第33話 星空の下の告白 その1

あさみが帰り際に星空が良く見えるスポットを教えてくれた。

あいつこういう隠れスポット探すのが本当に得意だ。

少し遠出になるが、俺は沙優とその隠れスポットに向かった。


「うわぁ~~~、星がすっごい奇麗だね~~♪」

「東京で教えてもらった場所も良かったけど、

 仙台の方がもっと奇麗に見えるね~♪」

「ああ…本当にそうだな…圧巻だな。」


「ねえ吉田さん!レジャーシート持ってきたから寝そべろうよ!」

「そうだな!」


レジャーシートを広げて、俺と沙優は寝そべりながら満天の星空を眺めた。

ただ角度が違うだけでこんなにも感じ方が違うのか…

この星々から見れば…人間の悩みなんてちっぽけなものなんだろうな…

なぜかそう思えて…心が大きくなる。

星空の迫力に圧倒されて…俺たちは黙ってひたすら星を眺めた。


・・・


本当に気持ちが良い…

風が気持ちよく、程よい暖かさで少し眠気を誘う。

スゥースゥー…沙優は少しウトウトしているようだ。


俺は沙優をじっと眺めた。


こんな可愛くて美人で…

愛想もあって、性格が良くて…

料理も旨くて、掃除も洗濯も出来て、すっごく家庭的で…

胸も大きくて…スタイルも良くて…

こんな素敵な女の子が…

おじさんである俺の事を大好きって言ってくれる…

こんな奇跡があるのだろうか?…

こんな幸せがあるのだろうか?…


ふとそんな事を思った。


気づいたら、沙優は目をパチッと開けていて、なぜか顔が真っ赤になっている。

「吉田さん…その…自分で気づいていないのかもしれないけど…

 多分心の中で喋っているつもりの言葉…全部実際は呟いていて聞こえてるから…」

「え!?」

俺は顔が熱くなるのを感じた。


沙優はクスクス笑いながら

「大分前からそうだったよ?

 恥ずかしいだろうからこれまでずっと聞こえてないフリしてたんだけど…

 今日の告白は強烈すぎて…隠しきれなかった…ごめんね♡」


・・・


「…ありがとう…そう言ってくれるのは…嬉しいんだけどさ…」

沙優は申し訳なさそうな顔をして

「あのさ…もう謝るなって以前に何度も言われたけど…ごめんね?」


「!?何の事?」


「吉田さん…すっごくピュアだから…初めてって大事かなって…

 前々から思っていて…

 その…私…純潔じゃなかったから…

 一番大切な人に…一番大事なもの…捧げられないから…

 過去の話とはいえ…

 やっぱりどこかで吉田さん…思う所あるのかなって…」


「…勿論…複雑な想いがないとは言わない…正直、嫉妬はするよ?…

 けどそういう意味では俺だって、沙優が初めてじゃない…」


「うん…女子会の時に神田さんから聞いたよ。」

(第1章7話 秘密の女子会 その2参照)


「え?…あの人は…何て状況で告白するんだ…はぁ…」

俺は頭を抱えた。


「で、それを聞いて、純粋に沙優はどう思った?」


「正直…嫉妬した!すっごく嫉妬した!

 羨ましいし…切ないし…胸がズキズキした。

 でも知り合う前の話だし…仕方ない事だとは思ってる。」


「うん。…俺も同じだよ…

 だから謝る必要はないと言ったんだよ?」


「勿論…仕方のない事だと頭では理解していても…

 心がついていくかは別話なんだが…

 そういう時は頭を切り替えて、考え方を変えるんだ。」


「考え方を変える?」


「沙優は…その…俺に…抱っことか…膝枕とか…してくれるだろう?」


「うん…」


俺は少し緊張しながら

「それって…俺以外の男に…その…した事…あるか?」


「ない!ないよ!吉田さんだけだよ。吉田さんが初めてだよ!」


俺は少しほっとした顔で

「うん。ありがとう。嬉しいよ。」


吉田は少し恥ずかしながら

「何が言いたいかと言うと…沙優の初めて…俺は色々貰ってるんだよ?

 初めて…膝枕してもらったとか…抱っこしてもらったとか…

 それこそ初めて男の人とパフェを一緒に食べたとか…

 そういう些細な初めても含めて…俺は沙優から色々初めてを貰っている

 そう考えると…ちょっとスッキリするというか…嬉しいっていうか…」


「うん…うん…そうだね!とっても素敵な考え方だね♪」


「そう考えると…私…もっともっと吉田さんに初めてを捧げられるよ♪

 嬉しい…嬉しいな♪」

沙優は少し涙ぐみながらも満面の笑みを浮かべた。


「あと…俺…沙優の笑顔が本当に大好きなんだ!」


「…うん!うん♡(ニコッ)」

沙優は、俺に抱きついた。


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来週GW前で仕事が立て込み、GWまで更新が出来なくなる可能性が高いです。

なので本日中にこの続き書ければと思ってます。

私の創作意欲を高めるためにも ☆や♡評価 や 感想 を

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