かせることにした。そして俺をこの異世界に送り込んだ元凶でもある、この世界を作りだしこの異世界に人間を呼んだ女を探し出し、そして殺すことが俺の今の目標となっている。俺がこの異世界で好き勝手できるようになったのは、あの異世界の召喚をした女神を殺したからでもあるんだ。その女を殺すことができたのも俺がその女と対等の立場になれるだけのステータスを手に入れられたからでもあるんだ。その女は女神と呼ばれていて、この世界で死んだものたちを地球へ送り、この世界で死ぬべき者たちを送り、この異世界へ送ることを役割として与えらていたのだ。だからこの異世界に送られる地球の人々はレベルという概念がなくこの世界ではスキルを使うことができないのだった。この世界に来るときに必ず何かしらの力を与えられるらしい。地球人はこの世界に来たときに自分の持っている力を確認し、自分のスキルを知ることができるのだが、この世界の人間がスキルを使うことなどできるわけがないのだ。この世界の人間がこの世界でスキルを使ったりすればすぐに死んでしまう。そんなことも知らない異世界から来た地球人は次々に死んでいったのだった。

地球では、レベル1億を超える者なんて誰もいなかった。だからレベルの概念がなかった。俺もあの異世界の地球人たちが来るまではレベルの概念があることに気付かなかったくらいだ。しかし、この異世界はレベルを上げることによって身体能力が上昇し、魔力をコントロールすることによって自分の能力を底上げすることができる。そうすることによってこの異世界で生きる人々は地球でいうアスリートレベルの能力を得ることができるようになったんだ。そして地球で言えばアスリート以上の運動能力を得られるこの異世界人は地球にはいないんだ。だからこそ、地球人がこの異世界に召喚されるということは、この異世界にとって非常に重要な意味を持っていて、俺のステータス画面のような特別な道具を使い、この世界に呼ぶことは、この異世界がこの世界に地球から人を呼んでもいいという意思表示なのであろうと思われる。この世界に地球人を呼ぶ理由はただ一つだけ。地球人にこの世界に来てもらって俺たちのこの世界を守ってもらうために地球人を呼んだんだ。その地球人の使命は、この世界の魔族と魔物を倒すことである。

この世界に来る前に、俺と女神が話し合った内容を俺は覚えている。

俺が異世界に来た理由というのは魔王をこの異世界で倒すことだ。そのために、俺は地球でレベルを上げてこの異世界へ来たのだ。

この異世界に来た時に俺が最初に感じたのは、この異世界が地球よりも優れているということだった。それは地球とは全く違う文明が構築されているということでもあったんだ。

俺は、自分がこの異世界のどこかにいる魔族を探し出して殺さなければならないということをこの異世界に呼ばれた時、女神によって知らされた。

そしてこの世界は地球の科学力によって発展したように見せておきながら、実際は地球の科学とはかけ離れた発展を遂げていたのだ。俺はその技術を手に入れるべくこの異世界の人々と交渉しこの世界の発展に貢献した。その技術を手に入れたことで俺はこの世界を発展させることができ、この異世界の人々を幸せにすることもでき、地球人をこの世界に呼んだ目的を果たすこともできると思ったのだ。

この異世界の人たちはレベルというものを知らないのだから地球からやってきた俺がこの世界の常識を教えるために最初は大変だったが今ではすっかりこの世界の住民になっていると思う。俺もこの世界をこの異世界の人とともに守るために、俺は俺が得たステータス画面の機能をフルに使いこの世界を守ることにしたのだ。俺がステータス画面の機能である、ステータスの確認とレベルアップができることを知ったときはまだレベルが99億を超えていなかったので俺は、レベルアップのためにダンジョンのボスを倒していきレベルアップすることにした。そして、レベルアップに必要な数値が99万以上であることを俺は知ることになったのである。

この異世界ができて200年が経過しており、その200年の間、俺はこの異世界を守り続けて今がある。

200年も経過したということに俺は驚かされたよ。まさか200年間、俺はこの異世界にいたということになるのか。それはそれでいいかもしれないけどね。俺にこの異世界を守らせておいて俺は地球に帰れると思っていたんだよ。それがいつの間にか帰れないようになっているということがわかったんだ。俺はこの異世界を気に入ってしまったしね。それに俺は地球でも有名人になっていたのだからもう地球に未練はないかなと思っていたんだ。地球に戻ったところで地球じゃ俺の居場所がどこにもないからさ。それどころか俺のことをみんな怖がって避けていた。

俺をこんな姿に変えた女神を恨んでいた時期もあったけれど、俺は女神に感謝している。女神のおかげで俺の復讐は終わったからね。だからといって俺の大切な人がこの異世界の人達が殺されたことを許すことはできないんだけど。

俺の目の前に現れた男の名はケンジと言った。

「おい、貴様は俺の話をちゃんと聞いてるんだろうな?この俺に恥をかかせるつもりか?」

と俺に向かって男は言う。俺は彼の話を聞いていた。彼はどうやら俺と勝負したいようだ。

だがこの異世界でのレベル差は圧倒的でどう足掻いても俺に敵うはずがないのを彼もわかっているはずなのに何がしたいんだろう。

そもそも俺を倒せると思っているのだろうか。もしこの男が本当にこの世界最強ならば、おそらくは俺よりもレベルが高いはずだから俺は負けることはないかもしれない。それでもこの異世界最強の座が欲しくないと言えば嘘になる。

この異世界の連中を見ていてもわかるとおりにこの異世界の人々は基本的に平和的なんだ。しかし俺が現れたせいで彼らは俺を恐れるようになった。この世界の人々は地球のように平和的というわけではなかったからだ。

俺は俺がこの異世界にやってきたことでこの世界を変えることができるのではと思い、実際に俺はこの世界が抱える問題をこの異世界の問題をすべて解決することができたんだ。だから俺はこの異世界を好きになったし、そして、この世界の人間を心の底から守りたいと俺は思ったのだ。

俺にはこの世界の人間を俺のものにするという願望はなかった。ただ俺は、この異世界に召喚されこの異世界の人間が俺の故郷だと認識してしまったのだ。この異世界に召喚されたこと自体は悪いことではなかったと思ってもいる。だって俺は今まで経験したことのない異世界での暮らしというものを満喫していたわけだし。

しかし、異世界に召喚されたことによって俺の家族が死んでしまい、俺の人生が滅茶苦茶になってしまったのもまた事実なのだ。俺はこの異世界に召喚されるときに自分のステータスを確認するための特殊な機械をこの異世界の人間に渡されたのだが俺はその機能を使ってこの異世界に来た自分の姿を確認して愕然としたんだ。なぜならば俺の姿というのが、ゲームに出てくるような魔王の格好をしているからだったんだ。俺が異世界に召喚されたのは魔王討伐の旅に出ろという命令を受けてのことだったのだ。俺は魔王を倒すためだけに地球からこの異世界に呼ばれた存在なんだとそのとき俺は悟ったのだ。俺は地球で俺に恨みを持っていたものたちに嵌められてしまったのだ。だから、その復讐のために俺にこの異世界を支配させてくれと言ってきた俺の部下たちの気持ちは理解できる。そして俺のことが怖いという気持ちもよく理解しているつもりだ。だから俺が異世界の人々の前から姿を消すことには抵抗感がないわけじゃないが、仕方ないことだと割り切っていた。

しかしだ。その魔王というのは俺の姿を真似ただけで、実際には俺のことではない。この男と俺の関係性を全く説明していないことに腹が立ったんだよ。そしてその男も俺を馬鹿にしているようであったしな。そしてその男は剣を抜いて俺に対して攻撃を仕掛けてきた。その男のステータスを確認してみると確かにこの世界では見たこともないくらい高い数値が表示されていて驚きを隠せなかったが、そんなものは関係ない。たとえどんなに強い相手であろうと俺のステータスのほうが圧倒的に強いから問題なく勝つことが可能だろう。俺がこの世界で鍛え上げ手に入れたスキルの力を駆使すればこの異世界最強の存在にもきっとなることもできるだろうな。だけどな。俺に地球から呼び出されて俺と同じように異世界で勇者として戦わされているこの地球人を殺すつもりは毛頭ないんだ。俺と同じような立場にいる地球人だから、俺はこの世界を救うことが自分の使命であると思っているのだ。この世界で俺にこの世界を守るように頼んだ女を殺したとしてもそれは自分の意志によるものでありこの世界を守るためだから、俺は後悔することは決してないんだ。そしてこの異世界の人々をこの異世界で幸せにしてあげたいと思っている。そのためには地球から来ているこの異世界人たちが俺と同じような運命を辿るのは可哀想だと思ったのだ。だからこの異世界で生きるためには必要な最低限の能力だけを身につけてもらい後は、地球人の寿命を全うする分だけの金を与えてこの異世界で自由に生きてもらうことにしたんだ。

だから地球人の誰かがこの異世界に召喚されても俺のように地球へ帰ることができないようにしてこの異世界で暮らすことを強要するつもりは全くないんだ。この世界にいるこの異世界の人々とは友達になり仲良くなって欲しいとも思っている。俺にとってこの異世界の人たちこそが俺の仲間だったのだ。俺を裏切ったあの地球からこの異世界に俺を連れて来た奴らこそこの世界の住人たちがいう魔族という奴だと思う。俺はそんなことは絶対に許せない。俺から家族を奪った地球から来たこの世界の人々が俺に何をしてきたか思い出すだけでも憎く思えるよ。この世界に送り込まれてすぐに俺は俺のこの世界の本当の姿を見て、この世界と地球との関係を見直し、この異世界を守るために戦う決意をしたんだ。俺は、この世界を守りたい。だからこの世界は誰にも奪わせたくないんだ。この世界は地球人にとっても、そしてこの異世界の者たちにとってもかけがえのないものだと思ったのだ。この世界には魔物が住んでいるからね。地球のような安全な世界じゃなかった。だからこそ俺は、地球とこの異世界の人々を救える存在であり続けたいと願っている。

俺がそう思うようになったのもすべては女神のおかげなんだ。俺は地球にいるときはこの世界がどういう世界なのかも知らずに過ごしていたんだ。この異世界のことも地球にある知識で得た情報以外は何も知らなかったんだ。この異世界に来て最初に感じたのは恐怖だよ。俺はこの異世界の人々を騙していたという負い目もあった。俺は自分が地球人であることを隠してこの異世界に来たのだ。俺は地球のことについてあまり話すことがなかった。それはこの異世界の人たちに俺のいた地球を汚されたらどうしようかという不安があったのだ。俺のいた地球を、俺の家族がいたこの地球を俺の仲間たちの大切なものを勝手に踏み躙られたくないと思っていたんだ。

俺はこの異世界の人々に自分の正体を打ち明けることを決意した。俺は地球に戻れないことを知っていて、この異世界が気に入ったということと、俺は本当は異世界からやってきた人間だということをみんなに打ち明けたのだ。みんな俺の話を聞いて驚いていたが受け入れてくれたよ。そしてみんなはこの異世界のために一緒にこの異世界を平和的に発展させて行こうと約束してくれた。そしてみんなで力を合わせて頑張って来たんだよ。俺はこの世界の人と一緒に頑張れたらいいと思った。みんなは、俺に頼りきりだったけど、俺はみんなの力を借りなければ生きていける自信がなかったからね。それに俺は、自分のステータス画面に表示されるステータス数値が他の人に表示されないことに気づいて、そのステータスの数値を見ただけで俺のステータス数値がどのくらいのものかを把握できるのは俺だけだったんだ。このステータス画面は俺にしか見えないものらしくて、他人に見せることもできないし、俺以外には操作できないらしい。そしてこのステータス画面は他人が見ることのできない特別な画面であって、俺がこの異世界で習得した能力を表示するための画面でも、経験値を得るためのレベルアップ画面でもあるということがわかったんだ。この世界には魔法があって、俺はその世界に住むみんなから教わりながら魔法の使い方を覚えたんだ。そしてみんなは俺を信頼して仲間になってくれたんだよ。俺はみんなを守りたかったから、この世界の平和のためなら何でもできる気がした。俺はこの世界が好きだからね。この異世界に召喚されてよかったと思ってるよ。

この異世界では、みんなから「先生」と呼ばれてるんだ。俺はみんなに教えることができることが嬉しかった。俺は、この異世界に召喚され、この異世界に平和をもたらした勇者だとこの異世界の人々は俺の事を呼んでくれるんだけど、俺はそんな風には呼ばれなくても良かったんだ。俺のことを「お兄ちゃん!」と呼ぶこの女の子の笑顔がとても眩しく感じる。彼女は、いつも明るく元気でこの世界を俺が守ると決めたのは彼女が俺に笑いかけてくれるこの瞬間の幸せをいつまでも大切にしてあげたいと俺が思ったからだ。俺は彼女に惚れていたんだ。

だから俺は、彼女やこの世界を守るためならばどんな敵と戦うことも躊躇わない。そして、この異世界の人々はみんな良い人で、みんなが平和にこの世界で過ごせるように俺は全力を尽くしたいと常に思っている。

俺には俺に好意を抱いてくれる少女もいるが、彼女の気持ちに応えてしまうと、俺はこの異世界を守れなくなってしまうような気がしている。俺に告白をしてくれているのは、魔王軍の四天王の紅蓮の女騎士と呼ばれている人物だ。そしてこの異世界に俺が現れたとき俺が最初に倒した魔族の生き残りの一人なのだ。そして俺は彼女を自分の配下に加えて、自分の身近に置いているんだ。

俺が召喚される前は魔王軍は人間たちと対立していて激しい戦いを繰り返していたんだ。だからそのせいもあって魔王軍の幹部たちは皆人間たちに復讐しようとしている。だからその幹部たちとの戦いで命を落とすものもたくさん出てきてしまったんだ。

だけど、そんなことがあっても、人間たちもこの異世界の人間たちに負けず劣らず団結力が凄まじくて何度も俺と戦おうとするくらいにこの世界を守ろうとしていたんだよ。俺の故郷はこの世界で俺の家族もこの世界に住んでいるからな。家族のために俺は負けられないんだよ。そして、家族のために俺はこの異世界の人々の期待に応えていきたいと思っている。地球からの勇者召喚は俺が最後だったようだからな。だからこの異世界を救うことのできる最後のチャンスなのだと思うのだ。俺がこの世界を救うために生まれたんだと俺は考えている。地球は、俺たちの世界はもう二度と戻ることはできない。だからこの異世界を救うことで地球への償いだと思えば少しは気が晴れるような気がするのだ。

そしてこの異世界の人々と、この異世界を守っていくと誓った俺とで、この異世界を侵略しようと企む魔族の国との戦争を繰り広げているところなのだ。魔族は本当に強敵なんだ。だけど俺は諦めない。この世界を守るために俺はこの世界で死ぬかもしれない。そして死んだ後に、この世界は地球よりも素晴らしい場所だとみんなに認めてもらいたい。この世界には俺がいなくなってからもこの世界で生きていく人が大勢残っているんだ。だから、地球からきた俺の仲間である地球人たちと俺に救われたこの異世界の人々との絆がずっと続いて欲しいんだ。地球からやって来た地球人の誰かが地球へ帰ることができれば、この異世界から地球人がいなくなった後で、地球はまた元通りになれるのではないかと俺は思っているんだ。そう考えないと俺が死んでも悲しむ人はたくさんいるんだろうなって思うんだ。俺は、地球とこの異世界を守り続けるんだ。そして俺の命が消えるそのときまで俺はこの世界で生き続けてやる!俺はこの異世界と地球で幸せになりたいのだ。それがこの世界から地球に来てくれてこの世界を救った英雄に対する最大の恩返しになるのではないかと考えている。俺にできる恩返しはこの世界を守り抜いてみせることしかないからな。

この異世界を救うことができるのは地球人の中で最強の存在である俺だけだろうと思っている。この世界で最強と言われている存在と互角に渡り合うほどの実力があるこの世界の住民なんて地球にもいなかったんだ。この世界は俺が救ってやらないと駄目だろう?この異世界にはまだ地球人が来てないんだから、この世界の人たちだけでどうにかできるとはとても思えないんだ。

この異世界は、地球から異世界へとやってきた地球人の仲間たちによって救われたんだ。そして地球からは今もこの異世界のために地球に残った人たちも、この異世界に来ているんだよ。この異世界で生きることを決心してくれた地球人たちがこの異世界で暮らして幸せになることこそがこの世界が地球人の地球に対しての贖罪になると俺は思うんだ。

俺は今、俺に付いてくると言ってくれたこの世界の住人と共に魔物たちが住まうダンジョンを攻略している最中だったんだ。俺には仲間たちがいる。そして俺と一緒に来てくれた仲間である地球の人々とともに、俺は俺の住む異世界の魔物たちを倒しまくったんだ。そしてこの世界に存在するダンジョンと呼ばれる建物を攻略することによってこの異世界を俺のものにすることに成功し、そしてこの世界の人間たちを奴隷にして好き放題やっていた魔王軍の幹部たちを倒して俺のこの異世界における目標を達成することができたのだ。

だが俺は魔王を倒すために旅を続けていたのだ。この異世界に平和を取り戻すという目的が叶ってしまった以上、俺は地球に帰らなければならないという義務が俺の心の中にあるのだ。この世界で生まれ育ったわけでもないこの世界に愛着も特になく、ましてや地球から召喚された俺が、地球に帰れなくては意味がないと俺は考えている。地球に残した家族に俺は胸を張って報告することができない。この世界に俺を救ってくれた神様のような存在がいてそのおかげで地球に帰れることになったと報告したいのだ。

そして俺は、地球の人々を、地球に残された地球人を救うという仕事を全うして俺は地球に帰るのだ。地球で苦しんでいる人々はきっと多くいることだと思うのだ。だからこそ、俺は絶対に地球に戻って地球に住む人々の笑顔をまた取り戻すのが俺の使命なのだ。俺がこの異世界をこの世界の人々に返さなければこの異世界の人々は地球へ行くことができなくなるんだからな。俺は、この異世界を俺の大切な家族のために守りきるのだ。

俺の名前は「神野拓海」と言う。俺の家族は地球に残っている俺の友人達だけだ。俺の両親はもういない。俺の両親とも、地球に取り残される俺を心配しながら俺のことを応援してくれていた。そんな両親が俺は大好きだったんだ。でも俺はこの異世界を救うという夢を持って地球を去ろうとしたときに俺を止めようとした両親の願いを振り払って、地球に残してきたみんなを見捨ててしまったことに深く後悔していたんだ。あのときの俺はこの異世界で生きていくことを必死に決意していて、そしてこの異世界での平和を維持するために戦う覚悟ができていたんだ。でも今の自分は、地球に戻りたくて、どうしても戻りたくてもがいている自分しか思い浮かばない。地球に未練があるわけではないんだ。地球は俺が愛するこの世界以上に素敵なものなど存在しないのだと思えるようになったからだ。しかしそれでも、やはり俺は地球に帰りたいという想いが心の中に存在しているんだ。地球で生きている人々のために、俺には何かができるのではないかという希望が消えていないんだ。

それにしてもこの異世界は本当に平和な世界だ。争いもない、人々が幸せに暮らすことのできる優しい世界なのだ。俺はそんな平和が守られてさえいればそれで良いと思うんだ。俺にとって、この異世界の人々はもう友達だからな。そしてこの世界を守るという自分の役目を果たし終えたとき、俺は地球に帰ってもう一度自分の役割を果たさなければならないという使命感を抱いているのだ。そして俺は地球に戻ってきたとき、地球に住むみんなに笑顔が溢れていることを願わずにはいられないんだ。

この異世界には平和が戻った。この世界は、俺がこの世界にいるうちに平和を維持することができそうだ。俺は自分の力を全て出し切ってこの異世界を守ったんだ。この世界ではもうこれ以上は強くなれないだろうけど、この異世界で俺は十分すぎるくらいに強くなった。俺が今まで生きてきた人生の中でも最高の時間を過ごせたんじゃないかと思っているんだ。俺はこの異世界が好きだ。この世界で平和を守っていくことにはやり甲斐を感じる。地球がこの世界で平和になればいいと思っているのだ。俺はこの異世界の平和を守るためならば、命を賭けてこの世界を救うことも厭わないのだ。

「みんなありがとう!俺のわがままについてきて貰って申し訳ないと思ってはいるんだ。みんなを必ず無事に俺の故郷に連れて行って見せるよ。みんなを俺は絶対守るから」

俺はこの世界で、一緒に戦ってくれている仲間たちに頭を下げ、そしてお礼を言うのであった。そして俺は魔王を倒した。これで俺は地球へ帰ることができると喜び勇んでいたときだ。この世界にやってきた地球からこの異世界に召喚され、この異世界を侵略しようとしていた悪逆非道な魔族の首領を討ち取り、この世界を救ってこの世界を救った英雄として称えられることになろうとしていた男に、俺はなぜか呼び止められたんだ。そして、そいつに、そいつが魔王討伐を果たした瞬間に俺の前に転移させろと頼まれた。

俺はそいつがなぜそんな頼み事を俺にしたのかが理解できなかったが、とにかく言われたとおりにすることにした。そのあとすぐに俺の意識が遠のいて行くのを感じた。そして俺が再び目を覚ますと俺は真っ暗な場所にいた。ここはどこなんだろうか?俺はこの空間から外に出られる出口のようなものを探すために辺りを歩き回っていた。俺は気が付くとどこかわからないところに一人きりでいたのだ。

それからどれくらいの時間が経過したんだろうか。俺には全くわからなかったが突然俺は光に包まれるような感覚を覚えて眩しさで俺は目を開けることができずに、しばらくのあいだ瞼を閉じていると光が収まり、俺はやっとこの世界を見ることができるようになっていた。そして周りに人の気配を感じなかったから俺はこの世界の住民に助けを求めようと思い行動を開始しようとすると目の前には一人の老人の姿がありこちらに向かってきた。

この老人を見たときに、俺は一瞬だけだがこの老人が誰なのかがわかってしまったのだ。この異世界を救った英雄であるはずの男が、魔王を討伐したその瞬間にこの世界に現れて欲しいと言い出した男だということも。だからこの世界に来たばかりで、しかもまだ何の情報も手に入れていないために何もできないでいる俺にこの世界のことを教えてくれる人物が現れたのだと思ったんだ。そして俺は彼に俺を導いてくれないかと尋ねたんだ。

この老人はどうやらこの異世界の賢者と呼ばれているようで、そして俺は彼に導かれながら様々な場所へ足を運び情報を手に入れていったんだ。そして彼が言う通り俺はこの世界を救うために異世界から召喚されてきた英雄だったのだ。そして彼は俺のことを助けてくれた恩人であり友人であり俺に色々と助言をして、この世界を救うための情報を俺に与え続けてくれている存在でもあった。この世界にやって来てから既に二年以上の時間が経過するのだが未だに俺はこの世界のことを詳しく知ることができなかったんだ。俺はこの世界から地球へと帰る手段を探してこの世界で暮らしているんだけど、一向に地球に戻るための情報が入ってこないんだよな。どうやらこの世界から地球へ帰れる方法はあるらしいのだけどそれを使えるようになるために必要な素材や道具を俺は集めることができないでいるのだ。

俺はこのままじゃ駄目なんだ。早く地球に戻って地球の人たちに笑顔を取り戻してほしいと思っているからな。地球に残されたみんなも俺と同じようにこの世界と地球に別れなければならないという決断をしなければならなくなってしまっているはずだからな。だからこそ俺は一刻も早く地球に戻らなければいけないと思っているのだ。俺はこの異世界のみんなのことが好きになっているから、みんなと離れるということはとても寂しいのだ。この世界に残りたいと思っている気持ちがないわけではないのだ。しかし地球で暮らす人たちがこの異世界よりも遥かに苦しい生活を強いられてしまっているのだ。地球で生きる人たちのことを考えると俺のこの異世界での目的は達成されてしまった以上、俺はもう帰らないわけにはいかないんだ。俺は地球で笑顔で暮らせるような世界にするためにこの世界を守るために戦うんだ。それが俺にできる最後のこの異世界への罪滅ぼしになるだろうから。

俺は今日、この世界を救うことができるかもしれないアイテムを手に入れることに成功したんだ。俺のことをこの世界へと導き助けてくれている存在はどうやらこの世界で一番の賢者だったようで、俺をこの世界から地球に戻すためには、その世界を救うという使命を持つ者が装備しなければならないとされる伝説の剣を、この世界に存在するすべてのダンジョンをクリアすることによって出現するボスを倒し、そして俺が地球から持ち込んだこの武器を、この世界で唯一無類の力を持つ存在だという存在に打ち込む必要があるんだ。そうすれば、この異世界に存在するすべての存在を屈服させるほどの圧倒的な力を得ることが出来ると言われているのだ。そしてこの世界の英雄が装備すると、魔王ですらこの世に存在するあらゆる魔法、魔術で倒すことができない最強の力をその身に備えるというのだ。そんなものが本当にこの世界にあるとは信じられない話ではあるが、俺が地球に帰ることを可能とするのはその武器だけである可能性が高いので俺は信じているんだ。その力を得て地球に帰ることができたならば、この世界に残って俺を支えてくれたみんなに感謝の意を伝え、そしてこの世界の平和を守り続けるということを約束しようと思うんだ。そして俺は、この世界に訪れるであろう平和を俺が地球に戻った後も守っていくのだ。

「この世界に俺がいる間だけでいいからこの世界の平和を俺に守らせてもらえないか?」

俺は地球で待っている家族のことを思い浮かべ、この異世界を救えたことで、俺は家族の元へ帰り、そしてみんなが笑顔で過ごすことのできる平和を取り戻すために俺はこれからの人生を使うんだという覚悟を決める。地球から召喚され、地球の人々を救う使命を与えられているこの俺こそが地球で苦しんでいる人々の希望となるのだから。

俺はこの世界に来てから既に十年近い月日が流れているが未だ地球へ帰れていないんだ。俺はまだ地球に帰りたいと願い続けながらも、自分が地球に残してきた人々に心の中で謝罪しながら毎日を生きていたんだ。地球では俺がいなくなったことで悲しんでいる人たちがきっとたくさんいることだろう。俺はそんな人々を思うと心が張り裂けそうなほど辛いんだ。地球に残る両親にも心配をかけていて申し訳ない。俺は地球に帰りたいという想いを抱き続けているのだが、俺に残されている時間はそれほど長くはないだろうと薄々気が付いていたんだ。

地球で苦しんでいる人々のためを想うならば、俺はもうこの異世界に居続けることはできないのだ。この世界のために戦い続けてきたのは地球に残した人々を救うために俺ができる唯一のことだからだ。しかしもう俺は十分にこの世界で戦った。地球の人々が平和に幸せに暮らすことができるならば俺は満足なのだ。しかし俺には地球に戻りたいという欲求がある。そして俺はこの異世界の平和を守っていきたいとも思っている。だがしかし俺はもう地球で平和を取り戻したいなどと考えるのはもう止めることにするんだ。俺にできることは全てこの異世界にやり遂げたのだから、後はもうこの異世界の仲間たちのために命を賭けて戦うのみだ。もう俺は地球で笑顔に暮らす人々がこれ以上悲しい思いをしないためには、もう俺はこの世界に留まるべきではないと思うのだ。だから俺はこの異世界で平和を維持するためだけに命を賭けて戦ってきたのだ。

俺の家族はこの異世界で俺の帰りを待ってくれているはずだ。俺がこの世界へ来るときに持っていたスマホも今は俺のポケットの中にある。しかしもう俺の手元から離れてしまって久しくなってきていたのだ。それに俺の家族もこの世界で暮らしていく上で不自由しない程度の財産を所持している。だからこの世界に俺がいなくともなんとかやれるだろう。もし万が一何かトラブルに巻き込まれてしまったならば、俺は地球の家族に連絡を入れるから大丈夫だと思うんだ。だから俺が今ここでやらなくてはならないことはただ一つ。俺の命を使ってでもこの世界を守るんだ! この世界にやってきてからずっと、地球に残った人たちのために生きていくことだけを考えて生きてきた。そしてこの世界を救いたいと思い続けたのだけれど、ついにその時が訪れたようだね。俺は、自分の力でここまで来ることができたよ!そして遂に俺は手に入れた!この異世界を救う力を手に入れた!俺はようやくこの世界を去る時が来たのだと確信するのであった。この異世界の仲間たちに別れを告げることが少しだけ名残惜しいが仕方のないことである。そして俺は仲間たちの前から姿を消すことを決意したのだ。この世界へ来てからはいつも共に戦ってくれた大切な仲間たちだから、俺は地球へ戻るときに必ずまた会えると確信していたんだ。だから俺は仲間に地球へ戻ったときに会いに行くと伝え、俺を慕ってくれるこの異世界の住人たちに俺が地球でどんな風に過ごしていたのかを楽しく語ってあげると約束し別れた。俺を尊敬していくれる住民たちとの思い出をしっかりと胸に刻み込みながら俺は旅立っていった。

そして俺は、この異世界に俺を召喚させた魔王を、この異世界に召喚されたときに手にしていた武器を用いて討伐することに成功したのだ。そして俺は地球に戻るために転移の力を発動させるために準備を開始した。まず俺はこの世界で得た力を封印することを試みた。そして次に、この世界にこの異世界を救うためにやってくるはずの救世主を待つために、俺は地球から持ち込んだこの世界に唯一存在する伝説の武器を使い結界を創り出すことに成功して、俺を英雄と呼び、そして俺とともに歩んでくれたこの世界を救った英雄である勇者が、いつかまたこの異世界を救うことを望みつつ、その使命を果たした英雄が再び地球に戻れますように、その力を解放することを願うのであった。そして俺は英雄の役目を終えたのであるから地球へと戻るための扉を開けるのだった。

そして地球に戻った俺には新たな生活が待っていた。

この世界から俺に託されていた役割を俺は無事果たすことができ、そしてこの世界に俺がいた記憶は、俺以外のこの世界のすべての者たちが忘れてしまうらしいのだ。俺はそのことを事前に知っていたのだ。だからこそ俺には地球へ戻ってきたという実感が湧かなかった。それはこの世界で過ごした二年以上という歳月の間に、俺の生活の中にすっかりと地球で暮らしていたという感覚が生まれてしまっていたことが原因で、どうやらこの二年間という歳月は俺にとってあまりにも濃いものだったようで、俺は地球で新しい人生を歩み始めてから一年という歳月が経過していたが、まだ一年しかこの世界で生活をしていないのではないかと感じるようになっていたんだ。それくらい俺にとってこの世界は特別でありすぎたんだろう。

それから一年という月日が流れたんだが、俺は地球での生活に慣れることができずにいて、やはりまだ異世界で生活してきたこの二年間が強烈すぎてなかなか前に進むことができないでいた。

しかし、いつまでも異世界にいたときの事ばかりを考えているわけにもいかない。

俺にはやらなければならないことがあるのだから。そのために俺は再び地球に戻ってくることができたのかもしれないのだから。そして、俺は俺を支えてくれたみんなが俺のことを忘れないように、俺が地球に存在していたのだという事実を残す必要がある。

そして俺は、地球から異能の力とこの異世界に残されていた伝説のアイテムを手に入れることによって、俺は地球に平和をもたらした存在として歴史に残る人物になったんだ。俺はそんな歴史に残る偉業を成し遂げたというのに未だにニート生活を続けているという現状がある。まあニートはニートで俺は地球へ戻っても異世界での体験を活かして働くつもりはないのでいいのだ。そして俺は俺の愛する家族のために、地球で暮らすみんなに笑顔を取り戻すための努力をしようと決意した。

この物語は一人の男が、地球へと戻ったときに異世界で出会った仲間たちのために、この地球を、そして世界中の人々を、笑顔にすることができるかどうかの物語なんだ。そして男は今日もまたこの物語を読み返している。

この物語の主人公は、異世界から地球へ帰ってきたばかりの男である。この男は自分が成し遂げたことによってこの世に誕生した歴史的偉人であるということを知らなかったのだ。そして自分がどのような立場にある人物であるかということは知らず、自分はこの世界でただ平和を願って戦っただけなんだけど、気がついたらこの地球ではヒーローになっていて、そんな俺にたくさんの仕事の依頼がくるようになったので、とりあえず今はニートでいる。

俺がニートなのは、異世界で魔王を倒してこの世界に平和を取り戻した後、地球に戻ってから、みんなに笑顔になってもらおうという想いを抱いて仕事をしてみようと努力をし始めたが、しかしなぜかうまく行かないんだ。

それで、この世界の人々に、俺を尊敬してくれる人たちに対して、そんなみんなが笑っているのを見てみたいから俺はみんなのために一生懸命働いて、みんなが俺に感謝してくれるようになって、そうやって俺の作ったこの世界はどんどん発展していき、そして俺はこの世界の英雄となった。

俺にできることはそれだけだったんだ。

でも、そうすることで地球が幸せになれているならば、これで良かったんじゃないかって俺は思っている。だって、地球は平和になるから、俺は笑顔の溢れる世界を作りたいって思って頑張ってきたけどさ、この世界でみんなが笑顔でいてくれた方が俺は幸せなんだ。だから俺にできることはこれしかないんだよね。

そしてみんなが笑顔でいてくれるからこそ俺もこの地球で生きる意味があるんだよ。

だからこれから俺は俺を必要としてくれている人たちに喜んでもらえるよう頑張ることにするよ。この地球の平和を守るためにね! これは俺がこの地球で初めて行った異世界でのお話。

「俺の名は勇者マモル!この世界に巣食う悪の魔王をこの手で倒すべく異世界から召喚されし者なり!この異世界を救わんと地球よりやってきた!この俺にまかせろ!」

俺は勇者。地球という平和を愛する惑星に生まれた俺はこの世界に異世界から訪れた邪神と戦う運命にあったのだ。

俺はまだ若い二十歳の大学生で、地球で普通に暮らしていてある日突然にこの世界へと召喚された。そしてこの世界を救うための戦いに巻き込まれた。

この世界を救うためにやってきたのは俺だけではなく、俺と同じ世界からこの世界を救うために俺と一緒にやってきた人たちが大勢いたんだ。俺たちは皆地球からの救世主と呼ばれて一緒に戦っていたんだ。そして俺を含む多くの仲間と共に、俺は異世界の平和を取り戻し、地球へと帰るために戦った。でも俺は、仲間たちが次々と倒れていき、この異世界を救うことが本当に地球を救うことになるのかと考え始めた。そこで俺の思考が停止してしまったのだ。そしてその考え事をしていた一瞬のうちに仲間の一人が俺の代わりに戦ってくれて死んだんだ。

その後俺は戦い続けたがとうとうこの異世界を救うことができなかった。俺がこの異世界の平和を守ることはできなかったんだ。でも仲間たちは俺のことを信頼してくれていた。そして最後まで俺を信じ続けてくれていた仲間に俺は救われたんだ。そして俺は仲間の犠牲によって平和を守ることに成功したんだ。俺一人ではどうすることもできなかっただろうけれど、俺は一人ではなかったから。一人では守れないものも二人なら守り抜くことができる。俺はそれを理解して、そして俺を支え続けてくれた人々に感謝しながらこの異世界での死を受け入れた。俺は死を受け入れることができ、この世界を守ることができたことを喜んだ。俺はもうこれ以上の未練はなく死んでいけると悟った。

俺はもう思い残すことがないと思ったのだ。

だからこの世界を守るための結界を維持する必要もなくなってしまい、そして俺がこの世界から去ることで世界が滅んでしまうような心配もなくなってしまった。なぜなら俺が死ぬからね。この世界のことはもう安心だと思ってくれたならばいいんだ。もう何も恐れることなんてなくなったんだ。

俺は仲間たちに最後の別れを告げて旅立った。俺のこの世界に生きた証を残すために。そして、地球で俺のことを覚えていてくれた人がいるから。そして地球で、この世界を救うことができなくなった俺を見守ってくれた人たちのためでもあったから。だから俺は地球へと戻ることを決めた。

俺には地球に戻らなければいけない事情があった。俺は仲間とともに魔王を封印した。その封印した魔族の王が復活する時が来ることを俺は知ってしまっていて、この世界はいずれ滅びを迎えるのだそうだ。そしてその復活の時期までそれほど長い時間があるわけではないのだ。このままでは俺の愛していた仲間は、この世界の住人たちは、地球に住む人たちは全てこの異世界のように、俺の住む地球さえもが滅びを迎えてしまうということだった。俺はこの事実を知って、どうしてもそれを防ぐことができないのかと必死に調べたが、この異世界に俺が魔王を倒すまでに得た全ての情報や知識を使ってもそれを覆す方法は発見することができなかったんだ。俺は地球にいる人々がこの異世界で起こっていることと同様の出来事に巻き込まれて死んでしまう前にどうにかしなければならなかった。

俺の仲間が魔王を封印するために犠牲になり、そして俺もまたこの異世界を平和に導いた功績から地球で歴史の教科書にも名前が残るほどの偉大な人物として称えられることになったのだが、それでも俺は諦めたくなかった。だから俺はこの地球を救う方法を探すべくこの異世界に残っていたのだから。

俺は異世界から戻ってきた時に持っていた伝説の武器を手に持ち、そしてこの世界に再び舞い戻ってきた。俺が地球に残した痕跡はこの武器のみだ。その武器に俺は地球を救う願いを託し、俺はこの異世界に戻ってきた。この武器は地球を救うために必要不可欠なものであり、俺にはこの地球へ戻ってくらなければならなかったのだ。

俺が再び異世界の扉を開くとそこには俺の仲間とこの世界を救った英雄たちとこの世界に残った仲間たちがいた。俺は彼らの協力を得ることに成功し、そして仲間たちの協力により俺は再びこの異世界で平和を取り戻すことができた。そして俺を慕う者たちの尽力もあって地球の危機を乗り越えることができた。俺は再び仲間たちの力を借りることができ、俺は仲間たちと共に地球の日本と呼ばれる国へ帰り、そこで暮らしていた。そして俺は、自分の家族や友人や知人たちが無事であることを確認することができたので、この異世界へ来る前のような普通の学生の生活へと戻ったんだ。

ただ俺の中にはこの異世界で共に過ごし、助け合って戦った仲間が残してくれたこの世界で生きていくための信念が残されていたのだ。それは地球でこの異世界で起こった悲劇の記憶を後世に伝え続けることだった。そのために俺は、あの異世界で出会った仲間の名前を使い続けることにしたのだ。そして地球で俺のことを助けてくれた人々にもそのことを伝えたんだ。俺の大切な人がこの地球を守っているんだよってことを俺は伝えたいって思っていたから。

だから俺の両親は今俺がどんなところで暮らしているかを知らず、両親には俺は海外に留学していることになっている。もちろん留学先からたまにはメールを送り、生存報告だけはしているのだよ?俺には親不孝をしたっていう自覚もあるし。しかし俺が連絡をしないと両親は俺を心配しすぎて大変なことになってしまうらしいし、仕方がないんだよなぁ。

そして俺の家族が住んでいる家は一軒家で俺は一人暮らしをしているのだ。俺が生まれ育ったのは日本。でもこの日本には、かつてこの世界を滅ぼしかねない脅威が現れたことがあるらしいんだ。そしてその脅威は地球で暴れ回った。そして地球で人類と異世界の生物たちの力を借りてようやく倒せるというレベルの存在で。だからこの地球の人類も異世界からやってきた異世界人の助力を受けなければ滅亡していたのだという。俺はその時の生き残りであるらしいんだ。俺は、地球に残されたその時の資料などを読んだり、当時の異世界の戦士の記録を調べたりしたが、残念ながら俺にできることは限られていたのだ。

俺はその当時の地球人たちが残した記録を見て驚いたよ。異世界人たちは地球を守るために命がけで戦ったんだ。そして異世界人の力が地球人の科学力を遥かに超える凄まじいもので、それでいて地球を救おうとしていることに俺は感動し、そしてこの世界を救えなかった俺を恥じた。

だからこそ俺は、俺を召喚した異世界からこの地球を守るために戦ってくれた仲間たちのために、そして異世界からやってきた人々と、この地球の平和を守ろうとした異世界の人たちのために、この地球を、みんなを守りたいと心の底から思うようになっていたんだ。俺も、異世界の人たちの気持ちが少しわかるようになってきたのかな。

俺の仲間たちの多くはこの地球にはいなかった。この世界のために命をかけてこの地球を守ったんだ。俺よりも先に地球に帰った人たちもいるから、地球では英雄として扱われていて当然だろう。そんな彼らには申し訳ないが、彼らのほとんどは地球に残っている。この地球に残る理由もあるので俺は彼らの意志を尊重しているんだ。それに俺の仲間たちにこの世界で得た記憶は残らなかったから。でも地球にいる友人たちには、みんなが俺を見守ってくれていたことを覚えていてくれるようにしたいと思っている。俺にできることはそれぐらいしかないんだ。地球にいる人たちには本当に感謝しかないから。みんなにはこの地球で平和に暮らせることを喜んでいるからね。俺なんかに気を遣う必要はないから。

この異世界で平和を取り戻したこの地球の、この平和を守る為に俺はこれからも戦うんだ。この平和は、俺を救ってくれた仲間たちが守ったんだって忘れないでほしいって願っている。俺だけじゃ絶対にできなかったことだと思うから。でもこの平和を、そして俺たちの世界を守る為なら俺はまだ戦える!俺は、まだやらなければならない事があるから。

だからもう少し、この平和な世界でのんびりと過ごしたいなと思うのは俺の我ままだろうか。この平和な地球で暮らしたいなって思ってしまうんだ。そして、俺を支えてくれた人達に感謝しながら生きていきたいんだ。俺はもう戦わないよ。でも戦えないわけではないんだ。俺は、この平和を脅かす何かが現れればそれを全力で排除するつもりで、そのための準備は怠らないつもりでいるから。そしていつかは平和を取り戻せたらいいと俺は思っているよ。この世界の平和を取り戻すために俺は戦い、そしてその平和を勝ち取った。

でもその平和を維持することは本当に大変で、平和を維持する為に俺にはやらなければいけないことが山ほどあったんだ。俺は平和を勝ち取ることができたけれどもその平和を維持するための人材が不足しているというか、まあそういうことだ。平和を維持していくことが難しいんだ。俺は平和の維持の為にこの地球に来たのだから、その役目を果たす必要があると思ってこの世界へ戻ってきたんだ。でも地球には俺以外にも多くの救世主がいるんだ。そしてその多くの救世主は異世界へと行ってしまった。俺はこの世界に残った救世主として、俺にできる事を精一杯やり、この平和を守るんだ。それが地球と異世界を守ることになり、そして平和を保つのにもつながるのだから。そう俺は思っているんだ。

俺の使命は俺が異世界の勇者だと知った人たちの手助けをすることだ。俺がこの地球で生活できるように支えてくれた人達に、俺は俺に出来る事であれば何でもすると決めているんだ。そして俺は、地球を守る英雄になることができたのだから、その英雄が困った時に頼られるような、この地球と俺の仲間の故郷を護ることのできる存在でありたいと思って生きているんだ。

俺は今日も俺を支え続けてくれた仲間と共にこの世界の平和を守っているんだ。この平和が続くように、俺も俺を支え続けてくれた仲間たちと一緒に、そしてこの地球に住む仲間たちも守り抜いていくつもりなんだ。この異世界から召喚されて俺とともにこの世界に生きることを選んだ仲間たちとともに、な。

このお話はフィクションです。実在の人物団体とはいっさい関係ありません 俺の名前は中村真一。この地球と、俺の仲間が住む異世界を救うために旅をしていた俺の物語はここでいったん終わりを迎える。しかし俺の仲間たちがこの地球で平和な生活を送ることができたことで俺の仲間たちはこの異世界へ来ることはなかったのだが、この物語が紡がれていたということは事実なのだ。そして地球では平和が訪れて平穏無事に暮らしていたというわけさ。だからここから先の話はこの世界にいた勇者たちの後日談みたいなものということになる。そして俺と仲間たちはその後どうなったのか?ということが知りたい人たちもいるかもしれない。だがこの世界で起きた事実を知りたい人はあまりいないのではないかなとも思ったりするのだが。それでもこの世界を救った英雄たちの活躍と軌跡とその結果について知りたいという人も多いと思うので、この後の俺と仲間がどのように生きたのか、その話をしようと思う。

俺の仲間が平和をもたらした後、俺は仲間に頼まれた仕事をこなしながら、仲間たちの願いでもある『平和を、地球で暮らす人々の笑顔を守る』ということをずっと続けている。俺はその活動の一環として俺と同じ立場にある者たちのサポートを行っている。俺はその者たちと共に地球の人々を助け、この世界を侵略者から護ってきた。それは俺だけがやってるわけではなく、世界中で同じように異世界から来た者と共にこの世界を侵略者から護るために戦っていた者たちもいたのだ。しかしそういった異世界人たちもそれぞれの道を進み始めていた。ある者は異世界へ帰った。またある者は異世界の人たちと協力して異世界から地球にやってきた人たちの居場所となる街を作り上げた。そして俺と同じく、異世界で培われた知識を用いて様々な研究に没頭し始めたのだ。そしてこの世界を救うための研究を始め、平和を取り戻すために、人類を救うための戦いを続けている者もいる。

もちろん平和は訪れ、そして異世界の脅威もこの地球に現れることはないのだが、俺たちの使命は平和を維持させること。地球と、そして異世界の者たちにとって一番大切なことを成し遂げなければならないというわけだ。そして俺はその仕事を今も継続しているわけで。そして仲間たちが、俺がこの地球に残した平和を大切に維持するために動いてくれているのだ。俺はその期待に応えるべく頑張っているところだ。そして平和を維持しているのでこの地球に敵は現れないのは確かなのだ。そしてそのことに安心した俺は、仲間たちに平和を任せて俺はこの地球で新しい人生を歩み始めることになったのだ。この世界で新しい仲間を作ることもできる。この地球で新たな出会いもあり、そして結婚もする。

俺も結婚したし子供も産まれたのだ。俺は幸せな人生を手に入れたと言っても過言ではないと思う。もちろんこの世界にはまだまだ苦しむ人は大勢いる。しかしそんな人々にも救いはあるのだ。俺はその人々を救うことはできないが、その人々が幸せになることを願うばかりだ。

そんな平和な地球での日常が当たり前のものとなったある日、俺の前に異世界からの来訪者がやって来た。その人は俺がかつて出会った異世界の戦士だった。この世界には異世界から来る人が多く存在する。そんな彼らはこの世界に来る前にこの世界での身分証を発行してもらうことになる。俺の場合は異世界で勇者だったという記憶を封印されていただけで、異世界に召喚され、そこでの記憶を思い出し、そしてその力を行使する資格を与えられたというだけの一般人である。しかしこの異世界で俺と同じように力を得た異世界人たちが力を行使することを生業にしており、彼らにとっては俺はヒーロー扱いという事になるのだ。

「俺はこの地球に来たのにはちゃんとした理由があるんだ」

彼は地球で異世界のことを語り広めてほしいと言っているのだ。そして彼の語る内容に興味を惹かれ、俺はその人の話を聞くことにしたのであった。俺も彼にいろいろと話しを聞こうと思ったからだ。

俺の名前は中村勇吾、この異世界から地球を護ったことがある男だ。この世界で平和を手に入れることができてから、この地球を守るために、そして地球にいる人々を助ける為の活動をしている。この地球を守るために異世界の力を行使できる俺がこの地球にいることで、この世界の危機は訪れることがない。

俺は今年の4月にこの地球に戻り、異世界との扉を開き、そこから現れる魔物たちを退治しているんだ。地球は俺にとっての第二の故郷のような場所で、俺と、そして俺の仲間たちが愛した場所でもあったから。

俺は今年で25歳になるんだけど、地球に戻るとみんなが俺を大人になったなぁって褒めてくれるんだ。みんなが俺のことを受け入れてくれて凄く嬉しい。地球に戻ってからまだ2か月しか経ってないけどもう5年近く地球から離れていいたように感じるよ。地球で過ごした時間は、俺たちの世界から地球に行く時間と、地球から異世界に戻る時間の経過が同じだから、地球の時間が早く過ぎているわけではないのだけどね。でも地球に帰ってきた時はいつもみんなが温かく迎えてくれるんだ。そして子供たちの成長ぶりが凄くてさ。俺はその子供達が元気に成長してくれているのを見るのが何よりも好きなんだよね。だって、みんなの成長した姿を見られることが嬉しいんだもん。

それに地球には俺の仲間の子供が住んでいるんだ。みんなも覚えているだろう?この地球で出会った俺の家族や仲間たちの事を。その仲間たちが地球で暮らし始めてからもう何年も経っている。俺がこの地球で暮らした日々が、今では遠い過去の出来事になっているような気がするんだ。でも、俺たちはあの異世界での生活で多くのものを手に入れてきた。それを失うことは絶対に許されないんだ。

俺たちが地球で暮らしている間にも、俺たちは地球を守る戦いをずっと続けていたんだ。俺の仲間の戦士たちはこの地球から去って行き、今は俺たちだけがこの地球に残っているという状態なんだよ。

俺が地球に帰ってきてから、仲間たちと連絡が取れなくなって心配していたら、この世界ではもう何十億年もの間平和な時代が続いていたそうだ。この地球には、俺以外の勇者はいなかったようだ。

地球とこの異世界を行き来して、地球を危機から救う為にこの異世界とこの地球で戦った俺の仲間達の子孫たちは今もまだ地球で生活していて、この地球を救ってくれる人達の助けをしている。だからその人達の力になる為には俺はこの地球を離れてはいけない。俺はこの地球で俺にしかできない事をしながら仲間たちと過ごした日々を思い出すためにも地球に残ることを決めたんだ。だからこれからもこの地球で頑張るつもりだ。

俺がこの地球に戻ってきてからは毎日忙しく、異世界へ赴いていた時と同じくらいに、いや、それ以上の忙しさの中で生活しながらこの地球で俺ができること、やりたいことを考え実行に移しながら充実した日々を過ごしているというわけだ。

「あー、中村君、おはよう。中村君は相変わらず仕事が速いなあ」

ははは、ありがとうございやす、社長。

俺が働いているのは小さな会社なんだ。俺の働くこの会社は、社員数15名、営業は1名で行っている個人経営の小さな会社の代表取締役の社長が俺の上司だ。俺も、他のみんなも、この社長の人柄に惹かれたのかもしないね。俺はこの人になら自分の命を差し出してもいいと思えるほどに、俺の大切な人達とこの人を重ねて見ていたりする。そして俺はこの人と出会えたことを神様に感謝したいくらいに思っているんだ。この人の役に立ちたいと心から思うことができる人だから。だから一生この人についていこうと決めたんだ。この人がいなくなったりすることがあれば、きっと俺は悲しんでしまうことだろうとさえ思えてくるほどにね。

そしてこの人は異世界へ一緒に来て欲しいと言うのであれば俺を連れて行ってくれるほどの優しさと度胸と実力の持ち主で、俺もこの人について行こうと決心することができる人でもあるんだ。だから俺はこの人を全力で支えたいと思っている。そしてこの人が作るこの小さな会社がこの人の力でもっと大きくなればいいなと本気でそう思うのだ。

そして俺とこの人の関係は、仕事の付き合いだけでなく、俺が子供の頃からの知り合いでもあるのだよ。そしてこの人も子供の時から知っているというわけだ。

「中村君の子供さんたちも立派に育っていて本当に助かっている。私の娘と中村君の息子が結婚してくれるなんて夢のようですよ。中村君の奥様は中村君の事が大好きだと言っていたのに。中村くんの幸せ者め」

ははは、その件はお許し下さい。

俺が結婚する女性は、この会社の秘書として長年勤めている女性で、俺と彼女は幼なじみでずっと仲が良かった。彼女が大学を卒業してからも仲良く交流があったのだ。彼女との結婚を決めたのは、彼女とこの先もずっと共に過ごしたいという気持ちが強くなっていったからなのだ。俺はこの世界では独身の人間であり、そのことも彼女の両親を納得させる要因となった。彼女は俺と一緒になったとしても幸せにはなれないと思っていたのかもしれないが、この世界での俺は彼女をしっかりと愛することができるようになったから結婚したのである。俺にはもう心に想う人がいるので、彼女には他の男性と家庭を築いて欲しいという願いもあったのだ。俺が異世界での出来事を全て打ち明けたときに、彼女も全てを理解してくれて応援してくれた。そんな彼女がとても優しく素敵な人で、俺の想い人である『サツキ』の若い頃にそっくりだと最近になって感じ始めた。この地球で暮らすことになった俺の妻に『美香』と名付けたが、それは俺の亡くなった妻の名前でもあるのだ。『美沙紀』という名前は『サツキ』と同じ読みだけれど、違う名前のはずだったのに同じ読みになってしまったのだ。

そんな俺たちだが、お互いに再婚である。子供は俺との間に子供は1人だけいる。子供は娘で名前は真由、小学6年生で11歳、もうすぐ中学生になる。息子が一人いて名前が雅斗、俺の年齢が30歳で子供はまだ小学生だ。

俺たちが異世界で戦っていた時代は20代半ばの頃だった。その時は今のように老化現象は起こらなかったのだが、こちらの世界に戻ってきてから体が急に変化していった。この世界と異世界を行き来すると肉体が変化していくらしいのだが、その影響が体に出ているようだ。俺と妻と子供たちが異世界に行っていたので、その間この世界での時間は止まったような状態で、この世界と俺たちの時間は流れ方が違ってしまっていたので俺たちの時間軸だけが違う時間に流れていたのではないだろうかと推測しているのだ。俺の仲間たちの子孫たちはそんなことはないらしく、ちゃんと年を取っているので俺たちが特殊なのだろうと思うんだ。だから俺たちだけが老化しているということになるんだ。この世界の時の流れは俺の知る限り変化していないので、俺たちは特別だと思うんだ。まあそれでも、みんなよりは若返ったと言ってもおかしくはないから嬉しいのだけれどもね。

俺の家族や仲間たちも地球に戻っているので元気に暮らしていけるのも嬉しいことだね。子供たちには苦労をさせてしまっているけどね。

俺の仕事は基本的にデスクワークで電話番や事務的な仕事をすることが多いのだ。そして俺がやっているのはこの地球の危機がやってきた時に、この地球の戦士を異世界へ送り届けることだ。この地球を守る為の戦いをする役目も請け負ったことがあるんだ。俺の相棒とも言える存在の女性が俺の代わりにこの地球で平和を守ってくれていたから、俺が異世界で戦わずとも、地球はこの世界から異世界へ行く人たちの活躍で平和を保ってくれていたということもあったんだ。

そして地球は俺たちの世界と違って平和な世界だといえる。俺がいた頃も平和な世界ではあったんだが、地球を危機から救うために戦い続けたんだ。俺は異世界にいるときは常に気を抜けずに戦ってきたが、地球に戻ってきた時には平和な日常が待っていて、ホッとしたのを覚えている。そして地球の人々の笑顔を見ることができたことに喜びを感じたんだ。そしてその地球を守るために俺は仲間たちと共に異世界へと向かい、そして仲間の一人と恋をすることになる。俺はこの人と結ばれて結婚し子供を儲けることになる。それが俺の妻となる人であり、その人の子供が俺の娘である真由なんだ。

異世界と地球に行き来して、地球の危機を救う仕事をしながら俺は生きている。俺の家族と仲間たちにまた会える日が訪れると信じて俺は地球を守り続けるつもりだ。俺はこの世界を守れればそれでいいと思っているんだ。異世界を救ったからといって異世界で何か問題が起こったわけではないから、もう異世界に行かなくてもいいだろうと思って、地球に残ったんだ。でもこの世界にもまだ問題は残っているのが事実なんだけどさ。異世界から帰ってきた時に俺たちが暮らしていた場所はそのまま残されていて、そこで生活することができた。俺たちが住んでいた家は今もそのままで残っていた。そこは誰も住んでいない廃墟のような状態だったのだけど、俺たちの思い出が詰まっている家だから、俺たちが使っていた家具もそのままの状態で置かれていて俺たちが暮らした時のままだった。そこをリフォームしたりもしながら暮らしているのだよ。今は家族3人暮らしをしている。俺は社長とは旧知の仲だし信頼できる上司だから社長と呼んでいるんだよ。社長は社長で俺のことを信頼してくれているようで頼りにしてくれるんだ。だからこの社長の為に、これからも地球を守れたらと思っているんだ。

そして俺が所属している組織について話しておくと、この組織は冒険者たちをサポートする目的で発足された組織のことで、異世界から来た人達を地球で生活する上で助けたり、サポートすることを目的とした組織である。異世界からやってきた人々と地球人を差別することなく、この世界に適応できるように、地球の人々との交流や地球の生活のマナーを教えたりなどの活動をしているのだ。この組織のリーダーは俺のボスにあたるわけで。そして俺は、この日本支部の副支部長として任命されている。俺以外にも地球にはいろんな人が異世界から来て活動しているので、彼らの為にこの地球を守る活動をするために、地球は一つの国家みたいな扱いになっていて日本の国に属していることになっているんだ。だから地球にある異世界との出入口も日本国の一部という扱いになって、俺は日本政府から許可を得てこの地球で活動している。この日本も異世界からの転移者がやってきて創り出した国のようになっているのだ。だから異世界への入り口もあるわけだ。俺はそこによく足を運んで様子を見に行ったりする。

「こんにちはー、田中さんいます?」

あー、どうしたんだい?え、仕事ですか?じゃあ案内しますよ。はい、こちらへどうぞ。「今日もご利用いただきありがとうございます」

この人はこの仕事のベテランの人。この人のことは親しみを込めて『田中さん』と呼ぶようにしています。この人はかなり長い時間ここで働いている人です。

「ではこちらへお越しください」

「はい」

俺の担当の受付は2人いるので、交代で休憩を取りながら勤務してもらっているのだ。俺は、ダンジョンに行く人を担当することが多い。ダンジョンにはいろいろな職業の冒険者と呼ばれる人達が来るから。だからこの人のように戦闘系でダンジョン探索をメインにしてる人も、この世界に慣れるため、ダンジョンの中での訓練を希望する人が多いので、訓練施設での戦闘の指導も行うし、ダンジョン攻略のための準備などを手伝うこともあるのだ。あとは冒険者として登録するために必要な審査をしたりなども担当する。冒険者として登録するには厳しい審査がある。そしてこの人はその審査の担当官なのだ。そのほかにも冒険者になるためのサポートも行っている。

「この用紙に記入をして下さい」

「わかりました」

「ここに来る前に、この世界で何をしたいとか希望はありませんでしたか?」

この人の場合は仕事の休みを利用してこの仕事に応募してきたそうだ。仕事を辞めたくなかったのだと言う。

「この仕事は給料もいいから転職を考えていたんですよね。それにこの仕事をする前は事務の仕事しかしたことが無かったので、新しい経験ができればと思って応募しました。最初は簡単な試験を受けてもらって合格したら次の日から働いてもらいます」

この人はまだ21歳の大学生だったらしい。この世界に来る前から異世界に憧れを持っていたらしいのだが、異世界に来た時は就職活動中だったらしい。なので、就職が決まるまでこの世界で暮らしたいと言っている。この仕事の面接の時に、俺もいろいろ話をしたが真面目そうな感じで人柄も悪くなかったので採用になった。

そして俺はこの人を指導係としてつけてダンジョンの体験入店をしてもらったのだ。俺は、俺が担当している新人を一緒に連れていき指導を行うこともあるんだ。この新人の人はまだ若い男性で俺の3つほど年下のようだ。名前は山本君だ。彼は俺とコンビを組んでいる人で、俺と同期の人でもある。彼と一緒に新人を連れてこの仕事をすることも多いんだ。

「よろしくお願いいたします」

ダンジョンの入り口の前についたら受付で手続きをしないといけない。ダンジョンの中へ入るのには申請が必要だからだ。俺たちが今向かっているのはこの国のトップレベルの強さを誇る冒険者達しか入ることを許されないダンジョンだ。この国は、異世界と繋がっているこの扉の管理も担っている国なんだ。だから、俺たちの世界でも有名なダンジョンはこの世界にあるんだ。俺の住んでいるこの街もそういった大きな街の一つなのである。他にもこの世界のどこかに俺たちの世界に繋がる異世界の門があり、俺たちの仲間の子供たちがその異世界で戦って生活をしていることを知っているのだ。その人たちもこの地球を守る為に協力してくれたんだよね。俺の大切な家族たちだよ。この世界にも地球と同じで平和を脅かすモンスターが出現することがあり、この地球を守るために異世界で戦いに明け暮れていた仲間も何人かこの世界に来ている。彼らも今、それぞれの場所で自分の使命を果たしつつ暮らしていることだろう。俺はこの世界では地球人代表として、そして仲間だった家族の子孫のために、地球を守ることを生きがいにしているんだ。俺はこの仕事が好きだし誇りを持っているんだ。俺は仲間とともに異世界で魔王を倒し、世界を救った勇者だ。俺の愛すべき仲間たちが、俺の子孫たちが今も元気でこの世界で幸せに暮らしている姿を見られるなら俺はそれだけで満足している。だから地球を守り続けるんだ。俺はこれからも頑張ろうと思うんだ。だって地球はこの世界の人々の笑顔の絶えない大事なものだから。俺にとって守りたいと思えるものなんだよ。そして地球にいる妻や娘たちが、いつまでも平和な日常を送れるようにしてあげたいと思っているんだ。それが今の俺の願いだよ。そのために俺はこの地球を守る仕事を続けて行こうと思っている。いつか、再びあの仲間たちと再会することができる時が来た時に、みんなが笑っていたらと、そう思うからさ。

私は佐藤亜紀と言いまして普通の女子高生です。でもちょっと普通ではないところもありますが。実は私が通っている学校では、私の通っている学校でいじめが発生しています。私がいじめに気がつき始めたのは1週間くらい前になります。いつも通り、授業が終わり帰宅をしようとしていた時にそれは起こりました。私は、クラスの中でもおとなしい部類に属していて友達と言える人は数えるほどしかいないような地味な女の子でした。

「ちょっとこっちに来てくれる?」クラスの中心的人物で男子の人気ナンバーワンの女子生徒が、人気のない場所に呼びだされていました。呼び出されたその子は何回も頭を深く下げて謝っていました。私はその様子を陰から見ているだけという何とも情けない行動をしていたのです。すると、呼び出しをしていた生徒のグループのうち一人が、

「もうこんな事は二度としないように、いいわね?」といいその場を去り教室へと戻って行きました。その出来事から数日が経ったある日のことです。

「最近、クラスで変な事が起こっているんだよな。うちらも気を付けようぜ!」一人の男子生徒が、仲の良い友達と話しをしています。

「それってどういう事なんだ?」ともう一人が聞き返すと、 その男の子が話を続ける。

「それが、俺らもよくわからないんだよ。誰かに見られたと思ったらその瞬間、首筋が熱くなるんだ。そのせいで頭がクラクラしちゃうんだ。それで倒れたりもするんだよな。まあ、少し寝ればすぐ良くなったけどな。」とその会話を聞いていて、 あれは一体なんだろうと思っていた矢先の出来事でした。放課後にまた同じ状況になってしまいました。今度は私にも見られている事に気付かれてしまったのか、「アンタ達も懲りずにまだやっているの?そんなんじゃいつまで経っても成長しないわよ?」と呆れた様子で言われてました。

でも、その時はそれで終わっていました。しかし、次の日に事件は起こりました。

先生からの朝会で「今日の全校集会は緊急で体育館で行うことになりました。皆さんは体育館に向かってください。」と言っていました。私たち生徒は、言われた通りに体育館に向かうために廊下を歩いている最中でした。すると「キャッ!?」という短い悲鳴がどこからか聞こえてきました。

そして、その後に続くかのように、 ドサッ!!と重いものが床に落ちるような音がしました。私たちは急いで駆けつけて見るとそこには、先ほど話していたグループの女の子が、倒れており意識がない様子でした。すぐに、保健室へ搬送されたのですが、その日の夜になっても意識は戻らず、救急車で病院へ向かうことになりました。それから、二日が経ち彼女は一命は取り留めたものの意識を取り戻すことはありませんでした。この日から、クラス内で、奇妙な噂が流れ始めたのです。

『呪いをかけられると呪われて死ぬ』と。その日から私は、一人で行動することはできなくなってしまいました。今まで仲良くしてたはずのクラスメイト達が私を避けたり、無視するようになりました。

『きっと私もこのまま呪い殺されるんだ!』と毎日のように思っていました。そしてついに私は学校に行けなくなり不登校になってしまっています。しかしそんなある日の夕方でした。私は部屋の中でテレビを見ようとリビングに向かいますがそこにいたお母さんから驚きの発言が飛び出しました。「今日はあなた宛に荷物が届く予定になっていたでしょ? だからお父さんが先に開けちゃったみたいなの。中身を確認してみると、あなたの写真が入っていたみたいでね、とても可愛くてびっくりしたって言っていたのよ。」

「だからあなた宛ての宅配便は全部、お父様か、おじいちゃんかおばあちゃんか、お兄さんかお姉さん、妹か弟から送られてくるようになっているのよ。」

私は一瞬何を言っているのかわからなくて困惑しました。「え、どうゆうことなの?」と私が言うと、

「ああ、説明不足だったかしら。

要するに、あなたには身内がいないということにされているっていう意味なのだけれど。だから家族でいるように振る舞ったりするのはいけないのよ。あくまでも赤の他人のように扱わないと、ダメなの。」

「どうしてなの?」と聞くと、「理由は言えないの、本当にごめんなさい。でもどうしてもなの。

だからあなたには、一人暮らしをしてもらうことにしたから、これからはそこで生活をするの。必要なものは、もう既に届いているはずなので確認して欲しいんだけど、あと、これが生活費のカードね。」

とお母さんが差し出したカードを受け取る。するといきなり「カチャ!!」という音と共に目の前にいた母が頭を押さえ始め苦しみだす「く、苦しい! 助け、誰か!」と助けを求めている声が聞こえてきた。しかし「バタン」っと倒れた母は動かなくなってしまった。その数秒後だった。

「ピンポーン♪ お荷物のお届けに上がりました。

こちらにサインか印鑑を押してください」玄関のチャイムが鳴り響きその人物が荷物を持って入ってきたようだ。

すると、「こんにちは。佐藤 亜紀さんの荷物の配達に参りました」その人物はそう言ってダンボールを差し出すと 私は震える声で「あ、あの〜、これはいったい何が、入っているんですか?」と言うと、彼は答えた「これは君のこれからの運命だよ」と不気味に笑い、 そして、彼の姿が変わっていき黒い人影になった「君ももう終わりだよ。これからよろしくね、僕の可愛いペットの人形さん。ふっふっ、あーっひゃっはっは!!!」と狂いだしてしまった。私は恐怖のあまりその場に腰を抜かしてしまい立てなかった。彼が去ろうとした瞬間、後ろの方で「ガチャン」と扉の開く音がし振り向く。「お、お前は何者なんだ!?」「君もそろそろ飽きてきてたんだよね、新しいオモチャが欲しかったところなんだ、ありがとうね?」

私は怖すぎて動くことができなかった。

「もう、君と話すことはないよ、ばいば〜い」その言葉を最後に扉を閉められ、鍵をかけられてしまう。扉の前に何かの呪文が書かれている紙を貼られて。「あぁ、私はもうここから出ることができないんだ。いやだ。死にたくないよぉ、うぅ。神様どうかお願いします助けて下さい。お願いします。うう、ぐすん、グス」

私は泣いていることしかできなかった。そして、私はもう生きることを放棄することにした。なぜならもう私は死ぬことしか考えられないようになっていたからだ。そう思った途端私の目から涙が止まらなくなった。

もう終わりなのね、これで死ねるのね。

もう、いいや、

「もう、疲れたのよ私。

いっそのこと殺してくれないかしら、 こんな世界に生きている意味などないし 私には居場所もないのよ。」

私は目を閉じて覚悟を決めようとしていた時に突然ドアノブが動き出し、ガチャリと開いてしまった。

私はあまりの展開についていけずに驚いて固まっていると、一人の男性が立っていた。その男性は私に近寄り手を掴み 引っ張ってきた。「うわっ、ちょっと!」と私が戸惑っている間に私は部屋の外に出されていた。外では、私を助けてくれたと思われる人物とあの不気味な人物が言い合いをしているようだった。私は恐る恐る外に出ると、「あっ!」「やっと会えたな、会いたかったぞ」

「俺はあの日あの場所にいた、マサムネだ、宜しくな!」そう私に挨拶をしてきたのはあの勇者の少年だった。

私も、この世界を救う手伝いをしたいと願っていた。だってそれが、 私の役目であり、 私の宿命であると悟っていたから、、 この物語は、私が高校二年生の春に起こった話。そうあの日のことを今語ってみせよう、あれは私が高校生になってから間もないころ、まだ桜の舞う季節のことです。私は、自分の席に座ろうと思い椅子を引く。するとそこには誰もおらず、その代わりに一枚の手紙が置いてあったのです。そこには、こんなことが書かれていました。

「おはよ! ねぇ、知ってる?うちらのクラスで最近流行ってるものが有るんだよ?それは、人の不幸を見て楽しむものなんだって。うちらもそれに参加するつもりなんだ。でもただ見て楽しんでても面白くないじゃん?そこで皆を驚かせる為に、ある事をしようと思ってて、それに協力してもらいたいの!」という文章で始まっておりその最後に名前が記されていたのです。その名は『安藤』でした。私は手紙の内容を読んでいて、その内容に驚いたと同時に怒りも湧いてきていた。この学校の生徒全員がそういう人間ではないということはわかっている。

だけどやっぱり私にとってその考えを持つ人が居るというのはとても許せない事だった。しかし、そんな感情に囚われている場合ではなかったのです。なんとその日のうちに私はクラスの人達に呼ばれ、そして脅されてしまったのです。その内容は、

1.もしも、ここで拒否をしたならばクラス全員の前で恥ずかしい写真をバラまく

2.もし断らずに協力したとしてもクラス全員が見ている前で恥辱を与える というものだった。私はどちらにしろ公開処刑を受ける事になってしまうということに絶望しました。でも、断る事は許されない。

だから協力をすることを選んだのでした。

「おはよう!じゃ早速作戦を実行しようよ!」と言われ、 私たちは、クラス中の視線を浴びながら実行することになりました。内容は簡単でした。私たちは教室で、一人一人順番になって順番に告白していこうというものでした。そのやり方だと、相手は必ず返事をしなくてはならないし、断った場合でも周りが気になって上手く会話に集中できなくなってくるのでかなり効果的だということでした。そしてその日から私たちの戦いは幕を上げたのでした。

最初のターゲットになったのは学級委員長でした。彼はかなりの優等生で女子からの人気も高いため断られるのは分かっていましたが、それでも私たちは彼にその気持ちを伝えようと決意したのでした。私たちの計画ではこの後に私たちも一緒にその思いを告げられるという計画になっていたのです。まず最初にこの企画を提案してきた安藤くんが先陣を切ることになりました。私は心の準備をしてその時を待つことにしました。

(ついに来たのですね。この私がこの学校の王子様と呼ばれるほどの人と結ばれるチャンスが!!でも、私が振られた場合にはどうなってしまうのでしょう。この私がこんな屈辱的なことをされなければいけなくなってしまうなんて、でもこのチャンスを逃せば一生この想いを告げることができないかもしれないのよ!!)と私は葛藤しながら待っていた。「俺の名前は神崎直人だ、俺は前からずっとあんたの事が好きだったんだ。だから付き合ってくれ。」「ごめんなさい、あなたと付き合いたいとかは全然考えてないんです。それに私は好きな人もいませんから。」その言葉を聞いた瞬間、私は安堵感に包まれた。これで私の恋は終わりを迎え、もう二度と誰かを好きになるようなことは無いだろうと思えたから。

次は隣のクラスのイケメンと言われている『佐藤大志君』でした。「僕の名前は佐藤 拓人だよ、君はかわいいよね?僕の彼女にならないかい?」とナンパするような口調で言ったが

「ごめんだけど無理だよ。君なんか眼中に無いもん。」

という言葉を聞いて少し残念そうな顔をしていたように見えたが すぐに笑顔に戻ってこう言い出した「えーっと僕は君のことが本当に大好きなんだ。君も僕の事が好きなはずだよね?」「だから、あなたとは友達にしかなれないのよ、あなたと私は釣り合わないし」とまた振った。

次の人は学年一位の成績を誇る女の子で人気の高い『橘真由香ちゃん』でした。「私の名前は 橘 真由香と言います。あなたがとてもタイプなのですが付き合ってくれないでしょうか?」

すると「うん! 良いよ。」と言って承諾し、二人は交際することになったのだった。

その次は、学年一の美人で有名な子だったのだが、その子もまた他の人たちと同じく「興味がない」の一言だけ残して去って行ったのだった。その後に告白してきた人は、みんな振られてしまったのだ。

そうしてとうとう最後のターゲットが私に決まってしまいました。(ついに来てしまいましたね。私にもこの作戦を実行するしかないのでしょうか。いえダメよ、そんなの絶対にいけない。

私は誰かを傷つけてまでこの学校生活を送りたくはないの。

この学校に私を陥れようとする人間がいたら全力をもって排除しなければなりませんね。)そう思っていた矢先の出来事であったのですが、私に告白をしてくる人物が現れて、思わず驚いて固まってしまいました。

その人物は私がよく話をしていた男子で、仲も良かったので安心してしまっていたのですが やはり、その人からの告白の返事も「あなたに興味が無い」という残酷なものだった。私は悲しくて泣き出してしまいそうになったけど必死に堪えて自分の席に戻った。その後、私が帰ろうとしていたときのことだった。

廊下で私は見覚えのある人に話しかけられました。その人の名前は『山西 悠介君』といいます。彼と私は家が隣同士の幼馴染であり親友でもあったはずなんですが何故か今日はとても怖い表情をしているんです。私を見る目が鋭く冷たいように感じてしまうんです。私は怖くなって走って逃げ出そうとしましたが、彼の手が私の腕を掴んで離さないのですよ。そうこうしてると彼はいきなりこんなことを話し始めたのです。「おい亜紀お前に頼みがあるんだよ。お前にはこれから辛い人生を歩む事になるだろう。だけどその人生を幸せに変えて生きてほしいと思っている。そのためにお前にはある秘密を教えてやるよ。この話を聞けばきっとお前の今後の運命を変える事ができる。聞いてくれるよな。」

「う、うん、聞かせてよ」と言った私は、何やら不穏な空気を感じ取ってはいたものの聞きたかったんです、自分の身に起こっている事を。そうして、彼が私にある事を話し始めたの。それが私の今後の人生に大きく関わる事になるということを、この時はまだ知りもしなかった。「いいか、良く聞くんだぞ、俺の秘密とはある能力についてのことだ。俺は今さっき、そいつの能力を奪ってやったんだよ。そしてそれをお前に使わせたかったから、お前に近寄ってこの事を伝えたんだ。

まぁ簡単に言うと、俺は未来予知の力を持っているんだよ。

それで、お前が今後どのような人生を送るのか見てみたいと思ったんだ。だから俺に着いてきて欲しいんだよ、この先に俺達が辿るであろう結末を変えれるかどうかは、おまえの行動に掛かっているから、 頼むよ。付いてきてくれないか?」とお願いされてしまい、私は仕方なく了承する事にしました。

そうして私達は家に帰っていったのでした。しかしそこにはいつものように優しい母さんは待っておらずただ1枚の紙が置かれているだけでした「ごめんね、亜紀へ、お父さんは急な出張が入ったから海外へと行ってくるわ、でも大丈夫よ、あなたは私の息子なのだもの、どんな困難でも打ち破ることができるはずよ、だから頑張ってきなさい。

愛してるわよ、私の自慢の娘 母より」と書かれた置き手紙だけが残っていたのです。

(こんな状況になってしまったから仕方ありません、今はこの男の子を信じてついて行ってみましょうか。それに何かしら手がかりはあるかもしれませんからね。)私は、彼に言われた通りついていくことにしたのでした。するとそこにいたのは、なんと私の弟でした。その弟は「姉貴がここに来るとは珍しいじゃねえか、でなんで来たんだ?まさかその男が好きな奴なのか?」「違うよ、でも今はその人の家に居候している状態かな」

私は嘘を吐いてみたのですが どうやら上手くいったようです。「ほぉ、なるほど、そういうことだったのですか、それなら丁度いいです、実は僕はあの時、お兄さんのことが大好きだって言いましたよね、それの返答が気になってお兄さんの事を調べていたんですよ」

どうやらこの弟の頭の中にはかなりヤバめの思考が潜んでいるらしいのです。この弟は重度のストーカー気質で、相手のことが好きで好きで堪らないタイプの人でした。そんな性格のせいで友達が少なく家族からは気味悪がられている可哀想な子だったのです。

「でもやっぱり僕の勘違いのようでした。お姉さん、あなたの心の中には、僕が入り込む隙なんてないくらいに、もう既に彼しか居ないのでしょう? でもあなたは、彼に好意を抱いている。だから邪魔者を排除したいと思っているはず。そこで提案なのですが僕に協力してもらえませんか。あなたは、彼を独り占めしたい、僕はあなたに、お礼をしたいと考えている、そしてお互いの利益が一致している。これならば協力ができるでしょう?」

と提案されたため私は、「協力するから私と彼とを一緒に暮らせる場所を提供してくれる?あとお金と食べ物が沢山あればなおよし!」

「良いですよ、ただし条件を守ってくれさえすれば良いのです。まずはこの家の二階に僕の部屋があるのでそこを改造します。次にその部屋の隠し扉の中に食料を隠しておきます。それと金目の物は全部置いていってくれますよね。」と言われたので私は「わかった、その条件で良いよ」と言いました。「交渉成立ですね、これでようやくお礼が出来る。今まで僕の事を気にかけてくれてありがとうございました! では早速この家の改築を始めますよ!まずは床を壊してからですね、そして地下室を作っていきましょう。あ、そうだ、念のために鍵をつけておく必要がありますね。とりあえずこの部屋の床と屋根の一部を外してから始めましょう。では作業に取り掛かりますよ」と弟は言って、それから一ヶ月が経ち、工事が完了したのであった。

(やっと終わったんですね。意外と早く終わって良かったのです。そういえば彼はどこに行ったのでしょう?)と思いながら探し始めた。すると彼は一階のリビングにいる事が分かり私はホッと胸を撫で下ろした。そして私は、彼の元へ向かったのであった。

私は、弟が改装をした部屋にいる彼の様子を見るために向かいました。すると中は凄く豪華になっていて私は驚きを隠せませんでした。

(こ、これが私の住んでいる家の中の光景だなんて思えないよ。なんか、凄い豪華なんですけど)と思っていた矢先、彼は突然私に向かって

「これで俺とお前だけの世界を作り上げれたな。これでもう誰も俺たちの間に入り込むことはできない、これで俺はお前を幸せにしてあげられるようになるはずだ」と言いました。

私が「幸せ?どういう意味??」と聞き返すと「これからお前は、毎日俺と一緒の部屋で寝ることになる。もちろん夜の生活も含めてだ、それが俺の願いであり夢なんだ。

これからずっと永遠に続く幸せの世界を作り出せるかもしれないんだぞ。」と言い出した。「な、何言っているの!?そんなことできるわけ無いじゃない!!」と私は声を大きくして言ってしまいました。「ああ、できないさ、でもそんなの気にすること無いんじゃないかな?別に嫌々して貰っているわけじゃないだろうし、そもそも拒否権はないよ。もし断ればこの世界の人達全員を殺すことになるからな。」と言ってきたのである。

私は「えっ!そ、それは一体何の話?」

すると弟が、こんなとんでもない話を語り出したの。「お前も知っていると思うがな、異世界転生っていうのは、死んだ人間がこの世界で生きることを許されたということになっているんだよ。しかし実際は違う。本来なら死ぬはずの人間を殺して魂を入れ替えているだけに過ぎないんだよ。つまり俺は、一度死んでこの世界に生まれてきた。この世界の人間だったのだ。」という告白を聞いた瞬間、頭がクラっとしてきてその場に倒れてしまいました。すると「どうやら限界が来たようだね。まぁ、この事を知られた以上生かしておくわけにはいかない。でもお前には感謝してるんだ。俺の初恋の相手になってくれたからね。だから最後は幸せに逝かせてあげるよ。」と言う言葉を聞き、意識を失いました。(私には、まだ幸せになるチャンスがあったのかなぁ、もっと生きていたかったなぁ。そうして、彼女は眠りにつきました。

その次の日に彼女を起こしに来たお母さんは 彼女の変わり果てた姿を見て悲しむことになったのです。なぜなら彼女が亡くなっていたからでした。そして警察に連絡し捜査が始まったが結局犯人も分からず迷宮入りになったのです。そして弟もどこかに消えてしまい行方不明となってしまったのです。そしてこの日を境に世界では不思議な事件が起こり始めるのでした。そうして今日もまた新たな事件が起きる。そしてその事件を解決するため勇者達が再び動き出すのでしたーーー)

〜 完 【 あとがき】

最後まで読んでいただき誠に有難うございます。今回の作品は作者の処女作になります。未熟な点が多くて大変申し訳ございません。しかし、この作品を通して皆様に楽しんで頂けるような物語をお届けできるように精進していく所存であります。またこのような作品を書く機会がありましたら宜しくお願い致します。

ここは日本のとある山奥の村、ここにはとても大きな屋敷がある。そう、そこにはこの村の村長の屋敷があるのである。しかしこの村に訪れる人間はごく僅か。村人の大半は老人や小さな子供しかいないのである。なぜこのようになったのか。その理由はとても単純明快。そう、それは今から約10年前のある日のことだった。この村は昔からある伝承に基づいて祭りを行って来たのだが、その伝承は今ではもう誰にも知られることはない伝説となった。そのせいでこの村から人はいなくなり、今では廃墟のような場所になってしまった。しかしそのおかげで、ある化け物が生まれ出てしまったことにこの村の人たちは誰一人気がつかなかった。

そしてその怪物の名前は"イレギュラーズ"と呼ばれている。彼らは人を襲う魔物では無く、ある特定の人物にのみ襲い掛かってくるのであった。そう彼らは特殊な力を使って襲い掛かってくるのだ。この話はそんな化け物が蔓延り人々が怯えるこの村から始まるお話 そして時は遡り約20年前まで遡るのであった。

〜回想シーン〜 20年前に遡る。その頃はまだこの世界に魔法というものは存在せずに、人々は魔族を恐れ、日々戦って生活をしていたのである。そんなある日のこと いつも通りの平凡な日常を過ごす者たちがいる中で突如現れた黒い渦が、街全体を包み込んでいった。そうして街の人たちの身体から力が抜けていったのであった。

それから数時間が経過して黒い渦は消えて行ったがそこにはいつもとは違う景色が広がっていたのだった。そしてそこに住んでいた人々の体にも異変が起きていたのだった。

しかし異変が起きたとはいえ特に被害が出ることはなかった。ただ少しの変化が訪れただけだったのである。

そしてその時の異変はたった一人の青年の命を奪うことになるのだった。

彼が何故死ななければいけなかったのか、その答えはこの世で最も忌まわしき化け物のせいであった。

そしてこの物語はその青年が命を落とす原因になってしまった出来事の物語である。

〜プロローグ 終了〜 これは僕がまだ中学生の頃のお話で僕はその時に1人の女の子と出会いました。その女の子との出会いをきっかけに僕たちの人生は大きく変わることになるのでした。

その少女の名は「天道 真希 あまみち まき」と言い、僕が中学3年生の時にクラスメイトでした。その真希ちゃんは、とても綺麗な髪で、長い黒髪を後ろで結んでいた髪型をしていたのです。そんな容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、おまけで料理が得意な女子だったのです。そんな彼女と恋に落ちない男子はおそらく居ないのではないかと思いながらも僕と、彼女は同じクラスになってからずっと友達同士として、仲良くして来ていた。

そしてある時の休み時間、クラスの男の子たちが僕に話しかけてきてくれた時だった。

「ねえ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、君の彼女さんとはどういう関係なの?付き合ってないの?」と言われたので僕は咄嵯に「僕の幼馴染ですけど、それがどうかしましたか?」と返事をした。「あ、そうなんだ、それなら話が早いや。ところで最近噂になっているんだけれどさ、君に近付いてくる男どもを次々に倒して行く謎の美少女の噂知ってる?俺、気になって気になって夜も眠れなくてさ」

すると他のクラスの生徒までも「俺も、その謎の美少女とやらが本当にいるのか知りたくなってきた」と言って僕の教室にやってきたのである。

(何なんだ?この展開は?)と思っていると僕の元にもその謎美少女が現れたのである。「ねえねえ、私に教えてくれる気にならない?」と言われたため僕は、「あのさぁ俺には彼女なんかいないし」と返したんだ。そしたらその彼女は、「嘘だぁ絶対彼氏でしょ」と食い気味に言って来ましたが僕はそんな彼女にこう言い返しました。

「違うって!確かに僕はモテるかもしれない、実際何度か告白はされている。だけど全部断ったんだよ、なのに何でみんながそんなに僕と真希が恋人関係にあると勘違いしているのか分からないよ」と言うと周りの人が、一斉に笑い始めた。そしてその少女も何故か笑みを浮かべていました。

しかしすぐに真面目な顔に戻って僕に「えっと、そのごめんね?変なこと聞いちゃったね。でもあなたに興味があったから聞いてみたの」と言って帰って行きましたがそれから数日経っても僕の元に現れましたが、なぜか毎日僕の事を尋ねて来るようになりました。しかもだんだん質問が過激な内容になって来て正直鬱陶しかったです。しかし僕が何か言う前に彼女が勝手に暴走してしまうことがほとんどなのでどうしようもありませんでした。

(でも、やっぱりこんなことはおかしいよな。もしかしたら誰かが裏で操っているのかもしれないな。)と思いながら彼女の質問攻撃を避け続けていまし、た。

そうしている内に学校内ではある事無いこと噂されて行ってました。

そうしてとうとう僕の元にも例の謎の美女がやってきた。その人物は今までよりも過激的な内容を告げて来たので、流石にまずいと判断をして僕はその女の子に事情を説明しようとしたんです。

そして放課後僕は彼女の手を引きながら人目が無いところへ連れて行く事にした。彼女は突然腕を掴まれていたので驚きの表情で僕を見てきたんですが、そのまま屋上まで連れて行くことにしたんです。すると案の定というべきなのか彼女が口を開き始めました。

「ねぇどうして私をここに連れ込んだの?」と言われましたが、僕は彼女を睨んで

「おい、あんたいい加減にしなきゃ、俺も本気で怒るぞ?なんでお前みたいなお嬢様が何の接点もない男の情報を探ろうとしている?」と聞いたら、少しだけ沈黙が続きましたがその瞬間に彼女の目つきが変わり「お前、何を勘違いしてやがる?」と言い出して僕の首に短剣を当てて来たので「やめろ!」と言って突き飛ばそうとしたらいきなり爆発が起こりました。

どうやら僕の力不足のせいですかね、その爆発の影響で怪我を負ってしまいました。幸い大したことなかったのですが、まさか学校でこのような事件が起こるとは思わずに焦りました。そうすると「お前が悪いんだぜ、お前のせいなんだ。俺を本気にさせやがって、覚悟して貰うぜ」と言った。すると彼女は「はっ、そんな貧弱な能力しか持たない雑魚がよく吠えるもんだ」

と余裕を見せてきたため彼女は挑発してきた。そして戦いが始まりお互い一歩も引かずに戦ったが彼女の方が一枚上手だった。そして僕は彼女によって敗北してしまい地面に倒れ込んでしまった。すると彼女は「ほぅ私の能力を初見で回避できる奴がいたとはね。面白い、私はアンタが気に入った。だから私についてこい」と言われて連れて行かれそうになった時に僕はその女の子に「ま、まってくれ!僕は一体どこに連れて行かされるの?あと君の本当の目的を教えてくれないか?」というとその子は答えた。

その答えとは、この世界を支配している魔王の居場所を知りたいということであった。その少女は世界を支配するための計画を練っていて今はまだ実行段階にないのだという。そしてこの子もまた、その魔王と戦う勇者の1人であると伝えられたのだが、今の時点ではその情報以外教えるつもりはないとのことだった。そして僕とその子との会話はそこで終わって、僕は仕方なく家に帰るのであった。そうしてその次の日に、いつも通りに通学路を歩いていると、目の前に現れたのはいつも一緒に登校をしているはずの真希の姿であった。その日を境に僕は彼女と一切口を利かなくなった。

そしてその日以降に彼女からの手紙が大量に届くようになり、手紙の内容がどんどんエスカレートして行ったため流石の僕のメンタルが壊れてしまって精神的にも限界が来たため、ついに僕はある行動に出た。

そうしてその日からしばらく経った頃、学校の生徒たちから僕に関する良くない噂を聞くことが多くなった。そして僕は遂に耐え切れなくなり、彼女に対して呼び出しをしたのである。そして彼女は「なーに、そんな真剣な顔してるの?なんかあった?」と軽い口調で言ってきたが僕はその声色からして明らかにふざけていた為僕は少しムカついたがなんとか我慢した。

そうして僕はその件に関して彼女に伝えた。すると「ああそんなの嘘に決まってるじゃない」と軽く答えたがそんなことを信じられるはずもなかった。そして僕は「もういい、お前は一生俺の前から消え去れ」と突き放して帰ろうとした時に彼女はこう呟いた。

そして彼女は僕に向けて言葉を発したのであった。それはあまりにも理不尽な発言だった。そうして彼女は僕に向かってこう言ったのだ。「貴方が本当に邪魔だ。私の前に現れて欲しくなかった、もう死んでくれ。お前が居なくなってからやっと自由に行動出来ると思ったからこうしてわざわざ会いに来たのに」と僕に向かってナイフを投げつけて、僕を刺そうとしてきたがそれを間一髪のところで僕は避けたのでどうにか事無きを得た。そしてその後、僕の意識は途絶えてしまったのであった。

〜そして現在に戻る〜 目を覚ますとそこには、いつもの天井が広がっていたのであった。

しかし、そこには見知らぬ少年がいて「おっ、気がついたようだね、お疲れさま」と言ってくれたんだ。

そして僕は、自分の部屋に戻りながらさっきの出来事を思い出すと頭が痛くなったのである。

(あ〜くそ、あれ夢であって欲しいな。しかし、本当に何だったんだ?僕には分からないことばかりだな)と、考えながら自室に入りベットに横になり眠ってしまったのであった。

そして朝起きると母さんが起こしにやって来た。僕は寝ぼけ眼の状態で母さんの呼びかけに応じた。そうすると、昨日の夜の事を思い出したのである。

(そういえば俺の体に何か変化があった気がするんだよな。なんだろこの感じ)

そう思って、リビングへ向かうと、そこには母さんと真希の姿があって2人は何か話をしていた。しかし、僕の視線に気付いたのか真希がこっちを向いてきた。すると彼女は笑顔で僕の方へ歩み寄って来た。

「おはよう、裕くん」と言ってきたので、僕が困惑していると真希の隣にいた母さんが僕を指さしながら説明してくれた。「えっとね、今日起きた時からあなたと話がしたいから連れてきてくれない?と彼女にお願いされたの」と。僕は「そうなんだ」と答えた。しかし僕には心当たりが無かった。何故なら彼女と僕が最後に会話したのは彼女が僕を殺そうとしてきたあの一件以来一度も無かったのである。

そして学校へ行くとやはりクラスメイトからの冷たい目線が凄まじかったが僕は全く気にしていなかった。そうして放課後、彼女から僕に会いたいと言うことで体育館倉庫に向かった。しかし何故か彼女が着いてくることになったのだ。

僕が体育館に着き彼女の姿を探しているとそこに現れたのは、あの謎美少女だった。その少女は僕を見つけるなりこちらへ向かってきて、

「やあやあ、待ってたよ。」と言ってきた。そして彼女は自己紹介を始めたのであった。「私の名前はマサムネ。異世界の勇者だよ。そして私の目的は、この世界に魔王が復活したという報告を聞いてここに調査をしにやって来てるんだ」と、言い放って、 僕と真希の顔を交互に見た後にこう言ってのけたのだった。

「ねぇねぇ、もしかして君たちって、そういう関係なのかな?」と言われて、真希の方を見てみると頬が赤くなり恥ずかしそうにしている姿を見て、僕もつられて頬が赤くなってしまいました。すると彼女は、「ごめんね、急に変なこと聞いちゃって、まあいいや、とにかくよろしくね」と、言われました。そして真希は彼女に「どうして、私の考えていることが分かるのですか?」と聞いているのを聞いていた。確かに普通に考えるとありえる話ではなかったので聞いてみたのです。すると、 彼女は「えっとね、私の特殊能力のおかげなんだよね、相手の思考とか感情が読み取れるみたいな?よく分からないんだけどね。とりあえずよろしく、」と言われた。そうしてその少女とはそこで別れたので僕は家に帰って寝ることにした。

その日を境に、彼女は毎日僕の元に遊びに来てはくだらない話をしてくるのだった。

(なんだか最近の僕、毎日充実しているような気がします)と思っている内にいつの間にか夏休みになっていました。そんなある日に僕はある出来事に遭遇した。

それは彼女が突然僕に、あることを提案してきたのだ。それは、彼女と一緒に海に行こうという提案であり、それを聞いた僕は動揺したんだ。そして「海?行くにしてもまだ早すぎるんじゃないか?」と言ったが彼女は、僕が行きたくないなら仕方ないと諦めてくれたようだった。そして僕は彼女と約束をしたんだ。すると彼女は嬉しそうな表情をしていてとても可愛らしかった。そして彼女が帰ったあとに、彼女が僕の事を好いていたという衝撃的な事実を知った。

僕はその時に初めて彼女が可愛い女の子だということを再認識したのであります。しかし、彼女はどう考えても高校生には見えない容姿と言動をしている為僕は戸惑った。しかし僕は、その日以降は彼女のことは特に気にしないことにした。そして夏休みが終わり学校が始まると、クラス中から「どうしてあの子がお前の所にいるんだよ!」などと僕に言ってくる男子が多くいたが、そんなことはどうでも良かったのである。そうしてある日の帰り道、僕は彼女から「ねえ、明日は暇かい?もし、予定が無いのならば一緒に出かけない?」と誘われたため僕はその誘いを快く引き受けてあげた。すると彼女は僕の手を握って走り出したので転ばないように僕は頑張って走っていた。そして目的地にたどり着いた時には息切れしており少し苦しそうにしていたら彼女は「大丈夫?少し休んでからにする?」と聞かれたのだが、その言葉を無視して、

「ああ、大丈夫、問題ない。それに僕はこの程度ではへばったりなどはしない」と僕は自信満々な発言をして彼女を安心させてやった。すると、今度は逆に手を繋いできた。僕はそれを自然と受け入れており少しドキドキしてしまったが、平静を保ったまま僕は彼女とともに目的地に辿り着いた。

その場所というのはゲームセンターという場所だ。

僕は今までこういう場所にあまり来ないせいか、すごく緊張してしまい何も出来ずにいたのだが彼女が、僕に対してアドバイスのような物をしてきてくれていた。するとクレーンゲームの景品であるぬいぐるみを見つけて僕に対してこれを取って欲しいというような意思表示をしてくれていたのを僕は察したため、その行動に従ってクレーンを動かし見事ぬいぐるみを取ることに成功して僕は大喜びをしていたのであった。

僕はその日彼女と別れると家へ帰っていた。僕はこの生活はいつまで続くのかと思いながら眠りについた。しかし僕はこの生活に嫌な気分にはならなかった。

〜そしてまた次の日の朝〜 僕はいつものように朝ご飯を食べてから家を出る準備をしていた時にふと思ったのだ。

(真希ちゃんは今何をして過ごしているのかな?僕は彼女に対しての想いは恋に発展し始めているかもしれないな。彼女は僕の初恋の人になるかもな、)と思って僕は家を飛び出し学校へと向かったのであった。そして教室に入るなり彼女の姿を確認した。しかし、その時に彼女は僕に対して微笑んできた。その笑顔を見た途端に僕の鼓動は高鳴った。

そうして1日中、僕はずっと真美のことを目で追っていることが増えてきてしまったのである。そうしているうちに僕には気になっていたことがあったのであった。

(彼女には、あの謎の美少女と同じ名前が付いているんだよな。まさか同一人物なわけ無いよな)と考えていると彼女は僕の元へやってきたのである。

僕はこの時、何かが起きているということを感じ取って僕は身構えたが彼女は「最近私のことばかり見ていてどうかしたの?」と彼女は僕が真希のことが好きだということは知らないはずなのに何故か僕が見ているのがバレてしまっていたのだ。しかし、ここで嘘をつくのも不自然なため僕は素直に白状することにした。

そして彼女は僕にこういった。「貴方が好きなんです。貴方とこれからお付き合いをしたいと思っているのですがよろしいでしょうか?返事はいつでもいいですので、考えておいて下さい」と、そして彼女が去った後に僕は気がついた。僕はあの子が好きになっていることを。

〜そして数日後〜 僕は、ついに告白の答えを出す時がやってきたのであった。僕は覚悟を決め彼女の前に立っていた。すると、彼女は「私の事好き?付き合ってくれる?」と言ってきたのである。僕は、「うん、君の事が好きです。僕なんかで良ければお願いします」と僕は答えたのであった。

そうして僕らは正式に交際することになったのだ。

そして僕は彼女に、彼女が持っている謎について教えてもらうことにした。彼女はまず最初に自分が何者であるかを話し始めた。

そして僕は驚愕する事になった。なんと彼女はあの、謎の美少女であったのだ。

彼女は、自分のことについて話し始める。彼女は実は、勇者の生まれ変わりなのだと、彼女はそう言った。そして彼女は僕に対して勇者として戦ってくれないかと頼んでくるのであった。しかし僕は、僕が戦うことで僕の周りに被害が及ぶことを考えて断り続けていたのだった。しかしそれでも僕は彼女が僕を頼ってくることに次第に悪い気がしなくなっていき僕自身もだんだんと彼女と過ごす時間に楽しみを覚えるようになっていたのだった。

それから僕は真希と共に魔王退治の旅をすることに決めて僕は彼女と魔王の居場所へと旅をする事になる。そうして遂に僕達は、魔王の元までたどり着いたのであったが、そこにはあの美少女がいた。僕は彼女の名を叫んだ。すると美少女は、

「久しぶぶりね」と言って僕の目の前に立ちはだかるのである。

そして彼女は僕に向かって、「私を倒したければ倒しなさい。私はもう、この世界から去る事に決めたの」と言って立ち去ろうとする彼女の前に現れたのは僕の隣に立っている少女の真希だった。

真希は彼女に声をかけて彼女は振り向いて、真希の質問に応えていくが彼女は、

「そう、でも私を倒すことは私自身でも不可能だから無理だと思うわ」と言って立ち去っていってしまうのだった。僕達は追いかけるが、既に彼女の姿は無くなっていたのだった。

そして僕達が街に戻って来るとそこは悲惨な状況になっていて建物は破壊され人々は傷だらけになりながらも逃げまどい街の人達は悲痛な表情をしていた。そして僕は、真美のことを思い出し僕は急いで家に帰ったのだがそこで待っていたのは母さんと妹の咲だった。しかしそこに居たのは僕達の家族だけではなかった。僕のクラスメイトや真希の家族までもが集まっていたのだった。僕は何があったのかを聞こうとしたその時に妹と父さんの知り合いである医者が現れてこう言うのである。

「皆さんに大事なお話があります。落ち着いてよく聞いてください。たった今この地球上で、とあるウイルスによる感染症が発生したのです。」と言うのである。しかし、僕には全く分からない話であり理解できないのであった。

「その感染症とは、感染者は突然死に至る可能性があります」と言うのである。僕はそんな病気は知らないと言おうとしたその時に僕の妹と真希が急に倒れてしまい僕だけが残されてしまうのである。僕は二人を助けなければと必死で考えるがどうすればいいのか分からず僕は取り敢えず家に電話をしてみたのだ。だがなぜか、誰も出てくれなかった。すると、そのタイミングで僕の友達が僕の家にやって来たのである。そして彼は僕の顔を見て驚いた後に「大丈夫なのか?」と心配そうに聞いてくれたので、 僕は彼の手を借りることにして僕の部屋に行きそこで話をすることになった。そこで、僕の身に起きていることを説明した後に彼はこう言ったのだ。「俺に任せろ、お前には助けられた恩があるからな」と言ってくれた。そして僕達は、二人で行動を開始したのだった。しかし僕はある事に気づいてしまったのだ。そうそれはこの異世界に、この世界の人以外の者が入ってくることが出来るのか、そして、その者達にウイルスが通用するのか分からないということである。すると僕が気づいたことを聞いて彼も同じことに気づいたらしく、僕が思っていたことを全て彼に話すと彼が「俺はあいつらに連絡を取ってみるからお前は、真紀の方へ行ってくれ」と頼まれたので僕は「分かった」と答えて行動に移した。そして僕と彼とは一旦別行動をした。

しかし僕は、今いる場所に不安を覚えたので一度戻って来て彼にそのことを伝えた後にすぐに、また家を出ていった。すると僕は真希と彼女の両親を発見することができた。その時に、僕は彼女に近づいて行き、彼女を抱きかかえようとすると彼女が僕の手を払いのけてきて僕は彼女に「どうしました?」と問いかけると彼女が苦しみだし始め、僕は慌てて病院に連れて行こうとするが、彼女は僕の腕を掴んで離そうとはしないのである。僕は彼女を背負い僕は全力で走った。そして僕は病院に着くとその病室に真樹も入院していたのだが、その時に僕は、二人のことを治療して貰えないだろうかと頼むが彼女は意識を失いかけていたので僕の言葉を最後まで聞き取ることが出来なかったようだ。

僕は、真樹の父親から連絡を受けた医者と看護師と医師が僕のもとに駆けつけてきたのである。すると真美の父さんは僕に、こんな時にすまないなと謝り僕は、「別に気にしてないですよ」と言った後に「早く治してあげてください!」と僕にできることはそれぐらいしか出来ないと思いお願いしたら、僕達はすぐに別の病室へと移動したのであった。そして僕達が来たのはあの謎の美少女の部屋であった。僕は真美をそっと寝かせると彼女の顔が青白くなってきていたので、僕は必死で回復魔法を唱え始めたのだ。しかしその最中に、彼女が起き上がったのであった。そして彼女は、僕に向かってこういった。

「どうしてここにいるの?まさか、あの女と一緒に行動していてこの世界にやってこられましたか?私はもう、あの子を助けることはできないんですよ。だから私の事はもうほっといて」と言って再び倒れ込んでしまいそうになるが僕は彼女をなんとか支えることができたのである。そして、僕の後ろでは何故かこの場にいた皆が僕のことを睨んでいたのである。しかし僕は、そんな事を無視して「まだ諦めるには早いよ」と声をかけたが彼女は僕のことを拒絶して、 彼女はそのまま気絶してしまうのであった。

そうして僕は彼女と距離を取りつつ僕達は元の場所に戻り僕は真樹の父親にも協力してもらって僕達はウイルスに感染していない人たちを集めて避難させ、それから僕達はウイルスに感染する人がいなくなったのを確認したのである。そして僕は、僕に話しかけてきた人にウイルスの事について話しそのウイルスは、空気感染するウイルスであることを伝えてからその人のことは後回しにして次の人から治療を始めていく。そうしていくうちに真美は目を覚まして起き上がってくれたのだ。

しかし、真美はすぐに意識を失ってしまうが僕は、必死で呼びかけながら回復魔法を使い続けた。しかし、なかなか目覚めてくれないので僕は彼女の唇に自分の唇を押し当ててキスをした。すると彼女は、ゆっくりと目を開けたのである。そして僕は、「真美、良かった、やっと目が醒めたね」と言い僕は涙が止まらなかった。

しかし、その後僕達が安心したのは束の間、今度は僕達が住んでいる地域にウイルスが広まっていき僕達がウイルスによって死にそうな状態になってしまったのである。僕はこのままだと全滅だと思った時に僕の頭にとある記憶が甦ってきた。そう僕はこの世界に来てから何故かスキルの使い方だけは分かっており、僕は自分にも他人にも効果があるように回復魔法の呪文も頭の中で自然と理解し発動することができていたのである。

そして僕は、まず真美に対して僕の使える全魔力を使って回復を行ったのだ。その結果、彼女は一命をとりとめることができ僕は力尽きてしまったのであった。僕は死ぬんだなと、思ったその時だった。僕の元に、謎の美少女が現れたのであった。僕はこの世界での唯一の救いはこの謎の美少女だけだった。

そして謎の美少女が僕の前に現れて僕に対して、「貴様は本当に面白いやつじゃのう。ワシが見込んだ通りお主は他の者たちとは違う存在みたいだからお主になら力を授けても良いだろう。この力は神の力であり魔王すらも超えることができる力じゃがこの力を使えばお主が今生きている次元の違う世界におったとしてもこちら側に帰ってくる事ができるようになるぞ」と言われ僕は、謎の美少女に質問したのだ。すると謎の美少女は「それは、ワシが知る必要はない。自分で考えろ」と返されてしまい僕は「わかりました」と答えたのであった。そうして謎は残るが僕はこの謎を解くことができるのか、そもそも答えが分かるのかもわからないが今はこの世界をどうにかすることが優先なのでこの謎はひとまず置いとくことにしたのである。

しかし僕は、その日は気を失うことになり僕は目覚めたときには朝になっていた。すると僕は謎の美女の姿を見たのであった。すると、謎の美女は僕に向かってこう言った。「私はこれから出かけなければならないからこの子に伝言を任せようと思う。私の本当の名は魔王だと言うことだ。私はこの地球に来た理由と目的はいずれまた戻ってくるという事も言っておいてくれ。あと、これはサービスだ」と言って僕に不思議なアイテムを渡してくれたのだ。僕はそれを受け取った後に、僕はこの世界に戻れたときに、僕に渡してくれと頼んでおき僕達は分かれたのだった。

そして僕は、真希が無事なことを確認し、彼女が無事だったことに心の底から喜びを感じていたのである。だがその瞬間に僕達の周りが暗くなっていきそして光が差してきたのである。そしてそこには真希の父さんが立ってたのだった。しかしそこに居たのは真美の父さんのはずでその人には僕のクラスメイトや妹など他の人達もいたのだった。僕と妹はその人を見つめているとその人は、口を開いたのである。するとその言葉に全員が絶句してしまい僕は「嘘ですよね?」と聞いたのだが誰も応えようとはしなかったのである。そうしてこの世界を救う方法は分からなくなってしまったのである。そして、その日から三ヶ月ほどが経過してしまいその間僕は、学校にも行くことができないでいると真美の母が家にやってきたのである。

「久しぶりね、真樹くん」と言われたので僕は「真美のことですよね」と言うと彼女が「そうよ」と笑顔で答える。そして僕は彼女に、真樹に何をしたのかと聞こうとすると彼女が、僕のことを強く抱き寄せてきてこう言うのである。

「大丈夫よ真樹くんが思っているような事はしないわ。でも一つだけ言わせて頂戴」と前置きした後に、僕に「あなたと真樹には私たちの分も生きて欲しい」と言ったのだ。僕が「なんでそんなことを言うんですか?」と聞くと「だって、私達の寿命はもうほとんど残ってないし真樹も長くないの。だからこそ最後に、あの子達のために出来る事をしたいと思ってね」と僕に言う。僕は「どうして、真樹のお父さんに会わなかったんですか?」と僕が問いかけると「あーそれは、真樹に心配させたくなかったし何よりこの世界を救う方法があるのは貴方だけだと思っているの」と彼女からそう言われて僕は何も返すことができなかったのである。すると僕達はしばらく無言で見つめ合っていたのだが彼女は僕から離れてこう言い残す。そして彼女は僕に背を向けると真希の方へ向かっていったのであった。そして僕は彼女に向かって言ったのだ。

「僕はまだ諦めてませんよ」

「ありがとう。それともう一つ伝えておくけど貴方のその気持ちを無駄にした奴がいるの。だから、絶対に許さないでね。」と僕の方を振り向いてから僕の方に手を向けてくると僕の体が勝手に動き出し僕は彼女のことを抱きしめてしまうのである。僕は必死で抵抗しようとするのだが僕の体は全く動かず、彼女は僕の耳元でこう囁いた。

「頑張って、きっとできるから。さぁ早く行って」

「分かったよ」と僕の声で返事をしてそのままどこかに連れてかれていくのである。そしてその時に僕達は初めてお互いの名前を名乗らなかったのに何故かお互いに名前を知っていたことに違和感を覚えながらもその疑問は解消されることがなかった。

僕はその時には既に意識がなくなっておりいつの間にか知らない部屋に来ていたのであった。そしてそこで目を覚ました僕は、自分が誰かと寝ているのに気が付き慌てて離れようとしたのであった。すると、僕の上に乗っていた人物が目を開いて、

「ん、あれ?ここはどこですか?それに真美ちゃんがいないじゃない」と彼女は呟いていた。僕はどうしたらいいのかわからなかったので、とりあえず話しかけてみることにしたのだ。そして彼女に声をかけようとすると、彼女の瞳の中に星のようなマークが見えてきたのである。すると僕の中で何かが目覚めようとしているのを感じ取りそれと同時に彼女のことも思い出したのであった。そして僕は彼女の手を取りながら、「初めましてだよね」と挨拶をしたのであった。しかし僕の体は何故か動いてくれない上に何故かこの場にいる全員の顔が黒く塗りつぶされているように感じていたのである。

「え?ちょっと君誰なの?どうして私のこと知っているの?どうしてこの世界のことをそんなに知りたがるの?そしてどうしてそんなことを急に聞こうとしたの?」

僕達の周りに光りが現れ始め、そして謎の女性が僕の前に現れて僕は彼女と握手をしていたのである。そうして僕は自分の名前を名乗ったら突然彼女は僕にキスをしてきたのであった。そして僕は自分の中のもう一人の僕が出てくるのを感じると、その感覚が段々と広がっていくのであった。そして僕はもう一人の自分を呼び起こす。

『やっほー僕は君の中から生まれたんだよ。君の願いは叶えたんだから次は僕との番だよ。』そう言って僕の中から現れたのは白い翼を持った女性で僕はなぜか、その姿を見て天使だと確信したのだ。そして、僕は彼女の力を受け入れると同時に、僕の体は完全に意識を取り戻しそして目の前に広がっている風景がまるで違う景色に見えるのであった。そして僕が周りを見渡すと真希の母親が倒れている姿が見える。僕はすぐさま真美の母親の元に駆けつけて回復魔法を使い始める。そうすると僕は、自然と魔法を使いこなせるようになっていたのである。そうして僕はなんとか真琴の父親やクラスメイト達を助けることができて僕の視界から謎の女性が消えていき、それと同時に僕の背中にあったはずの真っ白な大きな羽は消えたのであった。僕はすぐに自分の中にいる僕の片割れに対して話しを始めたのである。

僕は今の状況を説明してこれから僕達がどうするかを話し始めた。すると僕の中にいる僕のもう1人の僕は僕に対して話しを始めてくれたのだ。僕達が今この世界で生き残れる方法はただ一つ、この世界の中心にあると言われる神域と呼ばれる場所で世界を救うための儀式を行わなければならないらしいのだ。

そして、神域に行くためにはとある条件を満たしていなければならないらしくそれは神域にたどり着いたものにしかわからないのだそうだ。その神域について僕はその情報を得ることはできなかったが、神域の場所については心当たりがあると言い僕に対してある提案をしてくれるのであった。僕は、彼女の言葉に従い、僕達は神の領域を目指すことになるのだった。そして僕達はその神の世界に向かうための準備として一度僕が暮らしているアパートに帰ることにしたのである。

真希の父親は僕の母と真美の父と共に僕達を見送ってくれたのである。すると、真希の母と真美の父と僕の3人が同時に喋り出すのである。僕は2人に聞こえない声量で僕と僕のもう1人の僕と話しを始めると僕はもう1人の僕から神器と神装武器を受け取り、そして僕が今まで集めていたスキルやステータスなどの能力を全て吸収した。

そして僕がもう1人の僕のことを呼ぶと、その少女は僕に向かって笑いかけて僕も思わず笑ってしまう。そうしていると真希の両親から「じゃあな」と言われ、そして僕は2人とはここでお別れすることになったのであった。

僕が住んでいる町には学校があって、そこに僕は通うことになったのだ。僕はクラス替えで同じクラスになった女子に話しかけられて少し困惑しながらも自己紹介をすることにした。そして、僕はこの世界での僕が、どのように暮らしていて、どうやってこの世界にやってきたのかを話す。そして、真希の両親が亡くなった話、真樹の妹が亡くなった話をすると、僕と同じでこの世界に迷い込んでしまった女の子に「一緒にこの世界を出よう」と言われた。そしてその子の名前は彩香と言って、見た目はかなりの美少女だったのだ。そんなことを考えていると僕は彩香さんと一緒に行動することになっていて、今日はこの異世界に僕が来た理由を探すことにしたのだ。僕がこの異世界に来た理由を知っている人物といえば僕の母さんしかいなかった。

僕はその事をクラスメイト達に説明して、クラスメイト達に僕とこの世界に来る前のことを色々聞いてみると僕は、やはりというか予想通りというかこの世界の出身ではないということが分かったのである。しかし、僕はなぜこの世界へ来たかの記憶がなかったのである。そのためこの世界での僕はこの世界の住民だったと記憶していたのだがそれは間違いだったという事がわかった。そうやって僕は僕が暮らしていたというアパートに行ってみるのだが、そこに僕の住んでいた形跡はなかったのである。そして僕はその日は学校が終わると家に戻りこの世界を救う方法を調べるために本棚やパソコンの履歴などを調べたのだった。そして、僕はその日に分かったことと言えば僕が住んでいたこのアパートの部屋が元々この世界のものだったという事実が分かってしまったのである。つまり僕は別の次元の世界に住んでいたということになるのだが僕はどうしてこの世界にやってきたのかということが分からないままだった。

そうこうして次の日の朝に僕はいつも通りの時間に起きる。学校へ向かう支度をしながら、この世界でも僕のスマホの電源を入れることができるのだろうかと疑問を持ちながら、この世界でもスマホの画面を見る。そして僕がスマホの画面を見て驚くと、そこには見覚えのあるアプリが表示されていたのである。僕はそれを確認すると僕にはこの異世界で使える魔法の知識をインプットされたみたいで、僕でもこの世界で使われるような魔法を使うことができたのであった。僕はこの世界の人間ではないがこの世界に来て、真希の家族を助けたことで僕はこの世界の住人に近づいてしまっていたのかもしれない。

それから僕は学校での授業を終えて放課後になると僕は彩香さんの通っている高校に足を運んでいたのである。僕が彼女のクラスの教室に入ると僕はいきなり質問を投げかけられたのである。「あのあなたも真樹くんと同級生の人?」

「ええ」と僕が返事をすると僕は彼女の方を向いてから、僕が彼女の名前を聞いたところ、彼女は僕の名前を聞くと、なぜか驚いていたが、彼女は僕のことを知っていたのである。そして彼女は「あの、どうして私の名前を?」と聞き返してくると僕は「どうしてでしょうね。」と言葉を濁しながらその場から離れる。

その後すぐに、僕は僕のクラスにいた彩香の元に向かい「どうしてこの世界にいるんですか?この世界で生き残っているのって私とあなたのお母さんだけですよね?」と言うと彼女は「やっぱり、貴女もこの世界に来ていたんですね。どうしてこの世界に残っているんですか?」と逆に聞かれてしまうので僕は彼女に自分の母親が僕と似たような状況になっていることや、そして彼女の母と父が死んでしまい、僕は1人だけこの世界で生きているという話をしたのである。すると彼女は「私は真樹と約束をしたのです」と答える。「え?どういう意味ですか?詳しく聞かせてください」と僕が言うと彼女は「私が死ぬ前に私のことを真希ちゃんのお嫁さんにしてくださいと言ったんですよ」と答えると僕は「そうなんだ」と相槌を打ちつつ「ちなみになんで死んじゃうとダメなのか聞いたら教えてくれますか」と聞くと彼女は顔を真っ赤にさせながら、「だって真樹と結婚する予定だったんですもの。それにこの世界は時間の概念がおかしいですからいつまで生きるのかわからないですけど、いつかは必ず死んでしまうじゃないですか」と僕は納得すると同時に、「まぁとりあえずは生きてこの世界から抜け出さないとだよね」と言い彼女と共に神の領域を探し始めたのである。そして僕は彼女が神域にたどり着くために必要なスキルを手に入れられる場所について心当たりがあるというのでその場所に僕は案内される。

そこは大きな図書館みたいな場所で僕は受付の女性に「ここにあるもの全て閲覧したいのですが可能でしょうか」と聞くと受付嬢が答えた。

そして僕は受付カウンターの上に一冊の本をおいて、「これ、読ませて貰えませんかね」と聞くと「いいですよ」と許可してくれたのである。そして僕はこの世界から脱出する方法を書かれているであろう本のタイトルに目をやるが僕には読めない文字で書かれており僕にはこの本の内容を理解することができなかった。しかし僕には何もしないでいることはできず僕は自分の魔力を使い魔法陣を描き、そして僕と彩香の周りに結界を展開する。

そうして僕達は魔法書の内容を読み上げて確認するが、僕が知りたかったことは記載されていなかった。そうして、僕達にはもうできることがなく仕方なく僕と彩香は僕達が暮らす家に戻ってきたのであった。僕は自分の部屋に戻る前に真美が眠っている病室に立ち寄り僕の母はどこにいるのかを聞き、僕は病院の外へと向かい僕の母が暮らしていると思われるアパートへと向かうことにした。すると僕の視界の端に僕が住んでいる部屋の前にある電信柱に隠れている僕の母の姿が目に入るのであった。僕が近づくと僕の母は電信柱の裏から出てきて僕の方を見てきたので僕は挨拶をする。

そうして僕は母と一緒にアパートへ戻ることになる。僕はそこで母に色々と質問することにしたのだ。僕はまず、僕が死んだのが真希のお父さんの葬儀の時であり、僕が葬儀会場から出たところで突然後ろに現れた女性に声をかけられて、そして気がついたときには僕はこの異世界で真樹として過ごしていたのだという事を説明したのである。そして、僕がこの世界に転移した時の状況について話し、そして真希の父がこの世界では僕の父親であったということを伝えると、母も真希の両親の話を思い出して僕の話を信じてくれたようだ。僕は自分が暮らしていたこの世界のことについて聞き、僕達が今この異世界で生活している場所は、かつて僕達が住んでいた街とは似ても似つかない街並みで僕はここが本当に日本なのかを疑ったが僕の住んでいるこの国では僕がいた世界で使われていた通貨や単位が通用していて、僕が今着ている服はこの世界に来た時に支給された制服なのだ。なのでここは確かに日本のようで僕が住んでいたあの町が異世界のものだと証明されてしまったのである。そしてこの国の言語はこの異世界の言語を自動翻訳してくれていて僕の母の言葉が僕にも理解することができたのだ。僕はそのことから異世界と地球は同じ時間で動いていると推測する。

僕は、僕がこの世界へやってきた理由を知る手がかりがないかと思い僕の家に戻ってきていたのだ。僕の家は母が借りているもので僕と母は一緒に暮らしていて、僕の部屋もあるので僕がこの世界にやって来た理由は僕の母が知っている可能性が高かった。そして、僕は僕の母と会話をしてこの世界で僕がこの世界にやってきた理由が何かあるかを確認する。すると、僕と僕の母がいるこの世界ではかつて僕の世界で起こったような事件が起きていたらしいのだがその犯人も、動機も全く不明で警察が調べたが分からずじまいだったということを聞いて僕はもしかしたら僕を召喚したのは僕の母ではないのかと思うようになっていた。僕は母になぜ僕を召喚したのかを確認するがどうやら母は覚えていないらしい。僕は僕自身が異世界から来たという事実を伝えずに僕の記憶が消えてしまったのはどうしてなのだろうと疑問に思っていたことをそのまま伝えていくと母は「そんなはずはないのよ」と否定してきたのだ。そうすると僕は僕の母の記憶が戻れば、元の世界に帰る方法を思い出すことができるんじゃないかと考えてみることにしたのだった。そういえば僕の母さんはどうして、この世界の人間ではないのかと聞いてみると僕の母さんがこの世界にやってきた時はこの世界にはすでに僕のような存在がいたそうだ。だからこの世界は僕の世界のように異世界からやってきた人間が元々住んでいるわけじゃなく異世界と地球の交流が始まってからの移住者が多く住んでいるんだ。そのため、僕の世界の人達にとっては僕の世界はこの異世界よりも文明が発達していて僕達の世界でも使われているような言葉を使っているし、通貨やお金の単位もこの世界でも共通で使われているし、文字も同じなんだとさ。

僕はそうやって僕の世界でこの世界で起こっていることと同じような出来事が起こったのなら、僕の母が僕と同じ方法でこの世界に来た可能性が高いと考え始めていた。そうすると僕はもしかして僕の母が真希の父親が死ぬ直前に僕が巻き込まれたような空間の歪みに偶然巻き込まれてしまったのではないかと考えるようになっていった。もし僕の予想通りなら僕の母のことを探すことで僕の記憶が戻ったりして僕の世界に帰れるのではないかと考えるようになる。

僕はそうやって僕の母に質問をしまくって色々聞き出した。そうすると、母がこの世界に訪れたときにいた場所は、僕達が暮らしている街の外の森の奥にある神殿だということが判明して僕はそこに行くために森の前まで来た。

すると母が、僕が森の中に一人で入ろうとしているのを見て止めてくる。

「あそこには危険なモンスターが生息しているから子供が近づいちゃだめ」と僕を心配する様子の母を見て僕は母を連れて森の中に行けば安全だと思い僕は強引に僕と僕がこの世界にやってきた時に巻き込まれた空間の裂け目の所に連れて行ったのである。そうすると母はとても驚きそして母がこの世界で体験したことを思い出せてきたらしく、僕は、僕の世界で起きた事件についても教えて貰えるようにお願いをしたのだ。そうして僕のお母さんが言うにはかなり昔に起こったことで、僕がこの世界にやってくるずっと前の時代の話で、僕は、この世界にやって来たとき、この世界の言葉で話しかけられていたらしいが、当時の僕には何も分からない状況で混乱していたという。それから僕が僕になる前の名前は、僕にそっくりの人でこの世界にやってきて、この世界の言葉を流暢に話すことができたが僕はその人のことを知らずに僕が知らない間にこの世界にやってきているらしい。そして僕の父は僕の世界で亡くなったあと僕と同じように僕の世界にやってきたらしいが僕の父を僕が殺したのだと母は語るのであった。そう僕は僕が生まれる前は別の世界で暮らしていたことを教えられる。僕の世界では僕の父が僕を誘拐しようとした組織を逆に僕が捕まえたという話をされて僕が父の記憶をなくしたのは僕の世界での父の死に方が原因で僕の脳がそのショックでおかしくなったのではないかということを伝えられた。そうすると僕と僕の母の目の前にはいつの間にか異世界と繋がっているというあの時の場所が広がっており僕は急いで僕をこの世界へと呼び出した奴を見つけ出して、僕が僕に成り代わろうとした原因を作ったそいつを殺す必要があると思った。そうすると母に僕が何で怒っているのかと尋ねられたので僕が説明をすることにする。そうすると母が、僕に言った。「貴女はその人を殺して何がしたいんですか?」と聞かれたので「僕を勝手に呼び出した恨みをぶつけたいんです。僕にはどうしてもあいつが許せないんです。僕は僕で僕は僕なのに僕に僕の人生を奪いやがったあいつに、この世界に僕が召喚されたのは僕の意思じゃない。だから僕にはこの世界を救うつもりはないし、この世界にいる勇者は全部僕がぶっ潰すんです。だって、僕をこっちの世界で無理やり連れてきて、僕から父を奪って、そして僕をこんな風にしたんだ。絶対に殺さないと気がすまなかった。それに僕を僕の人生をめちゃくちゃにした責任を取らせたかった。」

そうして僕は母に「僕の世界からここにやってくるための門を作るにはこの石版が必要です。でも僕の世界で僕をここへ連れて来たやつをぶちのめせば僕の力が増して作れるようになります。それまで待っていてください。そうすればあなたを元の世界に戻してあげられるようになります」と言い、そして「必ず殺します。僕の命に代えても殺す」と言うのであった。そして僕はその場を立ち去るのであった。しかし母が、僕についてきたのは意外であった。僕は一人でやるつもりだったのにと母に伝えると、「私もその犯人を殺したいし、貴方にそんなに感情を剥き出しにするくらいの復讐相手がいたというのが嬉しかった」と言われたのである。そして僕の母と僕はその日はこの世界で一泊することにした。そして僕は僕自身のステータスを確認してみるとやはりこの世界に来る前と変化していて、職業は僕が元々この世界に来た時には無職であったが、僕が真樹になったことで僕は勇者になっていてレベルは1だったが、スキルだけは僕が異世界にいた時に使っていたものがそのまま使えるようであった。僕の持っている技能のほとんどを僕はまだ習得していたのである。そして僕は僕を僕の世界へ呼び込んだ人物を倒すために僕自身を強くしていく必要がでてきたのだ。僕は僕の母にこの世界にいる間だけでもいいから稽古をつけてくれと言ってみると母は快諾してくれた。母は冒険者なのでかなり強いようで僕も強くなるために修行をつけると母は言ってくれたのだ。そうして僕と母がこの世界で旅をしているうちに僕と母と僕の娘になったリリィの三人が僕達の世界のダンジョンへ行くことになった。

まず最初に僕達がダンジョンに向かうことにしたのはダンジョンがあるとされる国だ。まずは、そこを目指すことになるだろう。そうやって僕達は、僕達がいた街を出て隣の国へ向かうのだった。

まず僕達が最初に向かった国の名前は「グランバニア王国」といって僕の住む街よりも規模が小さい国だった。僕は母になぜそんなに小さい国の街に住んでいるのかというと「私が元いた国はこの国の近くにある森の中で魔物に襲われていたところをたまたま通った私が助けに入ったんだけど。この国の人達の殆どが魔法や剣などの武術を習得していない人たちばかりなのよ」と母は僕に伝えてくれたのだ。僕もこの世界の事情はよくわかっていなかったが、この国は平和そのものなのだということが母の話とこの街の住人から話を聞くだけで分かってしまった。そしてこの国の王に会うことにし、この国の王に挨拶するために王城に行こうとするのだが道の途中でこの国にやってきているらしい商人の一団と出会い僕と僕の家族はこの国にいる間はこの一行の護衛として行動することになった。

僕は護衛の仕事中暇だったので母と一緒に買い物をして、母がこの世界へやってきたときのことや僕がこの世界へやってきた時に起きた事件について聞いていた。そうして僕がこの世界で冒険者をすることになれば僕自身がこの世界を救えるんじゃないかと少し思っていたのだが、僕一人の力ではこの世界を救うことは無理だと分かった。僕がこの世界にやってきたときに母が出会ったという異世界から僕を呼び出した人間も、その僕に似た存在によって殺されてしまいこの世界に存在していた僕の魂のような存在だけが残った状態になってしまっている。そしてその男は僕の体を乗っ取るためにこの世界に残っていたそうだ。僕が勇者に選ばれたのは自分の体の中にいる魔王のような存在に対抗することができる唯一の存在だったからだと言っていたのだそうだ。そして僕に似ているというそいつは、自分が元々この世界で生まれた人間だという事を僕に伝えたらしいのだ。そうして、この世界のどこかに僕と似ている人物がもう一人いるはずだ。

そして僕は母にこの世界ではどのような生活を送っているのか聞いてみた。

そうすると、僕の母は冒険者として仕事をしたり、街の外に出たときに素材の採取などもしながら生活をしているのだということを言われ僕はこの世界のことを聞いてみるとどうやらここは僕の世界とは違う平行世界のようなものだという話を聞かされた。そうして僕の世界にあったゲームみたいな感じの世界だと言われているのだそうで、母が元いた世界でも同じような現象が起きていて、その現象に偶然巻き込まれた人は、その現象に巻き込まれた時間より前の過去に戻ってその時代に生きていた人が知っている歴史にはなかった出来事が起こってしまいその結果、未来の歴史が変わったのだろうと推測することもできたが証拠はないとのことで、母自身は、元の世界に帰りたいとは思っていないが、もしも帰れるのなら戻りたいと思っていると話してくれた。そうして僕と母は僕の娘になった娘のリリーを一緒に寝かしつけていると僕はふと母にこの世界で僕の母はどうやって暮らしていたのだと尋ねる。

そうすると母も僕のように自分の意思ではなく何かに巻き込まれてこちらの世界に来てしまったのではないかという話になり、僕の母はこの世界で冒険者をしていたようだが、母自身も何故この世界に来たのかについてはよく分からないと母に言われたので僕達は僕達が今いる場所の近辺で起こっている事件や噂話などを聞いて情報収集をすることにした。そして、僕達3人の中で僕と母の二人が同じ場所で襲われたというのならばおそらくは真希もこの場所の近くで起こった事件の被害者になっていたのかもしれないということを考え、もしそうなっていた場合の話をするのであった。僕は僕の父である僕と母を襲ったという男を殺したあと、この世界にも母がやってくるまで住んでいたと思われる家にやってくるとそこに母が書いたらしい日記を見つけ、母が異世界から戻ってきたら読ませて欲しいと書かれたノートを僕は見つける。僕は、その部屋で母の日記を読むことにしたのである。そうして僕は、僕の母である美佐枝が僕に僕の父を殺し、僕を僕の世界へ呼び寄せ、僕の人生をめちゃくちゃにしたその男の手がかりを得るために僕は母の日記を読み始めるのだった。

私の名は、真樹、元の名前は高橋美咲。私はとある異世界へ転移するはずだった。しかし、どういうわけか気がついたとき私は、私の生まれ育った家の一室で、元夫であった男性に犯されている最中であった。そして、その男性は「お前のせいで!俺の人生はめちゃくちゃになってしまったんだ!」と言い放ち、そして「俺はこれから、あいつを始末してくる。」と言って、私を乱暴に押し倒したまま家から逃げ出そうとしたのだった。だがしかし、彼は何者かに襲撃されて、命を落としてしまう。そうして私は、その後家にいた義理の妹に、その異世界の魔王と呼ばれる存在を倒して、元の場所に戻してくれと頼み、私も魔王と戦うためにその異世界へと向かったのであった。そしてそこで私が出会ったのは、私がこの世界に来る直前に出会った男の子の見た目をした少年だった。

僕は僕の母が元いた世界のことについて母が書いていた手記を読んでいて思ったことがある。それはこの世界のどこかで、僕と瓜二つの顔をした人物が存在している可能性が高いということである。しかし、僕にはそんな人には心当たりがなく、母も心当たりがないというのだ。僕はこの異世界のどこに存在するのかはわからないそのもう一人の自分に早く会ってみたいと強く思ったのである。僕も僕自身の顔が嫌いなわけではないが、やはり僕のことを僕の父を殺した男と同じように、勝手にこの世界に連れてきて、勝手に人の人生を奪っておいて、僕と同じ名前を持っている僕に全く心当たりのない誰かさんは一発ぶん殴ってやらないと気がすまない。

僕は僕の母の日記を最後まで読んでいき僕をこの異世界へ呼び込んだ奴への復讐を決意したのであった。そうこうしていくうちに僕の母もこの街で暮らすことを決めたようだった。僕達はとりあえず僕達の拠点となる街を決めることにするのだった。

そして僕は母がこの街に住むことを決めてくれたのは嬉しいことだとは思うのだが、なぜだか母のことが心配になってしまうのだった。僕の母は昔僕達がいた街ではトップクラスの実力者であり冒険者としてかなりの功績を上げてきた。そのおかげでこの世界でもそれなりの地位を築くことができたらしいがこの国ではかなり目立ってしまったらしく母の存在がかなり話題になっているようで僕はそんな状況の僕の母がこの国にいる間だけでも僕達の住んでいるこの小さな街にいれば危険に巻き込まれる可能性があるので僕は母の安全のためにもこの街に留まらせるわけにはいかないと思い僕はこの街を立ち去ろうと思うのだった。僕と母の娘であるリリーはまだ幼かったが、リリィの年齢からすると普通なら幼稚園児になるはずなのだがなぜか彼女はこの国の言葉を理解していたし知能も僕よりあるようだったが僕の娘になったことで、彼女のレベルが上昇したようで、この国の言葉で話せるようになっていたので彼女を置いて僕は一人で旅に出ることに決めたのだ。

僕と母の愛娘のリリィは僕が「お母さん、この街を出発することにしたから」と僕が言うと僕に抱きついて離れなかったのだ。

僕としては僕は僕の娘にあまり愛着はなかったがこの国を出るまでは仕方がないので面倒を見ることにして僕はリリーと一緒にこの世界にある僕の父がやられたダンジョンへ行くために旅に出ようとしたのだ。

まず最初に向かうことになった場所は、僕の母が住んでいた国よりも規模の大きい隣国「サンセット帝国」というこの大陸で二番目に大きな大国に向かうことにした。そして僕達がこの世界にやってきた国でもあるこの国はダンジョンも多く存在している国でもあったため僕はまずはここを拠点にすることにした。まず僕達がまず目指したのは僕の故郷となった街から比較的近い場所にあるダンジョンがあるとされる街「ラビットシティ」へ向かうことにした。

僕達は、僕の父が死んだとされる街を出てこの世界にやって来たときに乗った乗り物にもう一度乗り込み僕と母の愛娘であるリリーを連れて僕は目的地の街へと向かうのであった。僕は乗り物に乗る前に一応確認をしてみたがやっぱり僕のスキルに乗り物がなくても飛べるというものがあったのだ。そのため、僕は僕の母をこの街に置いて、リリーと二人で旅に出てもよかったのかもしれないと思った。そうすれば、僕の母が危険な目にあうこともなくなるだろうし、リリーのことを可愛がってくれた僕の義母にあたる人達ともしばらく離れて暮らせば少しくらいは僕のことを嫌ってくれるかもしれないし、なにより、僕は僕の母の近くにいたらきっと甘えてしまいそうだったからだ。

そうして僕達親子は目的としている街の近くにある山を目指して飛んでいくのである。僕が母からこの世界のことや、僕によく似た存在が元の世界に存在したことなどを教えてもらうことによって僕が異世界へ来る原因となった男が本当にいたのだという確信を持てたので、僕はこの世界にやってきたときに僕が乗った車を使って空を飛ぶことができるのでその車に僕の母も乗せることにした。僕の愛娘のリリーも、まだ幼いが母と同じくとても賢い子だった。だから僕と母との会話の内容も理解している様子で僕は、母も一緒に行くということで嬉しそうな表情をしていたのだ。そうして僕は僕達がやってきた国へと向かっていったのである。

僕が母と出会ってからは母を危険な目に合わせないためにこの国からなるべく離れた方がいいと思っていたのだが僕の考えとは裏腹に、母は僕と一緒にこの世界を救いたいという気持ちを隠さなかったので結局僕は僕達二人が元住んでいた町まで戻ってきてしまったのである。

僕の生まれ故郷であるこの村には母の実家があったのだ。母の妹や弟などもおり、この世界へやって来て母が世話になった人や母と仲の良かった人たちも大勢いたが、母に危害を加えるような人間がいないことは僕自身がよくわかっているので母も特に気にかけてはいなかったようだ。そうして、僕と母とで僕が母と出会った村に戻ればまた、僕と母を襲おうとした父やその仲間のような連中が出てくる可能性も考えたが僕の母はそういった奴らの返り討ちなら問題はないと考えており、逆に僕とリリーを守る為にこの村の人たちは、母と面識があり僕にもよくしてくれたりもしていたのだが母は彼らを守るために戦う決意を固めていた。

そうこうして僕と母はこの世界で生まれ育った実家に戻りそこでしばらくの間滞在することに決め、この世界で僕と母が一緒に過ごした家に帰るとそこには母の弟と妻とその子供が暮らしていたのだった。母はその家に入るとすぐに母と妹や弟に歓迎され久しぶりに家族の暖かさに触れた僕は母を安心させるべくに僕は笑顔を見せながら母のそばを歩いて行ったのである。

そしてこの村に滞在し始めて2週間が経った頃だった。僕は毎日この世界に来る前と今でやっていた仕事をしていた。この異世界にきても、僕は元いた場所でも、やっていた仕事のルーティンをこなしていてこの世界へ転移して来ていても僕はその日常を繰り返していてこの異世界で冒険者の真似事のようなものを始めたのだ。僕が僕の仕事としてやってきたのがゲームセンターでのクレーンゲームのプレイ動画のアップロードだ。この異界でもやはりその作業を続けていたのである。僕と母にはとても可愛い娘がいるわけだがその娘とこの異界では母を僕の世界にいた時と変わらずに母と呼んでくれたことには感謝したいところではあるがその娘と僕が暮らすようになってからのある日のこと。その日もいつも通り、母に言われていた時間までに自分の家で作業をしようと思って家に帰ったのだ。すると母が見知らぬ少女と仲良く談笑していてその二人の様子をみて僕は何だか嫌な気分になってしまって、母とその見知らぬ少女の間に割って入ろうとした時に母と見知らぬ少女との間に火花が散っていて僕は一瞬固まってしまうのだった。

それから数日後。今日僕は朝起きたとき母と愛娘のリリーの3人で食卓を囲んでいて朝食を食べ終わった後、母は出かける支度をするために僕の前から消えて行き愛娘のリリーもおままごとを始めるために外へ出て行ってしまった。僕は一人取り残されてしまって、何もすることが無いのでとりあえず家の掃除を始めようとするが母がいなくて家の中に何か変化はないかチェックしてみようという好奇心もあって家の中のいろいろな場所を調べて回った。まず最初に、台所を調べると母と義理の妹のリリーとが使っていた食器棚の中から僕が見慣れた母の食器が出てきたのだ。僕はその母の使っているであろう食器を見て母を懐かしんでしまっていた。次に風呂場とトイレを確認したが何もなく、そして最後に寝室を確認することにした。この部屋には僕の父の形見でもあるパソコンとゲーム機、漫画や小説などがたくさんあったはずなのだが僕の予想に反して本もなにも置いていなかったのだ。その代わりに僕の父が殺されたダンジョンの攻略方法が記されていたノートが1冊おいてあるだけだった。どうやら僕がこの異世界へ来るきっかけとなったダンジョンに母もこの異世界に転移したと思われる時期に訪れたのは確かなようである。

そしてその後僕達はこの街にある大きなダンジョンへ向かうことになった。ダンジョンへ向かう途中僕は母とこの世界のことや、僕に酷似している男についてなど話しながら移動していた。僕はこの母と一緒に行動するのはこの異世界に来てからも初めてのことだ。母と旅をしてからの僕は常に危険を気にして行動していたのだが今回はこの異世界に母がいることもあって少しだけ僕は安心できたのであった。

ダンジョンへたどり着く前にこの国に存在するダンジョンの情報を集める必要がある。まず僕は、母にこの街にどのような施設が存在するのかを尋ねてみることにした。僕達は、まずこの街の図書館へ向かうことにした。この街にはダンジョンが存在しているがこの街は観光都市でもあるため冒険者のためのギルドも存在しているのだが僕はあえてそこに行く必要もないと思った。

僕達が図書館でこの国の歴史や、この世界に関して書かれている本を読み漁ると僕は気になることを知ってしまいそれを確認しなければと思い、僕はある人に尋ねると僕の思っていた答えとは違ったので、僕達親子はその人の意見を聞きながらもう一度別の資料を探して調べ直すことにしたのだった。

そうして、母や愛娘のリリーとともに僕達は街の郊外にあるダンジョンにたどり着き、まず、入り口の前に立ち入るのに入場料が必要だと書かれていたので僕はそのお金を払って中に足を踏み入れると、ダンジョンの中には僕達のいた世界と変わらない風景が広がっていのであった。ダンジョン内の通路は薄暗く光は天井のあちこちから漏れている魔鉱石によって照らされていて壁や床の材質は全て土で覆われており地面はむき出しになっているのだ。そんな状況からしてここはまだ初心者向けの階層だと思える。この異世界に来て僕が初めてこの異世界へやって来たときに通った道と同じ雰囲気を感じるのだ。しかし、そんなことを考える前に、この世界に出現する魔物と呼ばれるモンスターを確認をすることにした。

そして僕の視界に入る範囲に出現したのは通常の人間よりも身長が高く緑色の肌をしたゴブリンだった。僕は母に視線を向けると同じように僕を見つめていて僕達は二人でアイコンタクトをとると僕は剣を構えてゴブリンへ接近していく。僕が近づくとゴブリンはすぐにこちらに気がついて武器を構えたので僕は素早くゴブリンを両断してみたのだ。この世界で手に入れた力を使って戦えば僕のステータスはとんでもないものになっているらしくゴブリン程度は一撃で葬れるようになっていたようだ。その後も、現れる魔物を次々と僕の手にする聖剣の力を使えば一撃で消滅させることが可能で、僕のレベルもみるみると上がっていくのであった。

僕達一行はついに10階まで到達したが僕はここで一旦休憩をとることに決め、僕達がこの世界に来た際に使用した乗り物に全員で乗ることになったのだ。乗り物は空を飛ぶこともできるが地面に着地することができるため地上にいる他の人間を巻き込むことがないという便利な乗り物なので僕は母と娘と一緒にこの乗り物に乗り込んで休憩をとったのである。そうして僕達がこのダンジョンを制覇するにはどのくらいかかるかを相談した結果一ヶ月以内に達成することが目標とされたのであった。そうこうしているうちに僕達親子はこの異世界に転移してきたときに乗っていた乗り物に乗ることで空を飛び上へ進んでいくことができたのである。

僕が母と一緒に空を移動していた時であるこのダンジョンの中層のあたりからこの異界のダンジョンの異変が起き始めていたことに気付いた。それは、この異界においてこのダンジョンの魔物は普通の動物と同様にこのダンジョンの中で生活しているものたちばかりだということに僕は違和感を感じていたのだ。そのためこの異界にはこの異界で生きている生命体が存在していて当然この異界で生活しなければいけない理由が存在するはずであるという仮説を思いついた。そこで僕はこの異界に存在している生物を一匹捕まえてくることにすると僕が母に言うと母は笑顔で承諾してくれた。そしてこの異界の生き物を捕まえるため僕と母はとある部屋へ移動した。この異界に転移した際に僕が目覚めた部屋にである。この部屋の隅に僕の目に入ってきたのがあの僕の世界に存在した謎の黒い物体でありこの異界でもその謎の存在は存在することを確信した。そうしてその物体に近づくと母がその黒い塊を手にして僕の方へ差し出してきたのでそれを僕も受け取り、僕はこの物体の鑑定を試みた。そして僕が触れたことによって僕の手を介してこのアイテムは僕の体に取り込まれてしまい、僕の頭の中にこの物体の詳細が表示されたのである。

「スキル」と一言発することで、スキルを使用可能になり、またスキルを使用するために必要なコストを消費せず、スキルを使用することが可能になる ただしこれは自分の意志とは関係なく自動的に行われるのであって自分からこの力を発現することはできない またスキルの力は強大であるが使用には注意が必要となる そしてその黒い塊は僕の意思とは無関係に勝手に発動してしまうことがこの異界に来てわかった。僕が何かを発言しようとして口を開こうとすると勝手にその言葉が口から出てしまって自分ではコントロールできない状態に陥ることがあるのである。例えば、僕が母の作った料理を食べる際や何かを口にしようとするときなどに勝手に僕の口から言葉が出てしまうのである。

このように、僕の意思とは関係ないタイミングで勝手にその力を行使しようとするので、この異界に来る前は自分が意識しない限りこの力を発動することができないと思っていたのだがそうではなかったのだ。この異界でこの黒い物体を手に入れた後に僕はある疑問を抱くことになる。僕は、僕が異界へ来る前と異界へ来た後の2回この世界へ訪れているのである。そのどちらでもこの異界に存在してはいけないはずのものが僕の体内に吸収される感覚を覚えたのである。この僕の体の中へ吸い込まれていったものが何なのかを知ることができるかもしれないと思った。だから僕はその能力を使用してみることにした。するとその物体を解析することの可能なスキルの効果が表れて、僕の目の前の空中に大きな画面が出現してその画面にこの異界の地図が表示されているのがわかる。そこには赤いマークがいくつも存在してそのひとつにカーソルを合わせるとその赤いマークの詳細な情報が映し出されていくのだ。僕はその詳細情報をみてその物質の正体がわかって、僕は自分の身に一体どんなことが起こったのかということをようやく理解したのである。

そしてこの異界に存在する生物を母とリリーとともに僕はダンジョンから脱出するまでずっと探し続けることになったのである。

このダンジョンは階層制になっていて1〜99階までは初心者の冒険者が活動するための場所で、この世界には様々な職業がありその中でも戦闘に特化した職業がある。それが戦士、武闘家、僧侶などの近接攻撃を行う職と、魔法使い、回復役、支援職といった遠距離攻撃を行える者が存在している。そういった前衛と後衛に別れて行動すればより安全にこの異界に存在するすべての魔物を倒すことが出来るだろう。

そうして、僕がこの世界へやってきた時に見たこのダンジョンの最深部の光景とは全く違った風景が広がっている。まずダンジョンの通路の広さは1kmを超えていてかなり広いのだがそれでも僕達はこの異世界でこの世界の人々が住んでいる大陸の4分の3の面積を占めているとされるダンジョンの攻略を進めていくことにしたのだ。

母と娘のリリー、それにこの異界の魔王と呼ばれる存在であるこの僕の母がこの世界で暮らして生きていくことを決心したのは、この世界の環境に適応したからだと思われている。僕が母と一緒にこの異界のダンジョンで修行をしている頃、母の体に突然異変が生じたのであった。この世界の住人はこの異世界に召喚された人間はみんな僕のような姿形をしている。つまりこの世界の人々は地球での生活をしていた人たちの姿形をしていて僕はその姿を見ていると母もこの世界にやって来たときも同じような格好をしていなかったのかと考えるようになった。母にこの異世界へやって来る前にこの世界の人間に酷似していたか聞いてみたのだがこの世界にやって来たときにはそのような姿でこの異界の世界を生きていたのだというのである。

僕はこの異界へやって来たときの服装や武器などを身につけていないからわからないのだけれど母が身につけていた防具類や装飾品などを見ている限りでは地球でいうところの女盗賊とか女アサシンといった感じに見えるんだよね。そう考えると僕や妹のように地球人が転移した場合だとやはり地球人の姿のまま異界で生活しているのかなと思った。そんなことを思いながら僕はダンジョンの探索をすることにした。このダンジョンの階層は100階から200階まで存在し、最下層に潜んでいるこの異界の魔族と呼ばれている者たちの討伐を完了することが当面の目的である。そうこうしながら僕がこのダンジョンで修行している間も母は魔道具の製作を行っていたのであった。そして魔道人形のリリアさんは、この異界に来てすぐにダンジョンへ侵入していたようで母が製作していたこの世界には存在しない素材を使った装備品を大量に入手することができたようだ。そして、ダンジョンの階層ごとに階層のボスモンスターが待ち構えていて母が魔導書を使って使役できるモンスターをこの世界に出現させたのだった。そして僕はそのモンスターたちと戦い続けレベルを上げていきこの異界で生きるために必要な力を手に入れることができたのだ。しかしダンジョンを制覇するためにはまだまだこの異世界に出現したモンスターたちを討伐し続けなければならないのだ。そのため僕はひたすらダンジョンを徘徊し続けた。そんなこんなしているうちに、ついに僕がこの異世界へ転移してから約半年が経つと、とうとうダンジョンの99階の魔物の親玉である魔物の王様を僕と、母の力によって撃破することに成功したのである。そしてその日を境にこのダンジョンは消滅することになった。母曰くこの異界にはこのような異界が存在するのでこれから先もこのダンジョンの魔物たちが現れることはなくなったというのであった。僕はその報告を受けてひと安心し、僕の体内に宿った黒い塊がどのような力を持っているのかということを知りたくなってしまった。僕はこの異界で自分の力がどのように発揮するのかを確認する必要があると思い始めたのだ。

僕と母がこの異界で生活を始めるために用意した住居がこの異界に存在していた。この異界にも地球の常識が通用していて、例えば水道管と下水道を完備しているために水洗便所で使用できるような設備があったり、この世界で一般的に使用されている電化製品と呼ばれる機器も存在したりするのだ。そのため僕はこの異界で生活するうえで必要なものは大体手に入れており生活するのに困るような状況ではなかった。この異界へ来てしまったのがちょうど今年に入ってからの出来事で、僕はこの異界で暮らし始める前の記憶を失っていた。この世界へ召喚される前も地球に暮らしていたのは覚えているがそれ以上の記憶がすっぽりと抜け落ちてしまっているのだ。だからこの世界に来たのがいつかということははっきりとわかっていないがこの異界の時間の流れ方と僕が元いた日本の時間は同じように流れているということに最近気が付いた。

そして僕はダンジョンの制覇を達成した後に、このダンジョンの最下層に封印されているというこの異界にかつてこの世界を創造したとされる神に会おうと試みることにしようと心に決めていた。この異界においてこの世界は神の箱庭と呼ばれていてその神々が住むとされる天界に行けるようにする方法を探す必要があったのだ。僕はそのことを母の目の前で伝えると、その方法は母にはまだ教えられないけど、母にはこの異界に存在するあらゆる情報を集めてもらってこの異界の謎を解き明かしてもらいたいとお願いをした。母は僕の言葉を聞くと「あなたは本当に優しい子に育ったね。私はあなたの期待に応えるため頑張らせていただきます」と言ってくれたのである。僕はその言葉を聞いてこの母についてきてくれたこの異界の人々に恩返しをすることを決意し、この異界で暮らそうと思うのだった。

そういえば母と僕の妹がこの異世界へ来る際に乗っていたこの乗り物も僕が所持している黒い物体と同じアイテムでできていたのでこのアイテムの力を使えば僕の能力である黒い物体が発動しそうな気がするので試してみることにした。まずは僕の体の中から黒い塊を取り出してからその黒い塊を鑑定してみると「スキルブック スキルが使えるようになる」と書かれていることがわかる。その説明通りに僕は頭の中でスキルという言葉を念じることにした。

すると黒い塊は一瞬光ると次の瞬間には本が僕の目の前に現れたのである。

僕が頭の中に思い描いたとおりの結果になって嬉しく思ったが、その本の見た目に違和感を感じた。それは表紙や中身の色がそれぞれ違っていてその本には赤い文字で書かれていあるのである。

僕は赤い文字の書かれた本を手にとって、中を開いてみると、どうやらその本のページには僕の名前が記されていてその下の方に僕の能力が書かれているのだ。

僕の能力は黒い物体の力を自在に操ることのできる力らしいのだ。この本の説明を読んで僕はさらに興味を抱いた。その能力を自分の目で見て確認したいと思っていたのだがこの異界へやって来たときに着用していたあの黒いローブを着用していれば発動できると書かれていたので、早速着用してから再びこの世界に来る前に僕の住んでいた場所にあったダンジョンへ訪れてみることにした。そこで僕の体内へ黒い塊が取り込まれる感触を覚えたのである。その瞬間に僕の中にある黒い塊と繋がっているような不思議な感覚に陥った。その状態で、この異界へやってきた時に黒い物体を入手した場所にたどり着いてみると僕の体は黒い霧のようなものに包まれていた。その黒いものに触れると僕の体がその物体に吸収されるのがわかったのである。そして吸収されると体の調子がとても良くなったのである。この異界へやって来てこの世界が僕の住んでいた地球よりも文明が発展していないということを初めて知ったのだ。その理由として、この異界には魔法が存在していて地球とは異なった独自の進化を遂げているのだ。だからこの異界では科学の発展が遅れているのだ。

この異世界へやって来る前の僕は自分の意志とは無関係に黒い霧が勝手に発動してしまい、僕はそのせいで母や妹の身に危害が及ばないかが心配だったのだ。だからこの異世界へやって来るとこの黒い物質の能力を発動することが困難になるかもしれないと思った。僕はその問題を解決するためにこの黒い物質を取り出す方法を思いついたので、黒い物質の回収を試みてみたのだ。すると簡単にこの物質を回収することに成功したのである。

これでいつでもこの黒い物質を自分の中に取り込めるようになった僕はこの異世界で暮らすことに満足していた。僕は異界にやってくる前まで地球に住んでいた頃の記憶がないのだ。ただ、僕は自分の本当の名前を知らなかった。僕が持っている記憶はその地球での日々のことだけだからだ。僕には地球にいた頃に付き合っていた彼女がいたことはなんとなくわかっていたのだが、彼女に関する思い出だけが抜け落ちているので、彼女の名前がわからないままになっているのである。この異世界へやってきてからも、この異界に暮らす人々のことを考えていたのだ。この異界の人々からすれば僕のような存在は異界から突然この異界へとやってきた侵略者として恐れられている。

この世界の住人は人間だけではなく様々な種族が存在しているようで、この異界にはダンジョンがあるからそのダンジョンを管理、運営する者たちがいてその人たちのことを人々はギルドと呼んでいるそうだ。そしてダンジョンに出現する魔物から人々を守っているのもこのギルドであるのだ。この異界にも僕が住んでいた地球と同じような法律があってそれを取り締まるのは国の機関である国という単位であり国家と呼ばれている組織だったのだ。

僕はこのダンジョンから脱出するときに使用したワープリングを使って自宅に戻ってくると、僕は家の中で母が製作している装備品を見させてもらっていることにした。母が作成していた装備品は魔導人形と呼ばれるもので魔道書と呼ばれるアイテムを使用することによって使役ができる魔導書によって生み出されたモンスターなのだ。

母はこの魔導人形たちを異界に生息しているモンスターを討伐する際に同行させていたようだ。僕は魔道書をじっくり観察し始めてみてこの魔道書に描かれている文章を読んだ。この魔道書に書かれている文字を解読することはできないので読むことができなかったが、母が製作した魔道人形たちのステータスを確認できるようになっていたので、その魔道人形に近づいて触れてみると名前が表示されるようになった。僕はまず最初に目の前で立っている女性の魔導人形を見てみた。その女性は銀色の長い髪で身長は高く胸も大きかった。彼女は剣を装備しておりその腰に帯剣している剣の刃は紫色に輝きを放つ宝石が埋め込まれていて鍔の部分には緑色の石がついている。そして鞘も綺麗な緑色に光輝いていたので、この女性の名前はリリアだと判明した。僕は続いてその横で立ってこちらを睨んでいる少女の魔導人形の名前を確認しようと思ってそちらを見るとその瞳の色が赤く輝いていることがわかった。この女の子が手にしている剣は普通の鉄で作られているようだが柄の部分に使われている金属に赤い鉱石が使用されているようで、この子の名前はアーニャであると分かったのだ。

それから次々と見ていったがこの家に存在している3体の魔導人形たちは全て女盗賊みたいな姿をしているんだよね。そして全員装備に短刀と脇差を装備しているのである。それと、彼女たちには共通点があるんだけどみんな僕と同じ黒い塊を持っているんだ。そしてその黒い塊を取り込んだ後にこの魔道書のページが発光したのを僕は目撃しているのである。つまり僕と同じように体内にこの異界に来た際に身につけていた服と一緒に体内に取り込むことができるのだ。

この女性たちが僕に向かって「この家の守り神は私が必ずお護りいたします。ですので安心してください。私たちがいる限りこの家から外へは決して出さないと約束いたしましょう」と言っていたのである。それを聞いた僕は母に対してこの女性たちは何者なのかという疑問を投げかけてみると母は答えた。どうやら母によるとその女性達は元々この異界に存在する人間ではなかったらしいのだ。しかし今はこの異界に住まう者たちに命を救われたことによってその恩を返すためにこの家で暮らしているのだ。

「私達がこの世界に転移してくるときに乗っていたあの船には私達の他にも何人かこの世界にやってきた人がいたはずなんだ。でもその人達は皆死んでしまったと母さんに聞かされていたんだよ。その人たちは母さんの知り合いでもあったみたいで、そんな人が死んでしまうだなんて想像できないんだ」と僕は思っていたことを話して聞かせた。すると母さんはこの世界の事情について語り出した。

この世界では現在二つの大きな勢力がぶつかり合って戦争が起きているらしくて、今現在は一つの勢力は滅亡寸前にまで追い込まれてしまっていてもう一つの勢力が勢いを増しているのだというのだ。その二つの勢力の争いでこの異界の人々は生活していくうえで常に恐怖を感じている状態が継続しているため心が荒んでしまっているのだ。そのような状況なのでこの世界を救おうとしている者がいても誰も耳を傾けようとはしないのだということだ。

僕がこの世界に来た理由はこの異界の神様に会いたいと思っているからである。そのためにはこの異界に存在するダンジョンを攻略しなければならない。ダンジョンには階層が存在していてそれぞれの階で出現するモンスターも異なっているという。そのダンジョンにはボス級と呼ばれる強力なモンスターも存在しているので注意するように言われた。僕は母の説明を聞いてこれからこのダンジョンの攻略を行えばいいのかと尋ねたところ、そのダンジョンを攻略する前に、この異界で流通している硬貨についての知識を蓄える必要があると言われてしまった。僕が地球から持ち込んでいた物の価値が分からない状態でこの異界を歩くのはとても危険で危険な行為になってしまうからだ。この異世界へやってきた時に遭遇したあの巨大なスライムの化け物がいつどこから襲い掛かって来るかわからない状況にあるからだ。その話をすると母は僕のためにこの異界へ来る時に着ていたあの黒いフードを僕に手渡してくれたのである。それはこの異界に来る時に着用していたあの黒いローブであった。僕はそのローブを着てみることにした。そのローブの生地は柔らかくとても手触りが良くて着心地も良い。それに黒い霧をこの黒いローブに通すことができたので僕はその霧を利用して自分の体内へ黒い塊を取り込むことが可能になったのである。これで僕はいつでも黒い塊を取り出すことができるのだ。その黒い霧が僕の体を包み込んでくれて体中にあった怪我の跡やアザなどが治っていく様子を確認できたのだ。この異世界に来て僕は初めて回復魔法というものを目にしたのである。その魔法によって傷が塞がっていったのである。その魔法が僕の体に作用したことについては特に気にならなかった。だってこの異界に来る前からこの異界では回復魔法が当たり前のように存在するということだったからだ。僕の目の前に現れた白い女性が僕に魔法を教えてくれた時に言っていたからね。

僕の目の前に現れた女性は僕を蘇生させてくれると言い出してきたのだ。この女性は一体何を言い出しているのだろうかと思った。僕の頭はおかしくなってしまったのではないか?と。

この女性に僕は自分の名前を伝えていないにも関わらず、なぜその女性が僕の名前を呼んできたのかとても不思議である。その女性の見た目は10代後半といった容姿である。髪の毛は長く白銀に輝き、そして肌は白く透明感のある美しさを醸し出す女性である。その女性は微笑みながら、その白く透き通った美しい手をかざした瞬間、その女性の指先から放たれている眩しい光が僕に向けられたのだ。そして次第に痛みが引いていき気持ちも落ち着きを取り戻すのだった。

それからしばらくしてその女性が言うにはこの世界で僕は生き返ることができるかもしれないと言うのだ。ただ僕の心臓は完全に停止していた。そこで僕は女性からこの黒い物質が取り込まれるのと同時に体の修復を行うと聞いた。そうすると僕は死ぬことなく蘇ることができるのだと言われたので僕は素直に受け入れることにした。この異界では黒い物質が存在する限り不死身だということだからね。その黒い物質は僕の体の中にあるので黒い霧を使えば僕はどんなことが起こっても回復するのだそうだ。

この異界で生きていくために僕はこの異世界でお金を稼ぐ方法を学ばなければならないだろう。その方法を母さんが知っているかもしれないと思ったので僕は聞いてみることにする。母に尋ねるとその方法はこの異界で冒険者を雇ってダンジョンを攻略するという方法が一つあると教えられた。ただ、僕が異界で生きて行くために必要な知識を母に教わると僕はこの異界へやって来て間もないので、ダンジョンを探索する許可が出されていない。そのダンジョンへ入ることができるのは国から許可を得た者のみとされているので、今の僕がその資格を持っておらずダンジョンへは入ることはできないそうだ。ダンジョンへは入ることができないのだが、それ以外の方法であれば僕はダンジョンを攻略することができるのである。僕が身につけていた黒い塊を体内に取り込んだことで僕はこの異界で最強に近い存在になっているというので、僕にはこの世界の人達は誰も太刀打ちすることができないだろうと母が話してくれたのだ。母が教えてくれているのだがこの異界の人族と魔人族は仲が悪い種族同士で互いに敵対しているという。

この二つの種族の間にはダンジョンが存在している。そのため互いの領域に侵入して相手を倒すことは許されないという暗黙のルールが存在しているのだ。ダンジョンを放置してしまうと他の魔獣がダンジョンの中に巣を作ってしまう。そしてそこに魔人族のモンスターたちが棲みついて繁殖し始めてしまう。その結果として大量の魔人族が発生して地上に解き放ってしまうことになるのだ。それを防ぐためにダンジョンには他の魔族が入り込まないようになっているらしい。その仕組みを利用している者たちが魔人族の組織に存在しているという。

魔人とは魔王の配下の者たちのことを言い、その組織の構成員たちはこの異界において悪逆の限りを尽くしてこの世界のバランスを崩そうと画策しているのだそうだ。その者達に対抗するためにこの異界で国を造り上げ魔人に対抗しようと考えている人々も存在する。それが魔導国家シルフィードであり、僕はこの国に召喚された勇者なのだそうだ。僕はそのことを信じたわけじゃなかったけれど母はその証拠だと言って一枚の絵を見せてきたのである。それはこの世界の風景が描かれた絵画だと思われたけど、その景色をよく見てみればどう考えてもこの異界の光景だとわかる。なぜなら描かれている風景は地球のものではなかったからだ。僕が住んでいた地球よりもかなり高度な技術で作られた建物や自然が描かれていたからなんだ。

僕に母はこう説明してくれたんだ。まず最初に、僕が身につけていた衣服に施されていた特殊な刺繍にはその模様が刻まれていてこの世界の人達が知らないはずの言語が書き込まれているのだと。その文字を解読できればこの世界で僕が理解できるようになるのだと母は言った。その話を聞いていると僕は気になることができたのである。母が話してくれたその特殊な縫製とは、まるでアニメの世界に出てくる忍者の装束のようなデザインをしていて、その素材に使われている糸も特殊だというのだ。この世界には存在しない金属で織り成されている生地を特殊な裁縫道具で縫っているのだと母から聞かされる。その特殊な布がこの異界でどのように使われているかと疑問に思ったが、それを質問したところで母は答えることができなかった。その理由が僕にもわからないのである。僕にこの世界へやってくるときに着用していた服には不思議な紋様や記号が記されていたというので、もしかしたらそれに関係するのではないのかと思ったので僕は母さんにその事を訪ねてみた。

僕からそう言われると母は少しだけ考え込んでいた。やはり何かを知っているような感じだ。その僕の着ていた衣装は母の知人の男性が僕のために特別に取り寄せてくれたものだったようだ。それは地球に存在する物らしくて母でもこの異界に存在しないものはどうすることもできないという。しかし、母は地球にあるものを異世界へと転移させることが可能なのだという。母の説明を聞いてみると地球にある物を異世界で使うためにはその物がこの異世界に適合しなければいけなく、その適合させるためにはその物が内包させている力を引き出せるかどうかで変わってくるのだという。例えば地球にある車とこの異世界で走らせることのできる車が違うように、この異世界でその物が使用できるかどうかは母の力でしか判断できない。つまり地球にある物がこの異界でもそのまま使うことができるのならその物は異世界での使用が可能であるということになるらしい。この話は僕にとっても驚きだった。僕はこの異界にやって来た時に身に着けている衣類などは持っていなかったはずだしね。その事を母に話すと母は驚いていたよ。この世界に来るときに所持品を持ち込みできるというのは常識であるのに僕はこの世界に来て初めて自分が地球にいたことを聞かされたので当然なのかもしれないね。母さんもまさかこの異世界に来る前に異世界から持ってきた物がそのまま持ち込めたという事例を聞いたことがないと口に出していた。この異世界にやって来る前の僕は何も持ってこずにこの世界に来たからそのせいなのかとも考えたけど、そもそもこの異界に来た時点ですでに僕にはこの世界で使用する物を所持していなかったのだ。そのことを考えると僕のこの異界に来た時の衣装について、母は僕のことを疑う気持ちがあったと思う。

この異界に僕の着ていた衣服と、それに付随した物がこの異界で使用できるか、そして使用するためには地球でその物に対して発揮できていた僕の力が必要となるのだそうだ。この異界でその物が使用可能になった場合は地球でその物を使用することもできるようになる。もし使用できない場合でも地球でその物が使用可能な状態にすれば良いだけだと言うのだ。ただ、その条件をクリアするのは難しくて、簡単にその方法を教えてあげることができないという。

その方法の一つが先程の母が僕に渡してくれた黒いローブであるらしい。その黒いローブは着用者が受けるあらゆる傷を完全に回復させることができるという優れものらしいのだ。母が言うには黒い霧を体に纏わせることができるようになったことでこの効果を得られることができたのだという。この効果は僕の黒い塊から取り出した黒い霧を使って実現させることができたのだと言うのだ。この異界で流通している通貨のことも教えてもらった。僕はその黒いローブと黒い塊を身につけたことでその二つを扱えるようになることができれば僕はこの異界で生きていくことができるかもしれないということだ。僕は母が言っていた通りに黒い霧を使いその二つが扱えるようにしてみることにする。この異界で生活するために必要なので頑張ろうと思っている。

ただ、この異界でお金を稼ぐのであればダンジョンへ潜るしかないというのだ。ダンジョンで稼ぐためには冒険者として国から認められる必要があると母は言う。ダンジョンで得られる資源の中には魔石と呼ばれる宝石が存在しており、その魔石を持ち帰ることができれば冒険者の身分証を発行してくれるのだ。冒険者になると様々な特典を受けることができてダンジョンの出入りを自由にすることができるのだそうだ。この異界では国ごとにダンジョンが存在するので国の許可がない限り他の国のダンジョンに入ることはできないのである。そしてこのダンジョンには階層が存在するというのだ。各ダンジョンで定められた数のボスを討伐することでダンジョンから脱出することが可能となる。ただしその数は決まっていて、その数を間違えて倒すとダンジョン内に巣食った大量の魔獣たちをダンジョンの外にまで引き連れて出てしまい他の街や国に甚大な被害を及ぼす恐れもある。なのでダンジョンに挑むときは慎重に挑む必要があるのだ。ダンジョンに潜り込む際にはこの世界の地図が必要になる。この地図はギルドに登録している冒険者でないと購入ができないのだそうだ。だからダンジョンの地図が欲しかったらそのダンジョンを攻略して制覇するか、または他の冒険者にそのダンジョンに案内してもらうしか方法がないという。そしてダンジョンには必ず宝箱が設置されているというのだ。その中身を換金するためにもこの世界の人族はギルドへ登録する必要があるというのだ。僕はこの世界で暮らすためにも、まずはこのダンジョンへ挑むことに決めたのであった。

(第2話の時点での登場人物の紹介はこれで終わりです。次回からは物語が進みます)

第1章「勇者のいない世界でのんびり暮らせ」

第17節 1人の少年が異界のダンジョンへ挑む。彼はこの世界で暮らしていける方法を手に入れることができるのか? 2人の少女が魔人と戦うことを決意し動き出す。魔人の脅威と魔人を滅ぼす存在が現れるのはいつの日か。

俺の名はレイスだ。種族はリッチだと言われている。俺が生まれ育ったのは人間族の住む地域ではなく、この異界の大地に存在するダンジョンの一つである。俺はこの異界で生まれ育ったわけではないのだが、ある目的のため、この異界に存在しているダンジョンの探索を行うことにした。その目的の為ならば他の異界のダンジョンでも探索することは可能だろうと俺は考えていたのだが、残念ながらこの世界に存在するどのダンジョンへも入ることはできなかったのである。なぜかこの世界にあるダンジョンの入口は全て閉ざされていたのだ。そのため他のダンジョンへ行くことが叶わないと知りながらも、せめて魔素の濃さだけは確かめたいと思っていた。そして俺が住んでいるこのダンジョンは普通のダンジョンよりかはかなり魔素が濃くて、この世界の他の場所よりも濃いのだと感じられるほどだった。そして俺の目の前でその魔素の量を計測してみることにした。

まず、自分の魔力の波動を放出し、それを周囲の空気中に拡散させてみる。するとどうやらその空間に存在する全ての物質がその波動を受け止めたようである。その結果、周囲の空気中に含まれる成分の濃度を調べることが出来た。これは大気中に存在する酸素や窒素やその他に含まれている成分を調べたことになる。さらにそれらの濃度から、大気中の酸素や二酸化炭素、水分やミネラル分などの組成を分析した結果、どうやらここは人間の生活区域で、人間が普通に呼吸をして生活している場所であるということがわかってきた。

この世界において人間が呼吸を行っていることは当たり前のようではあるが、この異界には魔物以外の動物は存在せず、植物さえ存在しない。つまりこの世界に生きている生物は存在しないのだ。そんなこの異界にも生命体が存在したという事実を知った俺は、少し驚いたのである。

その事実を知ると今度はこの異界を歩き回って調査を始めることにする。この異界の調査を行っていくといくつかの気になることに気が付いた。まずこの異界を構成している物質が明らかにこの世界のものではないことがわかったのだ。この異界で確認されている素材を目にしたことはあるので、この異界が地球とは全く別な異世界であるということを改めて実感する結果となった。この異界がなぜこんな風にできているか、その理由はまだ解明されていないが、それは恐らくこの世界に召喚されているという伝説の勇者が絡んでいるのかもしれない。なぜならその召喚されている勇者がこの世界を造り出したという伝承が残されているからである。

ただ伝承が残っているというだけであり、この異界には魔王が存在している。それは俺が長年追い求めてきた存在である。その目的は俺の同胞たちである死者の軍団を蘇らせるためなのだ。だが、その目的を果たすのに必要な物が手に入らなかった。そのため今はその目的を断念することにした。その代わりに俺は新たな目的を達成することにしていた。それはこの世界で暮らしているはずの勇者を探すことだった。

もしこの異界に勇者がいるとしたならその力は相当なものであると考えられる。おそらく今の人類の中で最強の力をその勇者は持っているはずだ。しかし俺はその強さを確認しておきたかったのだ。この異界にその力が眠っているのなら、俺も仲間にして共に戦いたいという気持ちもあったのだ。そしてもしこの異界に勇者が存在していないとすれば、この異界の中に勇者は存在しないということになるだろう。それであればそれで構わなかった。その方がこの異界で自由に行動ができるというものだ。もし俺が求める者がこの異界にいたとしてもそれが必ずしも俺の目的を叶えるために必要な人物かどうかわからないのだ。その点においては運の要素が大きいとしか言い様がない。ただそれでも可能性を信じている部分があった。

その理由の一つはやはりこの異界で魔人が暴れているという情報を入手したからだ。もしかするとその勇者はその強大な力を持つことによってこの異界を平和へと導いてくれる救世主になるのではないかと考えていた。俺はその救世主になりうる可能性のある者がどのような存在なのか調べるためにも、一度この異界にいるとされている勇者と接触しなければならないと思ったのだ。その者は人間族ではないらしく、エルフ族の女だという情報が得られたが、この情報から得られる人物像がどうしても勇者とは一致しないような気がした。

もう一つの理由としてはこの異界に存在するダンジョンがどれも魔人により封鎖されてしまったことがあげられる。そのことから魔人はその勇者によって倒された可能性があると判断した。そう考えると魔人と対等に渡り合える勇者の存在はとても大きいのである。

そしてその勇者がどこに住んでいるかもわかっていないが、少なくとも魔人を討伐できるほどの力を持った勇者が存在するというだけでその存在価値は大きく、魔人や魔獣たちを倒せる可能性がとても高いのである。そして俺には魔人の血も流れていて、魔獣たちの力を取り込むことができたのだ。俺は魔獣の力を取り込んだ時に、魔獣を使役する能力を手に入れたのだ。それによって俺の命令に従う魔獣たちを何体も作り出すことができるようになったのだ。

俺が従えることができる魔獣たちは通常の魔獣よりもはるかに強力で知能も高い。その強力な戦力を持つ魔人たちを魔獣として従えることができればその戦力は非常に大きくなる。それに魔人の王である魔皇帝の配下の者たちと互角以上に戦うことも不可能ではなくなるのである。

そして俺がダンジョンを歩いていると、とある部屋に奇妙なものを見つけたのだ。その場所はダンジョンの中にある部屋の一つだった。そこにはこの世界にはありえないものが存在していた。それは巨大な卵のような形をした石が置かれていたのだ。この石には何か不思議な気配を感じることができた。その大きさは通常の鶏がらぐらいの大きさで、その石の中から生命の力を感じ取ることができたのだ。しかもその石の内部からは膨大な量の魔力が流れ出ている。ただ、その魔力の流れはこの異界の中では感じることができない種類のものだったのだ。この石から流れ出る魔力が魔素の奔流のように感じるのである。

「これは一体なんなんだ?まさかこれが原因でダンジョンへの入り口が閉ざされてしまったのか?」

この魔石には途轍もない力を感じた。この魔石の放つ圧倒的なまでのオーラは他のどんな魔石からも発せられることはないくらいに、その質と濃度は段違いなほど高かった。この魔石がこのダンジョンへ訪れた侵入者をこの空間に押しとどめてしまっているのかもしれない。もしかするとこのダンジョンが閉鎖された理由というのはこの魔石をこの異界へ持ち込もうとする何者かの策略なのだろうか。俺はこの異界に訪れたことで自分の運命が大きく変わってしまったことに驚き、そして自分がこれから歩むであろう未来に希望を見出した。その未来を手に入れるためにはあの石が必要となってくるのは間違いない。どうにかしてあの石をこの手にすることが俺に与えられた宿命のような気がしてならなかった。その宿命を背負うために俺はこの場所から移動することにしたのである。

(この話の時点では第17節と第18節の間での出来事となります)

第17節 1人の少年が異界のダンジョンに足を踏み入れる。彼がダンジョンを探索することでこの異界の真相へ近づいてゆく。

2人の少女がそれぞれの想いを抱き、ある場所へ向かって旅をする。そこで出会う人物は果たして彼女達にとって敵となるのか否か。

3人がこの異界で遭遇する謎の組織。その正体とその思惑とは何なのでしょうか? 4人の男女が異世界へ転移し、魔族を倒すべく異世界生活を満喫している。その目的は魔人と戦うことのできる唯一の種族の勇者を見つけだし、協力体制を作ることにあった。

第2章 第17節 この世界のダンジョンの入口は全て閉められてしまっていたが、なぜかこのダンジョンの入り口は開いていて中に侵入することができた。そしてその中に入ると目の前に大きな広間が広がっていたのだ。この空間の中には特に変わった物は存在しなかった。そしてその部屋の真ん中には台座が設置されていた。その台座の上の方を見ると、そこには先ほど見かけた大きな卵が置かれてあった。その大きさがあまりにも巨大すぎて、その卵の表面に書かれている模様を肉眼で見つめることができたのだ。その巨大な卵の模様はどこかの宗教にある聖典のような印象を与えるものであった。

「この世界にも聖典のようなものが存在したのね」

彼女はこの世界に存在する文字を読めないため、その内容を目にすることはできないが、それでもそこに描かれている内容は神に関するものであるという予想が出来た。ただ、この異界に存在する文字を理解できないという欠点は痛い。なぜならその文章の内容を知ろうと思ってもその方法が彼女にはなかったのである。だからこそ聖典を読むことができればこの世界の謎を解く手がかりが見つかるのかもしれない。そして、その卵を眺めていたら突然声が聞こえてきた。

「その物体に触れてはなりません。あなたが触れることによってこの世界に危機が訪れてしまうでしょう」

「なっ!誰だ!?姿を見せろ!」

俺はその声の主に向かって大声で叫ぶ。しかしその声を発した人物の声は全く聞くことがなかった。だが、その代わりに卵の表面に書かれていた文章に変化が起こった。

「この世界に危険を及ぼす可能性があるのでしたら私はその卵を破壊するつもりです。もしもその意思がなければ私が破壊することを許して欲しいのですが」

(何を言っているんだこいつは?)

俺に語りかけてくる謎の存在は、なぜこの卵に対してそれほどの警戒心を露わにしているのだろう。その理由についてはさっぱりわからなかったのだが、俺としてはこの異界で手に入れることができた初めての存在を壊されるわけにもいかない。そもそもこの卵を破壊しても意味がないことを知っていたからである。俺はまず最初にこの異界についての説明をしてあげたのだ。その説明をすればこの謎の声の主だってこの異界のことを少しでも理解できると思ったからである。

「お前は一体ここで何者なのだ?」

その言葉を投げかけた後に数秒沈黙の時間が流れた後であった。突如として視界が変化していく。その変化した場所はどこかの森の中にいるようだった。その景色はどこかで見たことがある景色であることに気づく。

そう、ここは魔人が住む国の近くに広がる森の中だった。ただ森の様子はかなり変化していて明らかに以前とは違う場所になっているのだとわかったのだった。ただこの魔族たちが住んでいると思われる国は魔人と魔王軍の兵士たちに占領されているため、もう二度と訪れたくないと思う場所であることは確かだ。

その場所に突然出現したのである。

「えっ?私の姿が見えるのですか?」

どうやら俺はその女性に自分の存在を認知されているようなのである。その女性の見た目はとても綺麗な顔立ちをしているが、それよりも彼女の存在感が他のどの人間と比べても異様に感じることができたのだ。ただその女性は本当に美しい姿をしていたので、この異界にきてから始めて俺が興味を抱く存在でもあったのだ。

そしてその女性が俺にこう言った。

「貴方は一体どちら様なのでしょうか?」

この問いに答えようとする前に俺の背後から誰かがこちらへ向かって走ってくる音が聞こえたのである。俺はこの人物が俺をこの場所から連れ出すためにやってきたのだと思い込んでいた。俺は咄嵯の判断で俺の後ろに立っている人物に向かって、その女性の気を引かせないように俺は俺で後ろの人物に対して魔法で牽制攻撃を仕掛けようとした。

その瞬間、その女性は信じられないことを口にしたのであった。

「私の主人を傷つけようとは許さない。この方は偉大なお方、魔帝王様です。貴様ごとき下等生物がその方の名を知る必要はない。この場で殺されなさい」

そう言い放ったと同時に、俺は謎の力によって地面に叩きつけられたのだ。俺はその時になってこの力が何なのかを悟ってしまったのである。その力を体感することによって自分がどれだけ無力な存在であるかを自覚してしまった。

その圧倒的な力の差を見せつけられて俺は恐怖に支配されてしまったのだ。そして俺は魔人に忠誠を誓っている女騎士が差し向ける魔剣の攻撃を防ぐことができなかった。魔人から授かった鎧によって致命傷を受けることはなかったけども、このままではいずれその力に潰されてしまうことは間違いなく、この女から逃げ延びることはできないと思わざるを得なかった。

その瞬間である、俺は突然何者かに持ち上げられてその場から逃げ出すことができたのだ。そして俺がその状況を理解するより先にその何者かの体に触れると俺がこの異界で手に入れたアイテムを消失してしまうのが感じられたのである。そのことから俺はその相手の正体が魔人であることがすぐに理解できたのだ。俺は必死で魔人から逃れようとしたが、俺を持ち上げた腕は振り払われることがなく俺は魔人の腕の中に抱き抱えられていた。俺はそのまま魔人の住む屋敷に連れて行かれることになった。そこで俺は魔人の王に対面することになるのだった。

この異界では俺はニートだった男。地球ではひきこもりをしていた。その俺がこの異界の地で王に出会う。この出会いこそがこの世界にとっての運命の始まりである。

(第17節と第18節の間の出来事)

(第17節 1人の少年が異界のダンジョンに足を踏み入れる。しかしそこには巨大な卵が存在していた)

2人の少女たちがそれぞれの想いを抱き、ある場所へ向かって旅をする。その途中で出会う者たちとは果たして彼女達にとって敵となるのか否か。

第2章 第16節 2人の少女が旅の途中で立ち寄った街で一悶着が起きる。そこにいたのは一人の少年で、彼女たちは彼から事情を聞くことになった。

2人の少女がこの街で一休みしている最中、その街に突如謎の集団が現れて、住民たちを攻撃し始めたのだ。この襲撃で街の住人は混乱に陥り、その騒ぎが街中へと広がりつつあった。そんな時に、少女達と少女達の馬車は襲われていた街の人々に助けを求める声を聞いた。その声を聞き、2人は人々を救うためにその街で戦闘を繰り広げることを選択した。

(第17節 終 第17節はここまでとなります。次の話からは第18節に入ります)

俺が目を覚ました時には魔人の屋敷の一室にあるベッドの上に横たわっていた。そして隣には魔人の女性騎士の姿があった。その女性の姿を間近に見て驚いたのはその圧倒的な美貌に目を奪われてしまったためだ。俺は彼女がその部屋にいた理由は分からないのだが、それでもその美しさには心が動かされた。その彼女はまるで芸術品のように美しく、とても神秘的でもあるのだ。ただ、俺は彼女の顔に見覚えはないはずなのに、何故か彼女を初めて目にしたときのような違和感は抱くことがなかったのである。むしろ彼女といる時間が非常に心地良く、ずっと一緒にいたいとさえ思えるくらいなのだ。それは俺にとって初めての感覚で、この感情が何であるのか分からなかった。だから彼女に尋ねてみた。

「君は一体誰なんだ?」

「はい、私はこの魔人国に使える騎士団の副団長をしております」

「へぇ〜君って副団長さんだったんだね」

「そうです。私が貴方を救わせていただきました」

「ありがとう。助かったよ」

「はい、私は当然のことをしました」

俺には目の前の美女の騎士に対して感謝をしなければいけいないという義務を感じたのである。それだけではなく俺は目の前の女性に惹かれていることも事実であった。だからこそ俺は彼女のために尽くそうと決心したのであった。

俺はそれから数日の間、その女性と一緒に行動することになったのであるが、彼女はこの国の第二王女らしい。俺はそんな女性と行動を共にし、この世界のことやこの国についての情報を得ることで、俺の知らない常識などを身に着けていった。また、この異界に存在するダンジョンについてもこの世界で暮らしている人々の知識を得ていくうちにダンジョンの探索にも役に立つような情報が手に入れられるようになってきたのである。

俺のステータスに【ダンジョンマスター】というスキルがあるのが、俺はその効果を使って自分の所有しているダンジョンに自由に出入りができる。しかもその効果は俺が保有しているダンジョンだけじゃなくて、この世界にいくつか存在する俺以外の地球人が作りあげたダンジョンに対しても、俺の持っているダンジョンの権限を与えることで、そのダンジョン内の魔物の配置を変更することができたり、ダンジョン内部の構造を自由にいじったりすることができる。そのことが分かってからはこの異界の各地に存在している俺たちが攻略したことがある異世界人所有のダンジョンでこの世界を生きるために必要な情報を収集したり、俺の保有するスキルでこの世界の様々な場所に散らばっている魔族たちをこの魔人国が支配するための拠点を作り出したりした。その魔族たちはみんな優秀な部下として動いてくれており、俺は彼らの働きに感謝したほどだ。

ただ、俺はこれらの作業をするうえで疑問が生じた。どうして俺の所有するダンジョンに侵入できないのかが分からなかった。他の人間が設置した転移魔法を発動してダンジョンに侵入することはできるんだけど、この世界の魔族の誰かが設置したという俺の所有物じゃないダンジョンについては、この世界の住民が俺に許可を求めることで初めて入ることができる仕組みになっているようだ。

俺としてはこの異界を統一するためには、俺の持つ力や権限が必要なんじゃないかと思っていたので、俺はこの世界にいる人間たちに協力することを誓ったのだ。それに俺は魔人とは友好関係を築いていきたいと思っている。俺の配下の魔物たちもこの異界の生物である動物たちには手を出すことはないし、逆に向こうも俺の部下の魔人に対しては敵対行動をするような素振りを見せることがないからだ。俺は魔人と仲良くしたいと考えている。その理由としてまず魔人が基本的に優しい種族であるということ。それと人間と違って寿命がないという点があげられる。魔族はその肉体そのものが魔法で強化されたものらしく、人間の肉体よりも優れた性能を持っている。特に魔法に対する耐性に関してはずば抜けて優れているのである。

その魔法に対して強いというのはつまり物理面において非常に強力であるということを意味し、魔人は近接戦闘でもかなりの力を誇ると言われているのである。そして魔人族の中でもその強さに差があるようで、その強さに応じて階級が決められているというのだ。その階級は上からS、A、B、C、D、E、Fと分けられていて、そのランクは1番下がE、一番上がSとなるのである。この世界では、人間と共存関係にある種族もおり、その者たちも冒険者としてこの異界にやってくることがあり、そういう人たちと接触する場合はその冒険者たちのレベルに合わせるのが基本だというのだ。

ちなみにその魔人の中で最強と言われるのが、その魔人王と呼ばれている存在らしい。なんでも魔人の中においても、さらに上位の存在にしか名乗ることのできない特別な名前だと聞かされている。魔人の王様が住んでいるのがこの異界の中心にある魔王の城と呼ばれる場所でそこに行けば、魔人を統率している魔王に会うこともできるのだという。魔王がどのような目的でその魔人たちを支配しようとしているのかは不明であり魔人はこの世界においては人間たちからの迫害を受けていたのは確かなようである。

俺が召喚された異界においては人間は魔人を見下すような態度を取っていることが多かったが、こちらの異界ではそのようなことはなくて、普通に生活しているようだ。そしてこの世界は魔人の他にも妖精やドワーフ、獣人といった種族が住んでおり、それらの種族をこの異世界でまとめあげているのは魔人王であるという話だった。俺は魔人の女性たちにいろいろと話を聞いたのだ。

この魔人たちはその大半が元人間だったのだが、ある日魔族たちの住む場所へとやってきた男がいて魔人に進化した。その男は勇者と呼ばれた。彼は圧倒的な力で魔人や魔人に従う魔物たちを倒しながら魔人の暮らす地へと侵攻していき、やがてその土地を侵略してしまったのである。しかしそこには多くの同胞たちが残っていて、彼らは魔人に進化することによって生き延びる道を選ぼうとしていたのだ。

そしてその男たちが魔人の暮らす異界を蹂躙していく。その男こそが魔人の初代の魔王なのである。そして魔人はその男の奴隷となったのだ。その魔人は後に魔人国の建国者となって魔人を支配する立場に立った。それからというもの魔人という種族が生まれたというわけなのだ。

(第18節)

その魔王によって支配されてしまった魔人国の第二王女は今代の魔王を倒すことを決意したのである。そして彼女はその男の娘である第三王女とともにこの魔人国の王に会いに行くことになったのである。

俺の配下がダンジョンの防衛網を強化したことにより、この異界における地上のあらゆるところを監視することができるようになったので俺は情報収集を怠らなくなった。この異界に来てからずっと気になっていたこと。それはダンジョンの宝箱に収納されるアイテムのことだ。ダンジョンの宝箱からアイテムが出現するとすぐに消滅してしまうのだ。そのことに俺は疑問を感じてそのことを調査してみたのだがどう考えてもおかしいのだ。ダンジョンのアイテムを鑑定する機能を利用して調べてみると、この異界に存在しない未知の素材が使用されていることが分かった。それもこの世界の技術レベルでは作成することが不可能とされている代物である。この世界の文明レベルは地球でいえば中世のヨーロッパ程度なので、こんな物質が手に入るのは明らかにおかしかった。

そこで俺はある仮説を立てたのだ。この異界の地球と同じような環境を作り出した別の惑星が存在し、そこには地球と同じように知的生命体が存在するのではないかと思った。その可能性を考えたときある疑問にぶつかった。俺はこの異界の地球のような場所に飛ばされてきた。俺はなぜここに来ることができたのかという疑問だ。しかしそれについては今は考えないようにした。俺は俺自身のことさえ分からないことが多い。それにもし本当にこの地球に別の地球が存在したとして、そこに行った場合、俺はその世界の人類にとっての脅威になり得るだろうという予想だけはついた。俺自身がどんな存在であるかも分からないというのに。

俺はこの異界にやってきた時に自分のステータスを確認したのだがその数値が異常であったのだ。まずは体力値だ。普通の人間ではありえない数値になっているのだ。俺には魔力の数値が見えないようになっている。この異界に存在する魔物たちは俺の保有するスキルで倒すことができている。だから俺に備わっていない能力値などは存在しないはずだった。それなのになぜか俺に魔力が表示されているのである。それはなぜかと聞かれても答えることができないが。

次に筋力。この数値は俺が保有しているモンスターたちの中でも最高クラスの強さを誇っている魔人よりも上回っていたのである。俺は自分の保有しているスキルを使って魔人や魔族を圧倒することができた。それくらいこの世界に来る前の俺は脆弱だったのだ。俺はそんなに運動が好きなタイプではなかった。ただ勉強をするのは得意だったが、運動はどちらかというと嫌いな方である。それに加えて俺は学校の勉強についていくために常に成績上位に入るよう努力しなければいけないというストレスを抱えていたので、そのおかげでストレスによる悪影響を受けていたという理由もある。

その俺が魔人より強い力を持っていたという事実が不思議でしょうがなかった。俺のこの世界における身体能力を確かめているときに、俺は俺が保有していた【神眼】の力を試すことにした。その結果分かったことは俺は俺の肉体のステータスを見ることができた。つまり俺は俺の身体を俺が操作できるように感じたのだ。つまりこの世界で手に入れた【肉体】の力を自由に使うことができたのであった。

それから数日の間俺は自分がどのような経緯でこの異界にやってきたのかを調べ続けていた。俺に備わっている【ステータス閲覧】の能力は相手の肉体情報を見ることができるだけでなく、自分の身体も確認することができるのである。そのことから自分の状態を知ることが可能であり、俺は自分の状態を確認できるこの異界でしか得られないであろうスキルに心から感謝していた。そのおかげなのか知らないが、俺は自分の身体を調べることができたのである。そのスキルで得られた結果は次のようなものであった。

**

***

名前:

天川優斗 年齢:16

レベル:25

体力:6800/6900

攻撃力:2700

防御力:3500

魔力:8500

魔法耐性:4300

固有技能:言語変換,アイテムボックス.全属性耐性付与,回復魔法無効耐性(大),超成長速度補正 ***

(これはどういう意味だ?なんのこっちゃ?)

俺のレベルが25であるのは理解できるが、それ以外の数字の意味が理解できなかったのだ。

そもそも俺って何歳だっけ?確か高校生じゃなかった気がするけど、俺が記憶をなくしてからこの異界で目が覚めるまでにどれぐらいの時間が流れたんだろう?まあ俺の記憶の中ではもう1年くらい経っているんじゃないかと思っていたが。この異界では時間の感覚がないのだ。それにこの異界は時間の流れが違う。おそらく現実世界とは時差があるんじゃないかと思っているのだ。その証拠が俺が所持しているダンジョン内の時間で流れた経過時間がこの異世界ではまだ一日程度しか経過していないのだ。俺の体感的にはかなり長い時間を経過したように思っているのだが、俺の所有するこのダンジョンの中で経過したのは、せいぜい10日間程度のはずなのだ。この異界での俺が目を覚ました時の時刻を考えると、この異界で過ごした時間は現実ではそれほど長くないという結論になる。

つまり俺はその気になれば、この異界の中の時間に干渉することが可能ではないかと思ったのだ。実際に俺はこの異界の時空間に干渉することができていた。その事実は、やはりこの異界に来た際に、何かしらの特別な力が与えられたのではないかという疑念を強くさせる要因になっていた。

俺はさらに調べることにした。俺に与えられた特殊な能力について知りたかったのである。まずは俺が保有しえる特殊能力を列挙していくと、次のようになります。

***

***

言語解析

(大)

:全ての言語を理解することができる。

アイテム交換所機能(中)」

:指定したアイテムを瞬時に交換することが出来る。交換できる数は無限。ただし交換可能回数が定められている。この異界では一度使用すると使用不可能となり、その度にランダムに生成される。交換レートは取引価格を参照して自動設定される。

鑑定(中):物や人物の詳細なデータが表示される

アイテムボックス(中):異空間の亜次元領域にあらゆるものを収納することができる。生き物は不可。収納数に制限なし。出し入れも自由にできる。収納可能なものの重量は無制限。収納しているものは時が止まった状態となり、内部も一定の温度が保たれる。収納されている間の劣化はなく、食料などの保管にも利用できる。収納されている状態の時は外部から認識されない。

超成長速度強化補正(小)

:通常の数十倍もの速度で成長することができる。成長に必要な栄養素を補給することにより効果を発揮する。成長速度の加速幅は熟練度に応じて増加する。この異界でのみ発動可能。

経験値増加ボーナス(特級+)

:この異界において経験値が増加していくたびに能力が強化されていく。上昇率も上昇する

***

***

(えっと。なんだこのチートスキルは!?どれも凄すぎるんですが。いやそれよりもこの世界における経験値が異常に多いという現象についてはどう考えるべきか?俺にだけそのような恩恵が与えられているのか?)

「ステータス」と呟いた俺の目には先ほどと同じように画面が表示されて、俺が取得した経験を反映させたようなスキルがずらりと表示されていた。

『レベルアップしました。種族が人間種になり、基礎値が100に増加します』

俺はその言葉を聞いたときに少し混乱したのだ。レベルが上がることによって俺にどのような影響が出てくるか予測できなかったためである。

俺の今の種族は魔人だが、俺は自分の種族が本当に魔人なのかどうか確信を持てていないのだ。この異界にやってきてからしばらくすると俺は自分のことを思い出したのだが、それ以前の記憶があやふやになってしまっていたのである。そのことで俺の精神的な不安感は大きくなっていった。俺の記憶はあの異界へと来る前のところからしかないのだ。それ以前は何も覚えていなかった。そして気がついたら俺がこの世界に来ていたというわけなのだ。

(うーん。このステータスの数値から推測するに、もしかして俺は人間族ではなく他の何かだったのではないかと思うんだけどね。もしかしてこの異界に転移したのは別の種族だからかもしれない。そして俺は人間族に生まれ変わったということなのだろう)

ステータスに表示されている【種族】という文字は【魔人】となっているがこのステータスに書かれている内容がすべて正しいとは思えなかったのだ。

俺が自分自身のことを考え始めた頃にあることを思い出す。それはマサムネという男のことだ。その男にはこの異界の情報をある程度は聞いていた。この異界にはいくつかの勢力が存在しているらしい。魔王が統治をしている異界とそうでない世界。その違いが何によって決められているかというと、単純に魔人の強さで区別しているのだという。

この異世界では魔人とそれ以外の存在が争い合う世界であった。その中でこの世界を支配する存在が2体存在したという。片方の魔人はこの世界における最強の存在であると言われている。その男が魔人族の頂点に立ち、魔皇を名乗っているのだ。その男はこの異世界を支配し、この世界に生きるすべての生命に平等なる権利を与えようとしている。そのためにはこの異界に存在する全ての生命を抹殺することを目的としている。それがこの異界で絶対的な支配者が定めた法であり、この異世界の掟であるからだ。この異世界に存在する全ての生物には生存競争というものが存在する。そのルールに従って生きていくためには仕方がないことである。

もう一方の支配者はその支配圏を広げているわけではなく、魔人が住んでいる地域の周辺地域を支配下に収めたに過ぎないというのが事実だそうだ。その支配者である者はその力を徐々に増しているという話である。その者の本当の名前までは知らなかったのだが、その名をマサルといった。魔人の世界には2体の最強である魔人が存在し、互いに争っている状況だという。この世界を支配しているのは、マサルともう一人の魔人だというのであったのだ。

そしてマサムネに教えてもらったことの中に、魔人を頂点とするこの魔族の世界を作り出した者たちがいたというのである。その者達がどのような方法で世界を支配したかについての情報は得られなかった。マサルがその秘密を知りたいという気持ちはあったが、マサムネはそれを知ることができずにいたのだった。おそらくその方法は俺が元の世界へ帰るための鍵になっているのではないだろうか?そう思った俺はマサムネに聞いてみたものの、「私でもそこまで詳しいことはわからない。ただお前にならそれを教えられる可能性があるのだ。この世界の法則を改変して、異なる法則で成り立っている異世界からこの世界の者を送り込むことなど簡単にできるはずだ」と言われてしまったのだ。その方法が何かまでは分からなかったけど、もしかすると俺に備わっている特別な能力がそれを可能にしてくれるのではと考えたのであった。

(俺に与えられた特殊な力があれば、元の世界で死んだ俺が、異界にやってくることになったのも、その理由を突き止められる可能性が高くなるはず。この異世界における神に等しい力を手に入れたことになるんだよな)

俺の【鑑定】の能力が示した内容によると俺はとんでもない能力を手に入れていたのだ。その力を使うためにはまず、ダンジョンで得られる【経験値獲得ボーナス】の能力を上昇させていきたいと思った。

【超成長速度】と【全属性耐性付与】のスキルについても調べたほうがいいのかな。それともこの異界に来るまでに俺が持っていたはずの特殊能力を確認する必要があるよな。

俺はそう思いながらダンジョンの入口へと向かった。

このダンジョンで入手できる古代遺産を手に入れると、俺のレベルは上がり続けていくことになる。そのレベル上げのペースが早いのか遅いのかについては正直言って俺にはわからなかった。なぜなら俺はまだ、この異界に来てから10日程度しか経っていないと思っていた。だけど、俺の中では既に1年くらい経過しているのではないかと感じていた。時間の流れがおかしいのだ。この世界の住人である魔人たちは、この世界での時間はゆっくりと流れるものだと認識しているという話を聞いた。俺の感覚でいえば、俺が異界にやってきたのはほんの数秒前だと思っていた。俺が目を覚まして意識がはっきりとしてきた時に俺は自分が今どこで何をしていたのかわからなくなっていたのだ。そしてその感覚がずっと継続しているのだ。

(もしかすると時間の流れ方が違う異世界に来たということなんじゃないだろうか)

(俺が異界で目覚めた時って確か、ダンジョンに潜って3日目の夕方あたりだった気がしたんだよな。もしかするともっと前からここに居たんじゃなくて異界へ来たのってそんなに最近じゃなかったんじゃないかって思っていたんだ)

この異界の時間が流れる速度が遅くて時間の進み方が遅かったんだろうなと思っているのだが。

まあとりあえずはレベルを上げることを優先しないとな。このダンジョンを攻略することでレベルをどんどん上げることが出切るようになると思うんだよね。それで強くなったら俺は現実世界へと戻るんだと思っているのだよなあ。現実世界への帰り方をマサムネは知らなさそうだったから自分で探したいと思っている。

(それにしてもこのステータスに表示される能力の項目については、よく考えておかないといけないな。俺以外の人間たちはこの異界でレベルを上げ続けることができるようになったら強くなることができるようになるみたいだからな。この能力値が高いから俺はこの異世界においても強い部類に入っているわけだが、レベルが上がるたびに能力が強化するわけなんだから当然といえばそうなるよな)

それからしばらくの間、俺とリリアナは順調に攻略を進めていくことができた。このダンジョンは俺の持っている剣の性能が良かったのもあって、かなりサクサク進めて行ったというわけだ。

俺たちの前にこの異界へと飛ばされた仲間たちがいるのであれば、すぐに合流することができると思う。

「うーん。どうもここも外れか?」「えっ?何か言いましたかニャ」

俺はそう口にすると【マップ検索】のスキルを使って、仲間である他の冒険者たちを探していた。だけどやはり見つからなかったようだ。もしかしたら別の場所に転移している可能性もあるけどね。そのことについてはあまり期待しないことにしたのだ。だってその確率は低いだろうしなぁ〜。転移させられる人数が限定されていたりするかもしれいじゃないか。(俺の勘が当たっていたとしたらあの場所に転移できたのは5人という計算になるのか?俺の予想通りだとするとこの世界の人間と魔人は争っているからな。もしもこの世界の人間が全員あの異界にやってきているとすると俺のように転移することはできなかったかもしれないということになってしまうのか?)

ただの希望的観測にすぎなくなってしまうんだけどね。

俺は目の前の階層で手に入れることが出来る武器が欲しかっただけなんだ。それがまさかの【魔人】になれる武器だったんだけどさ。そしてその武器を手にした後にレベルが上がり続けて、現在の俺はレベルが60にまで上がっていたのだ。

この異界では経験値が増加することによって俺のレベルが上昇し続ける。俺にとってはかなり都合の良い世界だった。

ちなみにこのダンジョンは100層で構成されているのだ。現在50層を攻略し終わったというわけだな。残り80層のフロアをこのペースで進むことができれば俺の望むレベルの装備を手に入れることも可能なのだと思われる。

(よし次の階に進む前に、少しこの異世界についての話を聞くことにしようか。リリアナも聞きたがっているしな。あとでマサムネに聞いた話をしてみるか)

そして、俺はダンジョン内の小部屋にあった宝箱を開けることにする。この異界のルール上その中身は必ず手に入るものらしいのだ。

そして中に入っていたのは魔銃という武器であるらしいのだが、この魔銃は弾丸を装填することによって様々な魔法弾を撃ち出すことが可能なのだ。しかもその魔力を消費することにより強力な攻撃を行うことができるのである。この魔銃を使えばこの異界に存在するモンスターに勝つことはもちろん可能だと思うのだ。その強さは俺が持つ武器よりも強力かもしれないな。

(この魔銃を手に入れられたのはラッキーかもしれないぞ)

この異界では、自分の持つ武具が成長することがあるのだという。それは自分の肉体も同じだ。だからこの魔銃を手にすることができてから俺のレベルが上がったのは、そのせいだと思っておいた方がいいのかもしれないな。

俺とリリアナはその後でダンジョンの中を突き進んでいくと遂に最下層に到達することが出来たのであった。この異界には地下に続くダンジョンが存在するのであるが、その下に向かうための階段が存在するということはないのである。

その最深部の部屋の壁には大きな壁画が存在しているのである。この異世界における神々の姿を描いた絵画であるようなのだ。この異界では、神として崇められている存在はこの2体しかいないのだという。そしてその神の眷属が魔人族であるらしい。つまりこの異世界では、その2体こそが絶対的な存在であるという。その1体がマサルだと言われている。マサルはその力で魔人族の王となっているそうだ。この異世界において最強の存在なのである。そのマサルが支配する異界が魔人族の住む場所だと言うことになっているらしい。

(この異世界では、神と呼ばれているものがこの魔人なのかな?)

(もしかするとマサムネもその魔人に倒されてしまったということなのだろうか。マサムネなら神と戦っても負けるとは思わないのだがな)

俺はこの壁画を見てそのことを考えてしまっていたのだ。俺の考えが正しいとすればマサムネはどこに行ってしまったのかということになるんだよな。

(俺は元の世界で一度死んでいて、この異世界へとやってきたということは間違いないはずなんだよな)

俺は自分がなぜ元の世界で死を迎えたのかというところまでは思い出すことができないんだよ。ただその直前に何かとても大切な約束をしていたはずだとは覚えているんだ。俺が死んだ原因が何であったかを知ることが出来ればいいのにと思うんだけど、それはもう叶わぬ願いになっているかもしれない。そう思うと胸の奥が痛むんだよなあ。

(この異世界で俺は生きているんだからこれから先の出来事をしっかりと考えないといけないと思うんだけど)

(それじゃあ俺はまず何をしていこうか。とりあえずはこのダンジョンを攻略をしたいけど。それからでも遅くはないよな?まだ俺の持つ古代遺産の能力を使いこなす練習ができてなかったりするんだよなあ)

(それと気になっていたことがあったからそれを確かめたいと思っているんだよね)

(俺は元の世界に戻ることができるのか?ってことがずっと頭から離れなかったんだよ。それをどうしても確認しておきたかったんだよ)

そして俺はダンジョンを出るために歩き始める。ダンジョンの外に出たところにこの異界での拠点がある。

この拠点に戻らないことには外にいる他の冒険者に会うことが出来ない。俺が出会ったこの異世界からの召喚者たちは、全員がダンジョンでレベルを上げて力をつけるためにこのダンジョンで活動を行なっていたからだ。

(もしかすると他の人たちが俺と同じように異界にやってきたときに、この場所がわからないってことも起こりうるのかもしれないよな)

俺はそう思いながらダンジョンを後にした。

「あれ?なんかおかしいな?」

俺は、ダンジョンの外にあるはずの光景と異なっていることに気づいた。俺は今ダンジョンから出るためにダンジョンの入口の方へ向かって歩いていたはずだったのだ。なのに目の前に広がる景色は明らかに違うのだ。

ダンジョンの中に入り込む時と同じ風景がそこには広がっているのだった。俺には何が起こったのか分からずにいた。だけど俺の横にいたはずのリリアナは違ったみたいだね。

(えっとこの異界に来る前に私たちが住んでいた街の風景だと思いますけど?)

リリアナは不思議そうな顔をしていたのだが、もしかすると彼女は記憶喪失ということになっているのだから混乱した振りをしているだけなんじゃないかって俺は思っていたりする。

「うーん確かにこれは、この街の風景だよねぇ〜」

俺はあえてリリアナに合わせることにした。彼女のことをもう少し調べてみたほうがいいかなと思っているんだよね。そして彼女以外の人間たちについては、この世界に来ていないのではないかと考えていたりもしてしまっているのだよね。

だって普通に考えたらあり得ないだろうしなぁ〜 この異界の創造主でもある女神様の力が及ばなくなってしまったのだとしたら別なんだが。もしかすると、その可能性もあるのかもしれないなぁ〜って考えているんだ。だけど今のところこの世界を管理しているであろう神の存在は俺の前に現れることがなかったのだ。

(やっぱりあの壁画が原因だったのかな?)

俺はそう考えるしかなかった。この異界から出る方法は分からないままだけど、この世界がダンジョン化した原因はあの遺跡のダンジョンに潜ったことが原因なのかもしれない。俺はそんな風に思っていたんだ。あの異界で手に入る装備の中には特殊な能力を持つ装備も存在するというからな。あの魔銃とかが該当するんだけどな。あの銃があれば俺一人でも魔王討伐が可能になってくる。

あの魔銃を使えば魔獣の核を貫くことが可能だからな。普通のモンスターになら、どんなモンスターであっても通用する武器だと思う。

(それにしてもあの異界に行く方法が分かったのは大きな収穫だよな。これで仲間を探すことが容易になるのだし。あとは、仲間にするための条件を満たす方法を見つければ問題ないかもな。リリアナの場合は俺がこの異世界に来た時に助けた恩人だったということもあるけど、それ以上にマサムネが紹介してくれた人だということも大きなポイントになったと思う。俺の仲間になりたそうにこちらの様子を伺っていたからね。まあ俺に何か特別な能力があるかどうかを確認しようとしていたのだろうけどさ。そしてあの異界が俺にとっては好都合すぎる状況を作り出していたしな。仲間探しをする上でかなり有利になる環境が整えられたと言えるわけだよな)

そして俺たちは他の転移者たちと合流するための移動を始めたのであった。移動している途中では俺は【マップ検索】という便利なスキルを持っているということをみんなに伝えておいた。このスキルを使って、他の仲間たちがどこで生活を行なっているのか探すことがすぐにできるようになったからな。

(よし、やっとみんなが集まれる場所まで移動することができたな)

そこは森の中にひっそりと存在する小屋だ。ここには俺たちのような人間がこの異界に来てからも何人かが住みついているらしい。その理由は様々あるみたいなんだ。例えばお金がなくこの森に住みついてモンスターを倒している人もいる。あるいは、その人が持っていた家財などはダンジョンに取り込まれているわけだからね。その人はモンスターを倒さないと生活することができないという人も多い。

この世界の仕組みとして、倒した魔物からは素材として価値の高いものだけを抜き取ることが出来るようになっているのだ。

なので死体をそのまま放置してしまうとその肉を狙って動物たちが群がってくるという現象が起きてしまうのだ。

それを避ける為だけに毎日のように戦いに明け暮れなければいけないという人々も存在したりする。この異界で暮らしていくにはダンジョンでレベルを上げなければならないというのもあるが、食料を手に入れるための手段が圧倒的に足りていないという状況なのだ。

そのための手段としては自分で畑を作る人も多くいたりするし、ダンジョンで手に入れた魔石をエネルギー源としている発電装置を自作するという者もいるらしい。

(そういう意味においては、俺は恵まれていたんだよな。地球では金に困ることはなかったし。俺の持っている資産はかなりのものだったからな。俺の持つアイテムバッグの中には大量のレアリティの低い武器が入っていたんだよ。だから、この異界で手に入れた武器は、この異界でしか使用できない物ばかりだ。この異界から持ち出せないから当然だな。それでも地球に持ち帰ることができればいいなと思っていたんだけど)

俺としてはやはり地球に存在するアイテムを手に入れたいという気持ちが強かったのだ。

そして俺たちが生活しているというその小屋の中に入ってみると、そこでは男女が20人くらいいるようだった。

(こんなに人数がいるんだな。そして俺はこの人達の顔を知らないんだけどな。マサムネの話では、みんなで一緒にレベルを上げるという目的を持って集まった人たちらしいんだが。もしかしたら俺はこの人たちの中から新しい仲間たちを見つけることができるのかもしれいないな)

この人たちはおそらくだが元の世界に戻りたいとは思っていないようだな。ここに集まっている人たちには元の世界に帰りたいから協力してほしいと言ってもなかなか首を縦に振ってくれない可能性の方が高いかもしれない。

そしてここで暮らしている人の中で一番レベルが高いと思われる男性が近づいてきた。この男性の名前はジンという名前の人のはずだ。

(彼は、俺のことが気に食わない様子だよね)

なんでかっていう理由ははっきり言って分かっていないんだよな。彼の方でも心当たりがあるようなので話を聞ければいいんだけどね。でも彼から話を聞き出すような真似をしても良いものかは分からないのである。

俺はマサムネのことを尊敬しているが、彼がどのような人物でこの異界にやってきてどういう行動をしたのかは俺は詳しく知ることができていなかったのだ。マサムネはいつも俺がこの異世界の探索を行う時には付き合ってくれたのだが。マサムネのほうで用事があってどうしても同行出来ないという時は、マサムネの部下だという男を代わりに付けてくれたんだよな。その男のこともマサムネに紹介されて知っただけで名前を聞いたこともなかったんだよな。

(この男性はジンさんっていう名前のはずなんだがな)俺がまだ彼の名前を覚えきれていないことを不思議に思われないように、俺と彼との関係について尋ねてみることにした。

「お久しぶりです。ジンさん。俺のこと覚えていますか?」と尋ねたところ「君は誰かと間違っていませんか?僕たちは知り合いじゃありませんよ」と言い出したのだ! そしてその後にも、俺と会話をしたいと言わなくなったんだよな。

「どうしたの?私に何か質問したいことがあったのかしら?なんでも聞いていいのですよ。私は貴方より先輩で年上なのですよ。何でも相談に乗るわよ。私が答えられる限りはね」

俺に対していきなり失礼な態度を取ったので、この女性の方は少し怒っているように見えたな。

彼女はリリアナの事を睨んでいるように見えるが、もしかすると俺が女性に囲まれているのが嫌なのかもな。

(そういえばこの人たちって俺と同じ日本からの召喚者なんだもんな。この異世界で恋人を作っても元の世界に帰れなくなってしまったら結婚できないよな。それは寂しい思いをすることにもなるからな。俺がこの異界にやって来てからも何人もの女性に声をかけられて俺の方もモテてると調子に乗っていた部分もあったけど、今にして思うと彼女たちには俺との思い出を作ろうとしていた節もあるのかな。だけど俺はその気はなかったんだがな。彼女達とはそれなりに親しくなっていたから勘違いされても仕方がないかなとも思ってるんだ)

俺はこの異界でこの異界に来る前から知り合いだった人以外の人とは極力仲良くしないようにしようと思った。俺に近寄ってくる女性は全員信用できるとは思えない。俺も彼女たちを利用してハーレム生活を楽しもうと思ってたこともあったけどな。俺は別にそこまで女好きではないと思っているし、この異界で俺が出会った女の子たちは、この世界では強い人間として生まれ変わっているわけだ。その女性たちが自分よりも劣って見えるであろう俺に対して、積極的に声をかけてくるということに疑問を感じてしまっていたのだ。だから俺はこの女性たちに対しても警戒するようにしているのだ。彼女達は自分の欲望のために俺に接近しているだけの可能性が高いからな。

「ありがとうございます。リリアナが色々と俺に説明してくれていたので助かりました。それであなたたちのことを教えてくれますかね。この世界で俺が一番知りたいことは何よりも仲間を増やすことです。そのためにこの異界の情報を集める必要だってあります。そして俺はこの世界では冒険者として活動をしていこうと思っているんです。この世界で活動する為にはある程度の力が必要だと思いまして。だから俺は仲間を集めてこの異界を攻略しようと考えていまして、できればあなたたちにもその手助けをしていただけるととても嬉しいのですが」

この俺の言葉に反応を返してくれたのがこの世界で最初に会った女性だ。俺の目の前にいる女性は最初に話しかけてきた時と比べて態度がかなり違ってきている気がするんだが。

「貴方がこの異界に来てまだそんなに時間が経っていないみたいだけど随分と強そうな雰囲気を持っているのね。見た目も凄く若いようだし、その若さならそんなに無理しなくてもこの異界を一人でクリアすることもできそうだと思えてしまうのよね。もしかして君ってものすごく強くなって異界に来たんじゃないの?私たちと一緒にこの世界を攻略しようとか言っているのに、まるでこの異界で生き抜くのに疲れているみたいな顔つきなのが残念だな。もっと前向きにこの異界に向き合わないとダメでしょ。この異界に来たからにはレベル上げをしないで何をしているのかしら?私たちはね、元の世界に戻る方法を探す為にここに来たの。元の世界に戻ったら、あの人に告白をするつもりでね。そのためには少しでも多くの武器が必要だしレベルを上げる必要があるの。そうじゃないと私のことを振ったあの人をもう一度振り向かせることはできないの。そうしないと、他の女の子達にあの人が取られてしまう可能性があるからね。私だっていつまでもこの異界に留まっているわけにいかないんだから。だからね、私は絶対にあの人のところに帰りたいの。そのためにも他の転移者たちの力を借りないといけないといけないのよね。私はこの異世界で最強の剣士を目指しているから。それが叶えば私は、あの人の側にずっといてあげられることができるようになると思うから」と俺に語り掛けてくれたのである。

俺はこの女性の剣幕に驚いた。彼女の気持ちが本気なのは間違いないと感じることが出来たからな。それに、今のセリフの内容が、どこか引っかかるところがあったんだよな。

この女性の気持ちを応援したくなると同時に、俺は彼女と話を続けた。

そして俺は彼女が俺に対して好意を抱いてくれているのではないかと感じているので俺は彼女を仲間として受け入れたいと伝えるために、俺がこの世界の人間として生まれ変わってしまう前の話を持ち出すことにしたのだ。

この女性が言った言葉の中に『元の世界に戻りたい』、『元の世界に戻ればあの人が』といったワードが入っていたのだ。もしかしたら元の世界に帰ればこの女性の言う『あの人』という人物は、元の世界での俺の恋人でもあって、この世界の俺は、元の世界でも元の世界に帰ることができていた場合の、元の世界の俺の姿だということに違いなかったからだ。

もしかすると俺は、俺と同じように別の世界から来た元の世界では普通の学生をしていたという俺と同じような存在の誰かと出会うことができたのかもしれない。

(元の世界で俺はどういう人生を歩んでいたのだろうな。少なくとも俺に恋人がいたなんて記憶はないんだよな。でも今は違うから、この異界にやってくる前にも俺のことを愛してくれていた女性がいたかもしれないんだ。俺は元の世界に帰ってもこの異界での暮らしで培ってきた経験は忘れないだろう。俺はこの異界で生きている間だけでもこの異界での生活を楽しむんだ。俺がこの世界に呼ばれたのにも何か理由があるはずなんだよな。その理由を知るまではこの異世界で暮らす覚悟を決めようと思っている)

俺は自分がこの異世界でこの異世界で生活をしている間は元の世界を振り返らないことを決めた。そしてもしこの異界で死んだらどうなるのかを考えないようにしたのだ。

「貴女の名前を教えてください」と尋ねたところ彼女は笑顔になり、「私の名はサラよ」と名前を教えてくれた。

そして、彼女から色々と話しを聞くと俺は少しばかり安心したのだ。この世界に元の世界からやってきた人間はこの異界で生活している間に別人になると言われているらしく、元の世界に戻りたいと思っている人間の場合は元の世界へ帰りたいという強い思いで行動するようになると、元の世界の事を思い出すことがなくなっていき、元の世界の記憶を忘れていき元の世界のことを思い出すことがなくなるという。

逆に元の世界への未練がなくなってしまうような人は、この世界に元々いた人々と同様にモンスターを倒すための行動を起こすようになるのだという。

俺はこの話を聞いていた時に違和感を覚えていたんだよな。元の世界に帰りたいという思いで動いているような人たちも実はこの異界で生きていたという人達と同じ行動パターンを繰り返していることに気が付いてしまったんだよな。そして俺が知っている限りで元の世界に戻ってきた人たちでこの異界で過ごしていく中で、この異界から出るために行動をしようと試みる人はいなかった。つまりは、この異界で一生を過ごすことに決めているのだ。この異界で過ごすということは、この異界でしか得られない貴重な体験をして生活するということだからな。元の世界にいた頃の価値観がなくなってしまっている可能性が高いと思ったのだ。

それならば、俺も元の世界に帰ることを考えずにこの異界で楽しく生きていこうと考えているんだ。

俺はこの異界に来てから初めて同郷の人間に出会うことが出来て本当に良かったと思ったのだ。

そして俺はこの世界にやってきたばかりの頃に出会ってくれた女性たちとまた会う約束をしたのだ。

俺はこの異世界の女性たちを仲間にするために、彼女達を勧誘することに必死になっていたのだ。

そしてこの異界で一緒に過ごすのなら、彼女達とは仲よくしていきたいと思っていた。

俺はまず最初に出会った彼女達とこの先も仲良くなりたかったから、お互いの呼び方を変えるように頼んでみた。

俺は彼女たちのことを下の名前で呼び捨てにしていたのだ。この世界では、男女共にファーストネームだけで相手を呼んでもいいことになっているらしい。だからこの世界の女性たちが俺のことをジンと呼び始めても気にしないことにすることに決めた。俺はこの世界で女性と付き合うつもりはないから、この世界で恋人同士になどなろうと思わないし。この世界では俺はまだ独身の20歳のニートなのだからな。彼女を作るとしてももう少し先のことだと思ってるんだ。だから俺がこの世界で出会った女性たちを仲間にすることが出来たら、俺はこの異界で知り合った女性と付き合っていくつもりだ。まぁ俺には地球で婚約者がいるんだが、俺の元の世界に戻ってくるのを待とうとしてくれるほど優しい女性なんだが、そんな女性に対して申し訳ない気持ちは多少あるのだが、やはり俺としてはこの異界で生きるのは楽しみたいからな。元の世界に帰った時にも俺が元の人生に戻れる保証はないんだけどな。それでもこの異界にいるうちにもしかすると地球に帰れるようになる可能性もあるかもしれないしな。俺だって自分の人生を楽しんで生きたいと願っているのだ。この異界に来てまだ数日だ。まだ時間もそれほど経過していないしな。俺はまだまだやりたいことがたくさんあって、この異界での経験をこれからに生かしたいとも思っている。俺はまだこの世界では若すぎるからな。俺は自分の限界に挑戦しつつ色々なスキルを身につけたり、レベルを上げて強くなりたいと考えている。そうすることによって、俺は元の世界でもより高みを目指すことが出来るようになるはずだからな。俺にはまだまだやり残していることがあるから、俺はこの世界では悔いを残さないためにも出来るだけ努力をする所存だ。そして俺はこの世界で一番になってやる。そしてその一番になれた暁には俺は地球に帰る。

俺はこの異世界に来る前の世界では俺はごく普通のサラリーマンとして過ごしていたんだ。

俺は別にお金に不自由することなく暮らせるくらいには裕福な生活を送っていたんだ。だが、その生活は充実していなかったのである。なぜなら俺には愛する妻が居て一人娘もいるからね。妻は美人で優しくてスタイルが抜群で気立ての良い完璧な女性だと言っていいんじゃないかと思う。娘に関しては可愛いくて性格が良い子だと思う。ただ娘のことを悪く思うことはないけどやっぱり血が繋がっていると恋愛対象にすることはできないんだよね。いくら外見が似ているといっても中身が違うんだし、娘が高校生になったときに思春期を迎えれば俺に対する対応が急に変わってくるだろうからな。それまでに俺のことを異性として意識してくれて告白とかされた場合は俺がちゃんと考えて断ってあげないといけないんだよな。俺は今のところ好きな人もいないから告白を断る理由に困ってしまうのが辛いところではあるんだが。俺は今現在彼女募集中だ。そして俺は結婚を前提にお付き合いができる女性がこの異界に現れたら、俺も彼女のことは大切にしていきたいと思っているのだ。俺は今の段階では誰かと結婚できるかどうかはわからないし、仮にできたとしたらこの異界での暮らしに区切りがついたときになるかな。でも、俺はこの異界でレベルを上げるために冒険者をしているからね。俺のレベルは10億を超えていて、この世界の人間の中でトップクラスに位置しているのである。だから普通は俺よりもレベルの低い人間がいくらいても俺には勝てるわけがないんだ。それにこの異世界でのレベルアップシステムは非常に特殊なんだと思うんだよね。だからこそ俺が他の異世界から来た転移者の方たちの中でも特別に強くなったのではないかと感じていたりするのだ。だからこそ俺は転移者達を手玉にとってやろうと考えている。俺は今までに出会った転移者達のような地球人とは違うんだということを証明したいんだよな。

この異界でレベルが99兆を超えた俺はもう誰にも負けることは無いと確信している。だから今の時点では元の世界に戻るかどうかを決める必要は全くないし、むしろ戻る手段を探す必要性も全くないというか、この異界でずっと生活していてもこの世界で生きていけそうな気がするんだ。

そしてこの異世界で暮らしている人達を見ても元の世界にいた時の常識とは大きくかけ離れているから、元の世界の人間としての考え方のままではダメになってしまう可能性のほうが高いから、この異世界の住人たちと上手くコミュニケーションを取りながら、この異界で生活をしていくためにも俺は元の世界で生きていた時の考え方から脱却しないとやっていけないと思っている。

俺がこの異界でこの世界の住民と関わる中で感じたことが元の世界から来た人たちのほとんどが元の世界に戻りたいと思い続けている人が殆どだということだった。この異界の住民の人たちの多くは、元の世界で生きていくために必要な能力があまりにも低すぎて、元の世界に帰ることができないという。そしてこの世界では元の世界で生きていくための基本的な能力は備わっているというのだ。

だから俺のいた世界の人間達はこの世界に来てしまった人間は元の世界の人間ではなく、全く別の生物なのではないかと言われているそうだ。俺もその説に賛成だな。俺は自分が元の世界で生きていた頃と変わらない感覚を持ってこの異世界に来たと思っているから、俺はこの異世界の人と同じ感性を持っていたということになる。だから、俺はこの異界で暮らしていても、元の世界での感覚のまま生きている。

だからこの異界の人々はこの異世界の人達を自分たちと違う生き物のように見ている節があって、俺はそれが少し可哀想だと思えてきたのだ。この異世界の住民は元の世界の人々と違って、見た目こそ俺たちと似たような容姿ではあるが中身はまったく異なるのかもしれないな。

「貴女の名前を聞かせてください」と尋ねてみたら、この女性はサラという名前のようだ。

彼女は「私の名前はサラです」と名乗った。彼女はこの異界でも非常に有名な人で多くの人から信頼されていて、尊敬されている存在のようで彼女はこの異世界で誰よりも力を持っているのだ。そして彼女は、元の世界からこの異界にやって来た人々に元の世界に帰る方法を教える役割を担っている人物でもあるのだ。彼女が言うにはこの異界にやって来る人々は皆この異世界で元の世界に帰る方法を探そうと必死になりすぎていてこの世界では貴重な時間を無駄にしているのだと、元の世界の人間の考えというのは、どうしても元の世界へ帰りたいという強い意志で動いていると、それ以外のことが見えなくなって、周りにいる人達への配慮が全く無くなってしまってしまいがちだというのだ。

だから彼女達には元の世界への帰還のための具体的な情報をあまり与えずにいるのがこの異界で暮らす人々のためになるというのだ。彼女からの情報を元にして、俺が元の世界に帰りたいという願いが叶えられるのなら俺はすぐに元の世界に帰れているはずなんだよな。

俺はそんな彼女の説明を聞き終えると、俺も彼女とこの異界について話をすることにする。俺は彼女に質問をすることにした。

まず最初にこの世界ではどんな職業がメジャーな仕事なのかと聞いてみたのだ。すると彼女の答えが意外でびっくりしてしまったのだ。俺の知っている一般的なこの異世界の知識でこの世界には魔物がいるということと、モンスターがこの世界を跋扈しているという知識があったのだ。

そしてモンスターを倒すためにはこの世界の住人たちは戦いのスキルを身に付けるのが当たり前になっていて、戦いの技を身につけるのが当たり前になっている。この世界にはレベルが存在する。そして、その強さに応じて階級というものも存在していて、その階級は上から順にS級、A級、B級、C級の4種類でこのランクが分かれていて、さらにその各ランクにも上から下まで5段階に分かれているという。この世界に存在する全ての人間が最低ランクの冒険者カードを所持しているらしい。これはギルドで無料で配っているカードらしいのだが、冒険者はこのカードを所持することで身分証明とすることができているのだという。そしてこの世界にはダンジョンと呼ばれるものが存在しているらしくて、そこは冒険者たちに人気な場所であり、冒険者として稼ぎたいと思った人はそこで生計を立てていることが多いらしい。そのように冒険者になりたいと思った人々のためにこの世界では学園が存在しててそこでは冒険者のいろはを学べるらしい。そしてその生徒には特別なスキルを与えることができるのだとか。

そして冒険者をやるにしてもその資格が必要となってくるみたいだ。この異界は地球とは違い、地球の国々では犯罪になるようなことも、ここでは許されることになっているので、この異界は元の世界とは違った法律があり元の世界でいうと、ヤクザとかがこの世界で暗躍するようなことになっているのだろう。俺の予想だが、この異世界で盗賊などをしている人間たちが地球にもいるはずだから、彼らはこの異界に来てしまったらこの異界に順応するようにして悪事を行うことになるのだろうな。だから、この異界にやってきた犯罪者の集団のことはある程度把握していたほうがいいかもしれな。

あと、この世界では奴隷制度も普通にある世界なのである。そしてこの世界のほとんどの人間はレベルを10までしか上げることはできないので、それ以上のレベルの存在になるということはあり得ないのだとか。そして俺もレベルは99億を超えていて、そのレベルを上限だと思っていて俺はこの世界の頂点に立つことができているという自信はあった。しかしだ。そのレベルの上限を突破した人間はこの異世界では過去に何人も存在している。

例えば、今から500年前にこの異世界に訪れた転移者が居たそうなんだけど彼は、この世界でも類を見ないほどの圧倒的な才能を持っていたというのだ。彼は自分の持つすべてのステータスが100兆を超えて、スキルもすべて100億超えしていたという規格外の人物であったそうだ。彼は当時の魔王を倒した後で、この世界に訪れて俺と同じようなことをしようとしたんだ。彼の場合は転移した際にこの世界を救う勇者として呼ばれたわけではなく、元の世界に戻るための旅をする目的があったというので、俺は彼が元の世界に戻ることができたのかがとても気になるんだ。その話の内容を聞く限りでは俺よりもこの異世界での滞在時間が短かったそうで俺はこの異世界での経験でレベルを99億にまで上げることができたが、その転移者の方はレベルを9999万9990に上げたところまでは確認されているが、その後については誰も知らないというのである。

そしてこの異世界はレベルを上げることのできるシステムが特殊なだけで、俺がいたあの世界の人間達が考えるよりもレベルが上がることがかなり難しいものなのかもしれない。だから俺は今までレベルが99億に到達したときでも、レベル99億から9999億へと経験値が上昇した際にはレベルアップまでに3年ほど時間がかかったんだよね。それを考えると、俺と彼では圧倒的に経験に差があったことが考えられるからね。

それと俺の推測なんだけれども彼は多分死んでしまっている可能性が高いんだよなぁ。もし生きているのであれば彼はまだ若いし今の時点でかなりの年齢になっているはずなので生きている可能性の方が少ないかなと。まあ500年も前の話になるから俺としては生きてて欲しいけどね。

それから俺は彼女から様々なことを教えてもらうことが出来た。この異世界で生きていくためには常識的なことはしっかりと覚えておく必要があり、特に常識外れの行動を取ってこの異界の住人達に不信感を与えないようにすることが重要になってくる。彼女はこの異界に転移してきた人たちから情報を集める役目を担っているから、当然、彼女の元に転移してくる人間は皆、元の世界に帰りたいという想いでこの異界を訪れてきていた。だから、そんな元の世界に戻るために必死になりすぎて時間を無駄にして欲しくないというのである。確かにこの異世界に来る人間の多くは元の世界に帰ることに執着している人ばかりなのだ。この異世界に来たばかりの頃はその世界の人々をこの異界の人々に受け入れてもらおうとする努力をしていた人もいたが、大抵は元の世界のことを考えていて元の世界に戻るために色々と調べたり、元の世界の情報をこの異世界の人々に教えてあげるなどして、結局元の世界のことを考えることにしか頭を使っていなかった人が大半だったのだ。

そしてこの異界の人々は元々が地球人のようなので地球人が持っている考え方で物を見て行動すれば自然とその世界の人々とも仲良くできるのだそうだ。そしてこの異世界で暮らしている人々は元の世界の人々よりもレベルを上げやすいという特徴もあるのだ。

彼女はレベルを上げるにはこの異界の住人達は、他の異世界からの人間よりもレベル上げに向いているという特徴があると言うのだ。その理由が、元の世界の人々の考え方や物事に対する感じ方というのはどうしても、元の世界で培った考えかたがどうしても基準になってしまうからだそうなのである。この異世界の住民たちは基本的にレベルを上げたければ自分で魔物と戦って、自ら戦闘の力を身に着けるというのがこの異界に住む人たちのやり方なのだというのだ。

この異界では戦いを仕事としている職業があるのだ。それはハンターと呼ばれている職業だ。そしてこの世界の住民の中でこの職業を職業とする者はかなり多いのだ。そしてこの異界の住民の誰もがこの職業に就くことが出来て、元の世界では職業についている者はごく限られている。

この異界の住民が職業に就いていなくても生活できているのはこの異世界の人々は戦いに対しての才能が高いということもあるのだ。この異世界の人々は戦うためにこの世界を訪れたのだと言われているくらい、戦う能力に特化している種族たちが集まっていると言われている。

そしてその戦いに特化した能力を鍛えるためにも、戦いの技術を磨くには実践訓練しかないのだとか。実際に戦って技術を高める以外にこの世界には強くなれるための方法がないみたいなんだよ。

「私は、これから元の世界へ帰る方法を探しに行かないと」と彼女は言っていた。どうもこの異界の人々にとっては元の世界へ帰らないということのほうが考えられないことみたいだしな。それにしても元の世界に帰る方法が見つかる日は来るのだろうか。彼女達はこの異世界のことを、自分たちの故郷だと言っているから、彼女達の言葉は信用することができると思う。彼女達も嘘を言うメリットはないから元の世界へ帰るための情報を意図的に隠してはいないのだろう。

そして彼女からは元の世界へ戻るために必要な道具なども幾つか貰うことができたのだ。

その1つが『アイテムボックス』というもので俺はそれを使えるようになるまで少し時間はかかったものの無事に手に入れることに成功した。そして俺はこの異界を探索して、自分の家を探すことにした。この異界には俺の家は存在しないらしいので自分の家が欲しいと思っているのだ。この異世界のどこかにきっと元の世界に繋がる道が隠されているはずだと、俺は思っていたのだ。

そしてこの異世界に来て数日経ったのだが俺はなかなか自分の家を見つけることができずにいるのだ。俺は、まずは自分の家を作る前にこの異界での生活に必要な拠点を手に入れることから始めたのだ。だからまずはこの異界で暮らすために最低限必要な場所を俺は確保しようと動いているのだ。

そして俺は、この異界の住人から情報を聞き出して俺が今住んでいる異界の住人達の居住区から離れた場所にある場所の情報を入手をした。

この異世界で俺が暮らすことになる場所はとても重要な場所でその場所はこの場所なのである。俺の家からかなり距離があるが俺がこの世界で生活をするためにも、そしてこの世界で快適に暮らせるように俺は、この場所に家を建てることにする。そして、その家の建設に取り掛かるのだった。

俺は自分の家の建築を始めるのだった。まずはこの異世界にはコンクリートというものが存在しない。なので俺は自分のスキルを使い家を造っていく。俺は土属性魔法のスキルを所持するので、この異界に来てからもずっと魔法を使っていた。そしてその俺のスキルのおかげで俺が今いる異界では一番強い魔法使いということになっていた。俺がこの異世界の魔法を発動させるとその発動させた場所の地形が変わっていくのである。俺は自分のステータスが表示されているウインドウを眺めて自分がどれ程のことができるようになったのかを確認した。するとこの異世界の俺のスキルは凄いもので俺は、全てのスキルをマスターすることができた。

そのおかげで俺は全てのスキルを習得することができた。この異界では地球にいたときとは比べられないほどの経験値を得ることが可能な環境になっているみたいで俺のレベルは既に1000を超えているのでこの世界で最強の存在になれているのだと自覚はしているつもりだが、俺の今の実力ではまだ俺は弱いというのを感じていた。だから、早く俺は俺より上の強さを持っているこの異世界の人々に認めてもらいたかった。そして俺はその人達のために俺は出来ることをやりたいと思った。

俺がこの異界にやってきたのは俺の意思ではなくこの異世界の人々の願いが引き起こしたことだけれども、それでもこの異界に召喚されるのであれば俺を俺の仲間たちのように利用するのではなく俺の仲間にして欲しいと俺は願っているのだ。

だから俺は今のうちに少しでも強くなっておこうと思いこの異世界でレベル上げをして強くなるためにこの異世界で旅をしている。俺が強くなれる理由はこの世界の住人の殆どが持つスキルという力を使うことができれば誰でも自分のレベルを限界まで上げることは可能になる。そしてこの異世界の住人はこの世界に存在している生き物と触れ合うことで自分のレベルを上げて行くことができるのだ。例えば俺の場合は自分の家にしていたダンジョンの中にいたドラゴンなどのこの世界に存在している生き物と戦うことによって自分の強さが上昇をするのである。そして俺はこの異界の住人たちが使う特殊な能力であるスキルを使ってみたがこれがなかなか難しくて習得するまでに時間がかかってしまった。俺は今ではなんとか自分以外の人のステータスを見ることができるようになっている。この異界の住人はみんなレベルが100万を超えておりとてもじゃないけど、地球人であったときの自分と比べるととても敵わない相手ばかりで、こんな人たちの役に立てたいと思っていてもまだ、この異界の人間たちに認められていない状況なのだ。でも俺は必ず認められるようなことをする。そう決意した俺は自分の住むための家とそこにたどり着くための拠点となる家をまず作ろうと頑張っていた。

それから数日かけてやっと自分の理想通りの建物が完成して一息つくことが出来た。そしてこの異世界にきたときと同じように俺の意識は徐々に薄れていき視界がぼやけていく感覚に襲われたので俺は完全に気を失ってしまい眠ってしまったようだ。しかし目が覚めたらそこは俺が目を開けた時にいつも見慣れない天井があったのでこの異界で目覚めてしまったのだと思ったのだ。

だけど俺はここが異世界だと理解しこの異界で第二の人生を歩むことを決意するのだった。俺は、元の世界に戻るためにこの異世界を救うことを目標としながら生きていく。

俺はこの異界では英雄と呼ばれているが本当のこの世界の英雄になる男だ。この世界を救える唯一の人間であると自負しているが俺が元の地球に戻れたとしても俺に待っているのは過酷な運命であることに間違いはないだろうが、それでも、家族を失ったあの辛い記憶を思い出してしまうのだ。もうこれ以上あの頃の気持ちになりたくないんだ。俺は俺の家族を殺した地球に住む人間がこの異界に来ることがないようにこの異界を守ることに決めているんだ。

俺は、地球に存在する人間たち全員に対して復讐したいという強い怒りを感じているので、地球からこの異世界へ来る可能性のある存在をすべて殺すことを決めて、地球からこの異世界へ来ている奴らが元の世界に帰る手段を奪い取り二度と元の世界に帰ることができなくなるようにするのだ。そしてこの異世界には地球の人間が立ち入れないようにすることも考えている。元の世界に帰る方法をこの異界の住民には絶対に渡さないようにすることが今後の目標だ。

俺は元の世界に戻ることができないようにすることを第一として考えていたのでこの異世界の人々に迷惑をかけることはないと思うがもしこの異世界にやって来た地球人が元の世界に戻る手段を手に入れたときには容赦なく奪うつもりでいるのだ。俺の故郷は地球にあるのだから、この世界の者たちに俺の故郷を奪った地球人には俺の恨みの全てを込めてこの異界から出ることが出来ないようにしてやるのだ。

この異界に来たのは全ての元凶である地球に住むすべての人類が悪いのだから俺は元の世界に戻ったときは俺の家族を俺の手で殺しこの異界に連れてこようとした地球に住んでいる人たちをこの手で一人残らず殺すのだ。

俺のこの異界では俺が元の世界に戻りこの異界でやることをすべて終えたあとの俺の生きる目的はそれだけになってしまったので俺は、元の世界に帰れないかもしれないという恐怖を抱きながらも俺は、この異世界での人生を全力で生きていこうと思う。この異界に来てからは毎日のようにこの異界を探検したりこの異界の住民と交流を深めているのだ。

「さぁ今日も冒険の日々の始まりだ」と言って俺は家を出発した。

俺のこの異界における活動の拠点はこの家だけではないのだ。他にも拠点が3か所ある。まずは、この異界の中心となっている場所に存在しているダンジョンに俺は向かう。ここは、俺が初めて元の世界とこの異界を繋ぐ道があるという情報を得た場所であるが未だにその元の世界とこの異界をつなぐ扉は発見できていない。そしてこの場所からかなり離れた所に存在する山奥には大きな湖があり、そこの奥深くには、かつて魔王が存在したと言われている城が存在していたらしいのだが、そこには魔王がいた形跡などは残っているだけで魔王の使っていたとされる強力な武器や道具なども存在してはいないのだ。

俺は今この異界でこの世界で最も強いといわれている魔法使いでありこの世界で俺を知らない者は存在しないくらい有名な人物だ。この世界で俺を知らぬものはいないくらい有名になっているのだ。俺はこの異界で一番の力を持っている。なので、この異世界に迷い込んでくるであろう地球から召喚された勇者が、もしいなくても元の世界に帰る方法を見つけて俺の故郷へ帰ることができる可能性があるというわけである。俺は俺の家族が暮らしていた地球へ帰るという目的でこの異界を旅していて俺は地球とこの異界を繋げる道を必ず見つけてみせると心に誓った。

この異界は、俺が住んでいた日本の東北地方よりも広い面積を誇るのだ。そんな広大な土地の探索は、やはり一日二日で終えられるほど簡単なものではなく俺は毎日この異世界で寝泊まりしている。

そしてこの異界にも地球と同じ季節が存在しているようで俺が住んでいる家の近くには俺がよく散歩をするために歩くことがある綺麗な花が咲いている草原が存在する。そして俺が住む家はこの草原を少し進んだ先にあり俺はこの草原をよく歩き回るのだが俺は、そこで俺のことを呼んでいる声がしたので、その方向を見てみると俺のことをよく可愛がってくれるこの異界で最強と呼ばれる存在である獣王レオがいる。この異世界に来て俺はこの異界で出会った仲間である、狼のモンスターである、ブラックフェンリルに、ライオンの魔物であるライガー。さらに俺が一番尊敬をしている虎の王であるキングタイガーと仲良くなりこの四頭はこの異世界にやってきてすぐに俺と出会って仲良しになったのだ。

俺が出会った異世界の人々の中でも俺は特にこの四頭のことは信頼して頼りにしている。俺の仲間はこの異界にいる五人でこの五人と俺は行動を共にしており俺の仲間もこの異界にやってきたばかりの頃に出くわした俺と仲が良いモンスターをこの異世界で最初に仲間にすることができてそれからずっと一緒に行動を共にするようになった。

俺と一緒に行動をしている仲間は俺がこの異界に初めて訪れたときに初めて遭遇したのがこの五人なのである。俺が異世界に召喚されてから初めてこの異世界を歩いた際に最初に見つけたダンジョンで出会いこの異界での最初の友人でもあるのだ。この異界にはダンジョンというものが存在していてこのダンジョンの中には、俺が見たこともないアイテムなどがたくさん存在しいて俺の興味を引くものがいっぱいありダンジョンで俺は仲間たちと出会った後に俺が今いるこの異界に元々いたと思われるボス級の強力な魔族と戦うこととなったが俺はそいつを倒すことに成功したのだ。

そしてこの異界に存在するダンジョンの中で俺が最初に見つけたこの異界で一番大きいとされているこの世界で唯一の塔型ダンジョンの中にいたダンジョンボスのゴブリンキングの集団に俺らは襲われた。

そしてそのゴブリンたちを全滅させてからこの世界で一番大きく難易度の高い塔型の巨大な迷宮の中に入って行き俺たちはダンジョンを進んでいった。そしてこの世界に存在するどんな魔物よりも圧倒的に強かったドラゴンにこの世界で俺が初めて出会うことができたのだった。そして俺とその仲間とこの異界最強の存在である獣王の獅子が協力することで何とか倒せることができたドラゴンなのだ。

ドラゴンの素材はこの世界ではとても珍しい物らしく高値で売れるそうで俺はドラゴンを倒したことにより大量のお金を得ることになった。俺はこの異世界で手に入れた資金を使い俺は自分が元の世界に戻るために必要なものを買い揃えていった。

まずは俺の仲間が使う装備品は、俺は自分で作り出して仲間に与えてやっていたのだ。これは俺が自分の意思ではなくこの異世界にやってきたことから俺に与えられた恩恵の能力の一つ、錬金術という能力により、俺が今までこの異界に訪れてきたことで手に入れたスキルが自動的に強化されて、今では俺はあらゆるスキルを使うことができるようになっている。しかも俺が持つ錬金術という能力にはこの世界に存在している伝説の装備をこの世界に現存している全ての伝説の防具を作ることが可能になるそうだが俺は自分の好きなデザインで作成できるという能力の方が便利だと思えたためそちらの能力を使った。それに俺は自分の趣味としてアクセサリーの作成も行っているため、自分の欲しいものを作れるため俺が作った武器たちはどれも凄い効果を持つことができるため自分の力を信じることができているから自分の力を最大限発揮することが出来る。

この世界の人間は魔力というエネルギーを使うと魔法の威力を上げることができ身体能力の強化も出来るため普通の人間でもこの世界に住む住人たちの魔法を使うことによってレベルを上げることが出来てステータスを向上させることが出来るため地球人と比べてレベルの上昇速度も速い上にレベルが上がると普通では覚えられないような強力な力を手に入れられることが多いため、レベルが上がりにくいこの世界の人間が他の星に住む地球人たちと比べたときのステータスの差は非常に大きかったんだ。しかし地球にいた頃の俺は、レベルを上げても地球に住む人たちのレベル99には追い付けなかったんだよなあ〜地球では経験値を手に入れることができなかったからなあ。地球の住人たちの強さがどれくらいのものなのか実際に確認することができなかったからなぁー。地球にいた頃はゲームの中のデータでしかなかったから実感はなかったけど実際この異界で体感するようになってわかったことなんだが地球の人達は本当に強いよなあー。だからと言って俺より弱いというわけではないんだけどね。だから地球に暮らす地球人たちに俺やこの異界で暮らす地球の人間たちが勝つことは不可能だということを俺は知った。

俺は今この異界にきてから約半年の月日が経過しているがいまだに帰る方法は見つからない状況ではあるが俺は焦ってはいなかったのだ。なぜなら地球にあるあの事件のせいで俺の生きる目的であったあの事件の真実を知るための手がかりを掴むということにあまり関心がわかないからだ。あの事件以来俺は地球に対して憎しみしか感じられなくなってしまった。

俺は地球で暮らしていた頃は俺は平凡な暮らしをしていたが家族に恵まれ幸せだったのだ。俺の家族は俺の父と母に兄と妹が一人ずつと犬が一匹いる5人の兄弟に祖母に叔母に祖父母がいたんだ。俺の家族は両親ともに仕事を持っていて共働きをしていたためいつも家族の時間は少なかったんだ。俺は小さい頃から両親が忙しいときにはお手伝いさんに育てられたんだ。

両親は俺のことを大切に育ててくれたから俺は両親のことが大好きだ!だからこそ、あの事件で父さんが殺されてしまったことがとてもショックで俺は怒りを抑えることが出来ずに犯人への恨みをぶつけるだけの人生を送ろうと決めた。そして俺は復讐を決意したのだ!!俺はこの事件をきっかけに自分から大切な存在を奪って行った地球という国に復讐しようと心に誓った。

「お前は、一体誰だ!!」と俺と仲間の四人に聞こえてくるように俺は声を上げた。俺はこの異世界で魔王と呼ばれ恐れられている存在であるこの異界最強と呼ばれている獅子の魔物であるキングレオに声をかけられたのが驚きだったので一瞬俺は反応が遅れてしまうところだったが俺の声を聞いた仲間たちも驚いた様子で俺は俺をこの異界へと誘った張本人に文句を言うために俺が今一番信頼しているキングレオに問いかけるとこのキングは「我が何者かと聞かれたなら答えよう我は誇り高いキングタイガーという種族の王だ」と答えた。この異界に存在するすべての種類の虎の中でもトップクラスの実力を誇ると言われているのがこの虎だ。俺とキングは昔から仲がいい友達のような関係だが俺の知らない間にこんなに強いモンスターに成長してしまっていたとは。この異界はどうやら平和な異世界で俺と仲間達が出会ってすぐに魔王軍との戦争が始まったのだがこの異世界は平和な異世界だと思っていたのにまさかの戦争が始まってしまった。魔王軍が攻めてきてしまい、この異界を支配されてしまったら俺はこの異界にいる仲間達をこの異界を守る為にも戦わなければいけなくなると思ったのでこの異世界を救えるかもしれない可能性を持った勇者が召喚される可能性があると思い俺も異世界を救いたいという強い意志が俺の心の中に生まれてしまい俺は、元の世界に戻りたい気持ちもあるが俺はこの異世界を救うためにも戦うことを決意したのだ。この異世界を救えそうな勇者はこの異界で俺がこの異界で初めて出会った仲間である狼のモンスターであるブラックフェンリルにそのブラックフェンリルと同じブラックフェンリルの子供である狼と狐の魔物と人間の少女のモンスターがこの異界に訪れたことによって仲間に加わったので俺はそのブラックフェンリルとブラックフェンリルがこの異世界にやってくる前に出会ったことがあるので俺は狼と会話ができるようになっていた。

俺はそのブラックフェンリルの子供をこの異世界で最初に出会ったこの異界で最も大きいとされるダンジョンで出会ったドラゴンを倒さなくては手に入れることが出来ない素材アイテムで俺は俺の趣味のために俺はそのドラゴンの素材をゲットするためにこの異界に存在するダンジョンに挑んだ。そしてこの異界に存在するダンジョンの中で俺が最初に発見した塔型のダンジョンの中に存在するダンジョンボスであるドラゴンに仲間とともに協力して戦いなんとか俺はこの異世界最強の龍と呼ばれる存在を倒すことができたのだ。そして俺はそのドラゴンが残したこの異世界に存在するダンジョンで二番目に難易度の高いダンジョンのボスを俺一人で倒すことに成功したのだ。俺の仲間にはこの異界に存在するどのモンスターでも絶対に勝てないモンスターはいないと断言できるくらいの実力者がたくさんいたから安心して任せていたから大丈夫だと思うけど心配していた。

ブラックフェンリルはこの異界で最強のドラゴンを倒したときにドロップしたレアモンスターでありブラックフェンリルの希少価値はとても高くオークションで売った場合は金貨1枚で取引されていた。この世界では強さこそが正義なのだ。俺がこの異界に初めて訪れた時に最初に見つけたこの異界で一番大きいとされているこの世界で2番目に大きな迷宮型ダンジョンで俺はダンジョンボスに俺は単独で挑むことになり俺がこの異界で最初に戦ったのがブラックホークのモンスターだった。

ダンジョンの中に侵入者が入ってきたことを感じてこの異界に存在するダンジョンボスの部屋に俺以外の人間たちが侵入してきてこの異界にこのダンジョンに侵入したのは初めてのことでダンジョンマスターとしてダンジョンを管理しているこの異界の管理人がダンジョンに勝手に入ってきてダンジョンボスの部屋の前まで辿り着いてきたことに怒ってしまい俺に攻撃を仕掛けてきたのだ。俺はこのダンジョンに侵入する前に事前にこの異界にどんな魔獣が出現するのか調査をしていて俺にとってこの世界は住みやすくこの世界の人たちはみんな優しい人たちばかりだったのでこの異界に来ても全然困ることがなくこの世界を救う為にも俺は俺が元の世界に帰れるための手がかりが欲しいという願いの為にもこの異界に住むこの異界の住民たちを危険から守りたいと思えたから俺はこの異界にやってきたんだ。

「おい、あんた!ここは俺たち人間の世界とは違うんだからあまりこのダンジョンに好き勝手に入り込んでくるんじゃねえーよ!」と人間ではない存在であるはずの俺のことを人間扱いするこの世界に暮らしている人間たちのことを少しは信用していたがやっぱり人間は嫌いだと再認識することができた。俺は自分が元の世界に帰れる可能性を得るためにこの異界のことを調査しまくっているのだから邪魔をするなー。俺には俺の考えがあるから人間たちを危険な目に遭わせるわけにはいかない。

この異世界の住人たちは本当に良い人たちばかりでこの異界に暮らす人々の中には地球に住んでいた頃の俺みたいな人間もいたから俺は俺と同じような目にあってほしくないから俺が元の世界に戻るための手がかりを探してこの異界の住民を守らなくてはいけないと心の底から思えたからこの世界は守らないといけないと俺は改めて思った。俺がそんな決意をしていると、俺の前にこの異界を支配する存在の一人である人間の少女の姿をしているがこの異界で確認されているモンスターの中でこの異界で三番目にレベルが高いと思われるオーガという種に属するこの異界の支配者の一人でこの異界に住む全ての人類の中で最高レベル100の身体能力を持つと噂されている鬼人の女が現れて「私の名を教えてあげましょう!私はこの異世界を管理する人間です!そしてこの異世界に突然現れたこのダンジョンの主を倒して私が支配するこの異界の支配を取り戻す為にやってきました!あなたたちのような人間が私達のこの世界を奪おうとするのなら私たちはこの世界の全人類の力を集結させてでも貴方を倒させてもらいますよ!!」とこの異界を支配している人間の少女は言い出した。俺がこの異界に来るまでに調べたこの異界の資料によると俺が今この異界で滞在しているこの異界にはこの異界を統治するための存在が三人存在していてこの三つの存在を総称して「魔王」と呼ばれていたそうだ。そして俺をこの異界に俺を連れてきた張本人でこの異界の支配者でもある「神」と呼ばれる存在はどうやらこの魔王よりも強く、この異世界の魔王よりさらに強大な力を持つらしいが詳しいことはよくわかっていないらしい。そしてその魔王の次にこの異世界の頂点の存在で、魔王と同等の力と知識を持ちこの異界に君臨し続けているのが今目の前にいるこの「神」、「この異界で現在確認されている最強生物である」と言われる伝説の生き物のドラゴンの一体で俺をこの異界に連れてきてこの異世界に俺を連れ込んだのがこのキングだ。

そしてそのキングが「このお嬢ちゃんの相手は私がしようではないか。貴様ら雑魚はさっさとどこかに行っていろ。お前たちにこのお嬢ちゃんと戦う資格はない。お嬢ちゃんよ、お前のその程度の力じゃ我らが同胞であるブラックホークやフェンリルを倒すことなど不可能なことだぞ?まぁそれでもどうしてもこのお嬢ちゃんは我と勝負がしたいみたいだから我が相手をしてやるからかかって来い!」と言うとその魔王を名乗る存在の少女は「わかりました、この異界の支配者である魔王の実力見せてもらおうじゃないですか!いきますよ!!」と言い出してこの魔王と名乗る少女はキングに向かって襲い掛かったのだ!!しかしキングは一瞬にして魔王と名乗る少女の背後に回って攻撃した。この異世界最強の存在であるキングの攻撃に一瞬で意識を飛ばされてしまうと思われたが「流石に今のは驚きで反応が間に合いませんでしたね。さすがは異世界最強と謳われるモンスターだけの事はあります。だけど、これで終わりではありません!!次こそは必ずあなたのその余裕そうな表情を変えてみせます。覚悟してください!!」と言って再びキングに立ち向かっていった。キングは「ほう?なかなか面白い娘だ。ならば今度は我が全力を持ってお前を叩き潰そう。我が本気を出すのはこの異世界に存在するどの魔獣も敵わないほど強い奴と対峙するときだけだから安心しろ。本気で戦ってやろう」と言ってその次の瞬間にそのキングは消えたように見えたのだが「お前がこの私に本気を出させた最初の人物になりましたね」と魔王と名乗ったその女の子が呟いた。俺は一体何が起こったのか理解できなかったがどうやらキングは本気を出したらしいな。俺には速すぎて全然動きが見えなかったけれど。

魔王はそれからも何度か何度も攻撃を繰り出すのだがそのすべてを簡単にかわされてしまっていてもう魔王に勝ち目はないだろうと思ったので、俺はこれ以上戦いが長引くとこの異界を平和な異世界で暮らしたいと思っている人々の平穏な日常が破壊されかねないと思ってしまうかもしれないと思い俺は仕方なく「俺の仲間がそろそろこの異界に存在する魔王軍が統治している領地を制圧できる頃だと思うから、俺の仲間たちに任せようと思うんだけどそれでいいか?」と俺は魔王に聞くことにした。すると「えぇいいわよ。それくらいの実力を持っているなら問題ないでしょう。でも一つだけ約束してくれないかな?この異界を私たち人間の世界のように平和にしてくれないかしら?この世界にはまだまだ多くの人外が存在しているのでできればこの異界にいる人たちにはできるだけこの異界で穏やかに平和に暮らしていたいのです。なので貴方がこの異界にいるモンスターや人を差別するようなことをしないでください。もしもそのようなことを行うようでしたらその時は貴方は人間ではなく魔物として扱われますのでくれぐれもこの異界でそのようなことをしないように心がけてほしいです。この異界でこれから生きていく者たちの為を思いこの異界で暮らす人々に危害を加えようと企むのだけはやめてくれればこの異界は貴方に任すことができます。お願いします」と俺に対して魔王は言ってきた。俺はそんなことをするわけないじゃないかと心の中で思いながら「そんなのわかっているに決まっているだろうが! そんなくだらない心配なんていらんから早く行け! そんなことを言うためにわざわざこんなところまで俺の前に現れたっていうのかよ!俺は俺で俺なりにこの異世界に暮らす人々を守る方法を探すつもりだ。

それに俺が元の世界に帰る為の手がかりを探してもこの異界で見つけるのが一番の近道だと思うからな。お前たちこの異界を治めていている三人は俺にとってはただの人間でしか無いんだよ。この異世界にもともと存在していた魔族やドラゴンといった人間とは異なる知性を持つ生命体と共存する道だってこの異世界に残されているはずだ。それを俺が元の世界に戻る為の手段に使えたら俺がこの異界に来て得た経験を最大限に活かすことが出来るしな」と俺が言うと「この世界に住むすべての人たちの事を考えているんですね。貴方みたいな優しい心を持っていてくれる人間もいるんだとこの異界に来て私は知ることができて本当に良かったと思います」と言って魔王は去っていった。俺はそんな大層なことはしていないのにな。俺にできることをしているだけだ。俺が元の世界に帰る為に俺にできることをしてこの異界に訪れるであろう勇者の役目を終えたときに地球に戻って俺を待っているみんなの元へと帰る。それが俺が地球に戻れた時にみんなにしてあげられる最後の事なんだ。俺の家族に友達そして大切な恋人に俺のことを俺が異世界に行っても変わらず愛し続けてくれた俺の恋人でもある優梨にまた会いたいという気持ちはもちろんだが俺の両親と姉貴と妹たちに会いたいと思えたからな。だから俺はこの異界を平和にすることを目標に俺は頑張ることを決意した。

俺はこの異界に住む人々を幸せにするんだと俺は誓ったんだ。

「なぁお前たちこのダンジョンから出られたいか?俺と一緒にこのダンジョンを攻略しないか?俺はお前たちのことを守りたい。そして俺の目的の為にも俺はもっと強くならなくちゃいけないんだ。頼む一緒にこのダンジョンの攻略に協力してほしい」と言うと俺は仲間モンスターたちに頼んでこのダンジョンを俺たちだけで攻略するためにまずはダンジョンの中を調べてこのダンジョンがどれだけの大きさがあるかをある程度把握してから行動を開始しようとしたんだ。すると、仲間のモンスターたちは喜んで協力するといってくれたので俺は仲間たちと協力してダンジョンを攻略することを決めた。このダンジョンを無事にクリアできた暁にはきっと俺の目標である地球へ無事に帰還して元の世界に帰ることも夢ではなくなってしまうだろう。俺は地球を守るためにこの異界で生活していくことを決めた。この異界で生きていくことを決めて地球を救った後にまたこの異世界に戻り、俺は元の世界に帰ることを再び目指すことに決めたのだった。

そして、俺たちはこの異界を支配する魔王軍の一人、俺の宿敵となることになる「ダークナイト」という男がいるとされているダンジョンの最下層を探りに行く為にダンジョンの一番最深部へと向かったのである。

俺の目の前に広がるダンジョンの入り口はどうやら地下に続いていて入り口付近はまだ洞窟というよりかはダンジョン内の遺跡と言った感じの見た目をしていたのだが奥に進むにつれてその雰囲気は次第に禍々しい物に変わっていった。そして俺が今立っている場所からでも分かるくらいの強烈な気配を放つ存在をダンジョン内に発見した。このダンジョンに生息している生物は今まで見てきた中で間違いなくトップクラスの強さを持ったモンスターたちだと思われるのでおそらくはダンジョンの奥にいるこの強力な存在感を発する生物こそがダンジョン内に存在するモンスターの最上位種である「モンスターマスター」である可能性が高くこの世界に生きる人類の力だけではこの強大な存在に太刀打ちすることはできないので、人類の力のみでこの世界を救うには、人類が力を合わせて「対モンスター」の組織を結成する以外にこの世界には人類には打つ手がなくなろうとしていた。俺は、人類の存亡をかけたこの戦いにおいて人類の力だけでは勝つことができないと理解したのと同時にこの異世界で「人間」として生きていこうと思っていた俺には人類の力だけでは勝てないと知ったことで俺の中に新たな使命が生まれたのだ。俺が元の世界の平和を取り戻すためには人類の力だけに頼るのではなく、異世界のモンスターの力を利用することも視野に入れるべきだと。そして俺に課せられた人類が生き残る為に必要な選択である。俺も最初はそんなことができるのかどうか不安に思っていたのだ。異世界の住人の力は地球で生きていた地球人にとって強すぎるからだ。俺が地球の仲間たちが俺の帰りを待っていてくれるから、この異世界で俺は「この世界を救う勇者」としての役割を果たす。

しかし、「異世界の魔王軍の支配地となった地球をこの異世界の力で侵略者から守り抜く」これが、今の俺のこの異世界にきた意味だと思っている。俺はそう決意を固めたところで俺はこの世界で生きている人々の命を守ることに専念するのであった。俺にはそれだけで精一杯だ。他の事は今はできないのだから。それでもこの異界に存在する全ての人々を守ることを諦めるつもりはないからね。

この異界は人間以外の様々な種類の知的生命体が存在しているからな。

人間に敵対する「人魔連合軍」の「魔王」と呼ばれる者たちは人間の文明の恩恵を受けずにこの異界に存在しているから人間が本来持っていた力を取り戻せばこの異界にいるモンスターにさえ対抗することは十分に可能だ。俺はそう確信している。俺はこの異世界の平和をこの異界に存在する種族との共生で実現させたいと考えているんだ。そのために俺はこれからは俺が元々いた異世界での生活で身に着けた知識とスキルを駆使してこの異界を平和な異世界にしてみせたいと思っているんだ。この異界に存在するすべての人々に笑顔溢れる暮らしをさせるんだ。そのためにも俺は、この異世界に召喚されて、俺の仲間になるはずだった魔王軍と敵対関係にある異世界の「勇者」に成り代わりこの異世界に召喚されてしまった「異世界最強勇者候補の少年兵」「魔王討伐者」「魔王殺しの英雄」「最強の魔導士」の称号を与えられたこの俺はこの異界に訪れるだろう勇者にこの異界が魔王に支配されているなんてことは間違っても教えることはできないので、俺は俺が持っている異世界の知識を使って「魔王軍との戦争」を終わらせなければならないと思った。

そして、俺の目的はこの異世界の魔王軍に占拠されている地域を解放しこの世界にいるモンスターや人間と共存できる平和な世界を俺が作り出すことだ。その為に俺もこの異界に訪れてしまう可能性がある「異世界転移」の能力を持つ人物の手助けをするのもありだな。

それにはやっぱりまず俺のパートナーがこの世界に来た時にサポートできるようにしなければいけないよな。俺と同じ立場になった奴の気持ちを理解できる俺だからこそ俺と同じように俺の相棒がこの異界に訪れた時に対応できる準備を俺はしなければならないと心の中で思ったのであった。俺にできることは俺の相棒のサポートくらいしかないけどな。

俺がそんなことを考えながらダンジョンの奥深くまで足を進めているうちに、先ほど俺の前に現れて戦いを挑んできた「魔王軍」の三人の内一人を倒したことでダンジョンが俺に加護を与えてくれたのだろうか、俺がこの異界を救ってみせる為にこの異界に訪れていた俺の元の世界のクラスメイトがダンジョンのどこかで戦っているかもしれない。

もし俺のようにクラスメイトの何人かが俺のようにこの異世界にやってきていて俺と同様に元の世界に帰るためにこの異世界を救いに行こうとした場合に俺が知っている限りの勇者の特殊能力を説明してあるので、その力でこの異界で生存競争をしているはずの異世界からの「来訪者たち」に協力してもらっている可能性もあるんだよな。俺みたいに元からこの異界にいた勇者とは違ってこの異界に来る前から地球に存在していた人間なので、俺みたいな特別な能力を持っていない可能性が高い。まあ俺だって最初からチート級の能力を持っていたわけではない。俺はたまたま俺を転生させてくれた「神」と名乗る謎の存在がくれたこの異世界では超がつくほどの高性能なスマホを持っている。そしてこのスマートフォンにはいろいろな機能がついているんだ。俺はその機能がこの異世界に来ても俺に役に立つと思ってこの異世界で生活している。この異世界で俺は元の世界では絶対に経験することができないような冒険をしているのである。俺がこの異界で俺の役目を果たしきった後に地球に戻る方法を見つけた時には地球に戻って優梨と一緒に暮らしたりしてもいいかもとも思っていたりする。俺も恋人だった優梨に久しぶりに会いたいという気持ちが少なからずあるので優梨とまた会いたいというのが今の俺の正直な気持ちである。優梨がこの異世界に来ているかまでは分からないがもしかしたら俺と同じような気持ちを抱いてこの異世界に来ていたりするのかもな。優梨とは恋人関係を解消したわけではない。ただお互いに忙しい日々が続いていたこともあって俺はなかなか彼女に会いに行くことができなかったのだ。俺の彼女の優梨は俺と違って成績優秀、容姿端麗で運動神経抜群の美少女である。性格も良くて俺が通う高校では生徒会副会長をしていて俺の学校生活をサポートしてくれていたりもする。俺もそんな彼女と高校を卒業するまでには恋人になって結婚しようと俺は考えていたのだからな。俺はそんな風に考えていて結局優梨に告白をすることもできずこの異界から帰還することになる。

この異界で優梨に会うことが出来たら俺の想いをちゃんと伝えたいなと思う。きっと今の俺はこの異世界の人たちを幸せにするために頑張っているはずだから。そしてこの異界を平和にすることが俺の地球への帰還につながると俺は考えているんだ。俺はもう二度とこの異世界での大切な存在を失いたくない。そして俺は俺を愛してくれている大切な家族に、友人に会いたい。それが俺の夢でもあるんだ。地球を侵略してくる悪の組織である「魔王軍」を倒して地球を「平和」にしてから俺は地球へ帰還して大切な家族の元へと帰るんだ。それが俺がこの異世界にきた目的なんだ。地球をこの異世界の連中が支配して地球の人々が苦しんでいるこの状態を見て見ぬふりをして地球を後にするのは俺にはできなかった。俺は元の世界に帰る為だけに俺は「魔王」と戦って「魔王軍」を全滅させてやるつもりで戦おうと思っている。そしてこの世界の人々の為に俺ができることは俺にしかできない方法で人々を守っていく。それが俺がこの異世界でやりたいことだ。

そして俺の目的であるこの異界を俺の力で守る為には、俺自身がもっと強くならなければ俺は俺が俺のこの世界での本来の役割であるこの世界を守るために「異世界最強勇者候補」である俺はもっと強くならないとダメなんだ。俺の地球での人生はこの異世界を救うためにあるんだ。俺の使命はこの世界を守り抜き俺の故郷へと戻る事。俺の地球は今どうなっているかわからない。俺の仲間や家族は無事だろうか。この異界にいるモンスターに人類は滅ぼされたりしていないだろうか。俺は俺の大切な人が心配だ。俺がこの異界にいるうちに俺はこの異界に訪れている可能性のある地球から来たと思われる「異世界転移」の力を持つ人間を探すことにしよう。そうすればこの世界の平和はより一層保たれることになるだろう。この異界には俺が地球から連れてきた「異世界のモンスター」たちがいるから彼らと仲良くなってくれればこの異界が平和になればいいのだが、今のところは無理そうだな。俺と一緒の時に出会わなかったという時点で「この異界」と俺が本来いた異世界とは違う次元に存在する場所なのかもしれない。それならば、俺は異世界転移で訪れたと思われる地球人を探し出し、俺が元の異世界で身につけた知識を教えて協力をしてもらうしかなさそうだな。

そんなことを考えながら俺がダンジョンを歩いていると、突然後ろから何かが高速で飛んできた。

俺は咄嵯に反応したのでギリギリのところで避けることができたが俺の頬には少し傷がついて血が滲んでいた。

しかし、さっきの攻撃はかなり速かったぞ。しかもあの速度から察するに相当なパワーもあるだろう。この世界には「ステータスカード」というものが存在しているがそれは異世界人の力の強さを示す数値として見ることができるんだ。俺は、俺は自分のステータスカードを懐から取り出した。俺は自分が異世界人だと証明するためにこの異世界の身分証明書にもなっているステータスカードを提示して見せる必要があった。異世界人であるということは異世界に行けば分かることだし、この異界に異世界からの異世界の人間は訪れやすい。異世界転移の能力を持った人間であれば、俺と同じ「異界の魔王」を倒そうとしている可能性があるのでこの異世界で遭遇したら俺は異世界人に俺が異世界の勇者であることを証明してこの異世界が「魔王」によって占領されていて危機的状況に陥っていることを知らせなければならないんだ。俺はそう思って自分のステータスカードを確認したんだ。すると俺の持っているステータスカードは真っ黒に染まっていた。どういうことだ。

俺は俺の持っている「ステータスカード」を眺めてみる。

【異世界最強の勇者候補】のスキルを持つ「異世界の勇者」に進化した俺の「能力」は、元々この異世界に存在していなかったもので俺はその力を召喚されてから身に付けたものだ。俺はこの異界にくる前に異世界で「神」と呼ばれる存在に遭遇し、その際にこの異世界には存在しないはずのチート級の能力を授かっている。俺は元々この異世界に召喚されようと思っていた勇者でもなく俺のように元の世界から召喚されたわけではないのに俺だけがチート級の能力を持っているということに対して俺は違和感を感じていたのだ。なぜ、この異世界に元から存在する人間の勇者ではなく俺のような異邦人のみが優遇されるような仕組みになっているのか。異世界で勇者や魔王などの特別な職業についていれば特別な恩恵を得られることは理解しているがそれでもおかしいのだ。異世界の神様が俺が「異世界最強の勇者候補」に選ばれたことも含めて、俺は納得いっていない。

俺が俺のステータスを見ているときにそのステータスが黒く変化してしまったことで俺の持っているステータスカードには異常事態が発生したようだ。ステータス画面の一番下の方に文字が浮かび上がってきた。

『ステータスが改竄されております。

この状態で能力を使用すれば あなたの存在は消滅してしまい 最悪死に至らせます』

何がどうなっているんだ。俺の能力は確かに元の世界ではこの世界でも通用しているくらい高性能だったはずだ。それがこんな簡単に改竄されてしまうのか。俺が今までこの異界にきて俺がこの異世界に「異世界の勇者」として認められるまで戦ってきた意味は一体なんだったというんだ。俺は、俺なりに努力してきたつもりだ。それを全て無かったことにされている気がしてならなかった。

そして俺は先ほど俺に向かって攻撃してきた者がいるであろう後方を振り向いた。そこには「人間ではない何か」が存在していた。「そいつ」は人間のような形をしていた。しかし、「人間じゃない」ことは一目で分かった。まず「目がない」。そして顔の部分にあたる部分には赤い目が一つついているだけだった。それに腕が三本あった。その「三本」の腕に武器らしきものを三本ずつ装備していた。その腕も俺の世界でいうところの「剣」みたいな形をしている。俺も異世界で様々な戦闘を繰り返してきたからわかる。この世界にも俺の世界に存在していたのと全く同じ形状の剣がある。つまりこいつはこの異世界の生物ということになる。俺は俺のステータスがおかしくなったこともこの異世界の「モンスター」によるものなのかと思い、俺も戦闘の準備をすることにした。この異世界で俺が身につけている武器と言えばスマホに備わっているこの世界では全く役に立たない機能である「アイテムボックス」機能だ。これは、異世界に飛ばされたときに俺の所持品とスマホを収納してくれる機能だが、容量に制限があって、あまり多くの物を持ち歩くことができないのだ。俺の持ち物は大体スマートフォン一台だけだ。そしてこの異界にきてからは俺は俺のスマートフォンの機能を使い続けている。

スマートフォンは、俺が俺の本来の世界で愛用していたスマートフォンである。俺は俺自身のスマホは異世界に持ち込んでいない。スマートフォンにインストールしてあるアプリケーションを使って戦うことにしたんだ。俺はアプリを立ち上げると、俺はスマートフォンで使えるアプリをいくつか起動した。するとスマートフォンの液晶に表示されていたアイコンの画面に「神」と表示されるようになった。この異世界の神が、スマートフォンで操作することのできる俺のサポートキャラクターになってくれたのだ。そして、スマートフォンがまるでゲームのコントローラーのように俺の操作に従って動いてくれるのだ。だから俺はこの異世界で俺の「勇者」の力を最大限に発揮することが出来たんだ。そしてこの異世界の「勇者」は、俺の本来の世界で俺が持っていたのと同じ「アイテムバッグ」を持っていたのだ。この「神」の力でスマートフォンのアプリを使うことができるようにしてくれていたのだ。「勇者」専用のアイテムが使えたおかげで俺はこの異世界を生き延びることも出来たんだ。

俺には今三つの選択肢が存在する。俺の持つ本来の力を発揮することができるのか分からないのでこのままの状態で戦闘をするべきかどうか悩む。もし俺が持つ本来の力がこの「異界のモンスター」の前では何の意味も持たないものであった場合が問題なのだ。俺にはこの異世界を救う役目が背負わされている。それなのに俺には何も力が無くてそのまま殺されてしまう可能性だってあるかもしれない。俺は「勇者」のジョブに就いているのにも関わらずこの世界での俺の力は本来の俺の力に比べて圧倒的に弱いからだ。

そしてこの世界で俺が本来の「異世界の勇者」として通用する力を持っていることを証明するために、そして俺の仲間をこの異世界に呼び寄せるためにもこの異界の「魔王」を倒し「魔王軍」を滅ぼすために俺は、俺自身の「ステータス」で「異界最強勇者候補」であることを「証明」しなければならない。俺のステータスに書かれている能力や数値が異世界に存在しないものであるということを「証明」するためにこの異界に訪れてきたんだ。俺は俺自身を信じるしかない。

しかし、俺が俺自身を信じられるほどの力が無いのは事実だ。「神」の力で本来持つはずだった能力を手に入れても俺は「勇者」の本来の能力が使えないから、この異界で本来の能力を発揮できる保証は無い。でもここでこの異世界を救うために何もしないわけにはいかない。

俺は覚悟を決めて、自分の本来持つはずじゃなかった能力を使うことに決めた。

この異世界は、元々は俺が暮らしていた地球の日本という国に非常によく似た異世界なんだ。この異世界は、地球上の国々とは違った文明の発達の仕方をしていて、魔法が存在しているし、この異界にはドラゴンが生息しているし魔王もいるし「異界最強の勇者候補」なんていう職業も存在してて俺はそんな「勇者」の一人になってしまったんだ。

俺の本来持っていた能力は「スキルコピー」というものらしい。このスキルは自分の持っている他のスキルを自分のものにすることが出来るというとんでもない能力を持っているのだ。俺の元々の能力「スキルカード」はその能力を封じ込めたカード状のもので、俺の「スキルカード」に封印された「スキル」を使用することが出来るんだ。

俺は試しにこの異界に存在する人間の姿を真似た「異界最強の勇者候補」と表示されているステータスカードに手を触れて「スキルコピー」を発動するイメージを浮かべた。するとステータスカードの一番上に「神」という文字が表示された。そしてその下に【スキル:ステータスカードを解析しました】と書かれた文字が浮かび上がった。そしてその後すぐに俺の手元に俺の新しい「ステータスカード」が現れていた。俺の能力がこの異界でどこまで通じるか分からないからこのカードは一応持ってきておいた。俺は俺が「異世界転移」の能力を持つ異世界人が元いた世界から来た人間だという事を信じてもらえるようにこのカードを提示することにした。

俺はステータスカードを確認してみた。【ステータスオープン】と言うことでステータス画面を開くことが出来るんだ。この世界の「勇者」の職業についている人間なら誰でも使用できるようになっている「スキル」である。俺のステータスを確認できるのだ。俺は早速ステータスを確認をすることにした。俺はこの異世界に来てから何度も「ステータスカード」を覗き見して自分以外の人間が「異世界の勇者」としての能力を所持しているのを確認したり、自分がどれだけの力を持ち合わせているのかを確認したりすることがあったんだ。だからこのステータスを確認するのにも慣れたもので「ステータスカード」を取り出してすぐ自分の能力値が確認できるようになっている。そして俺は「ステータス」を開いて俺のステータスを確認した。俺は「スキル」をいくつか所持していたが俺はその中でもかなり強力なスキル「スキル強奪」の能力を所有していることが分かったんだ。「スキル強奪」は自分が相手に触れて相手のスキルカードを「スキル」カードに変化させ、その変化した「スキル」の能力を使用者が奪い取る事が出来るスキルである。俺は早速俺自身が元々有しているはずのない能力を自分の物にした。「異世界転移」だ。俺のもともと所有していたスキルだ。俺は「勇者」の職業を得てこの異世界にやってきたが、「勇者」の職業を得るまでは、俺は普通の学生だったのだ。この異界に来る前までは俺が元の世界から持ってきたスマートフォンの機能で使用していた「アイテムカード」をこの異世界では俺が所有している「勇者専用アイテムカード」を使用することによって俺は「勇者」に覚醒して「魔王」討伐のため「異世界最強の勇者候補」になったんだ。この異世界に召喚される前の元の世界でも俺が普通に暮らしてきた「異世界」と似たような感じの世界に召喚されて俺はそこでも俺は俺自身では考えられないほど異常な強さを身につけた。

そうしてこの異世界の神様が用意した「異界」で「勇者」のジョブを得たんだ。そして俺はこの異界を救う「使命」を帯びてやってきた。それが今の俺なんだ。俺は異世界で俺が今まで戦ってきた敵を思い出しながら「ステータス画面」に視線を戻して「ステータス」の画面を開いた。

この異世界にやってくる前と今では状況が一変している。あの「神」の力で俺の持つ本来の「異界最強勇者候補者」の「能力」は失われてしまったようだ。俺自身は今この異界で一番弱い「レベル」1の状態だ。この異世界の「神」の力は俺が異世界に訪れた時点で既に消え去っていた。

俺は異世界で俺が戦ってきたモンスターや「神」と呼ばれる存在のことは知っているが、それ以外のことは俺が知らない未知の状態になっていた。そして、俺自身の「異世界最強の勇者」としての力が消えた今、俺が今から戦うであろう敵の実力は全くの未知数なのだ。

俺はまず、俺が持つ本来の力がこの世界でどの程度の威力を出せるかを確かめたかった。俺が持つ本来の力が「異世界の最強勇者」として相応しいものであったらこの異世界を救うことが可能なのではないかと思えたのだ。それにはまずこの異界で今現在俺がどれほどの強さを誇っているのかを「異世界勇者」としての力が消失してもその力を保持したままなのかを知らなければならない。俺が異世界にくる前は「異界最強の勇者」の称号を得るために戦いに明け暮れてきたんだ。その経験でこの異界での戦いには十分に慣れているはずだと思えるがこの異世界で俺がどのように動けるかは全くの未知数のことだ。

俺は先ほど俺に向かって攻撃をしてきた人物がいた方角を振り向く。

そこには「異界最強の勇者候補」の姿があった。この異界は俺が暮らしていた地球に非常によく似た異世界なのだが、この異界に住む生物達も地球で言うところの動物に近い生態をしているようなのだ。例えば俺に対していきなり襲いかかって来た奴だが、あれは地球の猫のような姿をしていた。

しかし地球でいう猫と同じような姿かたちをしていたとしても、こいつらはこの異世界にしかいない独自の生物なのだ。地球とは違う生態系のこの異世界でしか生まれない固有の進化を遂げてきた特殊な生物。その一種に俺は分類されていたのだ。だから地球の生き物と同じ姿形をしていて、そしてこの異界独特の特徴を持っていた。つまり地球の「異世界ファンタジー」の物語に出てくる魔物やモンスターと同じ姿格好をしていた。だから俺はあいつらの事を「異世界のモンスター」と呼んでいる。俺はこの異世界に来てからも様々な異世界のモンスターと戦ってきたからね。そういった経験から俺は、目の前にいるのは異世界の生物の「猫型異界モンスター」であると分かったのだ。ちなみにこの異界に生息する「異界の勇者」として俺の前に立ちはだかるはずだった「異世界勇者」のことも俺はちゃんと認識していた。この異世界の本来の俺が暮らしていた「地球」という星の「日本の都道府県」という場所に住んでいた人間の少年「東雲大輝」くんの事も俺は覚えていた。しかし俺は、俺に襲いかかってきた「猫型モンスター」に「異界の勇者」としての力は残っていないのでどうすればいいか判断できなかった。

この異界にきて最初に出会った「異界の勇者」も、実は地球人の姿をした別の世界の人間の男だったのだ。そして俺はこの男が、この異界に召喚された「勇者」であることを見抜いたので「異世界転移」を使って元の世界に帰ってもらったのだ。俺は俺を襲ってきそうな他の「異世界の勇者」をどうにかしたい気持ちもあったのだが俺にはまだ俺が異世界に呼ばれた本来の目的である、本来の俺が本来所有するはずじゃなかった能力を取り戻す必要があった。そのためにはこの異世界の「神」というこの異界を作った存在であるらしいものが存在するらしい神殿を探し出してその力を奪い取る必要がありそうだ。この異界が地球のどこかに存在する「異界」と繋がりを持つ「異界ゲート」という空間に存在する異世界であるのは、俺自身も実際に訪れてから確認したので間違いないだろうと思っている。そして俺は、俺の持っている本来の「異界最強の勇者」の能力を取り戻したかったのだ。俺は「ステータスカード」の画面を確認する。俺が元の世界では所持していなかった能力がいくつか増えているようだった。俺はこの異世界に来るときに俺が元々所持していた「アイテムカード」の中に存在していた俺が「異界」に持って行けたものの中から使えそうなものをいくつか「異世界の勇者」としての「異界」のシステムの力を利用して具現化して「アイテムカード」の中に戻したんだ。

そうすることで俺の元いた世界の「アイテムカード」に保存してあった物や道具は全部この異界でも使用することが出来るようになった。

だから俺はこの異世界の「アイテムカード収納庫」の中に俺がこの異世界の環境に適応できるように「スキル」を「スキルカード」にして入れておいたり、その「アイテムカード」の中にある道具を使用してみたり、この異世界の人間が元々使用している魔法が使用できる「マジックアイテム」という物を「アイテムカード」から取り出すことができるように設定しておくなどの準備を行ったのだ。これらの「アイテムカード」は俺にとってとても大切な「装備アイテム」なのでこの異世界に来た時は必ず所持するようにしていたんだ。まあ、俺は元の異世界でも「勇者」「戦士」といった役割を担いつつ様々な異界を旅をして戦っていたんだけど。そして俺の能力の中には、俺の本来「アイテムカード」の中で眠っているはずの強力な能力がある。それらの能力は今はまだ使用できない状態にあるのだけれどね。俺はそれらの強力な能力を取り戻せるかどうかを確認したくて今この異界に来てから初めてこの「異界」に存在する生物と戦う事になった。

(俺は今、「異世界最強の勇者候補」である本来の「勇者」としての力が喪失してしまった状態で、「異界最強勇者候補」の能力を保持したままである状態だ。だから今なら俺よりもレベルが高いであろう敵との戦闘にも対応することができるのではないかと思ったわけだ)

そうして俺は俺に向かって攻撃を仕掛けてきた相手に対して反撃することに決めた。俺は俺の「ステータスカード」を取り出して確認をする。するとそこにはこの異世界における今の俺のレベルが記されていた。俺は今の俺がどのくらいの実力を持っているのかを確認してみる。

今の俺は俺が元々有しているはずがないはずの強力な能力を幾つか所有した状態の状態であることが分かった。この「異世界最強の勇者候補」であった時のレベルが215。そして今の俺は「異世界勇者」ではなくなっている。今の俺はただの高校生であり、レベルも1となっているので俺が有しているはずの強力な能力がどれ程のものであるのかが気になった。そこで俺は、この異界で新たに得た能力の一つを使ってみることにした。

【異界勇者専用武器カード】

攻撃力10 防御力20 + 属性「光」

俺がこの異界で手に入れてきた様々な「装備品」の中でも最高級の性能を持ったレアアイテムの一つである。この異界には他にも俺の元いた異界に存在しなかった種類の武器も存在するんだ。

俺はまず俺が「異界」に持っていくことのできる「異界最強の勇者」の称号を得ている状態の時に入手した武器カードを俺がこの異世界で使用する事ができるのかを確かめるために俺は試してみた。俺は手元に出現したこのカードの絵柄を見つめた。

そこにはこのカードを使用するために必要な能力や性能などが記載されているのだろう。俺も最初は何も記載されていない状態だったのだ。俺はまず「異界」の武器カードにどのようなものが書いてあるのか確認するためにその詳細が記された説明文を読み込んだ。

そうして俺はその内容を見てこのカードは俺自身がこの異世界で所持して戦うことになる「異界」での俺専用の最強武器になるのだということが理解できた。この異界にくる前までの俺も自分の扱うべき武器としてこのカードを所有していたのだ。俺は今現在この「勇者」の力を無くしてしまっている状態だから「異界最強の勇者」の資格が失われてしまっている。

だから、この「異界」で俺が「勇者」としての力を取り戻すには俺の本来の職業の「異世界最強勇者」に戻らなければならないのだ。俺は俺が本来持つことのなかった特別な能力を持つ武器を手に入れられたことで少し安心感を得たのだ。

そう、俺は「異界最強勇者」の力を失っていない。俺が「勇者」として戦っていけば俺の本来の力は取り戻せる。

「よしっ!」

俺は改めて目の前にいる俺に向かって攻撃を仕掛けてきた「猫型のモンスター」に対して戦うことにした。俺に攻撃してきた奴以外にも「猫型モンスター」は複数体存在しているので俺はすぐに戦闘態勢を整えていく。「勇者」の力で強化された「異界最強の勇者」としての俺ならば、こいつら相手に負けることはない。俺はこいつらに俺の持つ「異世界のアイテムカード」の力を使おうと考えている。俺は俺が持っているはずの力について考えてみようとした。

【異世界勇者】(勇者候補)が所持する特殊能力:この異界に存在するあらゆる種族に有効な全ての攻撃を無効にする。この世界に存在する全ての存在を無条件で「呪い殺す」ことが出来る。また、この異世界において、異世界転移、異世界転生を行う事が出来る。この世界の人間には「呪い殺せない」、「即死できない」という制限がつく。

俺は「異界」の力によって強化されつつある「異世界」の「異世界の勇者」の特殊能力を思い出しながら俺は俺の身に起こっていることについて整理していく。「異界勇者」である俺は「異界最強」の存在であるはずだという自信が芽生えてきた。そしてこの俺が持つはずのなかった特別な力を取り戻すことができそうだと思えたからこそこの俺は今までずっと戦い続けて来たんじゃないかと思う。俺は、この異世界の俺がこの異世界で「異世界勇者」として戦った結果どんな風にこの異世界が変化していったのかを知りたくなってしまった。俺がこの異界に呼ばれてしまった理由はこの「異世界」にあるはずなのだから。そして俺はこの異世界に存在するはずの「神」と呼ばれる存在をどうにかしなければならないのだ。この異界にいるはずなのだがこの異界が地球にも存在している異世界だと分かった時から俺は「神」をどうにかしなければならないのだと考えていたのだ。だからこそ俺はこの異界に飛ばされてしまった「異界の勇者」である本来の「勇者」である俺を助け出さなければならないと、強く思っていたのだった。俺はその事を思い出した事で俺は俺のやるべきことに確信を持つことができた。そうして俺は俺に襲い掛かってきたこの異世界に生息する猫のような生き物に俺は異世界の力を行使しようとする。

この猫は見た目通りこの異界では雑魚モンスターとして扱われているようだ。しかしそれでも油断は禁物だ。何しろ俺のこの異世界での戦いが俺が元いた地球とは異なる環境の世界だったからこそ、俺は「異界最強勇者」の力を失わなければこの異界で戦っていけるような強さを手にいれる事ができたのだ。俺はこの猫モンスターを倒せばいいのだろうか。それとも別のやり方が存在するのかは俺にはまだわからない。でも俺は俺自身の「異世界勇者」という職業である本来の力を取り戻したくて仕方がなかったのだ。俺が「異世界勇者」として本来の力を取り戻すためには、俺をこの異界へと呼び出した存在を探し出す必要があるのだと思っている。

その事を俺は「勇者」の俺の記憶の中で思い出していたんだ。この俺が本来持っていたはずの強い能力が使えないままで俺が「異界」で戦うのは非常に困難を極めることになるだろうと思っている。なぜなら俺が本来持っているはずの力が使えなくなった原因はこの異界には存在するはずもない「異界の魔物」「異世界最強の魔王」の存在と関係があるかもしれないと予測しているからだ。俺の仲間だった他の「異世界勇者」たちの能力についても確認しなければと思った俺は、とりあえずは今俺の目の前に現れて俺を殺そうと襲いかかってきている猫の怪物に対して反撃する事に決めた。そうして俺はこの異界に存在するこの世界に元々存在していたとされる「モンスター」と呼ばれている生物と戦うことにしたのであった。

そう、俺の目に映っている猫の「モンスター」の姿が普通の猫のようにしか見えなくてもだ。俺がこの異世界に飛ばされてしまうまで俺が元いた「異界」では、この「異世界最強の勇者候補」であった時、俺はこの猫の姿をした生物に対して圧倒的な強さを持っていた。だから今の俺でもこの程度の敵なら余裕をもって対処することが可能なんだ。俺は今この異界に呼び出されて俺をこの異世界へと送り込んだ元凶をなんとかしたいと思っていた。俺はこの異界を俺を元の世界に戻せる可能性のある「異界」の「異世界勇者」の力を取り戻したい。そしてこの異世界で仲間となったはずの「異世界最強の勇者」が本来持っているはずの力を取り返す手伝いをするつもりでいたんだ。俺はその前にこの俺に敵意を抱いている「猫のモンスター」たちを倒していかなければならない。そうすればきっと何かわかることがあるような気がしていたんだ。俺はまず俺がこの異界に呼ばれることになった原因を知っている「異世界最強の勇者」の力をこの異世界に召喚された本来の俺に戻すために俺はまずこの異界で「勇者」としての力を取り戻そうと思ったのだ。そうして俺は今俺に向かってきている猫の化け物に俺の本来の武器である「異界勇者の武器カード」を使用しようと思った。このカードを使用さえすれば俺はこの異界に存在している全ての敵に対抗できるはずだ。この異界で生き抜いていくための強力な切り札となるに違いない。

「異界勇者専用武器カード」を使用するにあたって注意すべき点がある。このカードは使用者自身が使用する能力を指定する事ができるのだ。つまり俺の場合は「光属性」の能力が俺の本来の武器となっている「異世界勇者」として戦っていた時には俺の本来の武器がこのカードによって具現化していたのだが今はその武器の属性が変わってしまっているのだ。だから俺の手元に俺の本来持っているべき武器が出現してくれない状態になっている。俺の「異界勇者の武器」は特殊な能力を使えるようにするために「光」の属性が宿った武器であるはずだった。

「異界勇者専用装備カード」には、武器だけでなく防具も収納されているカードも存在するのだ。武器以外の「異界勇者専用装備品カード」は使用する際に俺が使用できる武器のカードと同様に使用条件が存在し、それを満たさなければ使用できない。武器カードとは異なり俺の手元にその武器が現れることはなく、俺の目の前の虚空から突如出現する仕組みになっている。俺はそのカードの「詳細」が記された画面を見つめることにする。

【異界勇者専用アイテムボックス】(異界最強の勇者専用装備品カード)

攻撃力10

防御力50 + 武器:「勇者専用聖剣カード」(攻撃力10)攻撃力10

防御力15 + 防具:「異世界勇者」の称号を得た時にのみ入手可能になる「異世界勇者の鎧カード」防御力10 このカードを使用して戦闘に参加する「異界最強の勇者」の攻撃力を上昇させることが出来るようになる。また、「異世界勇者」の身体能力を向上することが出来るようになった。さらにこのカードを「異世界最強の勇者」が使用した場合に発生する現象は、その異世界の勇者が使用する事が出来る異界で最強の必殺技を使用することが可能になる。ただしこの効果には制限が付きまとうので注意が必要だ。このカードを武器カードとして「異世界最強の勇者」が使用した場合にのみ発動することができる。武器としての使用方法には、この異界に存在する「異界勇者」専用の「勇者の聖衣」や「異世界勇者」の「異界最強勇者の武具カード」を「異界勇者」の勇者専用のアイテムカードとして使用することで、武器化が可能となる。このカードは「勇者」として戦うことのできる異界で、異界最強の勇者が持つことになる。

と「異界勇者専用アイテムカード」に記載されているのだ。そしてこの「異世界勇者」が使う事によって発揮する特殊能力についてはこのカードに表示されている通りの効果を発揮できるようになるのだ。「異界勇者専用武器カード」を使用する事によって「異世界最強の勇者」が持つはずの力のほとんどを復活させることに成功をした。そして俺は今この異界で「勇者」としての力を取り戻した。俺の持つ本来の力を全て使いこなせればこの世界に存在するあらゆる種類の「呪い」や「呪いによる死」を受け付けなくなる「呪い殺し」の力を持つ俺ならば「神殺しの呪い」、「世界殺し」、「世界呪いの呪い」、「神殺しの呪い」、「世界呪い殺しの呪い」、「神世界呪いの呪い」、「神世界呪い殺しの呪い」、「世界呪い殺し呪い」、「世界呪い呪いの呪い」、「世界呪い呪い呪いの呪い」、「世界呪い呪い呪いの呪い」、「異世界」という存在そのものを消し去ってしまいこの世界に存在していたとしてもすぐに死んでしまうはずだ。そして俺が持つはずの「異界勇者の力」を完全に取り戻すことに成功した俺は「勇者」に変身することを決意する。「異界勇者の職業カード」に秘められた力を引き出すのだ。この職業カードから引き出される力を使うことで俺は一時的に「勇者」に変身することが可能であるのだ。そして俺はこの「勇者」としての力を使えば、俺の本来の武器でもある光の勇者の「勇者の杖」を手に入れることができるはずなんだ。そして俺はその力を手にいれることができたら「異世界」の俺がこの異界へと来た目的を果たすための旅を続けていくことになると思う。だからこそ俺はこの異界で本来の「勇者」に戻る必要があると思っている。俺をこの異界へと送った元凶を探すためには俺自身の本当の強さを取り戻してその敵に対抗する準備をしておきたい。そう思ったからこそ俺には「勇者」の力が必要になってくるんだ。そうして俺が再び本来持っていたはずの「異界勇者の力」を取り戻すことが出来たんだ。俺は「勇者」への変身を開始した。

俺の身体が「勇者」へと変化するときに起こる現象が俺には理解できない。俺は自分自身の姿が変化をしている光景を目の当たりにしていたのだが、自分の身に起こっていることを正確に説明することができていない状況だった。なぜなら、俺は「異界」に元々存在する「異世界勇者」の力を使いこなしているわけではないからだった。俺はこの異世界に呼び出された本来の「異世界勇者」ではない存在であり「異界」から召喚されてきた存在なのだ。だから本来の「異世界勇者」の職業に目覚めているわけではない俺にとっては、俺が今体験しているような感覚がどのようなものかということを正確には把握することができない。

俺は自分がなぜこの異世界に召喚されてしまったのかその理由もわからなかったしそもそも「異界」が存在する理由が分からなかった。「異界」が存在している意味も全く分からないままなんだ。「異界」が存在する意味があるとはどういう意味なのか。それは「異界」の「異世界」の地球とは違う「異界」と呼ばれる場所には本来存在していなければならないものが欠如している状態に陥っているようなんだ。「異世界」には地球と同じように地球という惑星が存在している。この宇宙の中で存在する太陽系の中に存在している地球という惑星と同じような大きさの「異界」も存在して、そこには地球人がいる。そして俺のように召喚をされた人間たちも大勢いるんだ。俺は「異世界」にいる「異界勇者」の一人に俺自身の命を助けるために呼ばれた。その異界には他にも複数の異界が存在していたんだ。俺はその複数の「異界」の中でも「地球」と呼ばれている「異界」に存在していた「異世界勇者」だ。「異世界」には地球の人間が暮らす世界よりも上位に存在する「異世界」というものが存在しており、俺達地球人はその異世界の住人だった。

俺はそんな「異世界」の地球人で「異世界勇者」と呼ばれる能力を持った「異世界」の「勇者」に「異界」に呼び寄せられて、その「異世界勇者」と共に魔王討伐の旅に出たはずだった。しかしその「異世界勇者」である「勇者」はある日を境に忽然と姿を消してしまったのだ。その後しばらくして俺はその勇者が失踪してしまったことによって生じた魔王軍によってこの「異世界」へと強制的に呼び出されたのだ。その「異世界勇者」が消えたのと同時に俺がこの異界に召喚をされる前にいた「異界」の「異世界勇者」たちはみんな「異界」に帰ってしまったらしい。つまり俺だけがこの「異世界」で生き残って「異世界勇者」に「覚醒」することができたということなんだよな。俺はその「異世界勇者」が使っていた「勇者の武器カード」を使って、この異界に存在するモンスターを倒すことが出来るようになっている。でも俺は「勇者」じゃない。この異世界において「勇者」のジョブを授かった「異世界勇者」である。

俺はその「勇者」の職業に目覚めるために、まずは職業カードを入手しようと思った。俺には職業カードを使用するために必要な条件がいくつか存在しているんだ。その職業カードに秘められている「勇者」の力は、俺が「異世界勇者」としての本来の力を発揮することが出来るようになっていた。俺は今、勇者としての「異界最強の勇者」の力を発動することが出来るようにまで回復をすることが出来ているわけで、俺は早速その「勇者」の力を使おうとしている。まず最初に俺は、「異界最強の勇者」が持っている武器の一つである「聖剣カード」をこの「異界」で使用する事にした。「聖剣カード」をこの「異界」で使用することによって「異界」で「勇者」として行動することが出来るようになったからだ。このカードを使用することによって、俺はこの異世界の「神殺しの勇者」として戦えるようになる。「神殺しの勇者」というのは俺が持つ本来なら持つことのできないはずの特別な能力を使うことができるようになり、この異界では俺のことをそう呼ぶことが当たり前となっている。この異世界においては俺は本来の力が出せない状態に陥っていた。

しかし「聖剣カード」を使用すると俺は本来の力を使う事が出来るようになっているんだ。これはあくまでこの「異界最強の勇者」の力の一部を使用できるだけにすぎないのだが今の俺の状態を考えるとそれでもありありだ。この「勇者の武器カード」によって俺が持つ「異界勇者の力」を復活させることができたのならば俺がこの異世界で生きることができる可能性が高くなるはず。俺はこの「異界」における「勇者」になるための準備を整える事に成功したんだ。

そういえば俺がもともと所持していた「異界勇者の武器カード」は今俺が着こんでいる鎧と同じ「異世界勇者」用の「防具カード」として使用することができるのだ。この防具カードをこの異界の世界で使用すれば「勇者」というジョブで「異界最強の勇者」の能力を持っている「異界勇者」としてこの異世界で戦うことを可能にすることができるのだ。俺が元々「異界勇者」として持っていた職業カードには「勇者」以外に「異世界最強の勇者」というものも含まれている。そして俺の持つ本来の武器は俺が本来「異世界」に存在する時に使っていた武器でもあるのだ。その武器の名前は「異世界最強勇者の剣」という名前になる。俺はこの「異界最強の勇者の武器カード」を使用して、本来の力を完全に取り戻すことに成功してこの「異世界」で戦うための力を手に入れる事が出来たのだ。俺はこの「異界」において本当の意味で「勇者」の力を手に入れて「勇者」に変身をすることに成功した。

そして俺は今、本来の「異界最強の勇者の力」を取り戻して「勇者」としてこの「異界最強の勇者の力」を発動させることが可能になるはずだからこの「異世界最強の勇者のカード」に秘められた力を解放していくことにした。

このカードは使用者の名前を入力することによって、その使用者を強制的に「勇者」へと変化させる効果を有しているカードである。使用者が入力をすることでその「勇者」専用の装備カードを自動的に作成することが可能となり使用者が「武器カード」を使用出来るようになると記載されていた。そしてこのカードは一度しか使用することができず使用者はそれ以降このカードの発動を行うことができなくなる。また使用者が死亡した場合、このカードは消滅するという特性を有していた。この「勇者の剣」というカードを俺が使用しているときにこの異世界から召喚されたばかりの頃の俺はこのカードを使用しようと思えば、使うことが出来た。しかしこのカードを使用するためには俺が「異界勇者」の力を使いこなす必要があり俺自身もこの「勇者の剣」の力を使いこなしていないと使うことが出来なかったのだ。このカードは使用者の名前を「ユウキ」として登録をして俺はこのカードを使用しているときは「勇者」として活動することになる。このカードを使えば俺はこの「異界最強の勇者の力」を最大限に使いこなす事ができる。このカードに書かれている名前を使えば俺も勇者の力を発揮できるのだ。そして俺がその「異界最強の勇者の武器カード」に自分の名前を入力してこの異世界で活動することができる。俺が自分の名前の欄をタッチすると俺の体は光り輝き始めた。その現象が起きたことで俺は自分自身を包み込んでいた光が収まるとそこには、俺の体が変身をしていたのであった。

そう、この「異界」で「勇者」となった俺は今までの俺とは違い本当の意味での「勇者」として生まれ変わったということになる。そして俺自身がもともと使用していた装備品である「異世界勇者」が使っていたとされるアイテムは全てこの「異界最強の勇者」の力で使えるようになっていて俺はそれらの能力を自由に使うことが出来るようになった。この「異界勇者の防具カード」に込められている能力を使用すると様々な恩恵を得ることができる。その中でも「異界勇者の武具召喚の杖」の能力は本当に便利な代物であり「異界勇者」が使用することのできる専用武器を呼び出すことができる優れものなのである。この「異世界勇者の武器カード」には、俺が元々使っていた「異界勇者の杖」の他にも「異世界勇者の武器カード」が存在する。それはこの「異界最強の勇者の盾」というものだ。この「異世界勇者の武器カード」の特殊効果には使用者がこの異界にいるときに、自分の防御力を高める効果があるので俺の職業「勇者」の本来の力である攻撃力がアップする。俺はこの異世界で生きていくための力が手に入った。だから今からこの「異界最強の勇者の職業カード」の力を使って「勇者」へと変身するぞ。俺はこの「異界最強の勇者の鎧」を身に着けていた。

この「異界最強の勇者の武器カード」を俺は使用することにする。

「異世界勇者」へと変身するために俺は今「異界最強の勇者の鎧」を装備しているが「異世界勇者の武器カード」をこの異界で使用するための条件はいくつかある。その「異世界勇者の鎧」を装備することによって「異世界最強の勇者」の姿に変化ができるのだが、「異界勇者のカード」を使用する際には「異世界勇者」に変化した状態で使用する必要があるということになっている。

そうすることによって初めてこの「異世界勇者の力」を発動させることが出来るという仕組みになっている。その「異界勇者の鎧」には「異世界勇者の武器カード」の使用条件が備わっており、俺の場合はまずはこのカードを使用してこの「異世界最強の勇者の剣」を使用することが出来るようにしなければならない。俺はそう考えるだけで、俺は「異界最強の勇者の剣」を使用することにした。俺はこのカードを使用する際に、まずは自分の名前を登録することが必要だという説明書きがあったので俺自身の本名を使用することにした。俺は自分の本名が表示されている場所を選択する。そして俺は自分の名前を打ち込むことに成功した。そして俺の体をまばゆい光が覆い尽くしたかと思うと俺が着ていた装備が全て消滅をした。

しかしそれと同時にこの「異界」において「異世界勇者」として「勇者」の力を使用するために必要な武器である剣が手元に現れた。その刀身の形状は普通の両刃の直剣なのだが俺の手にしている剣の色は黒色だ。この剣が「異世界勇者の剣」であることは既に知っている。なぜならこの「異界最強の勇者の剣」の特殊能力を使用するために必要な武器でもあるからね。

俺は早速「異界勇者の武器カード」の効果を発動させた。

このカードには、「勇者」に変身するだけではなく俺が元々持っていた全ての「勇者」としての能力を使用することができるようになっている。俺はまずは最初に「勇者の防具カード」を使用する。そうしないとこの「異世界」のこの異界で行動するには不便だからね。俺の目の前に出現した「異世界勇者の鎧」を着用することこそが俺が最初にやらなければいけないことだった。俺は今、俺自身が「異界最強の勇者」の力を使うことができる状態へと変化することが出来ているので俺には本来の「異世界最強の勇者の力」を取り戻すことに成功していて、俺の身体能力が大幅に上がっているのだ。そう俺はこの異世界における「勇者」としての力を手に入れたことになる。

そうすれば、この「異界最強の勇者の力」を使用して、俺の本来の目的を果たすことも可能となるだろう。この「異世界」においては俺は「異世界最強の勇者」と呼ばれるような力を手に入れて「勇者」として活動しているからこそこの「異界最強の勇者の力」を上手く利用することができるようになるはずなんだ。このカードを使うことで「勇者」としての力を使う事が出来れば、俺の本来の目的の達成に役立つかもしれない。

しかし「異世界最強の勇者」は本来は「異界」においてしか活動する事ができないはずの特殊な職業で本来ならば俺のようなこの異世界で「勇者」として活躍をしているはずの人物ではないはずなのにこの「異世界」においては何故か俺のことを「勇者」と扱うのがこの異世界においての常識らしいのだ。俺自身は未だに自分の事を本来の意味での「異世界勇者」とは認めてはいないがこの異世界では俺のことを勇者として認識をする人間が存在していることは間違いがないんだ。

そして俺は今、「異界勇者の武器カード」を使用した。俺の持っている「異界最強の勇者の剣」というカードを俺は使用することにする。このカードは俺がこの異界に来てから使用していたものだ。俺はこの「異世界勇者の剣」を使用できる状況になるとは思っていなかった。だが、どうもこれは運命だったらしく俺はこのカードを使用することによって「異界最強の勇者」として「異界最強の勇者」の能力を使用することが可能になった。この「異界最強の勇者の力」は俺本来の「勇者」としての職業カードを使用時に発動可能となっている能力の全てが使用することが可能となりこの「異界最強の勇者の力」がこの「異世界最強の勇者の力」のパワーアップバージョンだということがよく分かったのだ。俺はこの「異界最強の勇者の剣」を手にして構えると剣のオーラのようなものが発せられて俺の体全身にまとわりついてきたのであった。

俺は、今の俺の状態を確認するためにステータス画面を開いた。

俺の目の前には俺が所持していた「異界最強勇者の剣」のカードが出現したので、俺はそのカードを使用して「異世界勇者の武器カード」を出現させてそれを使用する準備を整えてそして俺は、自分の本来の力を取り戻して再びこの異世界で活動する事ができるようになりましたよー!!ということで「異界勇者」となった俺はこれから俺の目的を遂行するための旅を開始することにしました!俺のこの世界でやらなければならない使命というものがありまして、それが何かと言いますと「勇者」となってこの「異界最強の勇者の力」を使って元の世界へと帰る方法を必ず見つけ出すことなんですよね。そのためにもこの世界へ俺を召喚したあの謎の美少女を探し出してこの世界から元の世界に帰る方法を聞き出さないとなりません。この「異世界勇者」になった俺なら出来るはずです。この「異世界勇者」の力さえあれば、きっとできると信じています。

俺が「異世界勇者」の力を発動させていれば、俺は本来の自分として動くことが出来るのだ。俺は元々この「異世界」に存在するべき存在ではないのにも関わらずこの「異世界」へとやってきたのだ。そのせいもあって俺はこの「異世界」にてこの世界の人たちに対して悪い感情しか持っておらず正直言えばあまり信用はできないしこの世界に居続ける必要なんてどこにもないと思っている。なので、俺は一刻も早く元の自分のいるべき場所に戻りたいのだ。その願いがかなうためにはどうしても「勇者」として行動する必要があったのである。この「異界最強の勇者の武器カード」を使えば俺は本当の「勇者」として活動することが出来るからな。

俺の本来の目的を完遂するためにはこの異世界に滞在することは絶対条件になっているのだから、俺にはもうここ以外居場所が存在しない。だからこそ、俺はこの世界で「異界最強の勇者の力」を使いながら本来の自分の目的のためにも行動を起こさなければならないので気合を入れて頑張っていこうと思う。

そして俺はまず、俺が今一番優先すべきなのは真希の父親である「勇者」の職業を持っている俺の父さんが今どうしているのかを知ることだ。父さんの身に何が起こったのかを知りたいというのもあるがまずは何よりも俺の家族の安全が最優先事項になっている。俺の妹と弟は真美の家に遊びに行ってるから多分大丈夫だと思うが、一応真希の父親の方に連絡を入れるとすぐに電話が繋がったので俺は真紀に確認を取ると彼女は俺の言葉に反応してくれたのである。

「ああ。そうだな、そっちの件が片付いたら一度俺の家まで戻ってきて話をしてくれないか?ちょっとこっちでも話したいことがあるんだ」と言われた。なので俺も、まずは自分が住んでいる地域がどうなっているのかを確認しておく必要があった。それに俺は「勇者」に変身することができるようになっていた。俺はまず、自分の家にある姿見鏡を利用して「異世界勇者」のカードを使用しようとしたのである。

すると俺は光に包まれていきそしてその光が俺の姿を包み込んだかと思うと俺は先ほどの姿と変わっていた。俺はその姿を確認したのだが、そこには「異界最強の勇者」と呼ばれる「異世界最強の勇者の力」が使えた時の俺の姿があったのである。この姿こそ本来の「勇者」の姿であると言われている。「異界最強の勇者の力」が俺の手の中にある状態ならば俺は本来の力を取り戻せるということになる。

そうすれば俺は「勇者」の力を最大限に使うことができるようになるはずだ。だから俺はまだ俺自身がこの「異世界」に来る前に俺の本来の職業についている「勇者」の力を発動させることができない状態である。だから俺にはこの力を使う資格などはない。

しかし「異世界最強の勇者の力」を使用することができる状態ならばこの「異界」においてもこの力を有効活用してやることができる。つまり、今俺にこの力が使えるということは、俺は「勇者」の力を取り戻したということだ。そうすれば俺の目的は果たすことができるという事になるだろう。

俺がまず最初に目指さなければいけない場所が俺の実家のある地域だ。そして俺が「勇者」の力を使用することができたら次は、俺が元々暮らしていた世界へ戻る方法を見つける必要がある。そのためには俺の母さんの力を借りる必要があるだろう。俺と俺の母親の2人で「異世界」へと飛ばされてしまったのが全ての理由であるからだ。だからこそ母さんを見つけて協力をして貰わなければ元の世界に戻ることなど絶対に不可能になる。それだけはなんとしても避けなくてはならない事態だ。

俺と俺の母親が「異世界」へ来てしまった原因は、全て俺達をこの世界に送り込んでしまったあの女神のような奴が俺の目の前で消えたからである。だから俺はあいつを探して倒してしまえばいい。そして女神みたいな奴を倒したあとに、俺達が本来いるべき場所である地球で暮らせるように努力をしなければならない。それが今の目標であり今俺が一番に叶えなければいけない望みだったのだ。

そうやって俺が今後の自分のやるべきことを整理し終えた後に、この世界の住民である俺の親友の佐藤裕也君に話しかけたのである。そういえば俺にはもう一つだけこの世界に来た時にやり残した事が存在していたんだよね。それを済ませてしまうとしようかと思ったのだ。

そう俺がやりたいことは「魔王軍四天王」の残り一人を倒すことである。その残りの一体は、「暗黒の巫女姫ルキシアの配下の悪魔」なんだけど、そいつが「異世界」へとやってきたのはつい最近のことだったらしいのだ。その証拠として、この異世界にやってきたばかりの頃にその悪魔と遭遇したという人達の話を聞いてみることにしたのである。

どうもその時はその人は、まだ俺の住んでいた地域に居なかったようで俺は会えなかったが、俺はそんなことをお店を経営している「冒険者協会」の職員のおじさんから話を聞いたのだった。

そのおじさんの名前は「アゼル」といい、俺がまだ小学生だった頃からの顔馴染みの人物でもあるのだ。なので、その人と話すのはとても懐かしかった。俺と彼の関係性というのは、昔はお互いに同じ小学校に通っていたということだったのだが、その当時から彼は「勇者の剣」を持っていたらしく俺はその頃から「勇者」に興味をもっていたのだ。そして俺は「勇者」になるために必死になって「異界最強勇者の剣」を手に入れようと思っていた。

「おい、勇者の息子!お前もしかして「異世界勇者の剣」を手に入れようと企んでいるのか?」

そして俺は、彼が持っている「勇者の剣」を見せてもらいたくて彼に向かって見せてくれないかと言ったのだけども、結局それは叶わなかったんだよな。まぁ当時の僕はただ単に「勇者」になりたいという憧れから、俺自身では手に入らないはずの物を欲しいという気持ちが強くなっていただけだったからな。俺は昔からそういうところがあるんだよ。

俺自身は特にこれといって「夢」なんてものは持っていない普通の人間なのだが、どうもこの年になってからは「異界最強の勇者の力」を手に入れるために色々と動き出したいと強く思い始めたのだ。この異世界へ来て、もう俺は「勇者」になってしまったんだし、せっかく「異世界」へと来たのなら俺はその世界を自分の目で見て回りたいと思っている。この「勇者」の力でどこまで戦えるのかを確認する意味でもね。俺は「異界最強勇者の剣カード」を発動させてその「異界最強の勇者の力」を発動させようとしたが発動することが出来なかった。このカードで俺の本当の「勇者」の姿になれれば俺はもっとこの「異世界」の事を詳しく知れるはずだ。だからこそ俺は「勇者」になれる可能性があると思いカードを発動させようとしていたのだ。

だが俺はなぜかそのカードの能力を使用できない状態にさせられていた。これは俺自身の力が「異界最強の勇者の剣」よりも弱すぎるために俺自身がこの力を完全に扱う事ができないという事なのかもしれない。「異界最強の勇者の剣」の力を使用するには俺自身もそれと同等もしくはそれ以上に強い力を持っている必要があり「異界最強の勇者の力」を扱う為にはまだまだ時間がかかりそうだ。俺は「異界最強の勇者の武器カード」を使っても元の世界へと帰ることはできないようだなとこの時に理解したのであった。このカードはあくまでも本来の「勇者」の姿に戻すことが出来るだけの道具にすぎないのだろうなと俺は思うのである。だからこそ俺はまず、俺の家族が無事なのかを確認したいので急いで戻る事にしたのである。そこで母さんと合流する事が出来れば俺が元々住んでいた世界への戻り方が分かるはずである。この世界の事については俺は詳しいとは言えないが、母さんならば何かわかる可能性は高いはずだ。

俺の本来の職業は、この異世界へやって来たときに母さんによって変えられてしまったからな。だから母さんに聞けば俺が本来の「勇者」としての姿へ戻すことが出来るようになるはずだと俺は考えている。なので俺は一刻も早く家に帰る必要があるのだ。俺の大切な家族が今どんな状況になっているのかはわからない。

「父さんがもし俺が思っていたような人物ならば大丈夫だと思ってるけども心配だし早く戻らないといけないよな」と言いながら俺は「勇者」の力を使用したままの状態で自分の家の方角に向けて全力で走り出したのである。そして、この世界に召喚された時には俺にはこの世界で生きていく上で欠かせない相棒である俺の分身となるべき存在と会うことは出来なかった。だからこそ、俺がまずやらなければならない事は、俺のもう一人の相棒を見つけることから始まる。そうすればこの「異界」においても俺は戦う事ができるようになるだろう。そうすれば俺が今一番やるべきことをやれる。俺の目的はこの「異世界」の「暗黒の巫女姫」とやらをどうにかすること。そして「異世界最強の勇者の力」を手にする事なんだから。そうすればきっと俺は目的を果たす事が出来ると思う。俺はまず、自分の家族の安全を確保するのが優先だとは思ってはいるが、俺の本来の仕事をこなす為に必要な力を得るためにも「異世界最強の勇者の力」はどうしても手に入れなければいけなくなった。そして俺の目的を成し遂げる為には母さんの協力も必要となってくるだろう。

俺が異世界のどこかにいる「母さん」を探すため、まずは自分の住んでいる街に戻ってみることにするとそこには真樹がいたのである。俺はそのことに驚いてしまった。

そして彼女は、こんなところで何をしているんだろうと一瞬思ってしまったが、どうも彼女の様子からは俺のことを探していたという様子が伝わってきたので、俺の身に何が起きたのかを知っている可能性が大いにあると思ったのでとりあえずは彼女と一緒に行動を共にすることにした。しかし俺は彼女と行動を共にしたおかげで自分が元の世界でもう1人の「勇者」であることが判明したので俺は、真樹のことを少し見直した。しかし俺は、この異界の地において俺が本当に「勇者」であることを明かすことはできなかったので黙っていたのである。

しかし俺が「暗黒の巫女姫の配下」を一人で倒せたらその力を皆の前で使って見せるつもりでいたのだ。俺自身が本来使っていた「異世界最強の勇者の力」を使うには今の実力じゃまだ無理だということを分かっていたので、せめて「異世界最強勇者の剣カード」の本来の力を扱えるようになるまでは俺は俺の正体を隠すことにしたのだ。そして俺は「異世界」に来てからずっと考えていた事がある。俺にはもう「勇者の職業」は無いが、「魔王軍」を倒すという目標があるので俺はまだ「勇者の証」を持っていても良いのではないかと考えていた。

なぜならこの「異界」でもモンスターを討伐して俺のレベルアップができるのであれば俺はもっと強くなりたいと考えるようになったからである。そうして俺は俺の本当の「勇者の職業」の「聖騎士」の能力を使うことを決心することが出来たので、早速「異世界勇者の盾カード」を発動させようとしたが何故か上手く使うことができなかったのである。俺はそのことでどうしてなんだろうと疑問に思いつつもその理由を考えながらこの異界にある街「サライタウン」に存在している宿屋に俺は入ることにした。

俺は宿に入ると、そこに宿泊しているはずの客を探し始めるとすぐにその人を見つけることに成功したのである。その人物は、この「サライの街」で鍛冶屋をしている「アツシ」という人物だった。

「アゼルのおじさん。」

「え?君は裕也君じゃないかい?」

そしてアゼルのおじさんと俺が話し始めると、その会話をたまたま通りかかった俺達と同年代の見た目をした黒髪の少女の女の子が聞いていたのだ。その少女の年齢にしてはかなり大人びているように見えるのだが俺の目にはその娘がどう見ても小学生くらいの背格好にしか見えない。だが俺の記憶が正しければこの異界に来る前まで、俺が住んでいた地域に住んでいた小学生も同じような姿をしていたように思える。この異界へやって来る前の俺はそんなこと気にしていなかったので、そこまで気にはしていないんだけどもな。

この世界の住民であるこの娘を見て俺は、小学生か中学生に見えるからこそこの世界へ来たばかりなのだということに気が付き話しかけてみることにした。もしかするとこの異界について知っている情報があるかも知れないと考えたのだ。それにこの娘の服装を見る限りではこの娘は「冒険者」だということがわかった。そして「冒険者」は、冒険者ギルドという組織に所属している者だけに与えられる「称号」であるらしいのだ。俺はそのことをアゼルおじさんから聞いた時に初めて知るのである。

そうして俺はその少女に対して「冒険者協会」の場所を教えてもらう代わりに、この異界について色々と教えてもらえないかと交渉を持ちかけるのだった。

どうも私の名前は「佐藤愛奈」といいます。私の父は有名な小説家で母は元冒険者の専業主婦なのです。なので私は冒険者になりたかったので冒険者協会に登録するためにここの異界へとやってきました。ですがその時に、私が元々住んでいた地域とは別の場所に来てしまったみたいですね。そして、私がそのことに気づいたのはこの街の路地裏での出来事だったのですが、私と似たような容姿の「異界勇者の剣使い」がいきなり現れて、私に襲いかかってこようとしたのです。しかし私の近くにいた人が突然光に包まれたかと思うと「異世界勇者の剣カード」を使った時とよく似た光景を目撃したんです。

「あれ、あの人カードを使っていなかったのに急に現れたような、一体どういう仕組みなのでしょうか」と思いながらもとりあえずは、襲われそうになったからと言って相手を無力化しようとしたのですが、その人は急に強い風のような物を発生されて吹き飛ばされたと思った瞬間消えていました。

そして私もその後を追いかけようと思いましたが、どうもこの世界には「魔法師」「錬金術師」「僧侶」「魔術師」等、色んな系統の「勇者職」の人が存在するようなので、あまり深く関わらない方が良いと思い私はその場を離れる事にしたのですよ。だって「異世界」に来て早々トラブルに巻き込まれたくはないもんね。だからとりあえずは冒険者登録をするために向かうべき場所はどこなのかを私は探すことを優先したのでしょう。この辺りの事については後々調べていく必要がありそうです。そして冒険者協会がどこに存在するのかについては街の人に聞くとすぐにわかったんですよ。

「なるほど、冒険者はここで受付をしているのですね」と言いながらその場所へと向かう事にしました。ちなみにその場所へと移動する途中でこの世界の事を少し知ったのでまとめていきましょうかね。この異世界では魔物がこの世界に存在する生物の中で上位に位置している存在で、人間を捕食する生き物でありこの世界の住人はそういった危険な生物の駆除や魔素の発生を抑える為に活動しているのだとわかりました。また、この世界は「異世界最強勇者召喚の儀」が行われる前は普通に他の世界と交流を持っていたのだけども、「暗黒の神」と呼ばれる者が降臨したことにより「異次元」の「異界勇者の扉」が出現して異世界同士をつなぐことが出来るようになったみたいなのよね。そしてその「異界」は「神族」という「神々の一族」によって管理されているという話も聞いたので、いずれは会えるんじゃないかと思っている。

だから私の目的は「勇者の職業」を持つ人達に会いたいということなので「異界」を周って行けばいつか「勇者」に会うことができるはずだと信じて頑張っていく事にしたよ。

そうして俺は「冒険者協会のサライ支部の建物の中に入った」のだが俺はそこで衝撃を受ける事になったのである。なぜならば、俺達よりも先にこの場所へやって来たと思われる「真希」と、この「サライの街」で出会った黒髪ロングヘアーが特徴の元女子高生の姿になっている俺の妹である「愛菜」の二人がいたからである。

俺と母さんは元々、異世界に存在していた地球で「真樹と裕也の身体を分離させたら面白そうだからやろう!」という理由だけでやらかしたのである。しかし異世界には地球人の遺伝子データが無いことから、母さんの持つ特殊能力で地球の遺伝子データを読み取り、そしてそれを俺達の身体の中に送り込み定着させることができたのである。それによって俺と真樹は本来、一人の人間の肉体であるはずが二つの魂が入った状態に変化しているのであった。俺達がなぜこの様な状態になってしまったかというと母さんの能力で他人の細胞などを「移植」することで他人の「身体」に変化することができるのだそうでそれを利用して「勇者」としての力を「転移」の際に俺達は手にいれたのである。そして俺が手に入れた力は「異界最強の勇者の力」という物で、俺達二人はそれぞれ違う能力を所持しているのだ。

真希は俺が所持していた「聖戦士の証」という「勇者」が持つことになるであろう最強の武器と「勇者」が必ず習得することになるとされる技能をいくつか所持していた。俺の場合はこの世界に召喚された際に「聖勇者の装備」と「異世界最強の剣カード」を手に入れたことによって「勇者の勇者の力」を手に入れることができていた。そして俺の持っているカードには異世界最強勇者の剣が封じられており「異世界最強の剣」の力を使うことが可能となっていたのである。そのカードを使うために「異世界最強の勇者の力」が発動するためにはどうすれば良いのかを考える必要が有ったのだ。俺にはもうそのカードは使えないのだから、その力が使えるのかどうか試したいところだな。俺がそんな事を考えながら真樹の方を見ているとその彼女は俺に向かって話しかけてきたのである。

「あなた達も「異界勇者」の力を狙っているんでしょう?だったらここはお互いに干渉しないということでいきませんか?」と言われたので俺は、彼女が言っている意味がよく理解できず、俺は「なんで?俺はその「勇者の力」をどうしても手に入れなくちゃいけないんだ」と俺は言うと、俺と妹が持っているカードを指さしながら言ったのだ。「そのカードには、異界最強の勇者の能力が全て備わっていますから欲しくもなりますよね」というので俺はその話を聞いて驚愕してしまった。まさかこのカードの中には俺が持っていたカードに書かれていたもの以外の効果まで含まれているということを知ったからだ。

そうして「異界勇者の盾カード」の隠された能力を俺が知りたいと彼女に言うが彼女は答えてくれず俺は、彼女と一緒にいたもう一人の少女である愛奈が「お兄ちゃんがこの世界に来てくれていてよかったぁ」と言った後に、急に涙を流し始めてしまい、愛奈が泣き出したことに戸惑っていると今度は、この建物に残っていた別の冒険者達が集まってきて、何が起こっているのだろうかと困惑してしまっていたのである。そうすると冒険者の一人であるアゼルおじさんから「君は一体、何をした?」と問いただされ事情を説明すると、なぜか愛奈とアゼルおじさんの二人から頭を下げられてしまったのだった。

「裕也くんが愛奈のお兄様だったとは知らなかったとはいえ申し訳ないことをしました。そして娘を守っていただきありがとうございます」と言われて、俺はさらに動揺するしかなかったのだった。そうして俺の話を聞いた冒険者ギルドの職員は「君達二人は今から冒険者協会本部で手続きをしてもらえ」と言われてしまう。どうやら俺達兄妹は異界勇者の力を持つことが分かり冒険者になる資格を与えられたらしいのだが、冒険者協会はここから遠いらしく、この場にいる面子で移動することになったのである。

そして、この異世界での暮らしが始まって数日が経ち、ようやく「魔王軍」の根城へと辿りつくことが出来たのだ。そこには、かつて僕の父が所属していたパーティの仲間がいて、父が死んだと聞いて悲しみに包まれていたが、父は「異世界」へ「召喚」されたときに、僕が渡せなかった「聖勇者の剣」を所持しておりその力で僕に語りかけてくれたのである。そして僕は「異世界」からこの世界へと戻ってきたことを父の言葉で知ることができたのだ。しかし「魔王」を倒す為には、異界の扉を再び開き「異世界最強勇者の剣」をこの世界で使用できるようにする必要があるということが分かったのである。その方法を僕達家族は探し求めることになったのであった。そうすると愛奈が、ある街の噂を聞きつける事になる。その噂によると「この世界のどこにも存在しない街が存在しているという噂」だった。愛奈はその話をアゼルおじさんに伝えると「その街の名前は『リレイア』と言う」と言っており、そしてこの街にあるギルドがその場所を教えてくれるというので早速向かうことにした。その街のギルドの名前は「ギルド リレイア支部」だったのである。ちなみにこの街では「異界勇者」は「異界勇者カード」を持っている人しか入れないことになっている。

ちなみにそのギルドに所属している人達に僕達のカードを見せたのだが反応がなかった為カードを見せないようにしていたのに愛奈は「見せてください」と言われたからつい見せることになってしまいその人達は驚いていたけどその人は、すぐに我に返り僕達に謝ってきた。そして「貴方達がここに来れたのは、恐らく勇者様達の血筋なのでしょう」と言われるがどういう意味なのかがわからない。なのでどういう意味でそういう事を言っているのかきこうとした時にギルド支部長だという人が「貴方達はこの世界のどこかで生まれ育った人間ではなくこの世界の住人なのでしょう」という事なのだそうでこの世界で誕生した人間は「異世界」には召喚されないという事を聞いた僕は少し複雑な気分になっていた。

どうせなら「異界」の勇者としてこの世界で暮らした方が良かったかもしれないなと思ったが僕は僕の父のように、異界で勇者として活躍できるとは思えないので、この世界で過ごす事にしたのだけどね。しかしそう考えている内にいつの間にか「冒険者カード」が発光しており、「聖戦士の印」が浮き出てきたのである。どうやら僕は冒険者になりたてにも関わらず、勇者の力を得たみたいだ。そうして「冒険者」になった僕は冒険者としての仕事をするため、まずは他の仲間を集めようと思ったのだが、どうすればいいのか悩んでいた。

そこで、僕の前に「冒険者カード」に書かれている内容について教えてあげるから一緒に冒険者になってみなさい。と僕の前に現れることになる。その人物は、「女神 ミレアナ」という名前の女性だったのである。ちなみに彼女の年齢は見た目では分からないのだが、実は僕の父と近い年齢だったのだと知るのはまだ先のことであった。そうするとミレニアと名乗る女性が僕達を見て、君たちは「勇者」と「勇者の娘」なのよねと言っていたのである。それを聞いた僕はその事について聞くと、なんでも「神域」と呼ばれる場所が存在しておりそこに到達した人間にしかその情報が得られないらしい。そうしているうちにその女性は僕の方に近づいて来てこういった。「勇者の力を手にした以上、いずれ私達と出会わなければいけない時が来る。だから今は私の力を与えましょう。これからの未来をあなたが切り開くための力となれるように私はあなたに加護を与えることにしましょう」というとその人の体が輝き始めて僕達の体を包み込むと、「勇者の力」とは違う何かが僕達の中に入っていったのを感じ取った。

それからしばらくしてその女性が離れると「今のが、私があなたに与えることになる力です。勇者の力とは違いその力をうまく扱えるかどうかは不明ですがとりあえず頑張ってください」というと消えていってしまったのだ。僕はそんな彼女に感謝をして、彼女から受け取ったものを確かめようとしたら突然母さんが慌ただしく「真樹、あなたが勇者の力を覚醒させたみたいよ!」と言った後に彼女は急いで部屋から出て行ってしまう。

「おい、母さん、なんでこんなにも焦ってんの?」と母さんの行動に対して疑問を持ちつつ僕は母さんを追いかけていくと「勇者カードが光輝いている!?まさかこのカードは真樹の勇者の力に反応しているというわけ?それにこれはあの女神様の力を感じるんだけどまさかこの力はあの女神様のものなの?とにかく早くこのカードを確認しないと!!」と言って僕の手を取りカードを見つめていたのである。

僕がカードを確認するとそこには「勇者の力カード」の他に新たにカードが増えていたのだ。そのカードには、「勇者 ユウト」「異界最強勇者の力 剣」が書かれており僕はその二つの能力カードを手に取ると「勇者 ユウト」の能力は、この世界には存在しない未知の「剣カード」を「勇者カード」から呼び出すことが出来る「異界最強の剣」が使用可能になるという効果だった。そして、もう一つのカードは「聖戦士 ユウト」と書かれている。その効果だが、あらゆる武器を扱いこなすことができる上に魔法や武術も極めることが可能になるというもの。そしてこのカードの能力が使えるかどうかは俺には分かるのだ。このカードの能力を使いこなせるかどうか、試してみるために「聖戦士 ユウト」のカードを自分の胸にかざしてみる。するとカードは俺の中に取り込まれたかのように消えてしまった。俺はその後、俺の中に宿った新たなる力を確かめるために外へと出て行った。

俺が「聖騎士」の力を手に入れたと分かったあと、妹が勇者の能力を手に入れたということが発覚したので「異界勇者」と認定されることになったのだ。そして、俺は妹にこの「異世界」に来る前の事を聞きたかったのだがどうやらその質問には答えることが出来ないらしい。そうこうしているうちに妹の愛奈が、街の中で噂になっている不思議な空間の話を聞いてきて俺達もそこへ向かうことにした。

その話とは、この世界を守護する存在がいるという話でその存在は、「魔王」を倒してくれる者を探しているらしいのであった。俺はこの世界に来てからは勇者として召喚される前に暮らしていたこの世界の「異世界勇者カード」を手に入れているのである。なのでその「異世界勇者カード」を取り出してみると、そこには今まで見たこともない絵柄と文章が書かれていたのである。その文の内容は「この世界は魔王に支配されつつありこの世界に住む全ての人間が死に絶えようとしかけているが、異世界の勇者の血を引く者がこの世界に訪れることによって救われる。」という事が書かれていて、さらに詳しい情報を知りたいと思って、俺は街を探索することにした。

しばらく歩いてみると俺はその「謎めいた空間」を発見したのである。その「異界勇者の門」を見つけたことで俺は、愛奈と共にその「異世界」へと旅立つ事になったのであった。

俺と愛奈は「異界勇者」としてその異界への門へと向かっていた。すると「異界勇者の門の番人」と名乗る者が現れたので俺は「異界」に案内してほしいという事を伝えると、その人は俺に一枚の古ぼけた本を渡してきたのだ。すると俺達はいつの間にか謎の洞窟にいた。

するとそこに現れた人物がいたのだがどうやらこいつが魔王軍幹部らしいなと思いながらそいつを見ると、魔王の幹部らしき男は僕達二人に向けて話しかけて来たので僕達は警戒をしながら身構えるが魔王軍の幹部だと思われる者は僕達にこの世界の説明をしてきて僕達が魔王軍の手にかかってしまった場合には人類はこの魔王軍に負けてしまうと言うのだった。

それを聞いた僕は僕達二人は魔王軍を撃退するためにこの魔王軍と戦う決意をしたところで僕達が所持していた「冒険者のカード」が輝きだし僕達の体は光に包まれていき、「冒険者の力」とは違うものを手に入れることに成功したようだ。僕はその手に入れたものの確認をしている時に僕はふと思ったことがあった。

それはこの「聖戦士のカード」に記されている「異界最高の力 剣」のことだ。そのカードを見た時にある考えが思いつき僕はそのカードを使用しようとした。すると剣はまるで生き物であるかのように形を変えて剣の柄は二股の双剣のような形になりその剣の刃は巨大な斧のように変化していった。そうしてその剣を振り回していると僕の中にある記憶が蘇ってくるのであった。そうしてこの世界での戦いが始まったのである。

そして戦いが始まる前に遡ると僕は愛奈が異界勇者であることを知ってしまい、僕は愛奈を守る為に「勇者」の力を使うことに決めた。僕は「異界勇者」になった愛奈と一緒に行動することになり、その日はそのまま就寝する事にした。

しかし、僕はなかなか寝付けずベッドから起き上がり外に出ることにしたのである。僕はこの世界に来るまで「冒険者」をやっていたのだが「勇者カード」を手に入れた後は、そのカードの力で、この世界のお金が稼げると知ってから、ギルドの仕事で生計を立てるようになり「勇者カード」でお金を稼ぎ続けていたので今ではそれなりに金持ちだと思っている。その金で家を買いこうして今に至っている。ちなみに「異世界勇者カード」を使って「冒険者のカード」を作らないのはなぜなのかというと理由は簡単で「勇者」の力を持つものはこの「異界」では特別な力を持っていなければ、生きていけるような世界ではないのだ。だからこそ僕はこの「異界」に生きる人々を守るために戦おうとしている。そう考えていると目の前にいきなり男が現れる。どうやら「聖戦士のカード」を「勇者カード」と同じように使おうとしたときに出てきたカードのようで僕はその「聖戦士のカード」の効力を確かめるべく「勇者」の力を行使しようとした。そうすると、僕は気がついた時には「聖闘士」の姿になっていた。

僕は「聖戦士のカード」のもう一つの効果を知ることができたので良かったと安心して「聖闘士カード」の能力を確かめようと思ったその時、僕の頭の中に突然ある知識が流れ込んできたのである。僕は「勇者の力を宿すカードがこの「異世界」でも「聖戦士のカード」のカードとしても通用することがわかった。

しかし、僕の「勇者」の力のカードも使えるのではないかと思ってしまったので僕は早速試してみることした。「冒険者のカード」に「異界最強勇者の力 武器カード」と書き込むと、カードが一瞬で別の物に変化していくのである。そうして「勇者カード」と「聖剣士のカード」に、「聖闘士カード」の三つのカードを作り出した後、僕の「冒険者カード」を確認する。するとそのカードの種類が変化しており、「異界勇者の力 剣」と「異界最強勇者の力 盾」が作れるようになったみたいだった。僕はそのカードの効果を確認していくと、「異界勇者の剣」は自分の中にいるもう1人の自分が「勇者の力」、「異界勇者の楯」は「勇者の力」と「異界最強の力」の両方を同時に使うことが出来るというものだったのだ。

それから数日後に僕は愛娘を「異界」と呼ばれる世界へ連れて行くことを決めるのだった。愛奈がこの世界にやってきた時の話をしてくれたのがきっかけで僕は愛奈も一緒に「異世界」に行ってみることにする。そして僕は「異界勇者」としての力を持っている愛奈を連れて行こうと考えていた。そこで愛奈がこの世界の「魔王」を倒して平和をもたらすという事を成し遂げて貰いたいと親としての願いを込めて僕も行くことにしたのだ。

僕は「異世界」に行くための儀式を行うことにした。そして愛奈も僕と一緒に儀式を行ってもらう。そうして僕は「異界勇者」の「力」を使いこの「異世界」で魔王軍幹部と戦っていくのであった。

僕が魔王を倒すために異界に旅立とうとした矢先に妹の真樹からこの世界に危機が迫っていることを知らされることになった。僕と妹は真樹から聞かされた内容によると魔王軍が「異界勇者」を召喚したというのである。「異界勇者」とはこの「異界」を支配する存在である魔王軍に対抗するための存在としてこの「異界」の世界に呼び出される存在だと言われているのだ。そしてその魔王軍の「異界勇者」の一人が現れたらしくてその男はなんとも怪しいやつで「魔王の力」とやらを使っているらしいのである。

僕はその「魔王」とやらには一度会ったことがあるが、とてもじゃないがあれは「人間」なんかじゃなくて化け物のような存在だったのを今でも覚えている。なので「魔王軍」が「異界勇者」を呼ぶことは危険だとすぐに判断してその異世界へ向かう事に決めたのである。「異界勇者の証」であるカードを「異界」へ行く為のゲートにかざし僕はその「異界」へと向かう。そしてその先に広がる風景に驚いた。

そこは僕が住んでいた場所ではなく、そこには見慣れない服装をした人ばかりで、その人の中には明らかに日本人と違う顔つきをした人もいれば獣人らしき者もいるしさらには見たこともない生物がいたのだ。そして「異界勇者の勇者の力」を試そうとしたら「異界の門」が開いた。するとそこからは一人の男が飛び出してきたのだ。僕はその男の姿を見て驚いた。その男の顔つきはとても日本人とは思えない顔をしていて、さらにこの世界には存在しえない服装をしており、なおかつこの世界に存在しない武器を携えていたのである。

僕と妹の「異世界」の勇者としての力を手に入れるためにはどうやら魔王軍とやらをどうにかしなければ行けないみたいなのである。だから僕はその敵を討つべく戦う決意を固める。しかし魔王軍の幹部は僕の力だけでは倒すことは出来ないらしい。なので僕は「異界勇者の勇者の力」の一つである、この世界にある「異世界勇者カード」を使えば、そのカードに記載されている異界にいる勇者を召喚することが出来るかもしれないという可能性にかけるしかないと思い行動を起こすことにする。「異界勇者の勇者カード」を取り出した時にある事を思いつきそのカードを僕自身が使用するのではなく「勇者カード」と名がつくものならばどれにでもいいから発動させることによって僕と同じ能力の力を持つものを呼び出すことが可能ではないのかと考えその考えを実行する。するとカードが突然光だし僕の視界が真っ白になった。僕は恐ろしくなって目を閉じていたが、徐々に目を開くとそこには女の子の姿があり、僕はその姿を見た時に驚愕するのである。その少女は僕の妹の真希にそっくりな姿かたちをしていたのだ。

俺は、異界にやって来て「異世界勇者の勇者カード」を使用してみたがなぜか俺は自分の世界にいた頃に愛用していたカードを使うことができなかったのだ。その理由は俺はどうやらそのカードは俺自身に力が備わっていないと扱えないようだ。

しかし俺はそのカードを「異世界」で使いこなすために特訓することに決める。その「勇者カード」は「異世界」では、どのカードよりも強い力を秘めていて俺がそのカードを使えないということはこの世界に来てからは絶望的な状況に陥るだろうという事を予想したのである。だからこそ俺はまず「異世界」の通貨を手に入れる必要があったのでこの「異界」では珍しいであろう日本円をこの世界で使ってみると、その「異界」で使える硬貨が出てきてそれを使ってこの「異界」を散策する事にした。この「異界」では魔法が存在するのは間違いないだろう。その「異界」を歩くたびに色々な人が「魔力感知器」なるもので魔族とやらを見つけ出し戦闘を始めるといった様子が見られたからである。そんなこんながあって街を歩いていたがやはり「異界勇者」の力を使う必要があると気付き、「異界勇者のカード」を取り出す。

そして「勇者カード」を発動させた時に「聖戦士のカード」の「異界勇者のカード」とは違いこの世界でなら使えるのではないかと思った。そうしてカードを使用した後に現れた「異世界勇者」の少女を見たときこの子もまたこの「異界」を救うことができるのではないかという期待感を持ちながら、その子が俺に近づいてきたのである。そうして彼女が何か言おうとしたのを俺は止めて、とりあえずこの世界の情報が欲しいと言ったので、彼女について行ってみることに決めてしまった。そうして彼女の後をついて行くうちにどうやら俺は城の中に入っていくようなので彼女に質問をしようと思い話しかけようとしたが彼女はこの城のどこかの部屋へと入っていき扉が開くと、その部屋の中に入った。そうすると部屋の中でメイド服の女の子が待機しており、その部屋には机と椅子と大きなベットがあった。どうやらここがこの子の家のようである。

そして俺はメイドの服を着た子に色々と話を聞くことにした。この国の事やこの城に住んでいる人の情報を得ることができたのだ。

そしてしばらく話をした後俺はその少女の事が気になってきた。それは妹に似た容姿のせいなのかこの子が俺の事を見つめてくる目がなんとも愛くるしい瞳をしているのがいけないのだろうか。とにかく、このままここにいるのはまずいと感じた。なぜならこの世界は俺の住んでいた地球とは違っていて危険だということが分かったからだ。この子はこの世界の救世主としてこの「異世界」を救う為に呼ばれた存在であり、この子を手放せば確実に殺されると分かったのである。そうならないように俺は、この子の事を護っていこうという結論に至り、それからはこの城に泊まらせてもらいこの子を守ることにしたのであった。そうしてその日から、その子と毎日楽しく生活していくことになった。

そして俺は彼女と出会って数日たった日に俺が元いた世界へ戻る方法を模索してみようと考えた。もしかしたら戻れる方法があるんじゃないかと思ったのでそれを試してみることにする。しかしなかなか上手くいかず困っているところに俺の前にその少女が現れてこの世界を救ってくれとお願いされたのである。

この子がどうして「異世界勇者」としてこの「異界」に来たのかはわからないが俺は助けて欲しいと言われたのであればこの子と行動を共にして、魔王を倒しこの世界を平和にしてやろうと心に誓ったのであった。この子の家族にも事情を説明するとみんなこの子の身を心配していたので一緒に行動することにしたのである。そうしてこの「異界」で魔王を倒す旅をする事になった。

僕達は、僕の妹を名乗る「異界勇者の勇者の力」を手に入れられる場所を真樹が教えてくれたのだが、そこへ行くのに結構苦労をした。なんせそこはこの「異界」で一番危険な場所にありその危険を潜り抜けなければその先に進むことはできないという事で、僕達が今いる世界からそこまで移動できる手段がないらしいのだ。僕はなんとかこの「異界」から移動する方法がないか考えてある事を思いついた。

「勇者の証」を使えば、僕達の住んでいる場所にもどることができるのではないかと思ったので、試してみる事にするのだった。

僕は、真樹に聞いた場所に行く前に準備を整えていた。それはこの世界にやってくるときに着ていた衣服をもう一度着用する為である。「異世界勇者のカード」をこの世界に持ち込めた理由はおそらくだが、僕自身がその「異世界」に存在する物質で構成されているからだ。だから「異世界勇者の勇者の力」を使う事ができるし、その力を使用する事も可能なのではないかと予想した。それにこの世界の物質で構成されたものを体内に取り込み同化させれば、その物体と僕は同一の存在になるはずだという事を真樹と話し合ったのだ。そして実際にその推測は当たっていてこの世界にある物質で構成されている「異世界勇者の勇者の力」を使用することができるようになったのだ。

僕達兄妹はお互いの装備を確認しあった。

僕の方から説明しよう。

まずこの世界にやってきて僕が最初に身に着けているこの防具だ。この防具は僕の父親が僕のために作ってくれたものであり、これを装備することで身体能力が上昇し攻撃力が大幅に上がる。しかし防御性能はないので防御力は上昇せずあくまで補助アイテムのような扱いになっている。しかし、これはあくまでも僕が装備するための物なので僕はこれを「装備」しないという判断を下す。

次に妹の方を見てみようと妹の服装を見ていると、とても可愛らしいピンクの衣装で、とても女の子らしく見えた。しかしその衣装が僕が想像していたものとは違ったもので、この異世界の女の子の服装はもっとひらっヒラな感じのドレスみたいな服装が多いらしく妹の服装はかなり地味だったのである。妹の服は見た目のかわいらしさを際立たせるには十分で、僕はこの異世界のファッションセンスがいいのではないのかと感じずにはいられなかった。

そして、僕は自分の持っている「異界勇者の勇者カード」を取り出そうとしたらそこにはカードが存在しておらずただの木でできたカード入れがそこには存在していたのである。僕はこの「異界」に来る時に持っていたはずの「異世界勇者の勇者カード」が無い事に気がつき僕は焦りを感じたのだ。そのカードは「異界勇者」としての僕の力を最大限に引き出してくれるものである。それが無いとこの先僕たちはかなり苦戦を強いられてしまうのは確実であるのだ。

僕は急いで妹のところへ向かい妹の服装を確認すると妹もこの異世界に来てきる時の服装ではなく、なぜか日本の学生服を着用していて僕はその事に対して驚きを隠すことができないでいた。なぜ僕たちが日本にいた時と同じ格好をしていてこの世界にやって来たのに同じ姿で「異界勇者の勇者の力」が手に入るとされている場所に向かうのはあまりにも無謀すぎると判断したので、一旦家に戻り荷物をまとめてからまたこの世界に戻ることに決めたのであった。

そうして、僕と真樹と妹は再びこの街へと戻ってきたのである。

僕が真樹から聞いていた街へとたどり着くとその街ではお祭りが行われていのか街の入り口付近は多くの人で賑わっていたのだ。僕はそこで真樹の情報を頼りに「異界勇者の勇者の力」を手に入れることができる場所に行こうと思っていたが道が分からなかったので、とりあえずそこに向かっている人達の後をつけて行くと街の奥の方へとどんどん進んでいく。

そうして、僕達はようやくその目的地と思われる所へ辿り着く。その場所はどうやら教会みたいな建物がある場所でそこでは結婚式が行われているようだ。しかもどうやら「異世界勇者の勇者の力」を手に入れて「異界勇者の勇者カード」で呼び出した「異世界勇者」と結婚するようだ。

そして、教会の裏口から花嫁姿の女の子が花婿姿の男の子と共に出てきたので、おそらくあれが結婚して夫婦となった者達なのだ。そんな二人の前に現れた神父風の男と女の子の両親らしき二人が出てきてお祈りをして二人はその場を離れて行ったのである。そんな様子を確認したあと僕は妹の真樹と一緒にその後をついていく。しかしどう見てもあそこに「異界勇者の勇者の力」を得られるものが存在しているように見えない。一体あの教会はなんのための場所なのかと思いながら僕と真樹は後をつけていったのであった。

すると突然辺りの景色が一変する。

その空間は薄暗い部屋になっており、周りをみると沢山の人々がいたのである。その人たちは全員何かに怯えるような表情を浮かべていて、その中には泣いている人もいたので何が起こったのか状況が全く分からないまま時間が経つ。すると一人の男が前に出てくると声高らかに話を始めたのである。それは「異世界勇者」の事を悪く言っているような言葉ばかりで、僕としては聞いていて腹が立つものだった。そしてこの場に集まった人々が全員外に出ようとしたとき突如として爆発音が響き渡る。そして僕は、いつの間にか自分が何か大きな機械の前に立っており「異界勇者」を呼び寄せるというカードを持っていたのである。

僕は慌ててその機械から離れようとしたが何故か身体が動かない。

そして次の瞬間に目の前に「勇者」が姿を現す。僕は、その姿を見て言葉を失ったのである。なぜなら「勇者」が姿を現したと思ったのだがその姿がどうも見たことのない女性だったので戸惑った。そして僕は気がついたのである。その女性はまるで僕の妹の姿と瓜二つだということに。すると、この「異界」にいる全ての「異界勇者」をこの世界へと呼び出す儀式が始まったのであった。

僕は、「異界勇者の勇者カード」を手に持ち「異世界勇者の勇者カード」のカードをかざすと、二枚が共鳴し始め一枚になったのだ。

そして僕の目の前に現れたのは、どこかの学校の制服を着た高校生の女子であった。彼女は少しの間僕と会話をしたあと僕に抱き着いてきたのである。僕はこの状況をどうにかしようと彼女を引き離そうとした。なぜなら彼女がくっついて離れようとしなかったからだ。そしてしばらくして僕はあることに気づいて、その少女の顔を見たときに驚愕したのである。そうその顔が僕の妹の顔によく似ていたのである。

僕は、妹が僕がいなくなった後に何をしているのかが気にかかってしまいどうしても知りたい気持ちになりその女子高生に声をかけることにする。

「君って僕と似てますよね? 実はさ僕って双子の弟がいるんですよね。でも、あいつって元気にしていますかね?」と質問をする。

その答えを聞くためにしばらく待っていると、どうやらとても良い回答を得ることができたみたいで僕は、この少女が妹の知り合いだと分かってホッとした。その少女がこの「異界」に来れば必ず会いに来るだろうと言うことを言っていたのだ。

それからしばらくしてこの世界の王と名乗る人物が僕達の前に現れた。この世界を救う勇者は「異界勇者の勇者の力」で呼び出された者だけらしいのだが「異界勇者」の僕達にこの世界を救ってくれとお願いされたのだ。しかし「異界勇者」の力を手に入れてない「勇者」はこの世界にやってこられないらしいのだ。その事を王様から聞かされたのである。僕はその事を承諾してこの世界を守るために戦う決意をする。

そうして僕達は、妹の元へ向かっていた。僕は妹を探す為にこの「異界勇者の勇者の力」を使いこの世界から移動したのであった。そうして僕はこの「異界」から「異界勇者の勇者カード」を使用してこの世界に来たのだ。

僕は、妹の事を心配して焦っていると後ろから誰かが話しかけて来たので僕は、後ろに振り向く。そこには先程まで一緒に行動していた「異界勇者」の少女が僕の後ろに立っていたのだ。

僕はその少女の服装を確認するがやはり妹の学校用の制服を着用していてどう考えても妹の友達がこの世界にやってきたとは思えなかった。だから僕は、妹の知り合いが「異界勇者」の力を得るためにこの世界にやって来たのかもしれないと思ってその事に確認を取ろうとしたら、なぜか急に僕の妹が「異界勇者」に変化したのだ。

そして「異界勇者」が出現した事を知らせるかのように街に轟音鳴り響いたのである。その爆音の直後に僕の目には信じられないものが映る。それは「勇者」が現れた事を伝えるかのように「異世界の門(ゲート)」が現れてしまったのだ。僕はその現象に驚く。

その「異界勇者の勇者の力」は「異世界」にあるものでなければこの世界では存在しないはずのもので「異界」に存在するものでなければ出現できないはずだったからだ。しかし現にこうして現れてしまっているのだから認めざるを得なかったのであった。しかし僕が妹とこの世界に来ていたときは、こんな事は起こらなかったはずなのに何故今回は起こったのか僕には分からないでいると、その扉の中から「勇者」が現れる。その「勇者」の姿は妹の友達と同じような姿をしていて僕は妹の事を確認すると妹の方も同じ考えだったようで僕が「この子知ってる?」と聞くと妹が「うーん知らない」と言ったのである。どうやら「異世界勇者の勇者の力」を手に入れることで僕達の世界に妹が転移してきたのと同時に妹の友人の「異世界の勇者の力を持った女の子の身体」と「異世界の門(ゲート)』とこの世界に繋がっていた二つの異世界が繋がったという事になるようだ。

そんな事があっていいのだろうかと思いながらこの現状をどうしたらいいのかと悩んでいるとその「異世界の勇者の力」を手にした少女がこちらの方を見て近づいてきたのである。そして「あなたは誰なの?」と僕に尋ねてきたのであった。僕は正直この異世界で僕の事がバレるのはまずいとまずそう判断して妹がこの異世界で僕の事を話してるのかと尋ねることにした。するとその人は妹の事を知っていると言って妹の連絡先を尋ねてきた。どうやら妹もこの「異世界勇者」の女の子と知り合いらしい。しかし僕は妹がこの異世界でどういった立場になっているのかを尋ねたのである。しかし返ってきた答えは予想外であった。その「異世界勇者の力」を手に入れた少女は妹が僕を探そうとしてこの世界にやってきたということであった。その事を聞いた瞬間僕は思わず動揺してしまったのである。なぜなら僕の知っている情報によると妹のこの世界への侵入方法は不明となっていたからだ。それどころか妹の知り合いの人達でさえ妹の行方を知ることはできていない。つまり今妹の知り合いが知ることが出来るのであれば、それは僕だけが知り得ることだと思っていたからである。しかしその僕ですらも、妹の行方が分からない状態であるという事を聞いて僕は驚きを隠すことが出来ないでいた。そこで僕はこの世界の人達がなぜ僕達と同じ制服を着ているのかを尋ねるとその人は妹に会えた時に渡してほしいと頼んだ物を渡してくれたのである。

そこで渡された物は、おそらく母が書いたと思われるメモでその内容は、妹に渡すために書かれたものであると思われた。そのメモの内容は、母がこの「異世界」に訪れる前に住んでいた家にいた頃の思い出が書かれているようだったので僕は、妹にその内容を見せる。そのメモを見たときの妹の反応を見ると、どうやらこの内容が書かれた時の状況を覚えていないらしく首を傾げていた。どうやら妹の話では妹の記憶ではこのような内容のものを受け取っていないとのことだ。

そうなると妹の話を聞く限りではこの「異世界」にやってくる前の僕達が暮らしている家でこのメモを書いてそれを僕に渡し妹の事を気にかけて欲しいという内容の事を書いたのだろうと推測できるが、しかしそれが本当なのか嘘なのかを確かめるすべはなかったのであった。そんな事を考えているうちに、目の前にいる女の子に異変が起きたのだ。その子は僕の妹の姿とそっくりの格好をしているが僕の目の前にいるのはその妹の友人ではない。

そして、その少女は、妹に化け始めたのだ。その様子を見ながら、僕と妹と真樹ちゃんはこの世界にいる人達が混乱しないように避難させながら、僕は、自分の妹の姿を模した何かに対して攻撃を開始すると僕の持っている剣がその相手にダメージを与えることが出来たので、僕も妹の姿をした何者かを倒すことに成功するのであった。そして妹の姿をした者は消滅していったのである。するとその消滅した場所の近くに一枚の紙が落ちてたので、僕は拾ってみる。その用紙を見てみると、妹から僕への手紙のようで内容はこう書かれていた。

「私はこの異世界であなたのお姉さんを探し出します。なので私のことを心配せずにあなたは自分の家族を守ってください」といったことが書かれてあった。僕はその手紙の内容を読んで涙が出そうになったが今は感傷に浸る暇もない。この「異界勇者の勇者の力」を持っている妹の友達を名乗る者がまた妹の姿になり始めていてその妹の姿をしている存在を倒してもまた復活してきているからだ。この繰り返しだといつになっても妹の友達を倒せなくなると判断した僕は妹の友達の本体を見つけることにすることにする。僕は妹の姿をしている者に「君は偽物だろう?」と声をかけると「何を言っているんですか?私が本物に決まっているじゃないですか?私に何か恨みでもあるの?それにこの力は私のものだからあなたには絶対に負けないわよ!」と妹の声を使って喋りかけてくる。しかし、僕は妹の顔も見たことがあるのにどうして妹の顔を真似して騙そうとしていたのであろうかと不思議で仕方がない。そして僕は妹がこの「異界勇者の勇者の力」をこの世界の誰かが手に入れたのではないかと考えて、妹の知り合いがこの世界へやってきたのかと思い確認するために、その事について妹に伝える。その妹は「え?そんなの聞いていないし分からないよ?」と言うが妹の友人らしき人の名前が分かった。どうやらこの「異界勇者の勇者の力」を持つ妹の友人の女の子の名前は、彩花(あやか)という名前らしいのだ。僕はそのことを聞いて驚いた。その名前に覚えがあるような気がしたからだった。

「彩花ってまさか!?いやそんなことは無いはずだけど?」と思ったのだがよく考えたら、あの妹の事だからありえないとは言い切れなかったので、とにかくその少女を探すことに決めて妹の元へ向かうことにする。僕達が妹の事を心配して妹の所へ向かっていることを説明するが僕の妹は、僕のことを止めようとしてくる。どうも僕は信用されていないようである。

そこで僕が説得するより妹の友達のところに行って事情を聞いたほうが早いと考えた僕は妹と一緒に行動する事にしてとりあえずこの世界のどこかにいると思われるその友人を見つけ出すことにしたのである。そしてしばらく歩いているとその友人の「異世界勇者の力」によって創られたらしいモンスターと遭遇するが難なくその魔物を倒した。そして倒した魔物からドロップしたアイテムの中に僕と妹の写真と、そしてなぜか妹の体操服が出てきたのだ。妹の友達は本当に僕達に会いに来たのかと思っていると妹が突然現れた。その姿は先ほどまで一緒にいた姿よりもだいぶ幼くなっている感じであったけれど、どうも本人みたいだ。しかもこの世界に着たときにも変化がなかった服装のままであったのだ。だから妹は「異世界勇者の勇者の力」を手に入れてはいなかったようであった。

そして妹はすぐにでもこの異世界を出て行きたいようだった。その理由はこの異世界には僕の妹は一人だけしか存在しないため、自分の身の安全を確保するためには自分の家に早く戻らなければならないというのだ。だから僕は、妹を説得して僕が先に異世界の扉(ゲート)を開くことができるようにして、僕と妹は一緒に元の世界へ戻るのである。そして元の世界に戻った僕は妹の事が心配だったから急いで自宅へ向かったのだった。

僕が自宅に戻ってくると、僕の家のリビングに僕の知らない女性が座っていたのだ。僕の妹に少し似ているのでどうやらこの人は僕の妹の母親である美優さんのようだ。そしてなぜか妹の服を着ているのである。

そして妹の方も母親の姿を見て驚いているようだったが妹の方はなぜか嬉しそうな様子で「お母さん!!」と叫んでいたのであった。その光景を見て僕の母はこの世界に来る前まで妹を一人で産んで育てていたことを思いだす。しかし妹はなぜ母の服を着ているのかわからないと疑問を抱く。僕が妹の方を見ると、彼女は「あ、兄貴に言うのを忘れたけど、この世界には異世界に行くときに身に着けているものを異世界に持ち込んだままこっちに戻って来ちゃうみたいなんだよ!それで、この世界にある私の学校の制服を着たんだけど、やっぱり元の学校じゃないのでサイズが大きくてね、結局着替えなかったわけなのさ」と言ったのである。

「それじゃ、なんで最初に言ってくれないんだ?」

「だって言ったら反対されそうだったから、言えなかった」と僕の妹が言い訳をした。まぁこの子ならやりそうだなと思って僕は妹を注意することにした。すると僕の妹の横に立っていた「異世界勇者の勇者の力」を持った女の子も、この世界にいた妹に抱きついていたのである。どうやら「この子も俺の異世界転移に付いて来たのか?それとも妹と同じように召喚されたのか?しかしなぜ俺の事を怖がっていないんだ?」と思いながらもその女の子が妹の友達であることを思い出す。妹の友達は僕に自己紹介をする。その女の子の名前は「真咲(まき)」と言うらしいのだ。しかし、僕の目の前にいる女の子の年齢は小学生くらいにしか見えないが僕の目の前にいる妹は僕と同じくらいの年齢に見えている。しかし、妹の見た目は中学生なのでどちらが正しいのかさっぱりわからないのだ。しかし目の前にいる「真樹」ちゃんと名乗る女の子は僕の妹の事を姉のように慕っているように思えた。

そこで妹が僕の妹の方をじっと見つめて妹に対して「あれ?なんか胸のところが大きくなった?この短期間で成長した?そんな馬鹿な!」と言っていて妹の方は恥ずかしそうにしていた。そして妹の事を見ながら僕は「おい、妹よ、母さんがいるからと言って、俺の母さんと妹が仲良くなっているのはいいが、俺は今忙しいから、お前は邪魔をしないでくれよ。あとでいろいろ説明してくれるんだろうな?」と妹に告げる。そして僕と妹が話し込んでいると、僕の母がお茶を出してくれる。そこで僕は妹達を家に帰らせようと思うのだがどうしたら良いか迷ってしまう。そこで妹の「真樹」ちゃんに尋ねてみることにした。そこで僕はこの世界で妹は何をしているのかを聞くことにする。

「えっと、私は、この世界に召喚されてこの異世界の人達を守るためにこのダンジョンで修行をすることになったの。そしてこの異世界では、魔族の侵略がかなり激しいらしくて、私達異世界勇者の勇者の力でその敵と戦うことになったんです」とその少女が答える。

その話を聞いた瞬間僕は、妹が異世界勇者として異世界で活躍していることを知ったのだ。そして僕は、妹の友達の真樹に尋ねることにした。どうやら僕がこの異世界へやって来たときに乗ってきた車にこの世界の僕が持っていた装備や道具類があったのはこの異世界では、車自体が珍しい物であり、この異界の人達はその車が僕のような「異界勇者の勇者の力」を持っている人が使うものだということはわかっていなかった。

「それは、多分俺が乗ってきた車のことだと思います。俺は異世界勇者の勇者の力を持っていたんです。だから異世界からこの異世界に呼ばれました。だけどこの異世界は魔族による脅威にさらされていたんですよ。そこで俺は魔王を討伐するためにこの異世界で冒険をしました。この「異界勇者の勇者の力」も手に入れることができたのです。ただ妹もこの世界に来ていただなんてびっくりです」と僕が説明すると妹の方も自分のことについて話してくれた。僕はこの世界に飛ばされてから半年近く経つがこの妹が異界でどのように生活していたのかは知らなかったので、妹の異世界での話を聞きたい気持ちがあったが妹の友達の話をまず聞く必要があると感じた。

「実は私は兄の異世界へ行ってから、いろいろな人に協力してもらって私の持っている「異界勇者の勇者の力」(スキルカード)の効果の発動の条件を整えていました。私も、私の持っているこのスキルカードで、他の異世界からやってきた人を助けたいという一心で、私に協力をしてくれる人を集めて、この「異界勇者の勇者の力(スキルカード)の力を有効に使うために頑張ってきました。そしてようやく私の兄がこの世界にやってくることが分かり私は急いで兄が来るまで待っていたんです。私が異世界勇者の勇者の力を手に入れたときにはすでに、この世界ではかなりの時間が経過していたのですがそれでもこの異世界で待っていました。私が異世界に戻ってきたのはこの異界で、異界勇者の勇者の力を手に入れることができた後でしたので時間がだいぶ経ってしまったんです」

僕は「そうなんですか?それじゃ、あなたの妹はもうこの異世界に来て1年ぐらいは経っていますよ」と伝える。すると妹の友達である「真希」と言う名前のその女の子は驚いた顔をして「え?嘘?じゃ、もしかしてお兄様はもうこの異世界からいなくなってしまわれたってことなのですか?」と慌てて僕に向かって質問してきたのであった。どうやら僕の妹が、異世界からいなくなったことで、彼女は妹を探しに、妹の住んでいる場所へ向かったのだが、僕と同じ場所には行くことができず、別の異世界へ転移したのだと思われたらしいのだ。

僕は彼女に妹を探すために協力してもらえないかお願いした。

そこで妹が僕の方を見つめてくるので妹に事情を説明してもらうと、妹の方も彼女のことを知っているという。そこで僕が「もしかして君の妹なのか?俺の妹の美紀の友達だった真樹ちゃんだよな?」と妹の友人である真樹に確認を取ろうとする。

僕と妹の会話を聞いているとその友達の女の子は僕の妹が美紀子という名前であることに驚き、「もしかして彩花ちゃんですか!?彩花ちゃんですよね!?私の知っている妹さんのはずです」と言い始めた。どうやらこの異世界の僕は僕の妹のことを知っていたようである。僕もまさかこんなに早く自分の妹の情報が見つかるとは思わなかったので嬉しくなってしまう。しかし僕はその前に妹にこの子の事を確認しないといけないと思ったのである。そして妹の方もその子のことを僕が知らないというと「そんなぁ、私のこと覚えていませんよね?」と言ってきてしまった。

僕は妹からこの子について簡単に聞いてみるがこの子は「妹の美紀のクラスメイトだったらしいの。それでこの子が美紀子に会いたいと何度も言うので会わせてあげたんだけど、それからしばらくしてから行方不明になってしまったんだよ」と妹の方も詳しい情報はわからないみたいだった。だからこの子に「この妹から聞いた話から察するに、おそらくあなたの妹はこの世界に来たときにこの世界に来た時とは違う姿をしています。俺の妹の美紀は俺とほとんど変わらない容姿でしたが今は違うでしょう?」と尋ねると妹の方は何かに気がついたような反応をしてから妹がこの世界にやって来たときの状況を話し始める。

僕と妹はお互いにお互いの世界で起こった出来事を話合いそして僕は妹にその世界にいたはずの「僕の彼女」である美咲さんの安否を尋ねてみると妹が僕の妹に僕の彼女が異世界に行った経緯や異世界での生活を説明しているのである。しかし妹の方は僕達の会話を聞いているうちにどんどん涙声になって泣き出してしまったのである。妹は僕の方に駆け寄ってきて、そのまま僕に抱きついてきたのであった。

「兄さん!どうしてもっと早く連絡をしてくれないのさ!僕だってずっと兄さんの事が心配で心配で仕方がなかったんだよ!でも兄さんは、異世界に行っちゃったし、それに僕の方からは異世界のどこにいるのかわからないし、この異世界に来るためには異世界召喚の扉のカードが必要なんだ!だから僕は、僕が召喚されたときに僕に付き添っていた人の家で暮らしていたんだよ!そうすれば、この世界の事を教えてくれるし、この世界のお金も少しは持っていたし、この世界の人達の常識を学ぶ必要もあったしね。僕だっていろいろ忙しかったんだよ。僕だって兄さんのことを忘れたことなんかなかったよ」

僕は妹の言葉を聞いて安心したのである。僕はこの世界へやって来るとなぜか僕の家族や知り合い達がみんな僕が転移したときには僕の前から姿を消してしまっていることに驚いていたのだ。だから僕は妹が僕に懐いているように感じたのである。そして僕はこの世界で暮らしている僕の妹の姿を見て妹がちゃんとした暮らしをしていることがわかった。この世界には妹が一人で来ているわけではないようだったが、妹の周りには、僕が妹に聞きそびれていた妹の元居た世界の友達の友達の「真咲」ちゃんの姿が見えるので、どうやら僕の世界の友達とも一緒のようだとわかる。

第2章「ダンジョンの中でのんびり暮らす生活」

「ごめんなさい」と真樹が俺に対して謝ってきた。なので俺はとりあえず真樹を落ち着かせることにしたのだ。そこで俺達はリビングに移動して話し合いを始めることにしたのであった。そこで俺は自分が異世界勇者であることを隠さず打ち明けることにする。なぜならこの世界では俺が勇者としてこの世界にやって来て活躍したという話は既に伝わっているはずだからである。そこで妹は僕から説明を受けて驚くと同時に妹の方からも僕に話したいことがあるという。

そして妹は僕に自分のステータスを確認できるか試して欲しいと言われたので妹に僕の持っている「勇者の指輪(マジックアイテム)」を手渡すと「勇者の指輪(マジックアイテム)は所有者が認めた人物しか鑑定することができない」と言われる。しかし僕の妹の方は勇者として召喚された際に勇者専用の「異界勇者の勇者の力(能力スキルカード)」を持っているのでその勇者専用カードを使えば、妹が自分の勇者としての能力が見れるということが分かって、妹の方にも勇者専用の「異界勇者の勇者の力(スキルカード力スキルカード)を僕から手渡した。するとどうやら妹の方も妹の友達の真樹ちゃんと同様に勇者としてこの異世界に呼ばれたようであった。しかも真樹の話では妹の美紀子はこの世界の魔王に誘拐されてしまったらしく妹の方の真樹は妹の友達の真樹と一緒にこの異世界を旅することにして妹の居場所を探しているというのである。そこで僕達家族はこの異世界で暮らすために、この異世界で生活している妹の知り合い達に協力してもらって僕達が住むことができる住居を探していたのだ。僕が妹の方から話を聞こうとすると妹が先に僕のことを心配していたことを口にしてくれたのである。

そこで僕は妹のことを心配しながら今まで何をしていたのかを妹に聞くとどうやら妹の方は僕の妹と同じように異世界からこの異世界に召喚されたようでこの異界で冒険をしながら僕の妹の美紀を探す為に活動していたという。そして僕は妹にこの世界で僕の彼女の「美咲」が行方不明になったと妹に説明すると妹はその話を聞くとすぐに自分の世界に戻った。そして僕の妹は僕のために急いで僕の元の彼女の「彩花」が住んでいる家を探してくれたのであった。

妹から僕の元彼女の情報を聞いた僕は、妹の方に事情を説明して協力してほしいと告げる。すると妹の方も妹の友達で、妹の美紀の親友の「真希」と言う女の子を連れてきたのである。僕はまず妹の方と友達の方の話を聞くことにしてみることにした。しかしどうやら妹の方の話によると僕の元カノの「美紀」(実は僕の妹なんだけどね)が僕との待ち合わせの場所に現れなかったので仕方なく友達のところに行きしばらく過ごすことになったという。その後美紀は別の世界に連れて行かれてしまって行方不明になったという。

妹は僕の彼女にこの異界に来ていないかという質問をしてきたが僕は首を横に振って「この異世界に来てはいない」とだけ伝えた。すると妹は僕のことを強く睨んできたのである。

そこで真樹が僕に何か言いたい事があるみたいなのだがその前に僕は妹の方を何とか説得することに成功する。

そして僕は妹に向かってこの異界に来た経緯を話すことにした。

この異世界に来た理由は、僕の妹の彩花と恋人同士になっていたのだが、ある日を境に僕の彼女は突然消えてしまったのである。その彼女とは、この異世界に一緒にやってきたはずだったのにいつの間にかその痕跡すら残さずに消えてしまったのだ。

そして妹の方の美紀子もこの異世界に召喚されてから行方不明になっていて、妹が僕の元に帰ってくるのと美紀子を探すのを両方同時並行的に僕は行っていたのだという事を説明したのであった。僕は僕の話を黙って聞いてくれた妹に感謝した。

そこで僕は妹の方に僕の妹について質問をする。妹は僕の妹のことを覚えてくれていたので嬉しかった。そして僕は妹の方にある事を尋ねた。それは僕の妹の美紀がこの世界に召喚された時の様子と僕の彼女だった美咲がこの異世界に連れ去られたときの様子をだ。妹に尋ねてみても、妹の美紀子が召喚されるときの出来事については詳しくは分からないらしいが妹の美咲が僕の元を離れてこの異世界に召喚されてくるときはどうやら妹の美紀も一緒に召喚されていたようなのである。妹もその辺りの記憶にはあまり自信がないようで詳しく思い出すことができないと言っていた。

しかし妹の方は妹がこの異世界に来る前に妹と美紀がこの異世界で何をしていたのかを妹が知っている限り教えてもらった。

妹からこの異世界に来る前に妹が妹と美紀が何をやっていたのかの説明を僕にしてもらえたのは本当に良かったと思っている。

この世界は、僕の妹の美紀と美紀の友人間の親友「美咲」が異世界から召喚されてきたらしい。その時の二人の年齢は14歳。そして二人は僕の妹の美紀子と同じく召喚時に特殊な力を手に入れたのだったそうだ。しかし二人はある事情から別々の場所で保護されたそうなのでお互いのことが分からない状態でこの世界に召喚されたようなのであった。そして妹の方が、僕の妹より早く保護されてそれからしばらくして妹の方も異世界へ連れていかれてしまうのだと妹の方の妹が説明してくれた。

だから妹の方は妹の友達の真樹ちゃんと二人で旅をすることになったらしいのだ。

そこで僕は真樹ちゃんに「どうして妹と離ればなれになって旅をしているのか」尋ねてみると、その経緯は真樹ちゃんが「僕の彼女」である「美咲」という少女を捜しに行く為であると言った。しかしなぜ妹の方はこの世界の人族であるはずなのに勇者としてこの世界に来たのだろうかと疑問が沸き起こってくるがとりあえずは妹からこの世界で起こったことや妹と妹の親友「美紀子」の関係や妹の親友「美紀」の失踪の話を聞いた。

そこで僕と真樹がお互いのことについていろいろ話し合った。僕の妹は僕がこの世界に来る前よりもずっと綺麗で美しくなっていた。

この異世界での生活は、この世界で暮らしている僕と妹の美樹の友達の間島さんが、この世界で手に入れた能力を使って僕達の新しい拠点を見つけるために手伝ってくれることになり僕は、真樹と妹の方にこれからしばらくの間は僕の「勇者の指輪(マジックアイテム)」と僕の妹の美紀が持っている「勇者の指輪(マジックアイテム)」を交換した方がよいと僕に伝えてくれたのであった。そこで妹の方と妹の方の友達の「まひるちゃん」「まなほさん」に勇者の指輪を預けることにしたのである。そして妹が勇者としてこの異世界に来たのには何か理由があるはずだから僕に妹を探させてほしいというお願いをしてくる。

そこで僕が妹にいろいろと聞き出す。妹が僕の彼女の「美咲」の行方を追っていたのは「僕にプレゼントするために、この世界にある珍しい物を手に入れる」ためだということと、その妹の友達の「美紀」は「この異界で暮らしている」と言うのである。さらに妹の方の美紀子の話から「僕の恋人の美紀」と「美紀子の妹の美紀子」と同一人物であることを確認する。

第3章「妹と妹の友達と妹の親友と一緒に暮らす」

そこで妹と妹の方の友達の「真樹」の二人が僕の妹の美紀を一緒に探したいというので僕の妹の「彩花」のことを頼んだ。妹は僕から自分の姉のことを聞いて安心して「姉と再会できるように頑張ってください」と言われたのであった。僕は真樹が僕に頼みごとをして僕の妹が持っていたはずの「異界勇者の勇者の力(能力スキルカード力スキルカード)」の「勇者の力(異界勇者)」の力(力スキルカード力スキルカード)を妹に返してくれるように妹に伝える。

そして僕の妹の方の妹と妹の友達の真樹の二人は僕が妹の方と交換した僕の勇者の力(異界勇者)のカードと僕の妹の美紀子の持っている僕の恋人である美咲さんの異界勇者の力(能力スキルカード)をお互いに確認する。すると妹の方は妹の方の「異界勇者」の力で僕に鑑定してもらったが僕が異界から転移したときに得た力である黒い塊の「魔力吸収」の力が異界で使えるかどうかはまだ試していないので分からないという。そこで真樹の方に僕と妹の方が持つ「異界勇者の力(異界勇者の力)のカード」を渡すことにする。

僕は妹の方と妹の友達の真樹に「僕が異世界からやってきた異世界勇者である」ということを伝える。すると僕の話を聞き終わった後に妹が僕の方を見てきた。そして「お兄様」と言って僕のことを呼んでくれて僕の方へ近付いてくる。

妹がいきなり僕の方に飛びついて抱き着いてきて「お久しぶりです。」と言ってきた。僕は妹からそんな言葉をかけられると思わず動揺して顔を真っ赤にして照れてしまう。

僕はこの世界で僕の彼女だった「美咲」を行方不明にした犯人を見つけ出して復讐したいと思っていることを打ち明ける。そして妹の方にこの異界で行方不明になっている妹と妹の方の親友の「美咲」を探しているのだと説明する。

そこで妹がこの異界にいるかもしれない「僕の美咲」を探すために「この異界にきたのである」ということを妹に伝えた。そして妹の方は妹の方も僕と同じ状況である事を教えてくれる。

妹に妹の友達が僕達と同じように異世界に来ているのはなぜかを尋ねてみると、どうやら妹と妹の親友の女の子が「僕の恋人である美咲の居場所」を探して妹と妹の友達の親友である真樹の2人で「旅」をしながら情報を集めて、最終的に僕と合流できればいいと思っていたのだという。そこで僕は真樹の方の事情を聞こうとする。しかし妹の方の方の真樹は妹と友達であるのにもかかわらず、この異界の人たちが魔人とか呼ばれている者たちと戦うために一緒に旅をしていた「仲間の人達の捜索を手伝っていた」という事情を説明してくれたのであった。

妹の方の妹が僕に向かって僕の恋人の「美紀」のことを覚えていないか聞いてみたけど、僕はこの異世界にきてからのこの異界での出来事しか記憶がないから「美咲」の顔や名前すら思い出せない状態だと説明した。妹が僕の話を聞く限り妹の方の美紀と妹の方の美紀が入れ替わっても僕達が気づくことはできないと思うのである。しかし僕の妹である美紀の方が、この異界では「僕の恋人であった美紀ではない方の妹の方の美紀子」なのだとしたら僕の妹の方はいったいどこにいるのか心配になってしまうのだけれど今は妹にそのことを訪ねることができなかった。だからまずはこの世界を探索している間にでも機会があったときに妹の方に尋ねてみるとだけ伝えたのであった。

第4章 僕は妹から僕の仲間と妹の妹の美紀の事を聞いた。そこで真樹の方を僕は見るのだが妹の方と真樹ちゃんの話をしているうちに僕の頭の中にふとある事が思い浮かんできたのである。

真樹も異世界から召喚されてきたという事は真樹の友達も異世界から召喚されたのではないかと考えが浮かぶ。そこで僕は妹達に、もしかしたら妹の美紀子もこの異世界にやってきてしまったのではないかと思ったのだ。

僕の推測は当たり、妹の美紀子もこの異世界にきているという可能性が高くなったので僕は妹の方の美紀子から聞いた美紀子と美紀子の妹の「真樹ちゃん」との会話を思い返すとどうやら妹が「僕の恋人である美咲さんを捜している」という話と真樹の話が偶然にも一致するのである。それで僕と妹の美紀は、僕の妹の方の美紀子は「真樹」と妹の方の美紀子が同一人物ではないかと疑ったのであった。

そして僕の妹は僕の方を見ながら「どうして真樹が美樹と同一人物だと思われたのですか?」と質問してきたので、妹の方の美紀子が「美紀子」という名前でこの異世界にやってきたことから妹の方の美紀子と妹の美紀が「同じ人間だと思われても不思議ではない」と答えた。すると妹の方は、自分の事を美紀と呼んでくれたことで「私の事を信じてもらえましたよね。私は美紀ですよ」と言った。僕もそれに同意しながら「僕の恋人であった美咲がこの異世界にやってきていた場合、その恋人の僕の妹の美紀子がこの異世界に来ていても不思議ではないと僕は思う。そして妹も僕と同様に異世界転移の際に特別な力を与えられていた可能性もありそうだからね。」と言う。

僕は、妹の方は美咲を召喚したときの状況とかを知らないか尋ねてみると、妹の方は自分が召喚された時のことを詳しく話してくれたのである。僕と美咲の関係を知っている妹の方は美咲に好意を寄せていた妹が美咲を僕の元へ連れていったという経緯を説明する。そして妹は僕の妹の彩花のことを羨ましいという気持ちを伝えてくるので僕の妹には悪いけれども妹には僕より早く恋人ができていて良かったと思ってしまうのだけれど僕は妹の方は本当に美人だと思うのだけれどそれでもやはり妹の方の美咲の方が可愛いと思いなおしてしまうのだ。そして僕には双子の姉妹の妹がいるのだ。名前は彩夏といい今年高校1年生になるはずだ。もし妹の方の彩夏の失踪した姉の行方を捜しにいくことになれば、当然妹の方の美紀子とは敵対する可能性があるため僕の妹には悪いのだが、この異世界での失踪者の件には首を突っ込まない方が良いかもしれないとも思ってしまう自分もいる。なぜなら妹とその友人の真樹が異世界に来た時に所持していた「異界勇者の力(異界勇者の力)」の「勇者の力(能力スキルカード力スキルカード)」を僕は持っているからなのだ。つまり僕の妹は僕と同じく「異界勇者の力(異界勇者の力)」のカードの力を持っているため「異世界の勇者のカードの力(力スキルカード力スキルカード)」の力を使えば妹と妹の親友の2人よりも強いはずだからだ。

妹の方は妹の親友のまひるちゃんと一緒に「異界勇者の力(異界勇者の力)」の力を使いこなすための特訓をしているという。そこで妹が「僕にその「勇者の力(能力スキルカード力スキルカード)の力」を僕が持っていないかを確かめさせてくれないか」と妹に頼まれた。妹が僕の妹が持っているはずの異界勇者の力(能力)カードの力を確認したいという理由を聞き出したところ、妹の方の美紀子からもらったという「異界勇者の力」のカードの中には妹は僕の彼女である美紀の持っていた異界勇者の力が使えるようになる力が秘められているカードが存在するので妹はそのカードの能力を試してみたかったようだ。

僕達は妹の方の提案を受け入れて妹の方と妹の友人の真樹と3人で「この世界にいる僕の妹の美紀」を捜索することにした。僕の勇者の指輪の力の「能力カード(力スキルカード力スキルカード)」の異界勇者の「能力」を発動させると僕の手の上には僕の妹が

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勇者たちが世界救えと請願してくるので邪神から世界を救うため魔王退治に旅をします~ あずま悠紀 @berute00

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