第20話 信頼

初日以来特定の人と少しは喋るけど、ほとんどの人とは関りがない…

そんな状態が続いていた。

吉田さんは私に普通の高校生活を送って欲しいって

色々手伝ってくれたんだから私ももっと努力しなくちゃ…


「そうだな~…ちょっとベタだけど…例えば困っている人がいたら積極的に助けてあげるって言うのはどう?」

あさみとはそんな話をしていた。

沙優は、勇気を出してそれを実践することにした。


「あ~、私、部活が…掃除早く終わらせないとまずいな~」

「あの…さ…良かったら私がゴミ捨ててこようか?」

沙優は勇気を出して声をかけた。

「え?荻原さん!?良いの?ありがとう。」

特に喋ったことはなかったが、本当に助かったのか素直に感謝を示してきた。


・・・


「ああ~、筆記用具忘れた~」

「あの…良かったら…これ使って」

「え?荻原さん!?…ありがとう。助かるわ~」


沙優は勇気をだして、地道にクラスメートが困った時に助ける

そんな日々を過ごしていた。

そんな沙優の姿に、次第に心を開くクラスメートも増えていた。


・・・


体育祭の日がやってきた。


クラスの点数は1位のクラスに対して逆転可能な点数。

最後の種目は綱引きだった。

後藤は気合いを入れて皆を鼓舞した。

「俺達は強い!皆で協力して絶対に逆転して勝つぞ!

 行くぞ、皆 気合を入れろ! 1・2・3 ・・・ ダーーー(信者)」


沙優は、その勢いに引き込まれて思わず・・・

「ダーーー!」(沙優だけ)


…あれ?…

「え?何で皆んな言わないの!?」


『『 ぷっ・・・ふふ・・・アハハハハハハ!!』』クラス全員(後藤以外)


「あ~~~可笑しい!あれはね。後藤君のいつものプレイなの!お約束なの!

 誰も反応しないのよ?後藤君のプレイに反応する人…初めて見た!(爆笑)」

美穂はお腹を抱えながら教えてくれた。


沙優は恥ずかしくて顔が真っ赤になった。


「クールな美少女の沙優が・・・ダーーーって・・・アハハハ

 ・・・ギャップが凄くて・・・ごめん!耐えられない!」

さくらも大爆笑である。


「いやいや…むしろ荻原の反応が正しいんだ!

 付き合ってくれてありがとう。荻原。嬉しいよ!

 むしろ何で皆いつも無視するんだよ!」

通常運転で空回りする後藤


他の女子グループも沙優に近づき

「荻原さんって見た目と違って随分お茶目なのね(笑)今日一緒にお昼食べない?」

「え…は、はい」

「普段クールな荻原さんがこんな真っ赤になるなんて…可愛いね~」

「そ、そんな…」

「ねぇ…これからは荻原さんじゃなくて、沙優ちゃんって呼んでよい?

 もう今度からそう呼びたい。」

美穂は涙ぐんで笑いながら言った。

「良いけど…」

沙優は嬉しさよりも恥ずかしさの方が勝っていてちょっと顔を膨らませて答えた。

『『 可愛い~~~!!! 』』


男子グループも遠巻きで

「荻原って何か近づき難い感じがしたけど…なんか良いよな!」

「いつも困っている人いるを助けてくれるし、気が利くよな!」

「そもそも荻原って…めちゃくちゃ美人だし…プロポーション抜群だし…」

「おいおいおい…ぶっちゃけたな!実は俺も前から良いなって…」

「知ってるか?荻原あの喫茶店でバイトしてるんだぜ?

 俺窓からそっと覗いた事あるんだけど…めちゃくちゃ可愛いんだぜ?

 荻原のウエイトレス姿…俺も通おうかなって…」

「…そう思うと…何かラッキーだな。俺たち…」


沙優は恥ずかしい思いをしつつも…クラスの雰囲気が一気に和らいだ事を感じた。

初めてクラスの一員になれた感覚…

いつも自分で勝手に壁を作っていたけど…実はこんなに簡単に壊せるんだ…

初めての感覚に沙優は戸惑いと嬉しさを感じた…

私…学校生活少しは楽しめるかも…


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第二章はPVが1000になってから本格的に執筆します。

と思ったのですが、せめて少し笑える話で止めた方が良いと感じたので+2話分

だけ追加して公開しました。


この後の話の続きは、PVや応援や評価のご協力お願いします。

自分自身のモチベーションのためにも。

完全オリジナルなのでこの先はかなりモチベーションがないと中々アイデアが出にくいのです。。。(言い訳)

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