第6話

〈金曜日〉

 ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。

 レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。

 ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。

 レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。

 ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。

 レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。

 ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。

 レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。

 ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。

 レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。

 …………退屈だ。晴れの日はつまらない。昨日ゲームだけでも持って来るべきだったと後悔し、人間観察を新たな趣味にしようか悩み中。教師目線では共に問題児のわたしと日比谷が万年欠席となり、教室ではわたしを湾曲した瞼縁で眺めていた有象無象が平和的に過ごす。彼ら彼女らにはどんな疚しい秘密を抱えているのだろうと動線辿りに精を出す。

「新しい資材を探しに行くわ」ふとわたしの隣を立った先輩はみすぼらしい風景に建築家としての血が騒いだようで、「別にこのままで良いんじゃないですか」横槍を入れると「いつ誰に襲われるか分からないでしょう」「襲う人限られると思いますけど」議論の結果わたしが折れて見送ることとなった。

 暫くして視界に捉えた先輩は見覚えある鉄骨状の物を引っ提げていた。

「また変な物拾ってきて」

 不満を上げた途端、背中に既体験の快感が進入してきた。振り返る動作がまた白々しいけど、そこには日比谷マリ。連続で気が至らないのは陸上部育ちの反射神経によるものかね。

「先輩!」

 急いで先輩の手を掴んだけれど、意識が別れを欲する勢いは押し止められなかった。昨日日比谷は道連れであってもわたしを消滅させる為に死んだ訳だ。そこまでわたしの存在を憎んでいた、あるいは憎むようになったのか。協力者の前で死んだとしたら最期に何と言ったのだろう。辛くて消えたいから、それとも実葉をどうしても消したいから?口の開いた先輩は刃を突く日比谷から距離を置いて手を振り、静かにわたしを見送る。

「お姉ちゃんによろしく」

 最後に届いた言葉はこれで正しかっただろうか。

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