第55話 新婚旅行 1日目後半

日が暮れて来て、俺たちは今晩の宿に着いた。

早速夕飯の時間となり、俺たちは豪華な懐石料理を堪能した。


「ん~!流石高級旅館だね。

 奇麗で上品な色合いだけど、味も染みていて美味しい!

 この出汁巻き卵なんて口の中に入れた瞬間、味が爆発してるよ~♪」


沙優の嬉しそうな、たまらないと言いたげな顔が微笑ましく思い

俺は沙湯をじっと見つめていた。


「うん?もしかして……私のことも食べたいの?♡」


「そうじゃなくて…」

俺は恥ずかしくて、小さく俯くしかなかった。


・・・


美味しい食事を堪能した後、俺たちは客室露天風呂に入った。

お風呂に一緒に入るのは結婚してから度々あるが…何か今日はとても緊張する。


「ああ~気持ち良い♪」

沙優は先に身体を洗い終わり、お風呂でくつろいでいた。


俺はドキドキしながら、体を洗っていた。


「あっ、お背中お流ししますわ。旦那様♡」


そう言って沙優は俺の背後に座った。

そしてボディーソープを後ろから取るために手を伸ばすと

沙優の大きな膨らみが俺の背中を刺激した。


「……えへ、当たっちゃった♡」


寝床までに理性が崩壊するから本当これ以上やめて欲しい…


・・・


色々やられて何だか悔しい…

俺は兼ねてから考えていたささやかな復讐を決行した。


「沙優、いつもいつも耳掃除してくれてありがとな。

 たまには俺が耳掃除するよ。」


「え?…じ、自分でやっているから…だ、大丈夫だよ?」


ちょっと沙優は戸惑っている。

理由は分かっている。

実は沙優は少し耳が弱い。


「遠慮するなよ。愛する妻を今日は労りたいんだ。」


「ムーーー…そんな事言われると…仕方がない…

 苦しゅうない…よきに計らえ…

 あっ、でも本当に優しくやってね!」


ちょっと剥れた沙優を膝枕して、俺は優しく耳掃除を始める。


「あっ…あん…あっ…あっ…」

沙優は身悶えている。


俺は少し意地悪な顔をして、

「優しくやっているんだが、まだ強いか?」


「…うん…大丈夫…」

沙優は顔を赤らめて小声で答える。


大体掃除し終わった俺は最後に悪戯心が芽生え

耳たぶを甘噛みした。


「ひゃっ!ひゃぁ~~~ん♡」

自分でも想像しなかった声が出てしまったようで、

沙優は真っ赤になって口を手で覆っていた。


俺がしたり顔でニタニタしていると

沙優は少し頬を膨らませて


「も~う…甘噛みしないで。

 次やったら私の方が噛むからね? 

 がぶっといくからね?

 慈悲はないのだゾ?」


「分かった。悪かったよ。

 じゃあ今度は反対の耳な。」


ブツブツ小言を言いながらも沙優は素直に従った。

また優しく耳掃除…

「くっ…くふっ~…あっ…あん…」


またも沙優は身悶えていた。


甘噛みは怒られたから…俺は違う攻撃を仕掛けた。

「ふぅ~~~」と優しく息を吹きかけた。


沙優はその瞬間に身体をプルプルと振るわせて

「はうぅ…あ~~~、い…いやぁ~~~ん……」

大きな声を出して、少し涙ぐんでしまった。


やり過ぎた!少し気まずい感じがして謝った。

「すまん。調子に乗り過ぎた!」


沙優は目がとろーんとして、俺の頬に手を添えて…

「もう…ダメ…もう何されてもイヤって言わないから……」

 ………いっぱい、気持ちくして下さい♡」


あっ…ダメだこれ…俺の理性は崩壊した。










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