第56話 新婚旅行 2日目前半

初日から何がとは言わないが…うん…何か凄かった…

俺と沙優は寝坊をしてしまい、2日目のスケジュールに影響が出てしまった。

朝から電車に乗ってUSJに行くつもりが、

結局USJに着いたのはお昼近くになってしまった。


「も~~~う…あなたのせいだからね!」

「…正直…理性が吹っ飛びまして…記憶が曖昧で…そ、そんなに激しく?…」

「そ、そんなこと言わせないでよぉ……バカ♡」

沙優は赤面してぽかぽか叩いてきた。


あれ?散々挑発したのは沙優だって…

と少し理不尽さを抱きつつも俺は年上の懐の深さでいなした。


「昨日は舞妓姿の沙優があまりに魅力的だったから…

 ちょっと抑えが効かなかったんだ…ごめんな。」


「ほ…本当?

 …う、嬉しい…

 ……じゃなくて…じゃあ…許す…

 と、特別だよ?」


沙優は上目遣いで頬を膨らませて言った。


ちょっとめんどくさいけど…いちいち可愛いな…


「まあ…明日アーリパークインで早く入れるからさ、

 今日は乗り物よりも雰囲気を楽しもう。」


「うん♪」


やっと機嫌が直ったよ…


俺たちは比較的空いている乗り物を探しつつ、全体を探索した。

USJは世界観がとにかく凄かった。

本当に最近のテーマパークは良く出来ている。


特にハリーポッターの世界観は圧巻だった。

昼と夕方、夜と3回ほど森を抜けて街並みを探索したが

それぞれで違う印象となり、本当に映画の世界が現実になっている錯覚をした。


お城も圧巻でハリーポッタージャーニーも3回乗った。

最初は3Dの乗り物があんなに迫力あるとは思わず


「すっご~~~い!まるで異世界に来たみたい♪


 きゃあああ~~~谷に落ちる!え?本当に谷に落ちてるみたい

 どうなってるの?


 きゃあああ~~~何か死神みたいな変な怖いのが出てきた。

 あなた手を握って~~~!怖いよ~~~!」


沙優は喜んだり、驚いたり、怖がったり…本当に大興奮だった。


「私こういうテーマパークは、子供の時はほとんどなくて

 唯一修学旅行の時だけだったから…すっごく楽しい♪

 む~~~やっぱり私子供っぽい…

 でも…あなた…ありがとう♪」


「いや、ここは確かに凄いよ!」

かくいう俺も流石に興奮していた。


夕食もハリーポッターの世界観を演出した三本の箒で食事する事にした。

2000に店を予約したのだが、まだ少し時間がある。

お互いに化粧室に行ったが、男性の方が当然早いので

俺は少しブラブラして待っていた。


「あの~すみません。写真を撮って貰って良いですか?」

見ると2人組のOL風の女性に声を掛けられた。

そのうち一人は少し後藤さんに似ていた。


「あ、構いませんよ!」

「ガシャ!」

俺は写真を撮ってあげた。


「ありがとうございます。」

「あの…USJは良く来られるんですか?」

「いえ、初めてです。」

「私達も初めてなんですが、このハリーポッターの世界観は凄いですね。

 元々映画が好きだったので大興奮なんです。」

「確かに凄いですね。私もびっくりしました。」


興奮すると少し子供っぽくなる後藤さんと容姿だけでなく

雰囲気が似ている事もあって、俺は少しほっこりしてしまった。


そんなタイミングで沙優が登場。

「…ぎるてぃ!」






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