第2話
〈月曜日〉
ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。
レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。
ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。
レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。
ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。
レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。
ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。
レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。
ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。ハ。
レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。レ。
教室からは念願叶って日比谷の姿が消え、昨日の件は夢遊体験ではなかった。「日比谷さん今日居ない?欠席の連絡来てないんだけどなぁ」能天気な担任がぼやく内容に補足を加える人間は一人も居らず、ニュースや噂はまだ届いていないことから遺体は未発見であると想像された。中心核が消滅すれば周りの脇役達は威勢を弱めるどころか、わたしに話し掛けてくる者まで現れたけど特段取り合わず自分の世界を過ごした。障害さえ消え失せれば人生悪くないかもしれないねと希望が降って来る。
しかし外は昨日と打って変わって天気が悪い。日傘は邪道、紫外線対策などしなくて良いと考えるわたしカラカラ模様の鬱陶しさから自宅へ直行しようか迷いながら、今日も隣町の公園に行ってみることにした。温かみある視線を注ぐお天道様に気持ち悪いとまでは言わないけど、どうにも体質に合わないね。認めてあげないと陽気者共に怒られちゃうかな。
犯人が現場に戻るのは通常なら悪手だろうが何の罪も無いわたしは堂々と街を歩く。公園に着くと段ボールは変わらず元気に過ごしており、わたしが第一発見者になるのも悪くはないかと思い付いた。ふと水道の飲み口を小学生のように塞いで散水すれば一時的に雨女が降下し、直後手を繋げば晴天ながらデート出来るかもしれないと思ったけど、その実験は年齢を自覚して中止した。
下らない思考の中開けた箱には解体された日比谷が居なかった。あれぇ、中身だけ無くなっている。可笑しいな、昨日雨女はきちんと梱包してから復帰したはずなのに。近所のその筋の人が勝手に持ち帰ってしまったのかい。それに血痕さえ残らず古紙回収には問題無い程の綺麗な状態だ。これを含めて幻想だとしたら相当凝った物語に巻き込まれており、わたしの手には負えない。負えないし、これ以上証拠品に顔を覗かせるのは不自然だろうと一歩離れた。日比谷が消えたのは事実だから下手な詮索に労力を使う必要は無いか。家で昨日のヒロイン攻略の続きに挑もうと公園の出口へ向かう。
突然包丁が脇腹に刺さった。感じたことの無い痛みに遠くなる意識で踏ん張り、何とか振り返ってみれば、日比谷マリが晴れやかに立っていた。
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