-Winter 後編-タイムリミット、温もり、本当の気持ち-11

 -帰宅後


 夜ご飯を済ませた俺たちは、各々でお風呂に入り、翼がお風呂に入っている間に、以前のように泊まる用の布団を敷き、家着を…あ、翼に渡すの忘れてた…


 俺は、脱衣所まで向かい…

「…翼〜?ここに家着……」


 俺は、持っていた家着を落としてしまった…だって、俺の目に映ったのは…お風呂場の扉にボヤけた翼のシルエット…


 俺は、一気に恥ずかしくなってしまい、気持ちも…そして股間もむず痒くなってしまった…


(や、やばいっ!///これは…だ、だめだっ!)


 シャワーの音で、俺の声は届いていないようだ…俺は、翼に声をかけられず、そのまま家着を翼の脱ぎ捨てた服の上にそっと…置いたんだけれど…またそこで目に付いてしまったのが…


(…つ、翼の…ぱ、ぱぱっ?!パンツ?!)


 もう…変な事しか考えつかない俺は、理性を保つため、逃げるように脱衣場を後にしたんだ。


(も、もももも、もうっ!!///お、俺の…ばかっ!!///)


 -少しして

 お風呂から上がった翼が、寝室にやってきて用意した布団へと身体を忍び込ませる。


 俺も、隣で横になっていたんだけれど…もう色んな意味で…気持ちが落ち着かなくて…


「…傑…?」


「…んっひゃあい!」


 俺は一体、なんと言いたかったのだろう…

 多分…はい!って言いたかったんだろうに、緊張しすぎて変な言葉が連なっていたんだ。


「…ははっ!なにそれっ!…でも、そんな傑も可愛いよ?」


 そんな事を言われると恥ずかしくて…でも、もの凄く嬉しくて…俺は、モジモジしながら翼に背中を向けて、なんとか恥ずかしさを隠していたんだ…


「…ねぇ、傑…?」


「な、なにぃ…?!///」


「…そっち、行っていいかい?」


「…っ…?!////」


 恥ずかしさのあまり、声が出ない…そんな俺に同意なんか得ずに、翼の身体が俺の背中に当たって…俺は、後ろから優しく抱擁されたんだ…


 その瞬間…《あの時》の事を思い出した…

 あの時の抱擁はどこか切なく、悲しみを帯びていた…

 でも…今感じる、翼からの抱擁は…とても温かく…安心と本当の愛を感じる…


 そうだ、俺がずっとずっと、求めていた…正真正銘の愛の温もり…


「…翼、あ、温かい…」


「…うん…俺もすごく温かいよ…?」


 やっとたどり着いた本当の愛に…俺らは、お互い、満足が行くまで愛を求めあったんだ…


 翼…?俺を引き取ってくれてありがとう…

 本当に…心からあなたを愛してるよ…

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