第2話 咳は惜しみなく奪う…
「結核かも知れん」
結核…。
結核と聞いて、まず頭に浮かんだのが「隔離」
それこそ、有無を言わさずこのまま、連行される…。
そうなったら、パソコンが大変なことになる。メール(ほとんどは楽天から)がパンクするのでは等々。
私は家でしかネットはやらない。デスクトップパソコンと予備のノートパソコンを持っている。未だにガラケーを使っている。それと、ガラケーが使えなくなると言うのもウソ。3Gが使えなくなるのであって、スマホでも3G 仕様だと使えなくなる。それが、誤ってガラケーすべてが使えなくなると広まってしまった。とは言っても、自分のガラケーが 3G仕様かどうかも知らないけど、まだ、先の話、何より、例えスマホにしても、あんな小さな画面で動画を見たり、ゲームはやらない。とにかく、私は家のデスクトップでしかネットはやらない、やりたくない。
いやあぁぁ!!
そんなことより、結核だったらどうしよう。
どうしようたって、どうすることも出来ない。
入院したのが火曜日。痰を培養するので、結果が出るのは数日かかる…。
そして、始まった監禁生活。
「洗面とトイレ以外は部屋から出ないで下さい。他の患者とは接触しないように」
結核疑いだけで、これなのだ。部屋から出られないだなんて、刑務所でも運動の時間はあると言うのに、これでは足が弱ってしまう。
その間にも、咳は容赦なく襲って来る。私のあまりの咳のひどさに通りかかった看護師が部屋に入って来る。
「息苦しくないですか」
「息苦しいのではなくて、咳が苦しいだけ」
入院前にクリニックでもらったシロップを飲めば、咳が落ち着き安堵したものだが、なぜかすぐに効かなくなった。
「薬言うて、そんなもんよ」
と、医師は事も無げに言う。最初は体も反応するが、すぐに慣れてしまうようだ。
何より、辛いのが夜、寝ようとして横になれば、体が
それは背中に座布団を当て、頭を低くして寝るといいと言うものだった。そこで、看護師にクッションを持って来てもらった。病院にはいいクッションがある。固くもなく柔らかくもなく、それを背中に当て、枕をせずに寝てみた。
これは眠れた。これで、夜は眠れるようになったが、それでも、これも体が慣れて来るようだ。咳き込むこともあるが、それでも、この方法が一番効果があった。ただ、昼間からこれをやると、うっかり寝てしまう。これでは夜が寝られなくなる。
詰まるところ、咳とは体の拒否反応であるからして、咳の特効薬など無く、どうしようもないものである。
それより、結核…。
それより、今の咳。
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