第21話 ポケットの光

ポケットがポッと光った。


それは今朝拾った光だった。


そっと取り出してみると、それは優しくホンノリと光った。


すると小さな星の光がやって来た。


「この前はありがとう」

「あ、君は迷子の星の子だね」

「おかげでお家に帰れたよ」

「よかったぁ」


「その光、ほんわかしてて優しいね」

「うん、今朝拾った光なんだ」

「そっか。ちょっとみてもいい?」

「うん。いいよ」


星の子どもは、光を透かしてみました。

「今日はとっても歩いたんだね」

「え、うん。よくわかったね」

「この光に全部映ってたよ」

「本当に」


私は光を透かしてみました。

朝の光、町、木洩れ日、休憩、あくび、草花のお土産、天空、夕焼け、星空。

みんなみんな、光に映っていました。


「楽しかったな」

「よかったぁ」

私は星の子どもと笑いあいました。


「ね、帰れるかな?」

「お家に帰るんだね?」

「うん」

「ちょっと待ってね」

星の子どもは、キラキラキラリと光りました。

すると、風が吹いたようでした。

あ、あの今朝遊んでた風です。

「さあ、行こうか」

「ありがとう」

「ありがとう」

「ありがとう」


そうして、私は星空の世界から、お家に帰りました。


また、行きたいな。


世界中を歩きに、ね。

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歩く よねちゃんなのね @yonechantokakuyo

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