第29話 プチ嫉妬

引っ越し2日目(日曜日)…軽食を済ませてからスーパーマーケットに行った。

「わぁ~~~、結構品揃い良いね~~!それに安い!」

「豚バラと豆腐とレタスとトマトと・・・」

沙優はしっかり値段を見ながらどんどんと食材を入れていく。


吉田はもっぱらお酒類を爆買い。

「沙優、甘いカクテル系なら飲むか?」


沙優は上目遣いで吉田をじっと見つめて

「…私を酔わせてどうするつもり?」


「どうもしないし(苦笑)」


・・・


「お互い、いっぱい買ったな~」

「うん。今日からご飯は期待してね♪」

「おう!」


・・・


家に帰ってから、荷解きしつつ段ボールの数を減らしていく。


・・・


「ふぅ~大した量じゃないのにな…疲れたな~~」

「ぷっ、おじさんだな~~(笑)」

「うるせぇ…」

「しょーがない、じゃあそんな可哀そうなおじさんの為に

 美味しい晩御飯作っちゃおうかな~♪」

「おう。」


プルルルル~不意に吉田のスマホが鳴った。


「もしもし」

「あっ、先輩?仙台どうですか?」

「おう。三島か、まあ奇麗な街並みだな。」

「むむ、ユズハさんか…」


・・・


晩御飯が大体できた。

「じゃあ。」

「おう。」

さて、飯を…プルルルル~更に吉田のスマホが鳴った。


「もしもし」

「吉田君、仙台はどう?」

「ご、後藤さん。はい。良い所ですね。」

「むぅぅ~~~、後藤さん?ん~~」


・・・


「後ついでに仕事の引継ぎの件でも聞いておきたいんだけど…」

「はい。その案件は渡辺に引き継いでますよ。」

「むぅぅ~~~、仕事の話なら仕方ないか…」


・・・


「では失礼します。」

「さて…すまん。沙優。晩御飯食べようか」


プルルルル~またしても吉田のスマホが鳴った。

沙優は目がギラついた。

「よう。吉田。仙台どうだい?」

「か、神田先輩、いや良い町ですね。」

「私はつい最近まで住んでたから良い店教えてあげるよ。」

「それは助かります。教えて下さい。」

「むぅぅ~~~、神田さん?」


吉田は沙優に連れて行くお洒落な店の情報が得られてニコニコ話している。

「むぅぅ~~~、何ニコニコしてるのよ~~~!」

そんな事はつゆしらない沙優の頬はどんどん膨らんでいく。


「では失礼します。」

「すまん。沙優…あれ?」

振り向くと沙優はおらず、寝室で布団に包まっていた。


「遅ぉいぃぃぃ…(むっす~~~)」

「晩御飯、冷めちゃったんですけど…(むっすむす~~~)」


「す、すまない。」


「けっ、私との晩御飯よりも女の子との電話ってわけね…」

「楽しかったですか?」


「い、いや…その代わり沙優と一緒に行くための良い店を教えてもらって…」


「抱っこ!」

「へ?」

「抱っこ!!抱っこしてくれないと許さない!」


「全く…」

俺は頭をかきながら、沙優を優しく抱きしめた。

沙優は俺の胸に顔をぐりぐりさせている。


俺は沙優の頭を優しくなでながら…

「ごめんな。」

「私もごめんね。私かなり嫉妬深いの…

 吉田さんを独り占めしたいの…

 機嫌が悪い時はギューって抱きしめてね…」


・・・


「う~~~ん…吉田さんの匂い~~~♪」

沙優はようやく機嫌が直った。

「じゃあ、晩御飯温めなおしますか!」

沙優は台所に向かおうとしたが、床に滑って転びそうになった。

俺は慌てて抱きしめたが勢いで「ムニュ」…おっぱいを触ってしまった。


「わ、悪い…わざとじゃないんだ!」


沙優は顔を真っ赤にしているがむしろ少し嬉しそう。

「吉田さんなら…いつでも…良いんだよ?」


俺も顔が真っ赤になった。


「実はね…2年間お風呂でいつもマッサージしてたの♡

 まだ高校生だったし成長するかな~って♪

 おっぱい大きい方が…吉田さん喜ぶかな~って♪」


俺は更に顔が真っ赤になった。


「そしたら…バストアップして…Gカップになったんだよ♪」

 後藤さんには勝てないんだけど…嬉しい?」

「な!Gカップ~!?確かにデカかったが…」思わず大声を上げてしまった。


沙優はいたずらっぽい笑みを浮かべて、近づいてそっと耳元で

「まだ成長する気がしていて…

 吉田さんがもっと揉んでくれたら…Hカップになるかもよ?

 協力してね♪♡」



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