第65話 安定期
辛かったつわりのピークは終わった。
まだ時々気持ち悪くはなるけど、大分マシになった。
ようやく安定期…お腹も目立つようになった。
さて夜の生活はというと…
ソフトなボディタッチのみとなっている。
性格なんだろうけど、旦那様の方が私以上に不安に思っているらしい。
私は恥ずかしながら少し物足りない。
こういう事は大事だから今度産婦人科の先生に相談しようと考えている。
・・・
産婦人科に行く日となった。
旦那様はいつも一緒に産婦人科に行ってくれる。
ただ今日は凄くソワソワしている。
当然だ。今日は子供の性別を聞こうと考えているからだ。
・・・
「はい。順調みたいですね。」
旦那様が緊張しながら
「先生…あ…あの…性別ってもう分かりますか?」
「100%じゃないんだけど…女の子だと思います。」
「!?そ、そうですか…そっか~!!」
旦那様は嬉しそうだった。私もだけど。
で、私は私で恥ずかしいけど聞きたい事を聞いた。
「あの…先生…夜の生活は…大丈夫ですよね?」
「はい。もう安定期ですし、
お腹が張っているときとか、体調がすぐれない時とかじゃなければ
大丈夫ですよ。
あ…あんまり激しいのはダメですし、衛生面で避妊はして下さいね。」
・・・
「そっか~…女の子か~~~!」
いつにもなく旦那様は嬉しそうだった。
「名前…考えないとね…」
「そうだな~…何が良いかな~…それに心配だな~…変な男が寄り付かない様に…」
「まだ産まれてもいないんだけど…(苦笑)」
本当に嬉しそうだ…けど…ちょっと喜びすぎじゃない?
子供が産まれるとお母さんは旦那さんをほっぽりだして子供に夢中って話も
聞いた事はあるけれども…家は逆になりそう…
今からこんな状態だから私の幼少期のような思いを子供にはさせないって意味では
凄くありがたいし、私も人一倍愛したいと思っているけど…
ちょっとジェラシー…せめて産まれる前くらいは私をもっと構って欲しいな…
私は旦那様の膝に手を添えながら
「ねえ…あなた…先生は激しくしなければ…大丈夫って言ったよ?」
「うん…そうだな…だが…激しいってどの位なんだ???」
確かにその定義は分からない…人それぞれの感覚もあるだろうし…
けど…相変らず難しい人だ…
「も~~~う…何か私だけが求めているみたいで…恥ずかしいじゃない!」
「いや…そんな事はないんだけどさ…」
「ふん…何だかんだで高校の時から私に惚れてたくせに!」
「そ、それを今言うか?
そんな事言うなら…沙優はどうだったんだよ?」
「私は…もう…同居して1ヵ月くらいには…
最初は少し警戒してたけど…あなたはそんな素振り全然見せなかったし…
優しくて、暖かくて、居心地が良くて
ふとしたことであなたは今何してるかなって考えるようになってて…
決定的だったのは…ユズハさんがあなたに抱きついたのを見た時…
それで初めてふわふわしていた自分の気持ちがはっきりと分かったの…」
「え?抱きついた時?見たのか?」
「うん…それで居たたまれなくなって公園に…」
「そうだったんだ…何かごめんな…」
「ううん。別にあなたが悪かったわけじゃない…単なる私の嫉妬だったし…」
「懐かしいな…あの後初めて沙優に本気で誘惑されて…
初めてお互いの心の内を曝け出したっけな…(苦笑)」
「そうだね…」
「沙優…大好きだよ…久しぶりに…良いか?」
「うん♡」
「ただ…絶対に無理するなよ?異変感じたらすぐに言うんだぞ?」
「分かった♡」
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