第8話 秘密の女子会 その3
想像を遥かに超えるぶっちゃけ話で盛り上がりすっかり深夜になっていた。
「もうここまできたら…自分たちの女子力を冷静に分析して採点し合いません?
先輩に本当にふさわしかった人は誰なのか?
客観的に知るのも大事だと思うんです。
今後に向けて自分自身を知るという意味でも意義があるし」
三島が鋭い眼光で言い放った。
「…そうね…悪くないかもね…」
「面白い!ある意味勝負じゃない」
「やりましょう!」
後藤、神田、沙優も同調した。
「では同意が得られたということで、司会は私三島が進行しますね。」
「まず…先輩はピュアといっても所詮は男です。
容姿も凄く興味がある所でしょう。そこから比べて見ましょうか。」
「容姿か…客観的にみて、私も後藤さんも、三島さんも会社じゃ相当人気高いよ?
更に沙優ちゃんも可愛いし美人なのは明白だし…
容姿は甲乙つけがたいんじゃない?」
「そうね…そこは自分たちでも自信を持っても良いかもね♪」
「それと…言いたくないですが…先輩巨乳好きですよね
うっ…それについては圧倒的な不利感が否めない…」
「胸は…もう後藤さんの圧勝ですね~、吉田もノックアウトでしょうね。
そりゃ勝てないわ。」
後藤は少し得意げな顔をしていた。
「それ実際にいくつなんですか?」
「Iカップよ」
『『 くっ!化け物め 』』3人は同調した。
「神田さんも沙優ちゃんも十分大きいと思うけど?」
後藤は余裕の返しである。
「私も吉田に揉まれていたときよりも1サイズ大きくなったんだけどな~」
『『 くっ!実際に揉まれた経験は神田さんだけ… 』』
神田は一人吉田と経験しているというアドバンテージを誇張した。
「あとは…年齢…ですかね…
吉田さんは、どうも年上が好きみたいだから…悔しいけど
後藤さんと神田さんが有利だな…と。
私はあまりに差がありすぎて…同棲してた時はガキ扱いだったし…一番不利…」
沙優は少し膨れて言った。
「ただ今はそうだけど…年を取った時は
やっぱり若い子が一番って考えるものじゃない?男の人って…
そう考えると…沙優ちゃんが一番有利とも言えるわね…」
後藤は困った顔で言った。
「ただ…先輩はピュアだから年とっても目移りしないんじゃないです?」
「そうだったら…嬉しいな♪」
と後藤は恥ずかしそうに答えた。
「では次のテーマ、家庭的かどうかです。
先輩はどうも家庭的な女性を求めている節が考えられます。
その辺皆さんはどう考えていますか?」
「う~ん…少なくとも料理とかそういうのは上手い方が有利な感じがするな~」
と神田は応えた。
「仕事面ではどうなんでしょうね?男の人ってプライドが高い生き物だから…
付き合う女性に対して自分の能力が低いと自信をなくすというか…
そういうのはどうでしょうかね?」
三島は難しい顔をして言った。
「そこは…それほど気にしてないと思いたいけど…
もし気にしていたら一番不利になるのは私なのよね~」
後藤はため息をついた。
「まあ仕事面は何とも言えないから、一番分かることで勝負しましょうか。
幸いキッチンはあるし、最もシンプル且つ料理の腕が分かる
オムレツで勝負しましょうか?」
三島はハキハキした顔で提案した。
「え!?い、今から…作るの???」
後藤は激しく動揺した。
「私も苦手だな~」
神田も眉を潜めた。
「じゃあ私から作りま~す。」
ジューーー、「よっと…こんな感じですかね」
三島は手際よく作った。
ジューーー、「シンプルな分、技量試されて難しんだよね~」
少し不格好だが、神田も作った。
ジューーー、「ほっ。ど、どうだろう」
沙優は手慣れた手つきで上手に作った。
ジャーーー焦げ焦げ・・・「くっ」
後藤は・・・ただ一人原型を留めていなかった。
「…いや…私も料理は得意じゃないけど…こ、これは…」
流石の神田も苦笑い。
「今まで仕事一筋だったんですね~、
これちょっとした小学生よりも酷いですよ~」
三島も苦笑い。
「完璧に見える後藤さんにも意外な欠点があったんですね…」
沙優もびっくりしていた。
「うぅ~…自分でも酷すぎる…」
後藤は完全敗北した。
後藤のはどうしようもないので、神田、三島、沙優のオムレツを皆で試食した。
『『ん~~~、
神田さんは見た目もう少し。
三島さんは見た目良いけどちょっと塩が多いね。
沙優ちゃんは…う、嘘でしょう!!
ちょっとしたレストランよりも旨いんだけど。』』
「沙優ちゃん来てから何か先輩顔色良くなって、定時帰りばかりになったけど…
これは本当に沙優ちゃんの料理が美味しくて食べたくて
急いで帰ってたんじゃないですか?」
「こんなに美味しいならば帰りたくもなるわね~」
「いや~、これは負けたわ。吉田ノックアウトだよ。
吉田の胃袋完全に掴んだね。」
「あ、ありがとうございます」
沙優は真っ赤になって答えた。
「少なくとも後藤さんはどうであれ、料理の腕磨いた方が良いですよ?将来的にも」
三島はジト目で言った。
「うぅ~…はい…精進します」
後輩からダメ出しをされて後藤は完全に凹んだ。
「性格はどうなんですかね~」
「私は…実は匂いフェチで…他の女性の匂いに敏感っていうのもあり…
ヤキモチ焼きです。」
『『そんなの皆同じだよ~』』
「私は余裕あるように見えるのかもしれないけど…
最初吉田君を自分で振った時に…
その振った翌日に、三島さんと吉田君が仲良く話してるのを見て
ムッとしちゃったもん。
私の事を好きって言った癖に若い子にニコニコしちゃってって…」
「後藤さん、そんなこと思ってたんですか!?
私だって先輩と後藤さんが話している時に、
先輩が顔を赤らめて緊張して話しているの見て私と話す時と全然違うって
嫉妬してたんですよ?
沙優ちゃんともそうだよ?
あのカラオケで匿っていて、先輩が迎えに来てくれた時の表情…
全然私が見たことのない表情していて…
あの後悔しくてカラオケボックスで泣いたし…」
「そ、そうなんですか?
じゃあ私もぶっちゃけると…ユズハさんと初めてお会いした日、
実は吉田さんとユズハさんがデートの帰りに抱きついてたの見ちゃったんです。
その時は…吉田さんに恋人ができたら…私は捨てられちゃうな~とか
私じゃない人とは…セックスするのかな~とか
そんなことを考えていた時でそれであの抱きついている場面を見てしまって…
公園で泣いちゃったんです。自分の事棚に上げて…私嫉妬してたんです。」
「ちょっと、三島さんそんなことしてたの?」
「良いじゃないですか。抱きつくくらい!私だって先輩好きだったんだし。」
「後藤さんにもですよ?食事してきて何か浮かない顔している時もあって、
悔しいからハグしたり、
神田さんと再会した時も物思いに受けて心あらずで食事して…
凄く嫉妬しました。」
「まあ皆の気持ちは分かるよ。
吉田は無意識・無自覚に誰にでも優しくする悪い癖があるからね…
私だけは特別って感覚が吉田には決定的に足りないんだよな~」
『『 はぁ~~~ 』』
全員溜息をついて、笑ってしまった。
「というわけで、容姿・性格・家庭的な要素…そう言った事を総合的に評価すると…悔しいけど、沙優ちゃんはかなり先輩の理想に近いんじゃない?」
「うん…悔しいけど…沙優ちゃんの女子力の高さは認めざるを得ないわ。」
後藤はちょっと涙ぐんで
「…頑張ってね…」
神田は
「色々な人に無意識に優しくしちゃう癖があるから、嫉妬も色々あるだろうけど…
頑張ってね」
予想外の応援に沙優は涙ぐんで
「あ、ありがとうございます。頑張ります。」
あれこれと取り留めない話をして沙優は、色々な感情が入り混じりながらも
あさみ以外とここまでぶっちゃけた話をしたことがなかったので楽しく時間を過ごす事が出来た。
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