第57話 新婚旅行 2日目後半

沙優視点:


あ~~~楽しいな♪

何て夢のある世界観なんだろう!

何を見てもワクワクする!

愛しの旦那様に感謝しなくちゃね!


それにしても…昨晩は私からお願いしたのに…悪い事しちゃった。

だって変な事言うから引っ込みが…

よし…今日はたっぷり旦那様を甘やかしてあげよう♡


って考えていると旦那様を発見…

ん?女の人?

写真…かな?

まあこんな所だし写真くらい頼まれるよね…


ムーーー!何か少し後藤さん似てる?

何であんな楽しそうに談笑してるの??

ちょっと距離が近くない?

どういう事!?


・・・


「…ぎるてぃ!」

「へ?沙優!?」

むっすぃ~とあからさまに機嫌の悪い沙優に何故だが後ろめたさを感じる。


ただならぬ雰囲気を察してか

「写真ありがとうございましたー!」

女性組はそそくさと居なくなった。


・・・


とっても変な雰囲気の夕食…

俺は何やら背中に冷たい汗をかいている。


「いや…写真を撮ってと言われただけなんだが…(苦笑)」

「でも…何か後藤さんに似てた…何か…嬉しそうに見えた…(むっす~~)」


「そ、そんな事ははないぞ?確かに後藤さんに少し似ていたが…

 決して嬉しそうなどとは…」

「けっ、愛する妻が居ない間の束の間のアバンチュールは楽しかったですか?」


め、めんどくさいぞ…こいつ…(苦笑)


「今めんどくさいって思ったでしょ?」

ぎくっ!


沙優はワインをがぶ飲みした。


「そ、そんなにいっぺんに飲むと…」


ぎろっ!

俺は何も言えなくなった。


半ばヤケ酒をし、酔っぱらった沙優を支えながらホテルに戻った。


沙優はベッドで眠ってしまった。


はぁ…相変らず…お酒は弱いな…

早く機嫌も直さないと…

そう考えながら俺はシャワーを浴びた。


・・・


シャワーから戻ると沙優が起きていた。


「お、起きたのか?沙優?

 具合はどうだ?」


「ごめんね…何か…嫉妬しちゃったの…」


「愛する旦那様を……独り占めしたがる嫉妬深い妻はお嫌いですか?」

少し沙優は涙ぐんで言った。


「そ、そんな事はないぞ。嫉妬してくれて少し嬉しいし…」


「その…不可抗力とはいえ新婚旅行中に不愉快な思いをさせてしまい

 申し訳なかった。」


「うん…じゃ、じゃあ…仲直りの抱っこ…」


俺は沙優が愛おしくなり、抱っこして髪を撫でていた。

沙優も満足そうな顔をしつつ

「愛しい旦那様の匂い…気持ちが落ち着く…」


・・・


「私もシャワー…浴びてくるね♪」


どうやら機嫌は直ったようだ。


「一緒に入ろ?♡」


「いや、もう入ったし(苦笑)」


俺がそう言うと、沙優は再び俺に近づき

「はむ♡」


俺の首筋を甘噛みしてきた。


「く……っ!? いや甘噛みで誤魔化されはしな…」


「はむはむ」


「ぬうぅ!?」


悶絶する俺へ、再び顔を近づけてくる。


うるうると潤んだ瞳。

小首を傾げて、更に好意を滲ませた甘えた声で。


「お・ね・が・い♡」

ふっと耳に囁くように言われ…陥落した…

昨日も激しかったし、今日はゆっくりと休もう…と考えていたが…無理だった…










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